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2004/03/14

(MMP)GD40リプレイ

 MMP/THE GAMMERS社のTCSシリーズの中の1作である「GD40」をプレイしたので報告する。
 TCSシリーズは戦術級では珍しい実際に戦われた戦場を忠実に再現したマップと自然言語の命令書によるコマンドコントロールが有名なゲームでまさしく図上演習のような独特の雰囲気がある。最も人気のある戦術級のASLと比べるとユニットやタイムスケールが大きいので作戦戦術級とも言うべきスケールを持つ。
 GD40は1940年のフランス侵攻でストーンヌ村をめぐるグロスドイッチュランド連隊中心の独軍と仏軍の戦いというもので、ストーンヌ村を攻略する独軍と反撃する仏軍は熾烈な戦いであった。
 今回このゲームを本人曰く「戦術級嫌い」なK氏と「前々からやりたかった」筆者の間で行うこととした。なお今回は初プレイということもあってコマンドルールは省略しシステムがどう動くかルール習得のためのテストプレイ方式で挑んだ。
 担当はユニットを見て仏軍戦車が独軍戦車より強力そうだったのでK氏が勝手に仏軍を選んだ。シナリオをユニット数が少ない第1シナリオを選んだ。
初期配置:
 戦いの背景を知らないK氏は取りあえず持てる兵力をストーンヌ村近郊に集結させた。勝利条件がストーンヌ村の構成する全ヘックスを支配している側が勝利するからだ。ストーンヌ村は高台の上に存在し、独軍が攻撃して来るであろう方角は結構急峻な坂となっており、近寄るものを先制的に射撃できそうである。
 独軍は指定通りにしか配置しようがないので配置する。概ね4カ所に分散し、頭の中では4つのグループの内2グループはストーンヌ村の側面に回り込むように計画した。

第1ターン:
 仏軍はすることがないので、独軍はともかく接敵である。独軍は道路移動などを駆使し機動を開始する。
 一部の部隊は臨機射撃を受けている。歩兵は移動力はあまり大きくないが戦車や装甲車は機動力が大きい。道路移動を利用すればそれこそマップ端まで一気に行けそうなほどである。なお、独軍の主力は歩兵で戦車は1号/2号戦車で3号の類は少数である。移動は移動モードでないと移動できないが、射撃を受けると不利な修正を受ける。

第2ターン:
 航空攻撃をプレイするが戦闘機・爆撃機共に効果がなかった。本作は元々バージョン3(現行はバージョン3.1)のゲームであるので航空機マーカーが無いのでプレイしにくい。
 仏軍の砲撃が始まった。効果絶大な大隊砲撃の速射をしかけてきたが砲撃効果は不良であったのは幸いであった。一部の部隊はステップロスを強いられたが士気チェック等は切り抜けた。さすがエリート部隊である。
 仏軍は動かないが臨機射撃で相手に損害を強いる腹のようである。ちょっと急ぎすぎの間はあるが戦車のポイント射撃などのシステムがどう動くか調べてみたいので左翼の虎の子3号戦車を突進させた。当然臨機射撃を食らうがこれがなんと当たりすぎというぐらいの大損害を与えられた。応射で仏軍戦車を何両か撃破できたがそれに倍する戦車が失われた。しかも遠距離で。
 
第3ターン:
 航空攻撃で仏軍は独軍に少なからぬ損害を与えている。続けて砲撃は1突撃工兵中隊が士気チェックに失敗し自発的後退という事態に陥る。臨機射撃で制圧状態の歩兵中隊も出始めた。こちらの攻撃は1機関銃中隊を制圧下においたのみである。左翼の戦車部隊は一進一退の戦車戦を繰り広げている。右翼のグループはストーンヌへの坂を登坂中である。グロースドイッチュランドの第4大隊を中心とした砲兵部隊は砲列を敷くため展開の途中である。

第4ターン:
 航空攻撃はまたも効果なし。ルフトヴァッヘを呪うべし。今度は独軍が先攻である。砲撃は大はずれでえらいところで砲煙が上がっている。中央のグロスドイッチュランド連隊主力で圧倒的な制圧射撃で射程の長い機関銃中隊が居座る箇所に向けて攻撃しこれを排除。排除といっても士気チェックに失敗し降伏してしまったのだ。士気の低い仏軍ではこういう形で部隊が失われるのだろうか?
 左翼の戦車隊は噴煙を利用して1号戦車と2号戦車の部隊が仏軍に接近できた。もう少し準備を整えれば両翼から突撃できるかなという感じである。


 時間が来たのでここでお開きにしたがルールに比べ処理はシンプルであるのでかなり楽しくプレイできた。4時間程度で4ターンほどプレイできたので慣れていないとはいえ進んだ方かもしれない。戦術級慣れしていないK氏はしんどかったかもしれないがたった1回のルール説明でそこそこプレイできていたので驚いた。砲撃の効果は今までの戦術級では味わえないリアルさがあるかもしれない。今回は砲撃効果が不良しかなかったのでそれほどでもなかったが口径の大きな大隊砲撃の速射で良好な結果など出たら戦慄を覚えるかもしれない。戦争後半のモンスター戦車や砲撃の嵐が常態化する戦場ではどうなるか想像もつかない。
 最後の方で砲撃-制圧-制圧射撃-混乱あるいは打撃-近接という流れが自然に出来たので今回の目的は達成できたように思う。
 ルールはもう少しわかりやすく書いて欲しいような気がした。射撃と砲撃は少しややこしいような気がする。また他の戦術級ゲームのようにシナリオがカードになっていないので一々ゲーム専用ルールを参照しなくてはいけないのとチャート類が別紙となっていないので取り扱いが面倒かもしれない。まあプレイエイドカードとシナリオカードがあればかなりプレイしやすくなるし敷居も低くなるのではないであろうか?
 それにしても師団以下の戦史が好きであればコマンドルールを除いてでも一度はプレイするべきかもしれない。

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