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2つのバルジゲーム_タイガー・イン・ザ・ミスト(GMT)

 12月と言えばウォーゲーム会ではバルジの戦いをしたくなるのが人情というものだ。

前年度までは、割とそういうムードに支配されながらも避けるかのように12月のバルジゲームのプレイは行われなかった。その理由として単に忘れていたとか、時間が取れなかった、準備が間に合わなかった等々だ。

 今回は突如としてゲーム会を開催する事が決定され、慌ててゲームの選定を行う事になったが、 12月のバルジをしなければならないという強迫観念と、コマンドマガジンの編集後記にあった今後の付録ゲームの予定に中にバルジゲームを見いだした事もあり、バルジゲームを中心に選択せざるを得なくなってしまった。

 そのバルジゲームはGMT社のTiger in the Mistだ。このバルジゲームは元々は同人出版であったが、 あまりの出来の良さにGMT社が買い取ったと言われる(筆者注:出典元不明自信なし)ゲームで、 発売当初珍しいスタイルと共に話題を呼んだが、絶版と共に忘れ去られたゲームだ。

TIGER_I_MIST

 このゲームは珍しい事にエリア式のゲームで、戦車部隊などは道路に沿ってしか移動できないので制限のあるエリア式ゲームだ。また、バルジゲームではよく見られる橋梁爆破や架橋などのルールがあり、道路と橋梁による渋滞を狙ったゲームと言える。

 マップはおなじみのアルデンヌ方面が描かれており、北はアーヘン南はルクセンブルグと西はミューズ河までと縦深は他のゲームとも同じだが、南北が少し広い。しかし、他のゲームと違うのはエリア式である事と、そのエリアの絶対面積が小さいのでA1サイズのマップサイズ中2/3しか使用していないために手狭く感じる。 中にはそのエリアに1スタックしか置けないんじゃないかと思われるほど狭いエリアも存在する。

 マップに描かれる地形は町、森林、湿地など実にカラフルだが、全く移動や戦闘に関与しない。歴史的興味のみの表現で、道路、川、橋の表記がこのゲームでは影響する。

 マップの外にはターンレコード・トラックや勝利得点トラック、バトルボードや各種チャ-トが描かれており、 同じような事がプレイヤー・エイドカードに記されたりしているので日本側で再版するのであれば、 そういったところをもう少し整備してやると良いような気がする。

 ユニットは兵科記号ないしは戦車・砲の側面図が描かれており、セットアップ等のアイコンや大きく描かれた戦力段階を表示する数字が1つあるのみだ。 もちろんユニットの数値はそれだけでなく攻撃射撃力-防御射撃力-移動力と存在するが、ユニットに書かれずチャートに書かれている。 驚くべき事に同一兵科は同じ値だったのだ。いや攻撃射撃と防御射撃にのみに着眼すると、戦車・歩兵・砲兵の3種類しかない。 工兵は歩兵と同じだし、機械化および自動車化歩兵と徒歩歩兵の差は移動力のみでしかない。

 兵器機材に興味のあるゲーマーであれば、重戦車大隊の装備するケーニヒスティーガーとM4シャーマン戦車との射撃力が同じである事に違和感を覚えるかもしれないが、このゲームではこのような差はステップ数の多さで処理されている。つまりティーガーはステップ数が多くシャーマンはステップ数が少ないという事だ。 このような強さを潰れにくさで処理しているのはSSパンツァーでも見られる。

 射撃は射撃を行うユニットの戦力分ダイスが振られ、ダイス修正を経て自分の射撃力以下の目を出せば、ヒットを得られる。いわゆるダイスパワーだ。1ヒットは戦力を喪失させるので、ケーニヒスティーガーなどは5ダイスを振る事ができる。

 さて、プレイの方に戻ろう。今回のプレイはK氏との間で行われた。K氏と言えば、過去にバルジのゲームにハマってしまい、色々な人を巻き込んでバルジの戦いをプレイし続け、あまりにやりすぎたためにバルジの戦いそのものに嫌悪感を催すほどになり、別のバルジの戦いをプレイしようとしても断られ、筆者のヒト帝並に禁句に等しかった。

 今回何故か約束の途上で、バルジでも良いとの事で心変わりしないうちにこのゲームを持ってきたわけだ。 プレイは前々から西部戦線でいい加減連合軍もやりたいなあと、言い続けていたせいもあって連合軍は筆者が、 ドイツ軍はK氏がプレイする事になった。あまりに久しぶりにバルジができるとあって興奮しすぎたせいか風邪をひいてしまった。

 選んだシナリオは練習シナリオの「第7軍の攻撃」。ブラスコウィッツが主役という全世界数百万の第7軍ファン垂涎のシナリオ。北の第6SSや第5装甲のように戦車主体の軍ではないが、歩兵を中心とした戦力で弱体な連合軍の戦線に攻撃をかけるというものだ。選んだ理由は別にブラスコウィッツファンというものでなく単に練習シナリオで雰囲気をつかみたいというものだ。

