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2003/12/30

GJ英仏百年戦争(リプレイ前編)

 前回の紹介に引き続き、英仏百年戦争を実際にプレイしたので報告する。
なお、プレイは今回初めてで何の準備もしていないことを先に断っておく。ルールを間違ってプレイしている可能性もあるので、このゲームの魅力・真実の一側面を表しているだけであり、全てでないことを了承されたい。
興味ある諸氏は実際にプレイすることを勧める。

 今回のプレイは筆者(英軍)とK氏(仏軍)でプレイされた。陣営の選択はK氏の強制的な希望を受け入れた。プレイでは中立武将の史実に沿った所属以外の特別ルールは全て適用した。なお、両名ともサブテキストを読み、映画ジャンヌダルクを見たぐらいで史実には暗い。

 ルールの指示により両プレーヤーは以下の武将を受け取りマップに配置する。
英軍:プランタジネット朝エドワード3世、鉄人(ジョン・チャンドス)
仏軍:ヴァロア朝フィリップ6世、フランドル伯(ルイ・ド・ダンピエール)
中立:ガン大町人(ヤコプ・ファン・アルテフェルデ)、ブロア伯

 中立武将は普通なら主導権を取れなかった側がどちらを自軍にするか優先的に決められるが、初期配置の2人はダイスの目が大きい方が先に選択することになっている。結果以下のようになった。
ヤコブ・ファン・アルテフェルデは英軍側へ、ブロア伯は仏軍側へ。

 どのような書き方がベストかわからないのでとりあえずターンごとに移動と戦闘を時系列ごとに並べ、英軍プレーヤーのコメントとそのターンの優位をまとめてある。
 
-1ターン-
英軍が主導権5
移動:
パスの応酬後
英軍:鉄人はピカデリーへ。
仏軍:フランドル伯はシャンパーニュへ

 1ターンは使用できる武将が少なく、まず土地の支配を優先することから両軍共に戦闘は発生しなかった。いきなり主導権数が大きいので使い切れなかった。英仏軍ともに連続した支配地域群を狙ったが、各々支配チェックに失敗した。しかも英側は次ターンから係争の地となるであろうフランドルの武将ヤコブ・ファン・アルテフェルデが病死してしまったのは痛い。鉄人はアキテーヌへ送るべきであったようだ。

点差:英軍+1

-2ターン-
このターンは中立の援軍が1ターンと2ターンが入れ替わってしまっている。
英軍が主導権4
移動:
仏軍:善良王→ピカデリー
英軍:悪人王→ガスコーニュ→アキテーヌ→ブルターニュ
仏軍:フランドル伯→フランドル
仏軍:スチュワート朝ロバート2世→イングランド

戦闘:イングランド:プランタジネット朝エドワード3世VSスチュワート朝ロバート2世
英軍勝利、ロバート2世を捕虜とする。

ブルターニュ:悪人王VSブロア伯→英軍勝利、ブロア伯隣国へ退却

ピカデリー:鉄人VS善良王→仏軍勝利、鉄人隣国へ退却

 仏軍の攻勢であったが、戦闘にはピカデリー以外では勝利を収めた。仏軍は沿岸地区に勢力を浸透させたようだ。幸い捕虜交換にてピカデリーとリュクサンブールは中立となった。表面上は英軍優位であるが勢力的にはかなり差があるように感じる。

点差:英軍+3

-3ターン-
英軍が主導権5
移動:
英軍:黒太子→リムーザン→ベリー→オルレアン
仏軍:ブルース朝デイヴィッド2世→イングランド
英軍:クラレンス公→スコットランド
仏軍:善良王→イングランド
英軍:悪人王→アンジュー
仏軍:賢明王→ノルマンディ
仏軍:オルレアン公→イル・ド・フランス

