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2004/09/07

イラクウォー2003(GJ)_リプレイ

 久しぶりにゲームをプレイしたので報告する。
 今回はシミュレーションジャーナル社の「イラクウォー2003」である。ゲームジャーナル誌の別冊として発売されたが、あまりにも同時性であるせいか、それともあまりに一方的な戦争であったためかプレイを目にすることがなかった。今回TS氏が手に入れてプレイすることになったが、ルールおよびプレイは今回が初めてである。完璧なプレイにはほど遠いが、今回の戦争に関してはイラク軍にとってはそれぐらいのハンデがあっても良いのではなかろうか?
 しかし戦争に不慣れな合同軍はイラク軍に煮え湯を飲まされることになる。プレイ前の予想から筆者が合同軍を、TS氏がイラク軍をプレイすることになった。なお、本文は筆者がゲームを持っていないので細かいところで勘違いや誤りがあるかもしれないことを先に断っておく。 
iraq2003.jpg

 過去にXTR社のバックトゥイラクをプレイし、実際の戦争と同じような展開になったが、かの作品は戦争が始まる前にデザインされたものであるため政治的な状況が史実とは大きく異なっている。しかし本作は戦争後にデザインされたこともあって政治的な状況はかなり正確になっている。
 マップには航空写真のようであり、ゲームジャーナル誌別冊とは思えないほど美しいタッチで描かれている。ユニットはオーソドックスに兵科記号であり、作戦級であることを印象づけている。航空ユニットは機種が何であるかわかるような白抜きの機体上面図である。海軍ユニット(航空・ミサイル攻撃)は側面図の白抜きである。
 ルールは概ね航空攻撃から始まり、施設を攻撃するもの陸上部隊を攻撃するものなどに分けられ、それぞれ解決する。施設への攻撃はイラク空軍とコマンドコントロールに作用し、陸上部隊への攻撃は戦力半減とZOCの消滅が得られる。また航空支援で地上部隊の戦闘に戦力比シフトを提供するものがあり、合同軍は割り振りで頭を悩ませる。
 陸上ではスタック単位で移動・戦闘を解決し、ZOCはINもOUTも移動力を+2ロスさせ、ZOCtoZOCも可能である。地形修正は移動・戦闘共に強力で、全移動力や侵入すると止まらねばならない地形があり、3シフトをする地形も存在する。
 勝利条件は20得点をあげるというものだが、これはほとんど盤上の都市を占領しなければならないというものである。合同軍はユニットの喪失により得点がマイナスされるので注意が必要である。
 初期の配置では陸上戦力で米軍中心の合同軍を圧倒するイラク軍はバグダッドを中心にイラク全土に展開をしている。航空戦力で圧倒する合同軍はクウェートよりイラク領内に侵攻しなくてはならない。

フランクスになれなかった男

 このゲームというか大体のゲームでアメリカ軍を主体とする軍隊は空軍に代表されるように大がかりで強力な支援が約束されいると言って良い。このゲームでは空軍機や海軍機、海軍艦艇のミサイル攻撃などがあり、イラクの空は合同軍のものと言いたいところだが、レーダーや航空基地などを破壊するまでイラク空軍は存在し活動する。
 イラク空軍の活動はほとんどが迎撃任務と言えるが、時として地上支援なぞに投入される可能性がある。イラク空軍は史実で存在が薄かったために関心を持たれないかもしれないが、このゲームではロシア製の戦闘機を中心に数・質共に劣るが侮れない勢力である。
 序盤の合同軍の空軍はイラク空軍の活動を封じるためレーダーサイトの攻撃や航空基地に専心することになる。合同軍の空軍は数が多いとはいえ全てのターゲットを攻撃するには足りず、狙った目標が必ずしも攻撃が成功するとは限らない。
 しかし何をトチ狂ったのか余りよく考えずに航空攻撃をばらまいた。序盤であるからイラク空軍の迎撃があるためF16が撃墜されるという悲劇に見舞われることになる。航空戦はユニットが持つ迎撃値以下を出し更に2度目のサイ振りで迎撃値以下を出せば撃墜成功してしまうため、墜ちるときは墜ちる。これでマイナス2点。
 序盤の陸軍の作戦はバスラとウムカスルなどの海岸港湾地区を占領するためにマリーンと英軍を中心に展開。敵ZOCを無視できたりするありがたい第3歩兵や101空挺師団中心の部隊はナシリアを目指し前進を開始した。
 陸軍の行動はほぼスタック単位で行動し、スタック制限(3コ旅団)と師団制限のため収まるところに収まるような編成となり、攻撃力・防御力としては不満はないが師団数の少なさからスタック数が少なく正面が狭くなるのは仕方ないことだろう。ラムズフェルドを恨むのみ。
 2から3ターンまでにバスラやナシリアは合同軍の手に落ちる。ユーフラテス川沿いに米陸軍、チグリス川沿いに海兵隊と英軍が展開する。攻撃は順調であり、1スタック目の攻撃が不調でも2スタック目の攻撃では確実に成功する。
 第4ターンから第5ターンまでに南部地域の制圧に成功するが、アマリアの攻撃が攻撃がうまくいっていない。都市などでは後退の結果が無視されることと、補給線の関係上チグリス川越えの攻撃を余儀なくされるからだ。ここでつまらない足踏みをしてしまったことと空軍の爆撃を変にばらまいてしまったので空軍に損害が出る。
 第5ターンからバグダッドを含む中部地区の攻撃である。途上にはクート、ディワーニア、ナジャフ、ヒラ、カルバラと都市が存在し、大統領警護隊が籠もる都市もある。地形的にはチグリス川とユーフラテス川が徐々に近づき、バグダッドで最接近する。ナジャフ、カルバラ、クートは川の向こうに存在するので展開にやっかいである。
 第6ターン第7ターンにはディワーニアとヒラ、英軍の攻撃するアマリアを占領することに成功するが、クートには最強の大統領警護隊が籠もっているために攻撃は失敗した。バグダッドはイラク軍が山のように籠もっている。時間がなくなりつつある。
 第8ターンからバグダッド攻略に乗り出す。まずはバグダッド周辺の部隊の殲滅である。都市ではないので空挺部隊を降下してZOCで包囲し効率的な壊滅を目指す。第3師団とマリーンの攻撃はバグダッドを裸にすることに成功するが、1ターン遅かったか。101空挺師団はナジャフとカルバラを攻撃しカルバラを奪取。ナジャフは空軍の支援が失敗したのが痛い。
 第9ターンにバグダッドに直接攻撃するが、航空支援はことごとく失敗し打撃は最小である。更に第10ターンにおいても攻撃を画策するが、第9ターンと同じ結果である。メガシティーの地形効果3シフトはさすがに痛い。更に2本もある河川が展開と攻撃方向を固定されてしまうと言う攻撃側にとって見れば嫌な町である。

 空軍の活用にミスが確かにあったが、初めてのプレイにしてはまあまあ良い出来ではないだろうか。序盤の快進撃は素晴らしかったが、後半の足踏みはいただけなかった。途中まで勝利条件の一つとしてイラク軍の盤上からの壊滅と思いこんでいたのも原因の一つであるが、拙速拙攻を座右の銘とせねばならないのに途中から熟慮遅攻となってしまった。
 ゲームは初めてであるが楽しめた。現代戦のスパイスとしてヘリボーン、空挺降下など細かいルールもある。空軍と戦争に与える影響の関係も面白いと思う。ルールはゲームジャーナル標準ぐらいのボリュームで現代戦作戦級ファンであればプレイすることをおすすめする。
 

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