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2004/01/04

(コロンビアゲームズ)ビクトリーマルチプレイ記

 コロンビアゲームズの仮想戦ボード・ウォーゲームのビクトリーを昨年の11月にプレイしたので公開する。
 今回のそもそもの発端は前回のワールドタンクバトルズに遡る。プレイを堪能したTT夫人のゲームって面白いねまた呼んでねから始まり、11月に誕生日おめでとうを兼ねてマルチ大会を画策した。本当はTS氏・H氏を加えた6人でプレイするはずだったが種々の都合により4人ですることになった。
 
 ここで簡単な参戦メンバーの紹介を行う。
  TT氏:ボードウォーゲームの経験はほとんど無いがエポック戦国大名の時などマルチプレイゲームの時にはよく参加してくれる。
  TT夫人:TT氏の嫁。ゲーム自体は前回プレイしたワールドタンクバトルズで初めてゲームの楽しさを知る。
  K氏:よくウォーゲームをプレイし、作戦級からマルチまで幅広くこなす。
  筆者:プレイしながらデジカメとペンとノートを駆使し、ボードウォーゲームをリポートする従軍記者。大本営発表と揶揄されることもある。

 ビクトリーというゲームは一般的にシミュレーションゲームと問えば必ず導き出される「大戦略」の趣を持つウォーゲームである。大まかな兵器・兵種ごとにユニット化されており、同じ兵器の優越差がない分こっちが「真」の大戦略といえると思うが、大戦略に対し世間の評判は概して悪くない。
 ユニットは積み木とも言われる木製のブロックでできており、90度ずつ回転させて戦力減少をあらわせるようになっている。従ってマーカーなどは存在しない。
 マップはお互いに接続できる戦術級のようなマップで、作戦級では平均的に見られる地形が描かれている。ヴァリアントのマップを用いれば砂漠、山岳、草原、海洋などとバリエーションが広がる。
 個人的にはウォーゲームプレイ未経験者がプレイするにはルールの先読み等が必要のためプレイは難しいと考えていたが、TT氏とK氏のやる気が旺盛のため4人プレイで開始することにした。
 ユニットが積み木のため、一緒に来ていたTT氏息子(幼児)の関心は並々ならぬものがあったが、TT夫人陣営のユニット整理と従軍カメラマン(本当にカメラを持たせた)として活動していただくことにした。もちろんTT夫人陣営のみならずTT陣営、ならびに筆者の陣営は気が付かない間にユニットがバベルの塔のように積まれたのは言うまでもない。
 マルチプレイルールに従いマップを選択し、配置を決めた。TT氏は陸地の多いマップでTT夫人とK氏は大型の島である。筆者は海がちのマップであった。中央マップはTT夫人陣営とK氏陣営の方にのびている長い島2つである。
 システムは4インパルスあるターンと考えれば良く、Aが動きBが動きCが動きDが動く。各移動間には攻撃されるヘックスへの反応移動があり、先手必勝というわけではない。移動後攻撃を終え次のプレーヤーのインパルスとなる。最後に生産ターンとなり国力内で生産補充を行う。生産は序盤より支配しているマップのみであり、占領した都市では補充しかできない。

 プレイスタート。麻雀にこっているK氏・TT氏は麻雀での順番の決め方で順番を決めると言いだした。麻雀をよく知らない筆者は「お前、シャー(西)な。」なんて訳の分からないことを言われてとまどっていたので結局賽を振ってでかい目を出した人からプレイすることにした。
 筆者の陣営から見るとTT夫人陣営とは距離があり、当面の争いはないように思えた。K氏陣営は直接争うようなことはないが、港湾の大部がこちらを向いており同じ海域を共有している。TT氏陣営は島の向こうの向こうであるので当面アンタッチャブルである。
 生産は海域の保持から海軍を中心に編成し、当面は中央マップのこちら側サイドの都市占領と、制海権の確保である。
筆者も含め皆、自軍マップに隣接する領土へ進攻開始である。
 なお、今回はTT氏・TT夫人の理解を円滑にするためユニットは立てずに種類・戦力をオープンにしてプレイすることにした。