戦闘:
スコットランド:クラレンス公VSスチュアート朝ロバート2世→英軍勝利、ロバート2世敗走

アンジュー:悪人王VSブロア伯→英軍勝利、ブロア伯敗走

ノルマンディ:ランカスター公グロスモントVS賢明王→ランカスター公籠城による英軍勝利

イングランド:鉄人、ランカスター公ゴーントVS善良王、ブルース朝デイヴィッド2世→ランカスター公敗走、鉄人の籠城による英軍勝利

 仏軍の攻勢は続く、全ての戦いで勝利を収めているが、どうも仏軍側は内線の利がある。イングランド・沿岸エリアは攻勢を受け続けるのでアキテーヌ方面から圧力をかけることにした。強力な黒太子も使わねば宝の持ち腐れである。結果アキテーヌ方面からの攻勢はあまり成果がないが、全戦線で戦術的に勝利を収めたためか土地の支配は順調であった。

点差:英軍+4

-4ターン-
仏軍が主導権7

移動:
仏軍:オルレアン公→オルレアン
英軍:ブルターニュ公→アキテーヌ
仏軍:盲目王→フランドル→ピカデリー
英軍:ランカスター公→スコットランド
仏軍:賢明王→ノルマンディ
仏軍:大元帥→アンジュー→ブルターニュ
仏軍:ブロア伯→ノルマンディ
英軍:ヨーク公→ノルマンディ

戦闘:
オルレアン:黒太子VSFオルレアン公→英軍勝利、オルレアン公捕虜

スコットランド:ランカスター公VSスチュアート朝ロバート2世→仏軍勝利、ランカスター公ゴーント隣国に退却

アンジュ:悪人王VSナポリ王→仏軍勝利、悪人王捕虜

ノルマンディ:ランカスター公グロスモント、ヨーク公VS賢明王、ブロア伯→ランカスター公籠城による英軍勝利、ヨーク公敗走

 主導権を仏軍に取られ、仏軍の良いように戦力を集中できるようになると、会戦で敗北するようになってきた。今ターンで仏軍側の支配地域が英軍のそれを凌駕するようになってきた。さらにこのターンには英軍側は黒太子をはじめ有力武将の病死者続出である。しかも戦力の継承はうまくいかなかった。次のターンから仏軍の内線の利と戦力で圧倒されるであろうか?

点差:英軍+3

-5ターン-
英軍が主導権3

移動:
英軍:ウェストモランド伯→シャンパーニュ
仏軍:ベリー公→シャンパーニュ
英軍:プランタジネット朝リチャード2世→スコットランド
仏軍:善良王→フランドル
英軍:ランカスター公グロスモント→イル・ド・フランス

戦闘:
フランドル:ガン大町人VS善良王→仏軍勝利、ガン大町人敗走

シャンパーニュ:ウェストモランド伯VSベリー公→仏軍勝利、ウェストモランド伯隣国に退却

イル・ド・フランス:ランカスター公グロスモントVSスチュアート朝ロバート3世、オルレアン公→仏軍勝利、ランカスター公隣国に退却

 英軍側の病死者大量発生はどうやらペストであるようだ。今ターンの病死者で英仏の戦力は倍以上に広がってしまった。武将の数だけで倍違う。現有の武将では今支配しているエリアを確保するだけで精一杯である。ここ数ターンは仏軍に圧倒されてしまうだろうが、ジリ貧に陥らないよう注意したいものだ。しかし今ターンのように大きな目で主導権をとられるとあっと言う間に押し切られてしまうかもしれない。
 仏軍プレーヤのK氏は戦力はあるのに主導権を取れないことと主導件数が少ないことに苛立っているようだった。

点差:±0

-6ターン-
英軍が主導権5

移動:
英軍:ヨーク公→ピカデリー
仏軍:善良王→ピカデリー
仏軍:ブーシュ伯→アキテーヌ
英軍:グロスター公→ピカデリー
仏軍:ナポリ王→ノルマンディ
英軍:プランタジネット朝リチャード2世→イングランド→ブルターニュ
仏軍:大元帥→イングランド

戦闘:
ブルゴーニュ:ウェストモランド伯vs豪勇王→仏軍勝利、ウェストモランド伯戦死

アキテーヌ:ガン大町人VSブーシュ伯→ガン大町人籠城による英軍勝利

ノルマンディ:ノーフォーク公VSナポリ王→ノーフォーク公籠城による英軍勝利

ピカデリー:グロスター公、ヨーク公VS善良王、親愛王→仏軍勝利、グロスター公、ヨーク公隣国に退却

 主導権は取れたが動かせる武将が少ない。機先を制したいところだが戦力が足りない。完全に圧倒されている。事もあろうにミスで本拠地のイングランドは失うし、ウェストモランド伯が戦死してしまい、ただでさえ少ない勢力・戦力が減ってゆく。圧倒的に受け身の時はどうも判断力が鈍る。幸い仏軍側の病死者も増えつつあり、後半ターンには均衡が保てるかもしれない。今は我慢のしどころである。敵の攻撃に対しては篭城は中々有効な防衛手段であるが、攻撃側にとっては理不尽な結果であるかもしれない。

