タイガーズ・アー・バーニング(CMJ)プレイ
またもやこぢんまりモードでプレイした。一ヶ月の間に4回ものプレイ日を設けられたのも久しぶりだが、遠い昔は週3日とか4日とか今ではあり得ない日々を過ごしていたのが遠い過去のように感じられる。
あの頃持っていた情熱と今の情熱は似て非なるものだが、20年以上もこの趣味を続けていられるのは、やはりこのホビーの魅力に取って代わるほどのモノが現れなかったのだろう。その理由を議論したことがあるが、ゲームとしての側面と共にビジュアルで動きが判るなどの他に俯瞰性などと言うモニター上では実現し得ないメリットなどと言うものだろうかと意見百出した。
さて、そんな戯れ言は横に置いておいて、今回は相も変わらず色々なゲームを持ち寄りあーでもないこーでもないとプレイするゲームを決めていた。
コマンドマガジンは気が付けば68号を越え、ホビージャパンの隔月/月刊タクティクス誌の号数までジリジリと迫っている。しかも全ての号が付録ゲームが付いていて中には2個以上という贅沢な号もある。
68号以上と言うことは68個以上のゲームがあると言うことで、全てをプレイしたことがあるかというと必ずしもプレイしていなく、気に入った・興味があるゲームがプレイされ他は忘れ去られがちだ。
しかし中にはプレイしたいにもかかわらずその時のモチベーションとかによってプレイがキャンセルにされそのままだというゲームもある。中には評判が芳しくないので後回しになっているというゲームもある。または適当な対戦者がいないためにどうしようもないというモノもある。
今回は49号のタイガーズ・アー・バーニングをプレイすることになった。このゲームは最初あまり興味はなかったが、次第に興味が出てきたというゲームで、プレイする機会がないだけだった。
そう言うわけで選択する沢山のゲームの中に紛れ込むことが出来た本作が今回プレイされることになった。
さて、本作は43年から44年のウクライナでのソ連軍の攻勢を扱うゲームだ。似たような期間に60号ウクライナ43があるが、こちらは44年までプレイするので扱う範囲が長い。
ウクライナ43は精密な作戦級でそれなりに難易度も高いが、タイガーズ・アー・バーニングは難易度は低い。もちろんユニットやマップなどスケールとサイズは大きくなっているのでアブストラクト化されていると言うことだろう。
デザイナーはタイロン・ボンバ。ゲームシステムはボンバシステムと聞けば大方のシステムと展開は判ってしまうと言われるほど有名なシステムで、これまた賛否両論ある。タイガーズ・アー・バーニングはそのボンバシステムの代表的ゲームでかなり有名なゲームだ。
筆者、実は軍団級以上の作戦級は一応取りそろえているものの、あまり触手が伸びないジャンルで、タイガーズ・アー・バーニング、ブリッツクリーク1941、サンライズ・ビクトリーと全く手をつけていなかった。
さて、幸運にもプレイされることになったタイガーズ・アー・バーニングはどんなゲームだろう。
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ちゅーわけでシステムを簡単に説明しよう。
ソ連軍プレーヤーターンとドイツ軍プレーヤーターンが交互にある。
各プレーヤーターンは移動、戦闘の順番にプレイをする。移動の中には戦略移動・海上移動・蹂躙攻撃・移動がある。
蹂躙攻撃はいわゆるオーバーランで機械化部隊のみがスタック単位で攻撃が出来る。もちろん移動力の続く限り何度でも攻撃が出来る。ヘックスに入るコストは×3だ。
移動は地形コストを消費して移動するが、天候によってコストが変わってしまう。蹂躙攻撃は泥濘時に出来なくなたたり、雪のシーズンには大河の渡河点や移動コストなどが変わってしまうので要注意だ。
