(SPI/HJ)モダンバトルズ〔中国農場〕_リプレイ
表題のゲームをプレイしたので報告する。本ゲームはSPIのクワドリゲーム、モダンバトルズ中のチャイニーズファームをHJ社がタクティクス誌の付録として付けたものである。マップ、カウンター、ルールのどれを取ってみても古くささは隠しきれないが、カウンター数、小型マップ、慣れたもの同士であれば最小限のブリーフィングで始められる本ゲームを始めとする付録ゲーム群は、ゲーム時間が限定された状況や手軽なゲームをしたいときにはうってつけである。
さて本ゲームは第4次中東戦争のシナイ戦線でエジプト軍戦線を突破しスエズ運河を渡河しようとするイスラエル軍の反攻作戦を扱うもので、エジプト軍戦線を攻撃し突破を図るシャロン師団は突破後西岸に橋頭堡を確立し、アダン師団を投入して戦果の拡張を図るといったものである。シャロン師団の師団長は現イスラエルの首相のシャロンである。史実ではエジプト軍の攻勢から始まったこの戦いはイスラエル軍の抵抗により停滞し、イスラエル軍の反攻作戦であるストロングハート作戦により運河南部のデベルゾアルに突破口をひらくが、エジプト軍の反撃がチャイニーズファーム付近で起こり、これを凌ぎきったイスラエル軍が西岸に橋頭堡を拡大し運河南方でエジプト軍を包囲することに成功する。
シナリオではチャイニーズファームでの戦闘と西岸に橋頭堡を築くあたりまでが扱われている。プレイはターン数と練習シナリオとおぼしきシナリオ1をプレイした。シナリオ1では航空機による地上支援やSAMのルールがオミットされている。プレイではTS氏がエジプト軍、筆者がイスラエル軍を担当した。
第1プレーヤはイスラエル軍である。シャロン師団は東岸に大挙として存在するエジプト軍を攻撃し、突破すべく前進する。一部は南部より合流を画策するエジプト軍を迎撃し殲滅を図るため派遣した。シャロン師団は正面よりぶつかることは避け、デベルゾアル方面より攻撃することにする。イスラエル軍の得点は西岸に橋頭堡を作ることとイスマイリアを占領することである。エジプト軍は東岸に部隊が残ることとイスラエル軍部隊の撃破である。
イスラエル軍部隊の損失はエジプト軍の得点となるので慎重に攻撃である。何しろ戦力差のマストアタックで砲兵支援ありである。CRTは後退型であるので囲んで後退を強いるのが常套手段である。延翼運動で配置の弱点をつきつつ前進。戦果はあげるが後退型であるのでZOCで囲まないことには意味はない。
数度の攻撃でエジプト軍は時間を稼ぎながら遅滞戦等を繰り返す。このシナリオは8ターンである。本当に間に合うのか不安になってきたので少々低比率でも攻撃をかけることにした。低比率攻撃での成功は大きな成功を生むが、失敗は前線の混乱とエジプト軍の反撃を生む。
エジプト軍は毎ターン大規模にユニットが来援するが、イスラエル軍は6ターンになるか架橋工兵がスエズ運河に橋を架けた次のターンにアダン師団が増援としてやってくるかしかないので、チャイニーズファーム付近のエジプト軍を早期に掃討し、橋を架け増援をものにしなければならない。今回は橋を架けようにも掃討がうまくいかなかったのと運河の向こうにエジプト軍が陣取っていたので早期の架橋はならなかった。
結局アダン師団は6ターン以降にやって来たが、勝利のためには運河東岸のエジプト軍を殲滅することと西岸に部隊を進出させることである。現状ではイスラエル軍の被害は結構多いのでエジプト軍の勝利得点は結構ある。エジプト軍の殲滅と西岸への進出は必須であるがその縦深は殲滅には時間が掛かるようであった。時間が掛かる要因はユニット数の多さとそれを支援する砲兵の数である。アダン師団程度では役不足である。
最終ターンまでにかなり押し込んだつもりだがそれでもあと数ターン掛かりそうな感じである。勝利得点を勘定するまでもなくイスラエル軍の敗北である。
プレイした感じはエジプト軍の砲兵は強力であると感じた。イスラエル軍がこのシナリオで勝利するには早期の架橋と地上支援が必要と感じた。それ以外はマストアタック特有のプレイ感は緊張感がある。
結局朝鮮戦争に引き続き歴史がひっくり返るような大敗を喫した。朝鮮戦争では赤い津波が半島を覆い尽くし、中東ではシャロンがクビになった。両方とも現在に影響を与えること甚だしい。
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