« ココログとブラウザ2 | トップページ | ジ・アフリカン・キャンペーンのルール »

ジ・アフリカン・キャンペーン(国通)紹介

 世の中には全く知られぬ間に出版され、人知れず絶版となるゲームが多数であるのに対し、十年、二十年経とうとも出版元を替えて数度の版を重ねるゲームというものも存在する。今回紹介するゲームは30年以上も前に発売されたゲームで2000年に国際通信社のコマンドマガジン31号の付録として甦ったが、程なく絶版となり今年の9月に再版された。
 さて再版だが、単純にコンポーネントそのままでパッケージングしたところで買ってくれるのはその当時買い漏らしたかわいそうなお客さんのみで、前作を持っているユーザーはプレイしたおして駒やマップがすり切れたとのでない限り買おうとは思わない。時々気に入っている作品だからと言う理由で、プレイ用・保管用等というように複数個所持する御仁が居るが、これはまあ例外と言っていい。
 ところが最近の再版はほとんどが何かリニューアルされていて、前作を持っているユーザーも興味を持てるようになっているようだ。特に国際通信社の再版は必ずと言っていいほどリファインされていると言ってよく、再版のアナウンスがされると少し悩んでしまう。
 普通の雑誌付録や別冊であれば、ホームページやメールマガジンなどから情報が得られるが、必ずしも多いとは言えない情報量であり、判断が難しい。特に最近始まったコマンド・ザ・ベストシリーズは従来の別冊とは一線を画し、本当に売る気があるのかわからないほど情報が少ない。
 今回の「ジ・アフリアン・キャンペーン」にしてもそうで、告知からサンプルの掲載、そして発売ととてつもない短い期間の内に行われている。ユーザーの中には発売されたことを知らない人もいるのではないだろうか?
 そんな不幸な船出から始まった本作が前作とどう違うのか比較しながら紹介したい。
待望の新商品!『アフリカン・キャンペーン』
待望の新商品!『アフリカン・キャンペーン』

まずはコンポーネントから見ていこう。
・マップ(材質・サイズ)
前作はスタンダードなコーティング無しの厚紙で標準的なものであったが、今回はベスト版と言うこともあってハードマップである。ハードマップと言ってもボール紙にソフトマップをマウントしたものではなく、ボール紙に直接印刷されたタイプである。ハードマップは厚みがあるとコーティング用のプラ板やガラス板を乗せられないが、これはそこまで厚みがないのでコーティング可能である。ダイスをマップに投げつける派の人は打痕がつくので注意である。

・マップ(地名表記)
前作はマップ全体の色がくすんだような感じであったため、地名が地紋にとけ込んで見にくい箇所があったが、今回は地紋が見直され、さらに地名の文字の大きさが大きくなったため見やすくなっている。さらに英字表記のみであった前作から大きく違うのは、カナでルビが振ってあり地理に暗くとも読みやすい。前作から悪くなったところはJABEL AKHDARなどが濃い地紋の白抜き文字であったが、地紋の濃度が薄くなったせいか普通の黒文字になっている。人によっては読みにくいのではないだろうか?またゲームに直接関係ないが、シドラ湾などの表記が無くなったのは残念。それでも全体的な表記は読みやすく大変好感が持てる。

・マップ(地形)
前作は平地(砂漠)は彩度の低い黄色で、高地や斜面は茶色で、地形表現はシンプルであった。今回は平地の色が、砂をイメージしてかクリーム色っぽくなっている。わかりにくかった高地と斜面を区別するために斜面は線画で表現され、一目して斜面と高地が判別できる。前作で斜面との違いが今一わからなかった二重斜面の地形が無くなり、普通の斜面になっている。道路は前作より太くなっているので見やすくなっている。また前作で要塞はヘックスを黒太線で囲ってあるだけであったが、今回は赤太線に変更されている。またあまりゲームには関係ないが、アレクサンドリアから地図西端までのと、地図西端からアレクサンドリアまでのハイウェイには、そのヘックス数が5ヘックスごとに道標が書かれているので、どの辺まで進んだ/退いたか数値により一目でわかるようになってる。ちなみにお互いに76ヘックスである。全体的に斜面を見やすくしようとした試みは成功していると言える。地形を全て確認したところ1カ所だけ前作と変わっているところがあった。1カ所だけ道路の通るヘックスが変更となっているところがある。影響はわからないが、持っている人は確認してみてください。

・マップ(チャート類)
前作はほとんど全てのチャートがマップ上に描かれていたが、今回大きく目を引くところは配置が大幅に換わり、地形効果表と枢軸軍燃料保管ボックスや航空機保管ボックスが姿を消し、戦闘結果表の表記方法が変わり、アレクサンドリア側とトリポリ側の2カ所に増え、ターン記録トラックがデザインが変更となっている。戦闘結果表は最近よくあるようなものに変更されて見やすくなっているが、ターン記録トラックに関しては、そのターンの空軍の数や、援軍、補充の有無などがアイコン化されているのでごちゃごちゃして見やすいようで見にくい。前作のように無機質であるが数字だけの方がわかりやすい。地形効果表がマップ上から消えたのも大きな間違いで、ターントラックや地形効果表の改変には理解に苦しむ。

・マップ(全体として)
前作は国通スタンダードとも言うべきオーソドックスなデザインスタイルで、元が古いゲームと感じさせない仕上がりであるが、今回は前作を見直し更にバージョンアップさせた感じがする。ただしチャート類の項でも述べたが、見直した結果グレードが下がっているところもあるので諸手を挙げて素晴らしいというわけにはいかない。

