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2004/01/26

(SA8)ハリコフ1941_1943ソロプレイ

 現在共用掲示板で話題となっているシックス・アングルズのハリコフ1941_1944の第3次ハリコフ戦シナリオをソロプレイしたので報告する。
 共用掲示板の書き込みではスターリノに主攻勢(スターリノ戦略)をおけばドイツ軍の勝ち目が薄くなると書かれてあり、スターリノ陥落と盤端到達等による援軍出現の妨害などが発生するとある。前回プレイした時と大きく印象が違うので確認するためにプレイすることにした。
 幸い問題定義者の戦略構想と、デザイナー氏の詳細なリプレイ戦譜が発表されているのでそれを確認した。問題定義者とデザイナー氏の最大の違いは第19装甲師団の運用で、簡単に書けば片や随意後退策、片や積極攻撃策といったところである。
 
 今回のプレイの最大の焦点は「スターリノ戦略」により、スターリノ陥落と盤端の支配による援軍の各個撃破が達成されるかがポイントである。
 残念ながらデザイナー氏の要請にもあった問題定義者のリプレイ戦譜が発表されていないため、第1親衛、ポポフ、第6軍を「スターリノ戦略」の主力部隊とし、その他の部隊はハリコフ、クルスク攻略を目指すが、ドイツ軍の対応次第ではさらにスターリノ方面への援護としてスライドさせることにした。

 このゲームで特徴的なのはロシア軍にはあるターンから機械化ユニットに対し機動チェックなるダブルの補給チェックが存在し、当時のロシア軍の補給状態を再現させている。またゲーム後半には泥濘が訪れて両軍の機動が不活発となるようになっている。なお、ゲームシステムは移動~対応移動~戦闘となっており、強ZOCのマストアタックのゲームと言えば大体の想像が付くと思う。独軍とロシア軍の質の差は司令部の存在に代表される連絡線の自由度と、対応移動時における敵ZOCからの退出の可否であらわされている。もちろん自由度が高い方がドイツ軍というのは言うまでもない。
 攻勢側のロシア軍は司令部に拘束を受けるものの効率良く運用しなければならないし、独軍ターン時には高率な攻撃を防ぐため、あるいは次ターンの攻撃に有利なように行動せねばならない。
 それを受ける独軍は対応移動をフル活用し、相手の攻勢に対し出血と時間と土地を天秤にかけて凌ぎきり、後半ターンの反撃に備えなければならない。

 前回T氏とプレイした時はロシア軍プレーヤーのT氏はハリコフ北方で突破後大きく南方に旋回し、南方もそれに対応していたためそれほど積極的にスターリノ方面に攻めていたわけではないが、数少ない独軍部隊は積極攻撃でかなり戦果を挙げていた記憶がある。つまり絶対安心比率の攻撃(防御)でなくともそこそこ戦えるという認識があった。CRT(戦闘結果表)を見ても1:3と言う比率でも1/6で攻撃側が壊滅する可能性はあるが、その他はそうでもない。要は囲まれないように気を付ける事が最も肝心で、ロシア軍の場合囲むように機動するのがいいのだろう。

 プレイでは序盤のロシア軍の攻撃はドイツ軍の対応移動でかわされたり、不利なオッズで攻撃を強要されたりと思うように進展しない。1ターン目は正直河を越えられた!と言うようなものである。他のハリコフやクルスク前面でも同じようなものである。2ターン目からロシア軍の真面目なる攻撃にさらされるが、包囲に気をつけて積極反撃を繰り返したことにより爾後の増援をスムーズに受け入れることができた。
 ロシア軍は司令部の指揮範囲内で補給下となるので非補給下となる指揮範囲圏外に出てしまうような移動・後退・戦闘後前進・対応移動は慎まざるを得ない。しかもドイツ軍の援軍の来るターンなどでは側面の援護を考えねばならず戦闘正面が狭くなる傾向があった。思うように戦力集中できないという印象がある。
 援軍のドイツ軍は序盤はスターリノ正面の第19装甲師団を補強する形になるが、補強に成功すると西側ないし東側から迂回して側面攻撃を画策した。この攻撃は成功すればかなり大きな成果を上げられるかもしれないが、いかんせん駒数が少ない。かつサイの目もドイツ軍側が不利な目が頻発した。
 4ターンまでにロシア軍はスターリノ前面3ヘクスのところで止まってしまい、クルスク、ハリコフを奪取したのみである。
 戦車部隊の機動チェックが始まり出すとロシア軍の損害が加速度的に伸びた。これはやはり補給切れによる戦力減少で戦力比レートが独軍有利になってきたからであるのと、逆雪隠詰めが出てきたからである。
 泥濘も加わるとロシア軍の攻勢は完全に止まり、歩兵部隊が動きづらいことを利用して独軍機械化部隊は大胆な前進を開始し、最終的にハリコフを再奪取した。得点的には移動ミスで独軍部隊の出血が重なったため2点ビハインドであったが引き分けで終了した。
 もう少し練れば独軍勝利で終結できるような感じであったが、ロシア軍必勝のギャンビットと言うような感じは受けなかった。サイの振り幅次第でまあ何とかなるかもしれないなと。
 で、某掲示板で見てみると「直進後退」という秘技を見てしまった。うーむ美しくない。

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