GJ英仏百年戦争(リプレイ前編)
前回の紹介に引き続き、英仏百年戦争を実際にプレイしたので報告する。
なお、プレイは今回初めてで何の準備もしていないことを先に断っておく。ルールを間違ってプレイしている可能性もあるので、このゲームの魅力・真実の一側面を表しているだけであり、全てでないことを了承されたい。
興味ある諸氏は実際にプレイすることを勧める。
今回のプレイは筆者(英軍)とK氏(仏軍)でプレイされた。陣営の選択はK氏の強制的な希望を受け入れた。プレイでは中立武将の史実に沿った所属以外の特別ルールは全て適用した。なお、両名ともサブテキストを読み、映画ジャンヌダルクを見たぐらいで史実には暗い。
ルールの指示により両プレーヤーは以下の武将を受け取りマップに配置する。
英軍:プランタジネット朝エドワード3世、鉄人(ジョン・チャンドス)
仏軍:ヴァロア朝フィリップ6世、フランドル伯(ルイ・ド・ダンピエール)
中立:ガン大町人(ヤコプ・ファン・アルテフェルデ)、ブロア伯
中立武将は普通なら主導権を取れなかった側がどちらを自軍にするか優先的に決められるが、初期配置の2人はダイスの目が大きい方が先に選択することになっている。結果以下のようになった。
ヤコブ・ファン・アルテフェルデは英軍側へ、ブロア伯は仏軍側へ。
どのような書き方がベストかわからないのでとりあえずターンごとに移動と戦闘を時系列ごとに並べ、英軍プレーヤーのコメントとそのターンの優位をまとめてある。
-1ターン-
英軍が主導権5
移動:
パスの応酬後
英軍:鉄人はピカデリーへ。
仏軍:フランドル伯はシャンパーニュへ
1ターンは使用できる武将が少なく、まず土地の支配を優先することから両軍共に戦闘は発生しなかった。いきなり主導権数が大きいので使い切れなかった。英仏軍ともに連続した支配地域群を狙ったが、各々支配チェックに失敗した。しかも英側は次ターンから係争の地となるであろうフランドルの武将ヤコブ・ファン・アルテフェルデが病死してしまったのは痛い。鉄人はアキテーヌへ送るべきであったようだ。
点差:英軍+1
-2ターン-
このターンは中立の援軍が1ターンと2ターンが入れ替わってしまっている。
英軍が主導権4
移動:
仏軍:善良王→ピカデリー
英軍:悪人王→ガスコーニュ→アキテーヌ→ブルターニュ
仏軍:フランドル伯→フランドル
仏軍:スチュワート朝ロバート2世→イングランド
戦闘:イングランド:プランタジネット朝エドワード3世VSスチュワート朝ロバート2世
英軍勝利、ロバート2世を捕虜とする。
ブルターニュ:悪人王VSブロア伯→英軍勝利、ブロア伯隣国へ退却
ピカデリー:鉄人VS善良王→仏軍勝利、鉄人隣国へ退却
仏軍の攻勢であったが、戦闘にはピカデリー以外では勝利を収めた。仏軍は沿岸地区に勢力を浸透させたようだ。幸い捕虜交換にてピカデリーとリュクサンブールは中立となった。表面上は英軍優位であるが勢力的にはかなり差があるように感じる。
点差:英軍+3
-3ターン-
英軍が主導権5
移動:
英軍:黒太子→リムーザン→ベリー→オルレアン
仏軍:ブルース朝デイヴィッド2世→イングランド
英軍:クラレンス公→スコットランド
仏軍:善良王→イングランド
英軍:悪人王→アンジュー
仏軍:賢明王→ノルマンディ
仏軍:オルレアン公→イル・ド・フランス
戦闘:
スコットランド:クラレンス公VSスチュアート朝ロバート2世→英軍勝利、ロバート2世敗走
アンジュー:悪人王VSブロア伯→英軍勝利、ブロア伯敗走
ノルマンディ:ランカスター公グロスモントVS賢明王→ランカスター公籠城による英軍勝利
イングランド:鉄人、ランカスター公ゴーントVS善良王、ブルース朝デイヴィッド2世→ランカスター公敗走、鉄人の籠城による英軍勝利
仏軍の攻勢は続く、全ての戦いで勝利を収めているが、どうも仏軍側は内線の利がある。イングランド・沿岸エリアは攻勢を受け続けるのでアキテーヌ方面から圧力をかけることにした。強力な黒太子も使わねば宝の持ち腐れである。結果アキテーヌ方面からの攻勢はあまり成果がないが、全戦線で戦術的に勝利を収めたためか土地の支配は順調であった。
点差:英軍+4
-4ターン-
仏軍が主導権7
移動:
仏軍:オルレアン公→オルレアン
英軍:ブルターニュ公→アキテーヌ
仏軍:盲目王→フランドル→ピカデリー
英軍:ランカスター公→スコットランド
仏軍:賢明王→ノルマンディ
仏軍:大元帥→アンジュー→ブルターニュ
仏軍:ブロア伯→ノルマンディ
英軍:ヨーク公→ノルマンディ
戦闘:
オルレアン:黒太子VSFオルレアン公→英軍勝利、オルレアン公捕虜
スコットランド:ランカスター公VSスチュアート朝ロバート2世→仏軍勝利、ランカスター公ゴーント隣国に退却
アンジュ:悪人王VSナポリ王→仏軍勝利、悪人王捕虜
ノルマンディ:ランカスター公グロスモント、ヨーク公VS賢明王、ブロア伯→ランカスター公籠城による英軍勝利、ヨーク公敗走
主導権を仏軍に取られ、仏軍の良いように戦力を集中できるようになると、会戦で敗北するようになってきた。今ターンで仏軍側の支配地域が英軍のそれを凌駕するようになってきた。さらにこのターンには英軍側は黒太子をはじめ有力武将の病死者続出である。しかも戦力の継承はうまくいかなかった。次のターンから仏軍の内線の利と戦力で圧倒されるであろうか?
