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2005/12/25

ターニング・ザ・テーブル(MH/国通)プレイ

 東部戦線のゲームは綺羅星のごとく存在し、意外とシリーズ化されているものが多い。
 モメンツヒストリーの看板シリーズゲームの一つ、TTTシステムの出発となったゲームだ。大まかなシステムは移動と戦闘は各ターンごとに決められたポイントの中 でユニットあるいはスタックをアクティブ化するというもので、戦いの焦点にクローズアップしたシステムと言えるだろう。戦闘では戦術チットを引き戦術値の優劣によって使用できるチット数が変化し、チットの内容によっては特典が増減するという感じ で、戦術チットの選択や優越の変化があり戦術的にも盛り上がるというゲーム。
 昔、モメンツ版でプレイしたことはあったが、そのシステムをよく理解できなかったせいか数ターンしかプレイできなかったので、もう一度プレイしたかったゲームの一つだ。今回、国通版になってグラ フィックがスッキリとし、強化されたことを受けてプレイすることになった。

コマンドマガジン56号付録『Turning the Tables』『信州制圧』 コマンドマガジン56号付録『Turning the Tables』『信州制圧』

 プレイは筆者がロシア軍、K氏がドイツ軍を担当した。少なくとも5年前にプレイしたときには同じ陣営だったような気がするが、よく覚えていない。筆者がよく覚えていないと言うことは過去のプレイに何の執着を持たないK氏は記憶の断片すら残っていない。何か英語のチャートを振りかざしながら「俺ネイティブだから和訳チャートいらない。」とかわけのわからないことを言っていた覚えだけは鮮烈に残っている〔(注)筆者はネイティブではありませんし英語は怪しいレベルです。当時英会話スクールで高レベルの講師=ネイティブの講師がいるという宣伝が多かったことを英語レベルのネタにしているだけです〕。
IMGP2070  戦線はドネツ川に沿って存在し、イジュム屈曲部を中心にロシア軍は西側に突出し、大きなバルジを形成している。ドネツ河はハリコフ南部の一角はドイツ軍によって占められており、バルジの首根っこを押さえていると言っても過言ではない。勝利得点上もドネツ河西岸を確保することは必須であり、早期の内にこの橋頭堡を叩き潰さねばならないようだ。その他にも西方へ進出することによって得点源となる地域も存在するが、敵野戦軍の殲滅無しに達成できない項目であり、事後の反撃が予想される現体制では難しそうだ。

 構想としてはバルジは活性化させ、ハリコフ側にスイングさせる。東岸橋頭堡に対峙する部隊はバルジ側から回り込んで来るであろう部隊と共に包囲撃滅を計る。西部の防備には戦線の縮小と、バルジ突端の部隊及び橋頭堡対峙部隊から充当する事を構想した。

 実際には大きな構想を立ててもC3Iポイントの取得次第では処置不完全ながら終了せざるを得なかったりするので、普通の作戦級と違いもどかしさがプレーヤーを悩ませるだろう。

 第1ターンの攻撃は東岸橋頭堡及びバルジ突端部の撃滅戦のみ成功し、ハリコフ側面の支攻撃は出血のみでやらない方がましだと敵側から論評される有様だった。何はともあれポイントは有限であり、場所とタイミングを間違えれば次ターン以降の苦しみに直結する。戦いの焦点を定めるのはプレーヤー自身であるのにもかかわらず、個々の戦闘という戦術チットで否応なく盛り上げられる面白さ=美酒に酔いしれ目が曇らせ判断を誤るのはよくある話だろう。

IMGP2071  第2ターンは第1ターンで得られた成果を拡張せねばならない。戦果の拡張を考えられるのはこのターンを含めあと僅かしかないはずだ。ドイツ軍の増援は第2ターンを始めとして続々とやってくる。続々と言っても第3次ハリコフのように装甲師団続々というわけでなく、せいぜい数個師団。その中でも装甲師団はたった一つで、盤上の全てを合わせても4つしかない。ただ、ドイツ軍の装甲師団は戦術値が軒並み高く、6という戦術値は例え補給切れで、戦術値が半減しても大抵のソ連軍部隊の戦術値と同格で、敵に戦術的優位な状況を作りにくくしている。ドネツ河東岸橋頭堡を保持したいドイツ軍は虎の子の装甲師団を投入してまで防衛にいそしんでいる。西岸橋頭堡はハリコフ攻略のためにも是非とも叩き潰しておきたいが、ソ連軍のポイントはユニット単位で消費するのに対して、ドイツ軍はスタック単位で消費できたりするので効率的運用で差が出てしまう。特に東岸橋頭堡前面は兵力集中が進んでいないので、苦労しながらも押さねばならない。全兵力を捕捉して包囲下に収めたいが、そうもいかず、後方遮断をちらつかせながら分断各個包囲に持っていった。バルジ突端は広げすぎず、しかし抽出した兵力はドネツ河を沿い、ハリコフに近接し圧力をかける。バルジ南部など兵力が少なくかつポイントが回らないこともあってほっとかれている。反撃が予想されるがゲームシステム上仕方ない。

IMGP2072  第3ターンはドイツ軍の反撃やそれに対するソ連軍の反撃などがあり、かなり厳しい戦いとなった。東岸橋頭堡は結局第44歩兵師団が包囲され、ハリコフ前面は3個戦車軍団を始めとする攻撃の前に戦線を縮小し、2個装甲師団を中心に固めた強固な防備となった。

 バルジ南部では1個装甲師団、1個山岳師団、1個歩兵師団という渋い組み合わせで薄くなったソ連軍戦線を攻撃し、穴を開けるが戦線を後退させ穴を繕うソ連軍。ここを破られるとイジュム屈曲部、東岸橋頭堡の包囲下にあるドイツ軍部隊とも連絡が可能になる。対応を誤ると西岸の突出したバルジ部隊が孤立してしまう。しかし送る兵力はない。


 時間が来たのでここまでとなったが、1ターン3セグメントあり、普通のゲームの3倍あると言ってもよいが、動けるユニット数は遙かに少ないのでターン数は進まないが、戦線は大きく動く。もちろん全体の戦線が大きく動くわけではなくて、集中して兵力を投入した箇所はそれなりに戦果が挙がるので、周りがそれに歩調を合わさなければならないのでポイントが削られる(余計に動かさねばならない)。対応してなおかつ活力を残し、戦術的に優位に立つドイツ軍が戦場を制するだろうが、それまでどれだけの出血を伴うか判らない。

 戦術的戦闘では今回のプレイでは大いにドイツ軍が騎士十字章などの戦術チットを引いてきたので、血だるまになりながらロシア軍の攻撃を続行したが、その辺は未だ42年の青臭さが出ていると言えるのだろう。ターンが進むと、戦術チットはドイツ軍はダミーチットが減り、効果的なチットが増えてくるが、ソ連軍は逆に序盤が最も効果的なチットが多く、時間が経つに従ってダミーが増えて来るというふうになっている。従ってドイツ軍は序盤は落胆するチット引きが多いが、元々の戦術値が高めなので、引ける数でカバーできることがややある。

 まあ、TTTシリーズのトップバッターとして、また失敗した攻勢ということもあり、フラストレーションを溜めることも無くプレイが出来た。次はヴェルキエ・ルーキか?

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