6s.gif

点差:仏軍+8

 長くなるので後半のターンは次回に回す事にする。
 概ね、前半は英軍の稚拙な侵攻が実を結ぶ前に武将の大量病死を招き、計画が頓挫してしまった。仏軍は順調に領土を拡大しつつあるが、イニシアチブを取れなかったり、戦術的に苦渋をなめさせられている様だ。しかし現状は仏軍が英軍を圧倒している。この場合後半どこまで挽回できるのかがひとつのテーマとも言えるだろう。

 

2003/12/22

GJ英仏百年戦争(紹介編)

百年戦争のボード・ウォーゲームをプレイしたので紹介しようと思う。
このゲームはシミュレーションジャーナル社から発売されているゲームジャーナル誌8号の付録としてついていたモノで、同時付録の武田信玄と上杉謙信の信濃争奪をテーマとした「甲越軍記」と比べるとテーマのマイナー感は否めない。しかしマイナーとはいえ歴史の教科書にも載る一大事件である。歴史上ではメジャーだが、ゲーム上ではマイナーである。
そんなゲームだが今回はゲーム自体の紹介にとどめ、リプレイなどは次回に回したいと思う。

テーマ:
 英国とフランスの間に勃発した百年戦争全体を扱うエリア式の戦略級ゲームである。
タイムスケール:
 1ターン10年、全12ターンで1337年から1453年を扱う。
マップ:
 フランス全土、英国の大部が描かれている。マップは地方ごとにエリア分けされており、地名並びにマップ上の地形詳細などチャート類は英文表記で書かれており、日本語は存在しない。
 地形は川、山、海がありそれぞれが移動に影響する。マップの表現方法はソフトフォーカスの衛星写真風であっさりとしているが標準以上の仕上がりである。
ユニット類:
 マーカを含め120コ。英国側なら赤、フランス側なら青を中央に配し、中立のリーダーは緑色で区別されている。
 身分は3ランクあり星の数で表されている。最高ランクの星3つは英仏両国の国王ないし王太子をさし、星2つはそれ以外の国王、大貴族等を表している。
 各ユニットには日本語で称号やあだ名が書かれてあり英字等で名前が書かれている。また機能的に身分・能力・配置箇所・陣営が判るためプレイしやすい。
 また各ユニットの裏はそのリーダーが死亡した後に登場するリーダーであり、同時期に存在しないよう配慮されている。
 もちろんこの時代を代表するといってもいいジャンヌ・ダルクには特別ルールが存在し、存在を際立たせている。
 太平記と同じようにリーダーの率いる兵隊もユニット化されており、兵隊の他に傭兵、騎士団、長弓、大砲もユニット化されている。一般的な兵隊以外は特別ルール(選択)が存在し特徴あるものとなっている。
 マーカーも百年戦争をイメージできる紋章をベースに機能的にデザインされている。
ルール:
 特別ルールを含め8ページでプレイ手順ごとに書かれている。図表が割と多いため理解しやすい。また適度に太字を使用しているため注意点や検索性が高い。
ゲームシステム:
 いわゆる「太平記」システム。イニシアチブを取った側から交互に移動でき、戦闘はリーダーの能力により振れるダイスの個数とダイスの目修正により決するダイスパワーシステム。太平記と大きく違うところはリーダーユニットの扱い。タイムスケールとの関係上死亡チェックが追加され、在国マスが無くなり、かわりに捕虜という概念が加わった。また、調略もなくなったのでリーダーは裏切らない。
 勝利に絡むエリアの支配は自動支配のルールは太平記と同じだが、勢力地域外のリーダーが支配を行う場合そのリーダーの身分の星の数の合計以下になっている。
勝敗:
 12ターン終了時の得点で多い方が勝利を収める。得点は27カ所あるエリアの支配とリーダー等の状態(戦死、捕虜等)で得点する。各エリアは1点だがイングランド、フランドル、ブルゴーニュ、イル・ド・フランス、アキテーヌの5カ所は2点である。
その他:
 史実に暗いプレイヤーに配慮して、本誌には簡単なヒストリカルノートとなるものが掲載されており、リーダー列伝のようなものもあるのでそれを一読すれば、時の流れとリーダーの個性は大まかにでも掴めるであろう。その他にサブテキスト等が紹介されゲームのフォローをしようとの姿勢が伺える。
プレイ前の感想:
 名ゲーム「太平記」から在国マスが無くなって調略チェックもなくなったのでそういう意味での面白みは無くなったのは残念だが、新システムの捕虜と死亡チェックは面白そうである。1ターン10年という大スパンで百年戦争をフルキャンペーンするのは大雑把かなと言う気はするが、それでもゲーム的には面白いかもしれない。
 ビジュアル的にはかなり良いとの印象を持つが、ユニットの名前の表記などは少し読みにくい。またマップのエリア名等は読みがうっていないのでパッと読めない箇所もある。
 しかし、ここまで本誌のページとマップ・ユニット・ルールの力の入りようには何かインスピレーションを感じる。メインゲームはこっちじゃないか?との疑念が頭から離れない。幸い百年戦争に興味があったためこれはプレイすべきであろうとのことからプレイすることにした。

