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本能寺への道(GJ)プレイ

 我々の集まりでは3人という組み合わせになる場合が多い。これは誰かがモチベーションが低いときには2:1という組み合わせでプレイできるが、3人ともモチベーションが高いときはゲームの選択あるいは分割に頭を悩ませることが多い。
 そんな時3勢力が出てくるようなゲームが望ましいが、そう簡単に勢力が割れたりしていないときが多い。かといってマルチプレイゲームと言うわけにも行かず、悩ましい問題だった。
 大所帯のサークルであればそれこそ空いた者同士で調整がつくかもしれないが、我々はそういうわけにもいかない。というわけで以前にTS氏がプレイしたいとの意向もあったのでそれにのっかった。
 さて、今回のゲームはゲームジャーナル誌15号の付録となった「本能寺への道」だ。テーマはまさしく本能寺の変と言える物で、プレーヤーは織田陣営の重臣となり、信長亡き後の勢力を競う。
 面白いのはプレーヤーは織田陣営の一員として反織田側勢力と戦い、かつ自分の利害の一致する反織田側勢力を率い他プレーヤーの勢力と戦い足を引っ張るというもので、マルチプレイでの戦う必然性を演出している。また、他の勢力を率いると言うことは「裏で糸を引く」と言ったような陰謀めいた方法は混沌を演出している。
 デザイナーは信長包囲戦で鮮烈なデビューを飾った池田康隆氏。今回はどんな驚きを我々に与えてくれるのだろうか?

 さて、今回は3人プレイと言うことで本ゲームの3人シナリオをプレイした。4人プレイが標準のこのゲームでは3人プレイの時に織田方の徳川家康と反織田方の北条氏が省略される。つまり織田方のプレーヤー武将は柴田・羽柴・明智の3氏で反織田方は上杉、毛利、本願寺ということになる。
 今回はダイスで柴田は筆者、明智はTS氏、羽柴はK氏が担当することになった。柴田は越前に本拠地を置き、明智は丹波に本拠地を置き、羽柴は播磨に本拠地を置いている。このうち羽柴氏のみが毛利氏と隣接し、かつ明智氏と隣接している。
 このゲームは全てのプレーヤは最初は織田方武将としてプレイするが、機を見て織田方に反旗を翻すことができる。もちろん他のプレーヤと戦ったり、領土に侵入したり、他のノンプレーヤーの織田方武将と戦ったりすると反乱を起こしたと見なされる。

 順番は織田家に忠誠を誓っている間は固定(明智→柴田→羽柴)だが、反逆すると順番を任意に決められるようになる。また忠臣である内は陳情し兵力の増強などできるが、反逆すると陳情できなくなる。
 序盤は正直言って様子見と勢力固めが正しい姿か。反逆を選択しない限りお互いに進むところは決まっているのでそれと無しに自分の勢力を拡大する・他勢力を拡大するという作業に明け暮れる。
HONNOUJI1

門前の狼・後門の虎

 第2ターンはそれぞれに行動を開始する。明智は進むところが丹後あるいは但馬しかないので但馬に進む。柴田は上杉を強大化する前に先制するために越中に進攻する。
 羽柴は備前に出張っている毛利勢に先制攻撃をし、来る進攻に備え縦深を獲得する。
 次のターンより足の引っ張り合いとなる。柴田氏は毛利氏を充足させ、奪われた備前に反攻させた。さらに明智氏は本願寺に瀬戸内まで進出させ、二正面作戦となる羽柴氏は絶体絶命のピンチ。「お前ら何やねん。」と羽柴氏プレーヤーK氏から苦情が来るが、率いられる反織田方の大名は決まっているので仕方ない。かと思ってもっとも天下に近いプレーヤの苦戦を見て安心していたら、兵力が半減するというカードを突きつけられて柴田氏大幅ダウン。毛利氏に圧迫されている羽柴氏からは上杉氏を扇動し、柴田氏を撃滅せよとの過激な野次が飛んでいる。
 羽柴氏は間一髪のところで瀬戸内海上の本願寺勢を屠り、圧殺を逃れた。崖っぷちから生き返ったといっても危機が完全に無くなったわけではない。
 筆者の思うところは一つ。時間と戦力のある内に筆者の手で本能寺を起こし、早急に来るだろうゲーム終了に勝ち逃げを計るのだ。

賽は投げられた

 このゲームは第4ターンから突然ゲームが終了する可能性がある。その時織田信長が生存していると全員敗北となってしまう。従って誰かが織田信長を弑さなければならないが、信長のいる京安土に到達できるのは明智と柴田のみだ。信長を倒すと勝利得点を獲得し、京安土を確保すればその地も得点となり、そこでゲームが終了すればサヨナラ勝ちだ。国の伸びしろが少ない明智氏が先制する可能性もあるが、他の2勢力にボコられる可能性を考慮してか動きが鈍い。
 羽柴氏は瀬戸内での屈辱を晴らすために本願寺の本拠地・紀伊に攻めた。強力な毛利氏の攻勢に抗するには後顧の憂いを断ちたいのだろう。しかしその期待はとんでもないサイの目の悪さで根絶できないという事態になる。その間に毛利勢は播磨に攻撃をかけてくる...泥沼だ。
 みんなが悩んだ末にというか手が止まった最終手番を見計らって我が柴田軍が織田家に反旗を翻し信長を責め立てた。まるでリプレイのように一撃では信長は倒れず、本能寺は長期戦になった。筆者の率いる柴田勝家が強大な勢力となり、上杉勢を凌駕する最強の軍団になっていることを明智、羽柴を率いるK氏TS氏は警戒感を強めていた中での出来事だった。

