VINEGAR JOE’S WAR(DG)紹介
今回は久しぶりにゲームの紹介をします。...と言っても未訳の新製品ですのでおおよそ表面上の紹介にとどまります。今回はVINEGAR JOE’S WAR(DG)のファーストインプレッションです。
VINEGAR JOE’S WARは名前から察せられるように第2次世界大戦CBI(中国・ビルマ・インド)戦域のキャンペーンゲームです。何故、CBI戦域でも米軍側一司令官に過ぎないスティルウェル将軍の渾名がゲームタイトルなのかわかりませんが、マウントバッテンズ・ウォーとかカワベズウォーでは無いようです。
筆者はCBI戦域の戦いに興味を抱いており、S&T誌の予告に載っていた頃から特にこのゲームには期待するものがあって注目しています。何と言ってもこの戦域はゲーム化が少ないのです。
-マップ-
ゲームの扱う範囲は41年の第25軍によるマレー進攻作戦から45年の終戦までを扱います。1年は4ターンに分かれ、その内1ターン(Ⅲターン)はモンスーンとして移動や航空、戦闘等に制限が加えられるようになる。
マップの範囲は西はインドのカルカッタ、東はベトナムのハノイ、ランソン、北はインドのレド、雲南の昆明、南はシンガポールと広大なCBI戦域のほとんどを描いています。
地形は基本と言える町、河、平地、湿地、ジャングル、荒れ地(高地)、山岳の7種類。マップグラフィックはユースト氏、荒れ地(高地)、山岳が同系色の為、視力の関係で見にくいという人がいるかもしれない。それ以外は地形判定で特に迷うような場所はない。
地形は移動力とZOC、防御力、スタック制限が変化し、重装備と軽装備のユニットで修正が違う。連合軍は重装備の部隊が多いのに対し、日本軍は軽装備の部隊が多い。重装備と軽装備の部隊の差は防御力修正に現れ、軽装備の方が防御修正が有利だ。重装備の部隊は道路移動が有利になる。またZOCは地形により軽装備部隊の方が展開されることが多いが、重装備側のみが展開できる地形も存在する。
チャート類はほとんどが結構小さい字でマップ上に書かれているが、ランダムイベント、勝利得点表、航空任務チャート等はルール末尾に書かれており、そちらを参照せねばならない。雑誌添付のゲームであればまあこれぐらいが限界かも。
-ユニット-
ユニットは師団規模。数字のレイアウトはよくある戦闘力-移動力で、大半の連合軍と一部の日本軍は重装備部隊であるので、戦闘力と移動力の間にそれを記す+マークが付く。日本陸軍は開戦から終戦まで南方軍に所属した師団や所属したであろう部隊がユニット化されている。またタイ、マレー、仏印までマップに納まっているため、タイ王国軍、ヴィシーフランス軍やその他の傀儡政府軍も到着する。日本軍のレイティングで最強師団はマレーに投入された第5師団(6+10)、最弱は46,49,94各師団(4-6)。オプションユニットと同盟軍や傀儡政府軍も加えると最強師団は日本軍の戦車第3師団(7+10)、最弱はインド軍の(2-6)となる。日本軍の重装備部隊は少ないが、同盟軍・傀儡政府軍の重装備率は高い。
連合軍は各国軍がラインナップされており、英軍、米軍、オーストラリア軍、中国国民党軍などCBI戦域らしい国際色豊かである。連合軍のレイティングで最強はオーストラリア軍の第8歩兵師団(7+10)が最強となり、ビルマ師団(3-8)等が最弱となる。ざっと見た感じ数量は別として表面的にはどちらかに圧倒的な差というものはないように見える。
空軍ユニットは連合軍は日本軍の倍与えられており、海軍支援ユニットも倍以上あり、支援面では史実のように大きく水をあけられている。空軍・海軍共にユニットにはシルエットが描かれておりわかりやすくなっている。
カウンター類はシンプルにまとめられており、わかりにくいと言うことはないようだ。
さて、ユニット・カウンター類のデザイン面について1つ苦言を呈すると、日本軍側の配色と連合軍の英連邦軍の配色は薄いか濃いかの違いでしかなく遠目にはわかりにくい。幸いにも日本軍側の戦闘力と移動力、部隊名は赤字で書かれており、これをもって区別ができると言えばできる。しかしあまり似ている配色は移動忘れなどプレイに問題が出ないだろうかと心配してしまう。
-シナリオ-
シナリオは少なすぎず多すぎずの基本3シナリオが添付されている。グランドキャンペーンとも言うべきシンガポール進攻から終戦の16ターンにわたるシンガポール・トゥ・カルカッタ、インパール作戦から敗戦までを扱った7ターンのインパール、シンガポール攻略を扱った4ターンのショートシナリオのフォール・オブ・エンパイヤーとバリアントシナリオが2つある。
マレー戦スタートのショートシナリオがあるならばビルマ戦スタートのショートシナリオや、キャンペーンがあっても良かったと思う。もちろんビネガージョーという割には北ビルマを題材としたシナリオが無いというのには驚いた。
今回は少しビジュアル的なことを中心に紹介をしたが、機会があればシステムの紹介などをしてみたいと思う。
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