アルマの戦い(GDW/国通)リプレイ
今回は先日久しぶりにゲームプレイを観戦したので観戦記をアップしようと考えたが、当事者達の所感などが得られなかったため、執筆が停止状態である。従って代打で困ったときの過去プレイ録である。今から3年ほど前に国際通信社からGDWの120シリーズが相次いでリニューアルされた。その中の1作にアルマが含まれているのだが、何故第1作目にアルマが含まれたのかは良く分からない。
それでは3年前のリプレイをどうぞ。
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さて、いくら何でもこう数ヶ月もゲームプレイがないとゲームに対するカン・コツなどが急速に失われる。
危機感を覚えた我々はと言うか自然発生的にお互いを求め合うようになるものである。幸い過去にゴールデンウィーク時にビッグゲーム大会などと言うイベントがあったように、何かイベントを求めて集うものである。
今回は本来なら久しぶりにマルチのはずであったが、何かの手違いで流会となり悶々と過ごしていたある日。病院に入院しているはずのTS氏から連絡が入った。
「今家やけどメチャメチャ暇なんやけど。」
暇か忙しいかよく知らないが、入院しているはずのTS氏から一時的に帰宅しているという連絡は悶々としてゲームを眺めるだけの私を活気づけた。
TS氏の「暇」は「ゲームしよう」と同義語である。行かないわけにはならない。いや行かねばならない。
さてゲームしようと言うことになって、本来ならゴールデンウィークの前日、前々日にプレイされるはずだったゲームを取り出して選択し始めた。
「フォートレス・ヨーロッパ」「ロシアン・キャンペーン2」「ヴィクトリー・アット・シー」 「バルジ大作戦」「アルマの戦い」「第1次世界大戦」等々である。
TS氏が通常の状態であれば簡単なゲームであるが、病み上がりのTS氏にはフルマップのゲームはさすがにつらいので、ハーフマップのお手軽サイズの「アルマの戦い」が選択された。
アルマの戦いはクリミア戦争でおこなわれた最大の戦いで、セバストポリ要塞をめざす英仏連合軍を迎撃するロシア軍と言った状況で、英仏軍がアルマ川沿いに布陣するロシア軍を突破するというゲームである。
例のごとく担当する軍はサイコロを振って決定された。案の定英仏連合軍はTS氏が、ロシア軍は筆者の担当となった。配置は決められたようにしか置く余地はなく、英仏連合軍もロシア軍もそれは特に変わらなかった。
英仏連合軍の特徴と言えば双方とも士気が高く英軍第1師団、騎兵部隊に至っては最高のレイティングである。ただし英軍は軽師団のように一部レイティングが低い部隊もあるので、全体を見るとフランス軍の方が平均的に能力が優れている。 面白いのはフランス軍が例えば外人部隊や植民地兵が中心に構成されており、本国部隊よりレイティングが高いことである。
ロシア軍はそれこそ悲惨である。守る側であるからそれほど気にしなくていいのかも知れないが、レイティングは最悪である。士気も連合軍の最低部隊並みの士気値がロシア軍の平均的なレイティングである。
唯一慰めとなるのはモスクワ部隊のように一部の白兵戦能力に秀でた部隊があること、砲兵が重砲兵、野砲兵、騎砲兵などのようにバラエティに富み、かつ連合軍よりも性能的、量的に優越していることである。
地形はアルマ川を挟み右岸が高地帯でその高地帯にロシア軍が配置している。川、斜面には多大な移動コストがかかり、移動には難儀する事が予想される。
連合軍側から見れば高地に陣取るロシア軍のウィークポイントは2カ所。配置制限で兵力が薄い西部の沿岸、中央部の隘路が攻撃のポイントである。勝利を得るためには中央部の突破が最短であるが、ロシア軍の強烈な妨害と抵抗があることが予想され、西部からの迂回コースは妨害と抵抗は少ないものの距離があり、どちらも一長一短である。