もちろんこのゲームにはZOC等という保護フィルムはない。簡単に裏走りをされることになるが、補給線のことを忘れてはならない。
ターンの始めに補給線のチェックがあり、ドイツ軍は盤端あるいは指定エリア、ソ連軍は盤端につながるラインを保持している補給ユニットにつなぐ事ができるかだ。
補給切れはOOCマーカを置かれ、移動・攻撃が禁止される。ターン最後までOOCマーカが置き続けられているユニットは除去される。
戦闘は戦力比だ。ただし地形によって防御力が倍になったり攻撃側がパーセンテージ単位で減少したりするので一筋縄でいかない。地形効果は累積し、損害が増加したり減少したりする。また、包囲、砲兵やSS軍団の存在は損害が増え、ソ連軍は補給ユニットから離れれば離れるほど戦闘で不利な方向にシフトする。空軍は自軍が有利な方に損害をプラスマイナスできる。しかし投入量の制限があるので無茶苦茶なことは出来ない。
あと再編や再建、増援と撤収などのルールがあるが細かく書いても仕方がないので割愛する。
ゲームは筆者がソ連軍、K氏がドイツ軍を担当した。
このゲーム、最短2ターンでサドンデスが達成できる。まあ1ターンで士気喪失したプレーヤーが投了するという随意的サドンデスというのもゲーム上で規定されていないがありうる。ゲームの勝利とはソ連軍が時限的にどれだけの得点を獲得できたかという達成型勝利方式のゲームで、ドイツ軍はそれを阻止するというものでしかない。
ゲームは筆者がソ連軍、K氏がドイツ軍をプレイした。ZOCが無いゲームはZOCのあるゲームに慣れ親しんでいるプレーヤーには心臓に悪い事が多々発生する。
第1ターンはソ連軍の攻勢から始まる。一応2ターン終了時までにドニエプル河まで戦線を推し進めることが出来れば達成できるが、後手がドイツ軍であるため簡単に達成できないだろう。
最初は補給ユニットの至近にいるユニットばかりで攻撃できるのでコラムシフトは発生しない。しかし地形によってはパーセンテージダウンが発生したり倍加したりするので計算にとまどうだろう。しかし今回は京商人のK氏が割り引き計算が「意外と得意」と言うことと筆者のポストイットを活用したメモによって円滑にプレイは進んだ。確かサンライズビクトリーの作戦研究で戦力修正計算表みたいなものがあったのでそう言うものを横に置いておければ戸惑うことはないだろう。
さて、第1ターンの攻撃は一部では成功を収め、一部では不発に終わった。CRTは攻防の損害数0から4で表されている。損害数はステップロスあるいは撤退で消化され、一部制限があるが、どちらで消化しても良い。
「本当に2ターンでサドンデス出来るのだろうか・・・・」
ドイツ軍は後攻であるので、ソ連軍の攻撃の結果を受けて行動をしなければならない。タガンログとビエルゴロドの突出部から叩き出されてしまったが、あまり執着してはドイツ軍の崩壊につながりかねないので攻撃の結果を受け入れるしかないだろう。
2ターン目の攻撃もそこそこ成功するが、大規模な成功とまではいかない。大きく包囲するためには補給ユニットから離れることを意味し、次のターンの補給切れのペナルティを覚悟するほどリスク交換が出来ると言うほどでもない。
攻撃には普通の攻撃の他に蹂躙攻撃があり、蹂躙攻撃後一般攻撃という方法が求められるべき方法だと思うが、なかなか成功しない。ドイツ軍は特に装甲師団などでは単品では弱体と言えるが、スタックしてスクラムを組むと突破を許しても後のプレーヤーターンで何とかなってしまう可能性がある。
結局ドイツ軍はドニエプロペトロフスクを起点とした戦線を引き直し、ソ連軍の突進を待ち受けることを決心した。ドイツ軍に大きく下がられるとソ連軍は補給線・補給ユニットからの距離などの問題で、補給ユニットの前進が不可欠であるためにその間は攻撃が控えられてしまう。戦線に脆弱な地点を発見しても距離が離れていればおいそれと攻撃かけられないのだ。