点差:英軍+3
-5ターン-
英軍が主導権3
移動:
英軍:ウェストモランド伯→シャンパーニュ
仏軍:ベリー公→シャンパーニュ
英軍:プランタジネット朝リチャード2世→スコットランド
仏軍:善良王→フランドル
英軍:ランカスター公グロスモント→イル・ド・フランス
戦闘:
フランドル:ガン大町人VS善良王→仏軍勝利、ガン大町人敗走
シャンパーニュ:ウェストモランド伯VSベリー公→仏軍勝利、ウェストモランド伯隣国に退却
イル・ド・フランス:ランカスター公グロスモントVSスチュアート朝ロバート3世、オルレアン公→仏軍勝利、ランカスター公隣国に退却
英軍側の病死者大量発生はどうやらペストであるようだ。今ターンの病死者で英仏の戦力は倍以上に広がってしまった。武将の数だけで倍違う。現有の武将では今支配しているエリアを確保するだけで精一杯である。ここ数ターンは仏軍に圧倒されてしまうだろうが、ジリ貧に陥らないよう注意したいものだ。しかし今ターンのように大きな目で主導権をとられるとあっと言う間に押し切られてしまうかもしれない。
仏軍プレーヤのK氏は戦力はあるのに主導権を取れないことと主導件数が少ないことに苛立っているようだった。
点差:±0
-6ターン-
英軍が主導権5
移動:
英軍:ヨーク公→ピカデリー
仏軍:善良王→ピカデリー
仏軍:ブーシュ伯→アキテーヌ
英軍:グロスター公→ピカデリー
仏軍:ナポリ王→ノルマンディ
英軍:プランタジネット朝リチャード2世→イングランド→ブルターニュ
仏軍:大元帥→イングランド
戦闘:
ブルゴーニュ:ウェストモランド伯vs豪勇王→仏軍勝利、ウェストモランド伯戦死
アキテーヌ:ガン大町人VSブーシュ伯→ガン大町人籠城による英軍勝利
ノルマンディ:ノーフォーク公VSナポリ王→ノーフォーク公籠城による英軍勝利
ピカデリー:グロスター公、ヨーク公VS善良王、親愛王→仏軍勝利、グロスター公、ヨーク公隣国に退却
主導権は取れたが動かせる武将が少ない。機先を制したいところだが戦力が足りない。完全に圧倒されている。事もあろうにミスで本拠地のイングランドは失うし、ウェストモランド伯が戦死してしまい、ただでさえ少ない勢力・戦力が減ってゆく。圧倒的に受け身の時はどうも判断力が鈍る。幸い仏軍側の病死者も増えつつあり、後半ターンには均衡が保てるかもしれない。今は我慢のしどころである。敵の攻撃に対しては篭城は中々有効な防衛手段であるが、攻撃側にとっては理不尽な結果であるかもしれない。
点差:仏軍+8
長くなるので後半のターンは次回に回す事にする。
概ね、前半は英軍の稚拙な侵攻が実を結ぶ前に武将の大量病死を招き、計画が頓挫してしまった。仏軍は順調に領土を拡大しつつあるが、イニシアチブを取れなかったり、戦術的に苦渋をなめさせられている様だ。しかし現状は仏軍が英軍を圧倒している。この場合後半どこまで挽回できるのかがひとつのテーマとも言えるだろう。
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