 配置はシナリオの指定により自由はない。薄い連合軍の戦線にドイツ軍のハイスタックが隣接している。 その前面の橋梁は開始時より落とされているので、ドイツ軍はこれを修復せねばならない。

 ドイツ軍の攻撃は1エリア1ユニットしかいない連合軍の戦線に対し、制限一杯のスタックで攻撃をかけてきた。 防御側は最低でも1ユニットの防御砲撃を要請でき、連合軍は4/5の確率で要請に成功する。砲兵は敵の攻撃に先立って射撃でき、防御射撃の場合1/2で敵にヒットを与える。数の少ない連合軍にとって砲兵の召喚は必須である。

 ドイツ軍の第1撃は予想通りの圧倒的な戦力で、米軍を吹き飛ばした。独軍は左翼より3エリアで攻勢を発起している。3エリアのうち独軍右翼は1ユニットしか存在しない。移動エリア制限で他の2スタックと歩調を合わせ、 その1ユニットはディーキルヒ方面に向けて前進する。

 本来ならこのディーキルヒ方面には守備する部隊がいるはずだが、シナリオの陰謀的ルールにより除去された事になっている(涙)。このディーキルヒこそが独軍にとっては落ちていない橋梁のある=機械化部隊が無条件で補給を通せる地点であり、連合軍を拘束し勝利条件エリアへと続くバックドアだ。

 このゲームでは1ターン3インパルスであり、このシナリオは合計9インパルスで終了する。 独軍が勝利を得るためには勝利条件エリア2エリア(ルクセンブルグとメルシュ)のうち、1エリアを完全に支配(敵ユニットを駆逐する)と継戦状態(両軍が存在する)が最低条件だ。両方のエリアが継戦状態でなければ連合軍の勝利と言える。

 ドイツ軍には増援があって2ターン目から移動開始となる装甲擲弾兵、4ターン目から増援として登場する第614及び第653重駆逐戦車大隊がある。重駆逐戦車大隊はエレファント??の側面図が描かれており、 ゲーム上能力に差がないと言われても動揺が走る。 2ターン目以降にはこれらの部隊がディーキルヒ方面から攻撃をかけてくる事に間違いがないので、できるなら足止めをしなければならない。

 しかし足止めと言っても動ける部隊は少ない。動ける部隊は限られており、防がねばならない地点は多い。 遅滞防御を実現するためにも歩兵は2線目で塹壕を掘り、1線目が破れた時の対策をしたいところだが、 動ける部隊や増援の部隊の半分が戦車部隊であるので塹壕が掘れない。

 ディーキルヒには戦車部隊で足止めをしたつもりだが、ドイツ軍砲兵の防御射撃で損害が出ているので前に出して良かったのか悪かったのかわからない。しかし3インパルスあるうちどれか1インパルスでしか移動できないので、1ターンでも足止めできればOKと思っていた。

 ターンが進むにつれてディーキルヒ方面から圧力がかかりつつある。エヒタナハ方面も破れてドイツ軍があふれてきた。ターン1度しか動かせないのが幸いしている。第2線の準備が整わないぐらいに第2線も戦闘に巻き込まれる。連合軍のユニットが少ない上、増援も含め1/3が1戦力しか持っていないので戦闘に耐えられない。

 ドイツ軍を指揮するK氏はインパルスに一度しか移動できず、交通渋滞に見舞われる現状にいらだちを覚えているようだった。筆者は筆者で連合軍が打たれ弱い事に気が付き、次の戦いでほとんどの部隊が姿を消す事に憂慮を覚えていた。K氏は思いついたように攻撃方法の変更をし、連続して攻撃してくるようになった。

 破綻はすぐに来た。戦力段階が1がほとんどの連合軍はあっという間に姿を消し、ルクセンブルグやメルシュが第一線となった。連合軍は戦力も1か2である。案の定メルシュが激闘の末陥落し、ルクセンブルグも後を追った。サドンデスである。

 練習シナリオとはいえ、ドイツ軍有利な設定とはいえ、もう少しまともに戦えたかもしれないが、肝心な時に砲兵の支援が得られなかったりした事もあり、反省が残るところだ。ヘックスと違いエリアのマップでちょっと違和感があるけど、微妙に道路や隣接エリアにより接続するエリアでも重みの軽重が発生し、同じ所でも機械化部隊と徒歩部隊で重みが違うのも面白い。機械化部隊の渋滞を道路とスタック制限という簡単な方法で再現している事は評価できる。それにしてもマップは手狭に感じる。ルールには誇らしげに書いてある「マップ上の1インチは、実際の約4マイルに相当します。」を1インチ2マイルぐらいにして欲しいもんです....

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