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2004/09/11

韓国戦争

世の中韓流といい韓国のものがもてはやされているが、それとは別に興味深いシリーズものの最新巻が入手できたので紹介する。

韓国戦争 第4巻 国連軍の再反攻と共産軍の春季攻勢
韓国国防軍史研究所編・翻訳・編集委員会訳

出版社 かや書房
発売日 2004.09
価格   ¥ 2,625(¥ 2,500)
ISBN   4906124585
韓国戦争(朝鮮戦争)の経緯を、「粉砕機戦術」で知られる1951年1月の国連軍の再反撃から6月のリッジウェイ中将による休戦会談提議まで、「国連軍の再反撃」「共産軍の春季攻勢」「戦線の回帰と膠着」の3章に分け詳述。 [bk1の内容紹介]

bk1で詳しく見る  オンライン書店bk1

 朝鮮戦争といえば「遠い隣国の戦争」のように感ぜられる方も多いが、当事国韓国にとって見れば現代の韓国を決定する大事件であったわけで、我が国の戦後史特に経済的な興隆の礎に隣国の「事件」があったことを忘れてはならない。が、同時にこの戦争の遂行の裏面には兵站基地としての日本が見えないところで存在していたことも忘れてはならない。
 このシリーズは今から4年前に第1巻が発売され発売当初から注目していた戦史である。原版は韓国で韓国戦争50周年を記念して、冷戦後の資料解放などをふまえて新しい研究結果などと共に全3巻として発刊された。日本語版への経緯は良く分からないが、全3巻の各巻を2分冊にして合計6巻で刊行されることになったらしい。
 さて、我々があまり見聞きすることが少ない朝鮮戦争であるが、実は過去に膨大な戦史書が発刊されている。陸上自衛隊の幹部候補生学校が編纂した「陸戦史集」の1シリーズとして戦争の生起から終結を全10巻という大作で今回紹介する「韓国戦争」に匹敵する。
 「陸戦史集版朝鮮戦争」は主に米軍の資料によっており、「韓国戦争」は韓国軍の資料が多分に扱われている。また冷戦後の資料なども使用されているので最新の朝鮮戦争戦史といえる。戦況図・図版も適時に挿入されているので不慣れな韓国の地理に理解の一助を与えているが、全体的な地理勘や知識が不足しているためにわかりづらい部分がある。それを差し引いても本書は戦史書として圧巻である。ソフトカバーで戦史書らしかぬ印象があるが素晴らしい戦史書である。
 第4巻はサンダーボルト作戦から始まり数度の中共軍の攻勢を経てマッカーサーが解任され、リッジウェイが後任となりカンサスラインまで再進出する6ヶ月間を扱っている。章によっては戦略的な情勢や、残置された共産ゲリラの掃討戦などにも触れられており、戦史書からはうかがい知れない高度な政治判断や血なまぐさい戦場の側面をも垣間見せてくれる。
 このシリーズは2000年から年1冊ぐらいのペースで発売されるので店頭に並んでも気が付きにくかったりする。次回は2005年に発売だろうが、最終巻は2006年頃だろうか?初めてこのシリーズの第1巻を入手したとき、朝鮮戦争についてここまで詳細に書かれた本を知らなかったので非常に驚いた。
 韓流と言うことで韓国について触れることが多くなった今、ブラザーフッドという朝鮮戦争を題材にした映画が公開され背景に興味のわいたあなた、あるいはシミュレーションゲームでサンセットゲームズのコリアン・ウォーやMMPのフォーゴットン・ウォー等で朝鮮戦争に遅まきながらも興味を抱いたあなたに必読の書と言えるかもしれない。

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