ロシア軍としては迂回路コースの攻撃に対し遅滞戦術を、中央コースは兵力が薄いので、予備である騎兵、西部・東部より兵力を抽出して抵抗することにした。なお、序盤は白兵戦値が高いユニットを優先的に回すことにした。
当初の予想ではフランス軍は西部の迂回隊とテレグラフ高地方面の正面攻撃が予想され、英軍は出血を覚悟して中央部隘路を強行突破することを予想した。理由はターン数から見た効率よい最短コースである事と抵抗の少ない箇所と多い箇所を飽和攻撃できるからだ。
ゲームの特別ルールなどを最大限に利用して勝利するならばこの方法が最もまともであるが、ロシア軍の配置によっては大胆に中央突破を謀るべく機動するもよし、大迂回をもって包囲撃滅戦で溜飲を下げるも
よし、ヒストリカルに無能な連合軍指揮官を演じるもよし、会戦級ならではの色々なアプローチや楽しみが試せる。
さて、TS氏はどのタイプのアプローチで来るのだろうか? 予想を大きく裏切らない事を祈るのみだ。
第1ターン粛々と進む
第1ターンとは言ってみれば英仏連合軍が前進するだけである。接敵には時間があるので第1ターンの連合軍の
動きを見てロシア軍は布陣の変換をする機会がある。
今回予想ではロシア軍に移動制限がある西部に迂回してくるかと思われたが、意外にも正面から突破する気のようである。後で聞くと移動制限の話は聞いたが忘れきっていたとの事である。
プレイ後で気が付いた事ではあるが、ルール上初期配置の間違いだが、アルマ川の対岸の村にはU氏が大好きそうな海軍歩兵の輩が配置されていて、あたかも大阪城での真田丸のような景観を呈しているが、実はこの部隊はフランス軍を誘引するための囮であった訳だが、第1ターンの情勢を見る限り成功しそうな雰囲気であった。
何はともあれロシアの海軍歩兵のような中途半端な兵種は嫌いであるので、この任務にはうってつけと言えばうってつけである。U氏がこの事を聴けば噎び泣きそうな話である。
英軍は前面に横隊で整列する師団群は実は連合軍の中では二流の存在であり、第2線に控えている予備部隊こそが大英帝国の伝統を飾るべき精鋭部隊である。第1ターン早々からこれら2級部隊の前進と展開が、これら精鋭部隊の投入が遅れる原因の一つであり、打撃力の欠如であるらしかった。
TS氏曰く「何でフランス軍の方が強いね! 」
ナポレオニッカーが聞けば八つ裂きにされそうな言葉であるが、それはある意味仕方ない言葉であるといえる。と、言うのも後世から見たフランス軍はインドシナ戦争、第2次大戦、第1次大戦、普仏戦争と立て続けに良い所無しである。普仏戦争では事もあろうに皇帝が捕虜になってしまったし、確かに第1次大戦では勝利を収めているが何か喜べない勝利であった。第2次大戦でも勝利を収めているがおまけみたいな勝利である。インドシナ戦争では植民地に大敗を喫し、大国の面目丸つぶれであったしあんまり良いイメージはない。
しかし、このアルマの戦いが行われたクリミア戦争頃がフランス軍が陸軍強国としての地位を保っていた時代であり、帝政フランス陸軍最後のきらめきとも言える。
一般の日本人はクリミア戦争なんて知りっこないし、少し記憶の良い人がいれば世界史で帝国主義時代の戦の一つとして紹介されるし、ナイチンゲールが有名になったのはこの戦争であるし、トルストイが書いた小説「セヴァストポリ」の題材となっいるのを思い浮かべるのみである。
でも、英・仏・伊・トルコ・ロシアという世界大戦並みの大国同士の戦争であるにもかかわらずここまで地味な存在感はやはり基本がロシアとトルコの係争という点のせいであろうか? それとも黒海とクリミア半島いう日本から見てどうでもよい地方を舞台にしたローカル戦争のせいであろうか?