・ユニット(色)
ユニットの色は前作はエポックのようなツートーンカラーで構成されていたが、全ユニットが単色に変更されている。前作ではイタリア軍が連合軍のような色系統であったが、今回はもう少し区別しやすくなっている。
前作のツートーンカラーは下側のバンド色で師団を区別する意味があったが、似たような色であったためわかりづらかった。今回はこのような区別は止め、最近はやりの師団マークで区別するようになっている。アフリカ戦では参加する師団数が少ないため管理は難しくない。
 サブカウンターは前作ではただ単にドットがあるか無いかで判別するしかなかったが、今作ではドットとユニットの色が薄くなっているのでフルステップであるか否かは一目瞭然である。
 分割ユニットは前作では師団番号が新たに付与されていることと、ステップの表示が白地に赤字であることで区別するしかなかったが、今回は師団マークと分割ユニットを表すカラーバンドが付いている。
 連合軍は国別を表す色が兵科記号内にあるが、前作と使用する色が変わり似た色相もあるが、ゲームの進行には大きな妨げにならないようだ。
 両軍とも補充部隊は大きく変貌を遂げた。前作では兵科記号と戦闘力-移動力の他はRの文字が書かれているだけであったが、今回は戦車部隊なら戦車、歩兵部隊なら歩兵のイラストが描かれており、最近のグラフィックらしく描き込まれて緻密である。また司令部は司令官が描かれたパターンもあり、パウル・カレルの砂漠の狐を彷彿させるようになっている。

・ユニット(数値)
ユニットの数値は人によっては小さく見にくいと評価されているが、今回も大きな変更はない。コマンドマガジンのスタンダードと言える。前作はツートンカラーで、ユニット下部が濃い色のバンドであったために白抜きの文字が多かったが、今回は単色のユニットであるため普通の黒字になっている。個人的には見にくくはないと思う。

・ユニット(マーカー)
マーカーにはターンマーカ、空軍力、地雷原、燃料マーカがあるが、前作は昔のゲームらしく没個性なアイコンであるが、今回は最近のはやりのグラフィックをもって表現されている。空軍マーカーはメッサーとスピットであるし燃料マーカはドラム缶などが描かれている。唯一変わらなかったグラフィックは地雷原のマーカーで地雷原という悪趣味なものを表現するにはこれでも良いだろう。
 今回新たに加わったマーカーは戦力比表示マーカという奴で、戦闘比の算出と戦闘の解決が厳密に手順化されていないこのゲームでは、特に必要とは思えない。しかし1:3から8:1まであるこのマーカーは他のゲームに流用可能であるのでブランクカウンターが40コ付くよりありがたいかもしれない。

・補助シート
前作では補助シートはルールブックから切り離すという形であったが、今回は枢軸軍/連合軍共に独立して入っている。補助シートには戦闘序列と称して増援/補充/撤収スケジュールがユニットが描かれており、そこに配置すればセットアップ完了という形になっている。また各師団の分割・サブカウンターの保管ボックスもユニットが描かれており管理がやりやすい。今回は神のサイズをB判からA判に改訂し、大きく余裕を持たせている。表記方法に大きな変化はないに等しいが(8月Ⅰ・8月Ⅱが8月前半・8月後半という形にはなっている)、見やすく置きやすくなっている。サブカウンターや分割ユニットはそれぞれまとめて置くように変わっている。
 もう一つの変更点は壊滅ユニットを保管するボックスが新設され、再建の条件と共に書かれている。

・ルール(表記)
ルールは翻訳をやり直したかのように言い回しが変わっている部分がある。1.0の「はじめに」が歴史背景に変わったり、「ゲームの備品」を「ゲームの用具」と言い換えたりと必要のあるなしにかかわらず表現が変わっている。前作では4.0勝利条件という章があったが、今回は3.0ゲームの準備と勝利条件に統合されているなど細かく変更が行われているようだ。ルール自体は前作の1色から2色となり、判形もB判からA判に変わったので大きくなっている。それにつれて文字サイズや文字間・行間が見直されており見やすくなっている。しかし、ヘッダ部分の面積が大きいので大きくなったような気がしない。むしろ詰まった印象である。
 前作では補助シートの裏に印刷され、切り離された後は利用できなかったプレイ例だが、今回はルールの最後に実際例として描き直されている。こういうところは評価したい。 

これ以上書くと長くなりすぎるのでルールの変更点等は次回に回したいと思う。

以上ざっと比較しながら見てきたが、変更して良かったところ変更しなきゃ良かったところと入り乱れ、必ずしもベストというワケではないようだ。さて、翻ってこのベスト版とはいったい何なのか、誰をターゲットにしているのか?等まで考えるとただの別冊とは違う何かを求めなければならないと思うが、カラーのルールとハードマップ以外に普通の別冊との差別化ができない事に危惧を覚える次第である。

« ココログとブラウザ2 | トップページ | ジ・アフリカン・キャンペーンのルール »

1_WW2アフリカ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/4103/1646494

この記事へのトラックバック一覧です: ジ・アフリカン・キャンペーン(国通)紹介:

« ココログとブラウザ2 | トップページ | ジ・アフリカン・キャンペーンのルール »

フォト

読書

  • ぐちーずの最近読んだ本

他のアカウント

Facebook Other Skype Twitter Yahoo!
無料ブログはココログ