リプレイ編に続く

2003/12/14

ふと気がついた

 現在風邪を引いて療養中である。しかしながら布団に横になりながらウェブを見たり、メールを読み書きするというのは数年前では考えられない事であったなと思いながらキーをたたいています。
 で、今回気がついたのは、引用とかリンクはどーするのかなーと思ってココログTOPナビにあるココログ初級ガイドを見ていて驚いてしまった。
「さっそく記事を投稿してみよう」という項目に2.引用してみようと言う細目があるのだが、
そこには引用するときに使うアイコンがあるらしくそこで「ボールド」「イタリック」「アンダーライン」「URL へのリンク」「メールアドレスへのリンク」「引用」等々ができるとある!!
 読んでなかった!!の前によく見ると「僕のには無い!」なのだ。
MACの人はごめんなさいと書いてあったけどWINユーザーなのだ。しくしく
 というわけでWIN+OPERAではその類のアイコンは出てこないのです。
と、今回気がついたことでした。

2003/12/11

カナダの旗の下で

 先日面白い本を購入したので紹介したい。
なお、購入したばかりであるので詳しくは書けないし、当然とんでもない勘違いをしている可能性もある。その辺は割引いて読んでいただければと思います。


カナダの旗の下で
デイヴィッド・J.バーカソン著・池内光久訳・立川京一訳

第二次世界大戦におけるカナダ軍の戦い
彩流社
索引・資料込み400ページ程度
4500円

 副題にもあるとおりWW2におけるカナダ軍の軍事史・戦史である。二次大戦のカナダ軍というと西部戦線での英連邦軍としての活動が思い起こされるが、その他と言えばあまりピンとこない。それに答えるかのように40年のフランス戦、大西洋の船団護衛戦、香港での対日戦、ディエップの悲劇、対独爆撃、シシリー島、イタリア戦線、ノルマンディ、スヘルデ河等々と15章360ページで語られている。
 数ある連合軍中心の軍事史・戦史書の中でカナダ軍中心とは珍しい。本書を読まれて今まで陽の当たらなかったカナダ軍やその切り口に驚かれることと思う。アメリカやイギリスとは違う視点、事情と言うのも興味深い。
 帯にはカナダ首相出版賞受賞と書かれてあり、読んでいてなるほどと思われる。また執筆者の執筆動機やカナダの現状は私としては驚きであった。WW2の側面史としていかがでしょうか?

2003/12/10

ウェブログにチャレンジ

 前々からウェブログには関心あったので、今回@niftyでサービスが始まったのでチャレンジです。
細かいところはよく分からないですけどまずはチャレンジです。
自己満足でも良いから主に趣味関連のことをつらつらと書こうと思っています。

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