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2004/03/27

モスクワ防衛戦

 興味深いシリーズものの最新号が入手できたので紹介する。

モスクワ防衛戦(独ソ戦車戦シリーズ 4)
マクシム・コロミーエツ著・小松徳仁訳・斎木伸生監修

出版社 大日本絵画
発売日 2004.04
価格   ¥ 2,100(¥ 2,000)
ISBN   4499228328
独ソ戦開始以来、進攻を続けていた独軍は、1941年の秋「タイフーン作戦」を発動し、首都攻略に乗り出すが、悪路と冬季の酷寒、赤軍戦車部隊の活躍に阻まれ苦戦を強いられる。その苛酷な戦闘の内情を明らかにする。 [bk1の内容紹介]

bk1で詳しく見る  オンライン書店bk1
123ページ


 この本はロシアのストラテーギヤKM社の戦場写真資料集「フロントヴァヤ・イリュストラーツィヤ」シリーズを「独ソ戦車戦シリーズ」として日本語版化したもので既に本号を含め以下の4冊が配本されている。
・クルスクのパンター(新型戦車の初陣、その隠された記録)
・バルバロッサのプレリュード(ドイツ軍奇襲成功の裏面・もう一つの史実)
・ハリコフ攻防戦(1942年5月死の瀬戸際で達成された勝利)
・モスクワ防衛戦(「赤い首都」郊外におけるドイツ電撃戦の挫折)

 本書の内容は情報公開が進むロシアの未公開資料・写真を軸にモスクワ攻略を目指しタイフーン作戦を発動するドイツ軍とそれを阻むべく防衛・反撃を展開するソ連軍(ロシア軍)を時系列的に主にロシア軍の視点、特に戦車部隊を中心に解説されている。
 日本語で書かれたロシア軍の状況を解説した書籍で、ロシアの「情報公開」以降の資料を使用という点では本書が最も新しい。図版も多数のため「東部戦線ファン」は必須だろう。
 シリーズ全てに当てはまることだが初公開の写真や資料を使用しているため戦史研究・シミュレーションウォーゲーマー・モデラーにも充分耐えうる内容である。感じとしてはオスプレイ社の軍用機シリーズをもう少し増ページして細かくしたような感じである。なお、この手の書籍の常として価格は高めである。

 シリーズ全体を見渡すとテーマの切り方が面白いと感じた。次号ではカフカスの戦い1942(仮題)とのことで、刊行予定には冬戦争の戦車戦やノモンハン戦車戦などがあげられている。ノモンハン事件は非常に楽しみであるが、刊行予定にはなく原著で存在・予定があるのかわからないが、ソ連軍機動作戦の傑作といわれた満州作戦などは出ないのだろうか?
 ともかく今後も展開が楽しみなシリーズである。

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