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(GMT)ウクライナ'43_リプレイ

 かなり前よりプレイ約束がありながら放置されてしまうゲームは少なからず存在するものである。我々にとって対戦約束は後発の興味深いゲームに先を越されることが多々ある。今回紹介するウクライナ43もそういったゲームの一つだ。
今回はその(GMT)ウクライナ'43を今更ながらプレイすることになった。
 ウクライナ'43といえばデザイナーのシモニッチ氏が放った傑作作戦級ゲームとのことで、各所のサークルのプレイ報告などを見てもかなりハードであるが面白いらしい。
 システムは移動~戦闘~対応移動~突破(二次移動)~第2次戦闘の順番で突破と2次戦闘は敵ZOC下にいないとか強襲を選択しているとかの制限がある。移動中には機動強襲と称したオーバーランも可能である。ZOCは普通のZOCではなくお得意のZOCボンドである。戦闘は戦闘比であるが、これもお得意のマグネチュードシステムと呼ばれる戦力によって戦闘の規模が変化し戦果や被害が変化するというものである。以上全てひっくるめてシモニッチシステムとか言うようだが、体系としては特異である。

 今回は独軍を筆者が、ロシア軍をTS氏とK氏の二人で担当することになった。シナリオはキャンペーンのフリーセットアップですることにした。フリーセットアップではロシア軍非機械化部隊→独軍→ロシア軍機械化部隊の順番で配置する。どういうプレイ展開や特性か分からないので正直戸惑った。初プレイや時間が惜しいならヒストリカルセットアップでするべきだろう。
 配置はマップ上の指定された範囲内に置くが、ロシア軍が主力である機械化部隊を後から配置するためロシア軍の戦線は圧巻である。それに比べ独軍の戦線はZOCでつないでいるだけである。
 概ねロシア軍はスミ方面の突破、ハリコフ、ベルゴロドを包囲を目指すような突破とスターリノを目指す突破の4カ所に重点を置いているようだった。実際1ターンの攻撃はハリコフ~イジュム間とベルゴロド~スミ間で突破が発生した。細かい戦線のほつれは多数に上る。
 このゲームの戦闘修正は攻撃側にはコラムシフトが与えられ、防御側には攻守の戦力にプラスマイナスされる。初期の配置には陣地に籠もっているので攻撃側の機械化・騎兵は戦闘力が1/2され、防御側には戦闘力が+3される。しかも戦闘結果には重大損害という項目が追加され、攻撃側は+1損害余計に負わねばならない可能性がある。
 ロシア軍の攻撃は概ね軍司令部にスタックしている部隊が中心となって攻撃をしている。軍司令部はスタック制限がドイツ軍に劣るロシア軍がドイツ軍と同じ3師団+支援部隊になる唯一の機会である。従って攻撃力は高く攻撃の重点である。その軍司令部をロシア軍は4つもっている。
 ロシア軍と言えば砲兵だがこのゲームではロシア軍のみに砲兵が与えられる。主に戦闘時に1シフトを与えることができる。さらに親衛砲兵との組み合わせは2シフトを与える。ドイツ軍には砲兵は存在しない。その他にも対陣地部隊や司令官、航空機により戦闘に修正が与えられる。
 第1ターンの突破はドイツ軍を絶望に陥れる。続いての突破フェイズ、第2戦闘フェイズまでドイツ軍は突破フェイズの前の対応フェイズで3スタックしか移動を許されていないからだ。もちろん第2戦闘フェイズで戦闘をする権利を得るためには先の移動フェイズである突破フェイズで移動力を消費して強襲マーカーを取得しなければならないし、その強襲マーカーは回数が決められている。
 幸いなことに対応移動や先端包囲をおそれて突破点からの戦果の拡張はうまくいかなかったようである。ドイツ軍としては穴は埋めなくてはならないが、そのための兵力は遠くにあり追及には時間が掛かる。案としてはビエルゴロド、ハリコフのバルジを段階的に縮小直線化しその過剰戦力を穴埋めに当てるというものである。もちろん火消し用の予備兵力は必要で、スターリノ付近のSS装甲軍団を引き抜くことにした。