興味は尽きないがそのきっかけを与えてくれるのがボード・ウォーゲームの良い所である。
第2ターン正面
第2ターンでは明らかに連合軍の攻勢指向点が見えてきたようだった。大部分のフランス軍は予想に反して海岸沿いの迂回コースをとらずに、比較的兵力の配置が薄い、テレグラフ高地付近の英軍、フランス軍境界線あたりに重点を移してきた。
可能性はゼロではないと考えていたので、足止め程度の部隊を派遣していたが、本格的に攻めてくる気配であったので、各地から兵力を引き抜かねばならない羽目に陥ってしまった。もっともこの方面にはロシア軍最強の白兵戦能力を誇るモスクワ連隊などが配置されているため、少なくともあっけなく突破という悲劇だけは避けられるはずであった。
「え? 正面突破するつもりですか? 」
ゲーム的には艦砲射撃による移動制限がある海岸部からの迂回進撃が予想されるが、そんな特別ルールがある事をすっかり忘れているTS氏はこう答えた。
「遠いもん。」
そうである。迂回コースはロシア軍の防備が薄い分、勝利条件ヘックスまでは遠くなっている。たった10ターンしかないこのゲームでは1ターンの寄り道は致命的な遅れとなってしまう。徳川秀忠が上田城で足止めを食らうような真似をしてはならないのだ。
ただただ踏み潰す。これが連合軍の信条のようで、まさしく当時から突撃精神「エラン」が万物に勝つと信じられたフランス軍を体現していると言える。
英軍は、と言えばのそのそと進軍し、ようやくアルマ川のほとりに到達し始めた部隊がポツポツと出て、
戦力の集中に努めているようであった。それぐらいしか今のところすることが無く、かつ、進撃路が1本しかないようでスタック制限などのため師団単位で交通渋滞が起きかねない様子だった。また最悪な事に強力で、有能な師団であるほど第2線に展開しているため、その変換に難渋しているようであった。
このゲームでは師団恐慌ルールというルールがあり、壊滅したユニットが発生すると、その所属する師団と同じ師団の全ユニットは士気チェックをしなければならないと言うものであって、士気チェックに失敗すれば壊走してしまうと言う恐ろしいルールがあるのだ。
しかも盤外に壊走してしまったユニットは壊滅扱いとなり、2度とゲームには復帰しない。土俵際での戦いを避ける意味に置いても序盤の攻撃は確実に、防御も変に高比率を立てられないようにするのが鉄則である。
逆にそれはマップ端に追いつめられたロシア軍についても同じ事が当てはまり、特に戦闘結果で壊走の結果が出てしまった場合は同じ様な運命をたどってしまう。
第3ターン華麗なる展開
第3ターンはフランス軍の重点移行に伴って、兵力の移動と展開を果たした。いつもながらの華麗なユニット捌きのおかげで、草の木一本も生えていなかった中央の戦線は戦線らしく守備陣を構築した。
今まで何もなかった所へ兵力をつぎ込むのであるから、少しでも余剰戦力があろうものならこの地に回された。特にフランス軍の海岸部からの迂回行動が見られなかった西部からは大規模に兵力をスライドさせ、
予備兵力だった騎兵部隊と共に火消し部隊として投入された。
当然その弊害として全体的に層が薄くなり兵を均等にバラまいたの観があり、フランス軍の攻勢に耐えきれるかどうかはロシア軍の兵質に頼りたいと言いたい所だが、残念ながら地形に頼り地面にかじりつかなければ突破を阻止する事は難しいと言えるだろう。士気、射撃面では連合軍の半分もないのだ。とりあえず早期崩壊は防いだという事だけを慰めとするのみである。
突破を阻止する事は不可能ではあるが、如何にどこまで粘れるかがロシア軍の目標であり、勝利でもある。早期の突破は敗北を意味し、ゲーム後半期での突破は勝利とも言える。大きな穴をあけないように、致命的な弱点のある戦線を作らないように計画的に運用せねばならない。が、固守しすぎはロシア軍の一大根絶を招き、後退のしすぎは連合軍の勝利ヘックスへの前進を助けてしまう事にもなりかねない。真剣の上を裸足で歩くような微妙なバランス感覚がロシア軍には求められる。