補給ユニットは移動力1であるので、1ターン1ヘックスしか進めない。3、6,9ターンのみ任意の1ユニットが2移動力有するようになるので、ある一点だけ突破的な行動が取れる。
第3ターンには呵責無き攻撃の前にドイツ軍はジリジリと押される。ドイツ軍はドニエプル河東岸での防衛を諦め、西岸に待避し南はヴォータンラインに籠もっている。一見強力に見えるがあくまでも現有戦力で精一杯の防衛手段であり、永遠の要塞というわけではない。
と言ってもソ連軍がそれを急に突けるほど柔軟性があるわけもなく、前線の部隊は補給ユニットが追いつくのを待って足踏みをしている。
ドイツ軍の反撃といえどもベッタリとラインを引いている限りは1カ所ぐらいにしか攻撃を集中出来ず、与える損害もまあ1から2ユニットとあっては次の補充には復活してしまうので攻撃する意義が問われ、モチベーションも下がる。
第4ターンには脆弱なヴォータンラインとドニエプルぺトロフスクの北でドイツ軍の防御陣を打ち破り、楔を打ち込んだ。この緊急事態の前にケルチ海峡付近で意味もなく後退戦とは名ばかりの部隊をも戦略的に撤退させ、ヴォータンラインの援護に廻る。
第5ターンには強力なドニエプロペトロフスク付近のドイツ軍を一掃するべく包囲戦を企図し機動戦となったが、機動戦を制したのはドイツ軍でドニエプロペトロフスクを失ったが、部隊は撤収に成功し、後退線に望みをつないだ。ZOCが無いと言うことは浸透しやすいというのと同時に後退しやすいと言うことだ。
第6ターンはドニエプロペトロフスク近辺に橋頭堡を拡大し、さらに西側へ前進を続けたが強力に固められたので、南側ではドニエプル河沿いに戦線を伸ばせたのみで決定的な成功ではない。戦闘ユニット数に劣るドイツ軍はソ連軍に戦線を広げられるのは、結局それに追随して正面が薄くなるのを承知で戦線を広げてしまうか、戦線を短くするために後退するかの二者選択しかない。
広域で攻撃がかけられるようになったソ連軍はドイツ軍よりも有利に戦いを進められるので動きの少なかった北側、つまりキエフ方面でも部隊を前進させ攻勢に備える。
第7ターンでは強力なドイツ軍装甲軍団の攻撃の前に戦線の前進が止まったところはあったが、キエフ北岸では渡河攻撃に成功し、補給ユニットも前線に追随している。ドイツ軍はこれ以上下げるとルーマニア国内線となり、サドンデスを喰らいかねないので局地的な反撃をし、ソ連軍の攻勢を止めている。
第8ターンは殴り合いだ。ドイツSS装甲軍団を中心とした反撃部隊は砲兵などの支援を受けて反撃を続けている。ソ連軍も攻撃を仕掛けているが、成功を見たのはキエフのみでキエフの陥落でサドンデスまでリーチがかかったと言えるが、最後の1つが取れなさそうだ。
その後のターンでソ連軍の攻撃は南部でルーマニア国境までに達した。しかし、最大の得点源であるオデッサには数ヘックス足りない。最終ターンに達しても得点が足りていないのでソ連軍の敗北だが、そんなに負けた気がしない。しかしあと1ヘックスとかそう言うレベルで勝利を逃したと言うことはかなり悔しい状況だ。
今回ボンバシステムを初めてプレイしてその魅力を堪能した次第だが、今となってはボンバシステムが古臭いとか過激だとか良くも悪くも一括りにされてしまうが、ミニゲームサイズのタイガーズ・アー・バーニングは小さいながらもその過激さが程よいスパイスになっているのだろうか?
本作をプレイしてみてプレイしなかった他のボンバシステムもウォーゲームバブル後の復興期を担ったゲームだったのでどんなものかプレイをしてみたくなった。
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