信長死す

 筆者の柴田氏は織田信長を倒し本能寺を完結させ、後は明智氏、上杉氏の攻撃を挙止すればかなり展望が広がるはずだった。戦力は充分、能力も充分、後は時間切れを待つのみだ。
 明智はさんざん迷った挙げ句に丹後に兵を進めた。行く場所は反逆の道か、反逆の武将を叩くか、の2つしかない。世論というか今の状態では史実通りに明智が本能寺の変を起こすという期待感が支配していた。しかし彼は反逆で袋叩きになる愚を避けたというわけだ。
 結局このターンは待ちに近い柴田氏に対し、上杉謙信の越中侵攻と謀略によって軍勢は大幅に勢力を削がれてしまった。

後継者戦争

 ゲームはまだ続く。終了判定は無情にもゲーム続行を宣言した。
 ついに明智氏がなりふり構わぬ攻撃をかけてきた。先のカードプレイで我が軍に痛撃を与えてからの攻撃で、とても史実の明智光秀とは思えない用意周到さだ。しかし、弱体化したとは言え、精鋭でなる柴田軍を相手にしての壮絶な合戦は両者引き分けという結果しかもたらさなかった。筆者柴田軍は京近江を守れきったことで凱歌をあげたが、もはやメインプレーヤーから外れているのは明白だった。上杉氏はさらに迫っているがこれに抗すべき戦力はもうない。 
 羽柴氏は明らかに戦後の得点計算で有利になるためにどうでもいいような四国を攻めて自国のものにしている。

関白宣言2005

HONNOUJI_L ゲームはまだ続く。終了判定は無情にもゲーム続行を宣言した。急速に戦力を立て直す柴田軍を見て恐れおののいたのか、それとも首位から陥落確実と見たか、明智軍率いるTS氏は上杉軍をさらに越前に前進させ、柴田氏の北の庄城を陥落させた。陥落と同時に我が羽柴軍は最下位に転落必至だ。
 羽柴氏は紀伊の本願寺勢をやっとの思いで根絶し、忠臣面をかなぐり捨てて大和に侵攻した。このまま京安土に突っ込んでくれば我が軍は風前の灯火だったが、何故か突っ込んでこなかった。我が柴田軍の威光に恐れおののいて判断を誤ったのだろうか?

 このままではにっくき羽柴氏の勝ちで終わってしまう。しかし、柴田氏はどうしようもなくTS氏率いる明智軍の動向如何だった。明智氏が羽柴氏に勝利を収めるには羽柴領播磨に侵攻し、相手の勝利得点を減じ自分の得点を伸ばすものと、再度京安土に侵攻し、筆者の柴田氏に戦いを挑み仇討ちと京安土の一挙3点を奪うという2つが考えられた。

 両案とも守備する部隊は多く、一筋縄にはならない。結局TS氏は注目を集める中、北摂に侵攻し、在地の織田家を吹き飛ばした。この時点で羽柴5点、明智4点、柴田3点という順番で、明智氏の行動が今ひとつ判らなかったが、最後の最後にカードを出してきた。 
「関白宣言」
 
出された我々はカードの意味がわからずカードの内容を読んだ。
内心誰もが「関白になるほど実力や、でかい領地持ってないやん」と思ったに違いない。いや思った。

 しかしカードの内容は驚くべき内容が記されていた。

 このターンの終了時にゲームが終了していて、「織田信長」が除去されている場合、あなたは1勝利得点を得る。

 内心
「織田信長倒したん私なんですけど。」
内心終わり。

 驚きはそれで終わらなかった。この時点で最大領土を誇るK氏は「我こそが偉大なる勝利者」と思っていたに違いない。苦渋に満ちた悪戦苦闘の連続。勝利の美酒に酔いしれるのは自分がとの自負はあったに違いない。

 しかしゲームは彼の勝利を歓迎しなかった。

 「勝利得点を見てみよう。」
羽柴氏:

播磨・瀬戸内海・四国・紀伊石山・大和:計5点

明智氏:
丹波・丹後・但馬・北摂+関白宣言:計5点

柴田氏
京安土・織田信長の除去:計3点

「トップが同点や」
「いやトップが同点の場合という項目があるので見てみよう。」

同点の場合優先順位で勝者を決めるらしく、以下の内容が記されている。

  1. 信長の除去あるいは仇討ちをしたもの
  2. 関白宣言
  3. 京安土を支配している

・・・・・TS氏関白宣言出してる。

勝利者TS氏のコールに崩れ去るK氏。時が彼に味方していなかっただけなのだろうか?

戦い終えて
 TS氏はマルチ戦で勝利を得ることは珍しいので、大変面白い展開だった。シミュレーション性云々は抜きにして大変面白いゲームだ。何と言っても誰が本能寺というターニングポイントと陰謀史観のように敵勢力を操れるなど、非常に斬新でユニークだと思う。ルール量も驚くほど少なく、ゴールが不透明というところも各プレーヤを急き立ててくれる。信長包囲戦と似たようなテーマで危惧していた面もあったが、視点が全く違った。今回3人プレイということでプレイしたが、4人プレイでも是非したいものだ。


 

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