« Triumph& Gloryアウステルリッツシナリオ(GMT)プレイ | トップページ | オペレーション・ソレイス(国通)プレイ »

2005/06/26

幻のレイテ湾海戦(GJ)プレイ

 さて、共用の大和談義に触発されて、というわけではないが陸戦のゲームを続けていると、ふと海戦のゲームをやりたくなるときがある。季節柄かどうかわからないが「夏」に近づけばその傾向は強くなる。
 今回は簡単な海戦と言うことでGJ11号付録の「幻のレイテ湾海戦」だ。過去同じような水上砲撃戦と言うことで「戦艦の戦い」をよくプレイしたが、今回このゲームを選択した理由は、「戦艦の戦い」には無い独特な砲撃システムにある。
 おおざっぱに分けると、海戦ゲームで水上砲撃戦を扱う場合、射撃・防御のデータを詳細に修正やチェックを経るタイプと、あたかも陸戦のようにオッズ式のように明快に単純化している物がある。

 海戦全般を再現・体験するには単純化した物でも一向にかまわないが、艦船マニアであれば艦船に対する詳細なデータ(個性)に魅せられて、詳細な物に行き着きやすいが、あまり詳細に過ぎると1艦を操作するのに精一杯となって多数の艦船が参加する海戦を再現できなくなる。言ってみれば艦船のシミュレーターとなってしまう。
 一番良いのは適度な詳細さと軽いシステムということだが、なかなかどうして全てを満たす物は難しい。
 さて、単純化の過程でどこにデザイン上のポイントを置くかという点で本作は「狭叉」状態を中心に据えてデザインされている。「狭叉」状態になると、敵に打撃を与えやすくなるが、その維持のためには直進を余儀なくされる。また、一回に変針できるのは2隊までと言う制限もあり、射撃と艦隊運動に制限を加えて単純ながらも似たようになりやすい海戦ゲームに独自の視点を加えている。

 プレイは筆者たっての願いで日本艦隊を筆者が、米艦隊をK氏が担当することにした。米戦艦の能力をあまり知らないK氏が物珍しそうにユニットに手をやった隙に、米軍プレーヤーシートを押しつけて日本軍プレーヤーシートを確保したのですんなり決まった。

 シナリオはサンベルナルディノ海峡突破で、日本艦隊側としては海峡を突破し、盤端を目指して直進あるのみだ。
 そのためにも艦隊は足の速い巡洋戦艦を1隊としてまとめ、米主隊を引きつける役目を負う。駆逐艦は駆逐艦としてまとめ巡洋戦艦の背後を走り後方から必殺の水雷戦を企図する。敵主力が巡洋戦艦群に拘束されているならば、一転して盤端に向けて突破を図る。大和及び武蔵は武蔵が損傷していることもあって低速だが直線的に移動し、盤端に向けて前進する。なお、大和級2隻の破壊力を持ってすれば米戦艦など一捻りと言いたいところだが、米軍は戦艦6隻というゴージャスな編成だ。
 損傷艦を含む大和・武蔵はトロトロと進む。金剛・榛名の巡洋戦艦隊と重巡・駆逐艦の重水雷戦隊(勝手に命名)は速度が速いのでドンドンと距離が空く。さすがに艦隊同士の距離が空くのは拙いので、高速艦は適度に変針し、ジグザグ進行を心がける。低速大和隊は直線的に進む。
 マップ端を突破すれば日本軍に得点が入るが、簡単に突破できないように日本軍の進入する海域と米軍の待ち伏せする海域は海峡で隔てられている。海峡で待ち伏せする米艦隊に突入する艦隊と言えば西村艦隊の末路を思い浮かべるが、大和・武蔵の破壊力を持ってすれば・・・・(以下略)
 と言うわけでと言うか足の速い米軍艦隊に海峡出口を押さえられるわけにはいかないので、快速艦隊は大和を置いて前進を始めた。金剛・榛名はネルソンタッチのごとく単純陣で遊弋中の米艦隊に突入し、後続の重水雷戦隊もこれに続く、金剛達が米軍艦隊の隊列を乱し、重水雷戦隊の水雷攻撃で打撃を与え突破を図り、混乱しているところを更に後続の大和・武蔵の46糎砲で翻弄するという。聯合艦隊万歳な夢想的作戦だ。
 しかし・・・
 ニュージャージー、アイオワ、ワシントン等の米戦艦6隻の攻撃は凄まじく、大落下砲弾でもあったのか金剛榛名は程なく狭叉、轟沈という悲劇に始まり、後続の重水雷戦隊も半分の艦は魚雷を発射する前に撃沈され、魚雷は空を切り、追っ手の前に全て討ち死にというサン・ベルナルディノの七面鳥狩りと言われるまでにあっけなく壊滅してしまった。
 あっけにとられる日本艦隊。
 肩を落とす日本艦隊。
 もう我々には戦う船はないのか・・・
 海峡入り口付近でトロトロと進む日本艦隊マーカー・・・
 いや、いるぞー大和だ大和がいるぞー!

MABO_LEITE

 愕然とする日本艦隊プレーヤーは大和という地球最後の船があることを思い出し歓喜に小躍りした。多分戦いの女神は大和に最後の舞台を与えてくださるに違いない。

 勇躍する大和(と傷ついた武蔵)。集結する米艦隊。舵を切りきれなかったか海峡に突っ込んでくる米戦艦群と巡洋艦群。このままでは反航戦になり、うまくいけば追撃戦になり、逃げ切れるかも知れなかった。
 米巡洋艦群の中には陸地に激突して損傷する艦も出ている。
「米軍は躁艦すら儘ならぬ者がいるのか。」
「重巡ぐらいの喪失は痛くもないは!」
撃ち合う日米艦隊。武蔵が打撃を食らう。

 気がつけば日本艦隊の進行方向に横切ってくる艦隊があった。米駆逐隊だ。豆鉄砲なぞ痛くもないが魚雷を全弾発射とか訳のわからん事をほざいている。
 「魚雷あったってもうとるやんけー!!」
日本艦隊魚雷でかなり損傷。非常に拙い。日本軍のお家芸である水雷戦闘でやられたことに並々なぬ動揺が走る。

 さすがに米艦隊は武蔵に集中し武蔵は沈没する。武蔵・大和の攻撃で米艦隊にあたりはするが致命傷までは行かなかった。
 残るは大和。魚雷で損傷しているためこの調子だと時間が持たない。大和の砲撃で後一歩まで追いつめることが出来たが、何しろ米艦隊は数が多い。新式の戦艦であるので早い・堅い・強いの三拍子が揃っている。更にこの日のK氏はよく当たる。4から5隻の狭叉状態にはさすがの大和もあっという間に沈んだ。
 
 圧倒的大敗だ。西村艦隊以上に負けてしまった。さすがに機を制するつもりで艦隊を分離したのは拙かった。艦隊運動も粗雑だったし悔やんでも悔やみきれない。
 簡単なシステムだったが、「戦艦の戦い」とは違う雰囲気で発展的な続編には興味が持てる。ただし本作はレイテ海戦に絞っているのでシナリオが少ないしバリアントもない。1個シナリオが駄目だと二度とプレイされないこともあるので是非とも膨らませて欲しいと思う。

« Triumph& Gloryアウステルリッツシナリオ(GMT)プレイ | トップページ | オペレーション・ソレイス(国通)プレイ »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 幻のレイテ湾海戦(GJ)プレイ:

« Triumph& Gloryアウステルリッツシナリオ(GMT)プレイ | トップページ | オペレーション・ソレイス(国通)プレイ »

2020年11月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
無料ブログはココログ