最終的な突破は不回避であり時間の問題であるが、さらに一度平地に出られると、抵抗すべき拠点はあたらず、地形の援護無き抵抗力の少ないロシア軍ではゲームはもはや勝利条件ヘックスへのレースと化してしまうだろう。
連合軍にとって見ればアルマでの戦いはロシア軍との戦いよりも時間とのレースであるので、消極的な攻撃は進撃の低調に繋がるので厳禁であるが、かといって積極的すぎる攻撃も時々不意に発生する師団の後退による進撃の低調に繋がるのでそのジレンマにロシア軍同様大いに悩まねばならない。
第4ターン突破へ
第4ターンでは連合軍はフランス軍方面では攻撃が奏功し、例えばフランス外人部隊や植民地兵の攻撃が悉く成功し、フランス軍の栄光の時代を満喫しているようであった。
逆に英軍の方と言えば攻撃は悉く失敗し、かつ重砲に支援されたロシア軍の反撃が英軍を十字砲火で叩きのめし、事もあろうに壊走する師団まで出る始末であった。
額面上の戦力を見比べると、フランス軍は射撃力・白兵戦力・士気がバランスよく高い位置でキープされており、英軍は一部ゲーム中最高のレイティングを誇りながらトータルで見ると射撃力以外あまり高くない。
しかもフランス軍の進撃する地形は英軍の進撃する地形に比べてなだらかであり、 展開するロシア軍の数は英軍側に多く、重砲をはじめとする大砲などの支援砲火が豊富にあるのが英軍側のロシア軍である。
このターンのトピックはフランス外人部隊や植民地兵の一団が高地帯を一部突破し、ロシア軍危うしの状況に陥る寸前であった。危うしの状況に陥る寸前と言えども別に今そこにある危機が回避されたわけではなくて、危機は続いており、どうやら高地での持久戦は限界のようである。機を見つけて後退に移り、新たな防衛ラインを築かねばならない。
TS氏は「英軍は情けないけど、何でフランスは本国兵より植民地兵の方が強いんや! 」と叫んでいる。
ご説ごもっともである。
確かにフランス軍は本国兵はそんなに強くない。歴史書を紐解けばクリミア戦争に参加したフランス軍は
指揮官はともかく配下の兵たちはアルジェリア(植民地)での戦いで研ぎ澄まされた熟練の士たちで、特に戦争なんかしていない本国兵に比べて強力なのは当たり前なのである。どうも植民地兵が弱いという定説・常識は先の大戦で我が国が経験した経験則のせいであろうか?
筆者は「サッカーでも旧植民地出身のプレーヤーの方が優秀なのが多いから、それはそれでええんと違う? 」とTS氏を煙に巻いてしまったが、TS氏はTS氏で何か新しいものでも発見したように納得していた。
第5ターン猛攻
第5ターンはフランス軍の攻撃は猛烈を極め、孤立して脱出不能なロシア軍などの逆襲が試みられたが、逆に士気差の関係で壊滅を喫してしまうのであった。
すでに西部戦線は完全に破綻しており、フランス軍、特に今まで接敵していなかったり、戦果をくぐっていない新手のフランス軍は次々とロシア軍のいない稜線を越えて前進を開始しだした。
フランス軍方面のロシア軍戦線はテレグラフ高地前面の稜線以外はほとんどが奪取され、図らずも西側から崩れて後退・敗走したロシア軍は背後に回り込まれる事と再び突破を防ぐために縦深配置をとり、時間稼ぎをしなければならなくなってしまった。
英軍側は砲兵の優勢などを得て遮二無二突進してくる英軍に対し、時には師団壊走までも引き起こしたが、逆に第2線で渋滞していた精鋭第1師団などが前面に出てくるようになり、徐々にではあるが攻撃が成功しつつあるようだった。ロシア軍の戦線は東部側に至っては敵の攻撃を挙止し続けたが、テレグラフ高地側の隘路は確実にロシア軍が消耗をきたしていた。
英軍も消耗したロシア軍戦線に主力を投入したいが、交通渋滞、正面の狭さ、ロシア軍重砲の存在、によって思うように行動できないようだった。事実後一押しで突破できる寸前まで来てはいるのだが、あと、1ユニットでもいればと言う所でロシア軍に穴を塞がれてしまうのだ。
このクリミア戦争と同じくフランス軍と英軍が共同戦線で戦った第1次大戦では、フランス軍に対し英軍の能力の高さは群を抜いていたし、第2次大戦でも引き続いて頑強さを示してくれた事を考えると、フランス軍より弱い英軍は違和感を覚えてしまうのは何故であろうか?