 ロシア軍の戦車軍、突撃軍司令部と同じくドイツ軍にもスタックにメリットを与える「装甲軍団司令部」がある。ロシア軍と違いスタック制限が緩むことはないが、攻撃時にはコラムシフトが防御時には戦闘力に付加されるという強力な存在である。装甲軍団はただでさえ強力な装甲師団のスタックにプラスアルファするのである。
 SS装甲軍団を引き抜くことでスターリノ戦線の安定が崩れるが、その後方のイジュムから崩れたようではスターリノ戦線云々とは言っていられないからだ。下手すれば後方を遮断される可能性もあるし、この戦線の総崩れはサドンデスを引き起こす。
 ビエルゴロド、ハリコフのラインを段階的に後退すると言うことは必然的にロシア軍がハリコフに近づくと言うことである。サドンデスのルールでは各ターンに両軍にサドンデスの条件を数値で突きつけていている。条件とは勝利得点の獲得で達成され、各ターンの基準点より+6であればロシア軍が、-6であればドイツ軍がサドンデスを達成する。7ターンまではターン数-1が基準である。
 ハリコフは+3点、スターリノは+2点、ビエルゴロド、スミ、スラヴィヤンスク、タガンログは各+1点であり、スターリノ前面の町3つにも+1点ずつ与えられている。ハリコフ、スターリノ戦線の崩壊はゲームの崩壊にもつながる。どちらも捨てられないのだ。
 ハリコフは段階的撤退、スターリノは戦略的守勢、イジュム方面は機動反撃の方針で挑むことにした。極力失点を減らすためにも増援が来着しやすいスミ方面では積極的に反撃に出る。
 SS装甲軍団の来着でイジュム方面は安定してきたが隣接のハリコフ戦線は火の車である。遅くない時期には陥落必死である。スターリノ戦線は一進一退である。スミ方面では突破してきたロシア軍に果敢に攻撃をかける。調子に乗って戦車軍を半包囲に追い込む。正直どの戦線もギリギリである。陣地がなければここまで抵抗できないだろう。
 ビエルゴロド、ハリコフがロシア軍の猛攻で陥落したが、大半の部隊は脱出に成功した。かといってもこれからは防御拠点のない厳しい戦いが要求される。スミ方面は攻撃・逆襲・反撃と血で血を洗う抗争のためさすがの第48装甲軍団も消耗しつつある。本当はハリコフ方面に戻したいのだが抜き差しならない状況である。
 イジュム方面は完全に穴埋めに成功したが、これも絶対安心というわけではない。スターリノ戦線で風雲急を呼んでいる。スターリノ戦線ではジューコフ司令官先頭のエネルギッシュな攻勢の前に徐々に押されつつある。当地の第3装甲軍団も防衛戦で手が一杯である。サドンデスが迫る危険な状況である。SS装甲軍団はイジュム戦線を後にしてスターリノ戦線に戻る。
 装甲軍団のいない・不活発なスミやイジュム方面でまたも活性化し出す。スミ方面では突破がなりかけたがすんでの所で第48装甲軍団が駆けつけることに成功した。スターリノ戦線では消耗した第3装甲軍団に代わりSS装甲軍団が戦車軍を圧倒!蹴散らす。恐れおののくロシア軍。最強のスタックがボロボロにされたと喚いていた。スターリノ方面はこれで落ち着くだろうが、長居はできない。
 ともかくこの装甲軍団の救援でサドンデスは逃れたところで時間が来たのでお開きにした。

 ハードなゲームである。攻防共に大きなプレッシャーを感じつつプレイできる。どちらをプレイしてもそれぞれに面白いと思う。もちろん楽しむためにはシモニッチシステムというハードルを越えなくてはならないが、越えるだけの価値はあるだろう。簡単な作戦級をプレイしているとこれぐらいのゲームでも煩雑に思えるかもしれないがマグネチュードについてなど面白い観点でデザインされており進化した20世紀最後期のゲームデザインを感じることができるだろう。
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