 筆者の陣営は自領に隣接する未占領都市へ進攻し、地歩を固めるべく空軍ユニットをも移動させた。陸上ユニットは歩兵2ユニットで、空軍ユニットはなぜか軽爆2ユニットである。1ユニットは戦闘機だったような気がしたが、どっかで間違えたらしい。まあこの方面には敵の侵攻は当分無いが、海の向こうの島を巡り4つどもえの戦いが行われるはずであるので前進基地として有用である。K氏と隣接している海域には潜水艦4ユニットを派遣して海域での優位を得るために展開させた。
 TT氏陣営とTT夫人陣営は本拠地から陸続きの為に陸上部隊と空軍ユニットを前進させた。なぜだか海兵ユニットや空挺ユニットが含まれている。
 K氏の陣営は共有海域に戦艦等の海軍侵攻部隊を建設しているようだった。TT氏側の海域と比べると海上ユニットの数が多い。侵攻に海が横たわっているからとは言えこちらから見ると脅威である。
 最初の生産ではそれぞれの思惑で行われた。
 各国の生産拠点にはこれからの戦いで消耗されるであろう戦力が整備された。特に教えてはいないのだが盤外拠点を持たないTT夫人は空母や海兵隊を生産しているし、TT氏は海空戦力を充実させている。K氏に至っては相変わらず戦力を貯め込むハラのようである。
 最初の激突はTT氏とK氏の間で行われた。K氏の戦力集中に妨害をかけるTT氏の攻撃である。この攻撃は一蹴されたがTT氏との間に一時的な停戦がとられた。理由は明らかなTT夫人のTT氏への敵意むき出しの行動からであろう。K氏にとっても自軍近くの海域に筆者の潜水艦が出没している。
 次の衝突は筆者の潜水艦とK氏の戦艦との間で行われた。潜水艦は全ての海軍ユニットの中で一番最初に撃てるので有用である。が、このゲームでは戦艦が潜水艦を撃てるので必ずしも絶対優位というわけではない。
 結果は戦艦に大打撃を与えたが、こちらも大打撃である。自軍港湾で戦艦が攻撃されたことに脅威を覚えたK氏はさらに戦力を集中する結果になった。
 次のターンではTT氏がK氏陣営より引き上げた兵力を持ってTT夫人陣営にシフトしている。TT夫人陣営は相変わらずTT氏陣営攻撃に余念がない。K氏は相変わらず戦力集中と対応移動である。筆者の陣営は潜水艦のローテーションでさらなる港湾襲撃を画策した。

 TT氏の侵攻はついに中央島の侵攻を開始した。それを妨害するTT夫人陣営。夫婦喧嘩の開始である。筆者の位置からは遙かに遠い地で行われ、K氏にとってはさらに遠い地での話である。血で血を洗う決戦はTT氏側の勝利に終わったようだ。
 K氏への港湾への攻撃はK氏の対応移動をもって激化した。こちらは潜水艦2ユニットの攻撃ですりつぶす覚悟で投入している。相手は空母や戦艦である。残念ながら航空ユニットの支援は遠すぎてできない。K氏は近場から飛ばせるのだが....
 結果として戦果は僅少で全滅の悲運に見舞われた。次のターンには戦艦ユニットや空軍ユニットの支援が仰げそうな予定である。戦果は僅少とはいえ相手の港湾を後退させたのは戦果の少ない中、溜飲を下げた。
 未占領の地域の占領は着々と進んでいるが、海洋の多いマップのためどうもユニットのローテーションがうまくいかない。生産しているはずの戦車ユニットや戦艦ユニットが時々(TT氏息子の手によって)ロストしてしまったりしている。なかにはTT氏息子の作ったバベルの塔に探している自分のユニットを発見した悲しさは表現のしようがない。バベルの塔を崩すわけにもいかないのでジェンガ状態となった。
 TT氏陣営とTT夫人陣営はもはや仁義なき戦い状態である。TT夫人がTT氏の中央島の領土を攻撃すれば、TT氏はTT夫人の本国を奇襲攻撃するなどと言う具合である。2人とももてる兵力をぶつけ合っていると言った状態である。しかもTT氏との停戦条約を結んだはずのK氏はTT氏に圧力をかけ始めている。無防備な領土をさらしているからである。
 終了時間が来たので勝敗を見てみるとTT氏5点、K氏3点、筆者2点、TT夫人0点で、TT夫人との係争とTT氏息子のマップひっくり返しを凌いだTT氏が勝利を収めた。

 おおむね皆の評判は良く、ユニットを立ててプレイしたいねと言う話になった。難しいかと思ったがTT夫人が空母使ったり(空の空母まで用意して収容拠点を増やすという準備の良さ)驚きに満ちたプレイであった。
 個人的には初心者の方やウォーゲームの世界に足を踏み入れたことがない人はプレイは無理かと思われたが、実際は予想に反して楽しんでもらったので満足である。
 ビクトリーはハードなものを好むプレーヤーには物足りないかもしれないが、初心者用として、あるいはマルチプレイとして潰しのきくゲームであることには間違いないだろう。

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