第6ターン全面攻勢
第6ターンではフランス軍は難路に足を取られて急追できない事を良い事に、ロシア軍は戦線を整理する事に専念した。もちろんそれには壊走していた諸隊のほとんどが復帰するという、まるで後方で銃を振りかざして戦線復帰を強制するコミッサールでもいるのではないかといったダイスの冴えわたりのお陰であった。
英軍は壊走に次ぐ壊走のお陰で、逆に交通渋滞が緩和され戦線が整理できたようで、東部方面のロシア軍に対し全面的な攻勢をかける事となった。険峻な地形のお陰でロシア軍が守備地点から叩き出される事はなかったが、全線で攻勢に出られたために出血のために戦線が崩壊する可能性も否定できなくなった。
この戦いでも最も活躍したのは頼りない歩兵ではなくて、堡塁に鎮座するありがたい重砲たちで、敵の意図をくじく最大の功績者であった。撃退された英軍は撃退されるたびにTS氏の「あー情けない! 」と言う怨嗟の声に包まれて後退させられ、軍服と同じその赤いユニットカラーはあたかもそのユニットが返り血も含め出血して血まみれになっているように見え、その前途が両軍にとって多難である事を思い知らされるのであった。
第7ターン山を越えて
第7ターンでは連合軍はフランス軍、英軍共に前進し、フランス軍はほとんどの部隊が稜線を越え、英軍は全線に渡って攻撃した成果が現れたのか、ロシア軍の戦線を突き崩し、ロシア軍を壊走に追い込んだ。
TS氏は今までの苦闘がやっと報われた瞬間であったが、しかしもはや第7ターンである。果たして連合軍は勝利条件ヘックスまでたどり着けるのか? それともロシア軍の最後の抵抗でその野望は潰えるのか? はたまた勝利条件ヘックスまでまるで戦勝パレードのように駆け抜けるのか? それは未だわからない未来の話であり、次ターンの動きで決まると言っても過言ではなかった。
ロシア軍的にはこのターンは絶望が覆い被さったターンであった。英軍側では今まで挙止し続けてきた堡塁の重砲群はほとんどが叩き出され、稜線沿いに陣取っていた歩兵部隊も軒並み壊走の憂き目になあった。ほとんどの部隊が壊走状態であり、勝利条件に続く街道上には有力な抵抗線はなく、それこそハイウェイと化している。フランス軍側では展開がほぼ完了し、平地で睨み合う状態となっている。平地では我がロシア軍のレイティングでは正面からの戦いは絶望であり、いかに足止めに使えるかを考えねばならない。 距離的には英軍とは少し距離があるが、手を伸ばせば、走れば届きそうな距離である。
第8ターン壊走
第8ターンでは時間も時間であるのでこのターンで終わる事としたが、連合軍は突破地点に兵力を移動させる事に腐心し、攻撃は前線にあるロシア軍ユニットが少ないために攻撃箇所は少なくなり、実質的な前進は少なかったと言えるだろう。この期におよんで、突破してしまったフランス軍は獲物がいないために前進するだけとなり、突破しかけている英軍は突破点に兵力を集中するのみで終わってしまったのである。
ロシア軍は不死鳥のように甦り、壊走していた軍団は踵を返し前線に舞い戻り、1線のみで守っていたフランス軍戦線では2線以上の戦線に組み替え、全軍が足止めとして縦深陣を取った。英軍戦線では壊走していた戦線はあたかも街道上に抵抗拠点を築くような形で拠点防御を敷く事に成功し、突破して来るであろう英軍を阻止するかのように布陣している。その他の箇所もきれいに戦線を整理し、あたかもこれから来るであろう決戦に備えているかのようであった。
ゲームを終えて調べた結果、フランス軍・英軍共に勝利条件ヘックスに到達できる可能性もあるが、勝利条件を満たせるかどうかは微妙である事が確認された。TS氏はたどり着けないと主張し、筆者はたどり着けるであろうと予想したが、実際に9ターンでどのような戦闘が行われるかで決まるであろう。とりあえず両者共に厳しい戦いであったわけで勝利を得るためにはもう一手が欲しいと言った所である。
プレイをしてみた感想は、シンプルでかつエキサイティングな展開にどちらをプレイしても退屈する事はないだろう。
さすがに古いゲームであって、ルール上言及が足りない箇所もあったが、想像力で補える範疇であったのでプレイはスムーズに進行した。
また初めての120シリーズと言う事で期待大であったが、その期待を裏切らない出来であると思われる。
プレイした2人は日本での翔企画のSSシリーズは120シリーズのような路線であれば崩壊はなだらかであったかも知れない。特異なシステムよりオーソドックスなシステムが求められていたのではないかと思う次第である。
簡単で一方的な展開ではあるが、それぞれにテーマがありまたプレイしたくなるゲームである。
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