(サンセットゲームズ)The Korean War_リプレイ
サンセットゲームズのThe Korean Warをプレイしたので報告する。
このゲームは元々はエポック社から発売された「朝鮮戦争」で元々流通量が少なく幻となっていたゲームを再販したものである。
私がこの原盤のゲームを知ったときには既に流通は終わっており、幻の欠番としてプレイや所持は一つのあこがれであったわけだが、サンセットゲームズから再販されたときには諸手で拍手を送ったものである。
さてこのゲーム、朝鮮戦争を名乗っているが朝鮮戦争のフルキャンペーンは出来ない。扱う時期は開戦から中共軍の介入する前の国連軍の反撃までを扱っている。フルキャンペーンを扱うゲームならば(VG)The Korean Warだが今となっては入手は難しい。後半の膠着期間を省いたものであるなら(MMP/GMR)ザ・フォゴットン・ウォーが入手は可能だ。ただしこれらのゲームはフルマップ2枚以上あり、おいそれと簡単にプレイできない。
そういう意味で簡単で戦争前半のクライマックスを手軽に味わいたいのであれば本作に限る。スケールは大隊~連隊~旅団級で38度線から釜山、つまり朝鮮半島の中南部が描かれる。
プレイ開始。
今回はTS氏が北朝鮮軍を担当する。筆者は国連軍である。北鮮軍の奇襲から始まるこの戦争は序盤は国連軍は圧倒される。ゲームでも北鮮軍の典型的な1ユニットである歩兵師団は戦力6であるが、韓国軍は2である。北鮮軍の戦車部隊は韓国軍のZOCを無視でき、2次移動ができ、戦車突入という特殊な攻撃方法を試みられる。序盤は韓国軍しか存在せず分散し、北鮮軍は準備を整えて攻勢をかけてくる。史実同様総崩れが予想される。
ゲームでは事前移動ができるのだが何をトチ狂ったのか包囲されるような配置をしてしまった。それを見逃すようなTS氏ではない。確実に包囲し、戦車突入させてくる。
生き残った戦力は戦線を張りつつソウル周辺に撤退である。ソウルに部隊を残地させつつ漢江で足止めを策すことにした。が、敵の追及は早く戦車の突入をおそれるあまり味方部隊を残したまま漢江橋を爆破。北鮮軍の失笑を買う。
その甲斐もなく側面を突かれた国連軍は総崩れ。第1金日成ライン付近での防衛戦ないしは遅滞戦を計画するも後退中に捕捉される部隊続出。いきなり破綻。戦術空軍の使用解禁と共に移動妨害をし、増援の米軍で最終防衛ラインを固守することに決定。韓国軍は1個師団強しか残っていない。先行きは不透明というか完全に負け決定だが、無抵抗で釜山最終防衛ラインを超えられるのには抵抗があるのでサドンデスを回避するべく努力する。共産軍に南鮮侵攻は軍事ピクニックだったと語らせないためにも!
しかーし!重大な勝利条件に気がついてしまったのである。8ターンまでに北鮮軍が勝利条件都市(慶州・大邱・馬山・浦項)の全てを占領すると勝利するという項目があるのだ!
釜山周辺はほとんど守るに利用する地形が無く部隊数が少ないため釜山とその周辺でスクラムを組んで守りを固めているが丁度西端に馬山が存在し、独立部隊が守っているだけだった。異常に危ない。
勝利の美酒に酔いしれる北鮮軍はそんなものを見逃すはずがなかった。4個師団にマンセー攻撃付きで勝利を確実に奪い取ってしまったのである。国連軍に反撃の余地は無かった。捻出できる米軍2個師団を投入しても都市に居座る北鮮軍を叩き出すことは不可能であった。あと1師団あれば....サドンデス決定である。
簡単なルールで北鮮軍のエキサイティングな攻撃とギャンブル性に満ちた国連軍の反撃を楽しむことができる本作はお手軽なキャンペーンとしては無視できない存在である。確かに北鮮軍の戦車部隊のみ特典があるのはやりすぎかもしれないが、元々北鮮軍には進出ラインを決められて撤退宣言をしなければ下がれないとか、撤退宣言には自らの束縛から逃れられる代わりに致命的な代償があるなどのことから見ても必ずと言うほどやりすぎでない。これらのユーザーコントロールの部分が好き嫌いが分かれるところだと思うがシンプルな作品であるのでこれはこれでいいと思う。
今回は恥ずかしいサドンデス負けを喫してしまったが、国連軍は序盤の守り方は慎重に大胆に気を抜いてはいけない。緊張感を無くした瞬間に北鮮軍の戦車はホットナイフのように国連軍を切り刻んで翻弄してくれることだろう。その後に待つものは防衛ラインでの兵力不足である。
ここまでで気がついたが、本ゲームは意外と時間が掛からずサクサクできる。実に2時間程度でここまで進むことができる。これは時間の少ない親爺ゲーマーにとっては願ってもない福音だろう。
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