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パシフィック・ウォーの陸上ユニット(開戦編)

 今回はゲームのプレイでなくゲームの中で最も近しいものでありながら、ゲームプレイの中ではあまり顧みられることのないユニットについて色々見てみたい。
 筆者、このブログでは洋の東西・時代の新旧・スケールの大小を問わない雑食であるが、こだわりが無いわけではない。最も愛着があるのが日本の近現代であったり、日本史ものは結構想いが深い。
 今回はあるゲームのユニットに絞ってつらつらと書き連ねたい。
 さて、今回のお題はパシフィック・ウォーの陸上ユニットだ。陸上ユニットと言えば陸軍の部隊を指すが、陸軍と言えば特色ある地域編成をとっている。おおよそ地元の部隊と言えば愛着があるものだが、筆者の地元と言えば京都である。というわけで京都師団を中心に見ていこうと思う。他府県の方々は勘違いされてしまうかもしれないので、その前にお断りしておくと、ここで言う京都師団とは京都師管区や聯隊区の出身部隊を指し、京都師団というくくりでは京都府全域・滋賀南部や三重県を含み、京都聯隊となると京都と滋賀県南部を含んでいる。当時の徴兵制度は今の行政区分とは若干違う区分で行われていたと言うことを理解しておいて欲しい。

 パシフィック・ウォーと言えばかつてビクトリーゲームから発売されたプレイできるモンスターゲームで、未だに太平洋戦争のゲームを語る上では外すことの出来ない最高峰の一つに挙げられるゲームの一つで、デザイナーのマーク・ハーマン氏の代表作の一つだ。
 モンスターゲームとはいえプレイできるほどのサイズで、SPIのウォー・イン・パシフィックにくらべると良心的でさえある。ただし、パシフィック・ウォーのルールは難解の方に属し、例えば就役は言えば活性化の管理だが、なりの割には頭脳をフル回転させなければならない。筆者も長期戦シナリオぐらいならプレイしたことがあるが、それ以上となると覚悟が必要だ。
 地図なども今までの戦略級太平洋戦争ゲームとは一線を画するマップで、同じぐらいの驚きはアヴァランチのグレート・パシフィック・ウォーぐらいだろう。いや衝撃度では上回るかもしれない。
Pw_box  太平洋戦争と言えばやはり主役は艦船や航空機の方で、陸軍部隊などはゲームによっては完全にオミットされたり、まとめられたりするのが常だが、パシフィック・ウォーでは大抵の師団がユニット化されている。ウォー・イン・パシフィックでは師団番号のないユニットで、おおまかにどれがどの師団か絞れ込めるが、師団番号がない故に愛着は湧かない。ところがパシフィック・ウォーでは全ての師団に師団番号が振られ、各師団の能力は師団毎に違うという凝りようだ。
 今回その中でも京都の部隊を見てみようというもので果たして面白いかどうかは判らない。強力な部隊のみを抜き出して閲兵活動しても仕方ないし、最貧部隊を選ぶのも難しい。こう書いているとなんだか自分向けの自己満足のような気もするがこのまま続ける。
 京都の部隊と言えば思い浮かべるのはその悲劇性だ。九州ほど勇猛でなく東北ほど粘り強くない。むしろ地方の部隊に比べるとあまり強くないというのが一般的な見方だろう。
 最も有名な京都師団はやはり由緒正しい歩兵第9聯隊を含んだ第16師団(垣兵団)だろう。フィリピン攻略戦に参加し、バターンで苦戦し米軍反攻でレイテにて壊滅した部隊だ。また同じ師団には歩兵第20聯隊という京都府北部(京都市より北側)の聯隊もある。この聯隊もバターンで海上機動の末に包囲撃滅された大隊があるほど苦戦し、レイテでも他の聯隊と共に壊滅している。

 パシフィックウォーではこれらの部隊の内歩兵第9聯隊と第16師団がユニット化されている。 Pw_16d_1

  緒戦においては、他のマレーやインドネシアなどの戦いに比べると苦戦気味のルソン島攻略だが、やはり当時の戦略状況を反映して南方軍の進攻作戦といえども全陸軍の20%程度の戦力で始めなければならなかった。その為各攻略作戦の予定兵団は別の攻略作戦に予定されていたり、タイムスケジュールに余裕はなかった。最もしわ寄せを喰らったのが比島攻略作戦と言われ、進攻作戦中最も難渋を喫した。

 リンガエン湾に上陸した歩兵第9聯隊は第48師団と併走して前進し、1日22キロも進むという順調さで進んだが、時として陣に籠もる優勢な米比軍を単独、あるいは第48師団と共同して攻略に当たった。バターン戦より予想以上の兵力をもって防衛する米比軍に難戦を強いられた。同じ頃歩兵第20聯隊はラモン湾に上陸し、歩兵第9聯隊と共にバターン戦で苦戦を強いられた。

 さて、ユニットをあげられても何のことか判らないので説明すると、数字の意味は左が士気レベルで、右がステップ数だ。真ん中の数字は対空力でまあどの師団も大したことはない。戦闘は同一ヘックス戦闘で士気レベル差で士気レベル差指数を求めダイスロールするが、ステップ数の多さにより打撃が可変し、地形や戦車などのコラム修正やダイス修正がある。概ね新編成された部隊は士気・ステップ数共に低く、伝統ある師団や活躍した師団はそこそこ高い。

 それではここで同時期に活躍した師団と比較してみよう。同じ南方進攻作戦で
活躍した師団はどうかというと、最初にマレーの3師団と比較すると、

  • 第5師団(広島)7-12
  • 第18師団(久留米)6-12
  • 近衛師団7-15

と全ての師団が第16師団より上回る士気を持っている。特筆すべきは近衛師団でステップ数が15と際立って高く、最強師団に類している。なんでだろ。

 比島・バターン戦では第16師団の他に第4師団・第48師団が参加しているが、これらの師団と比較すると、

  • 第4師団(大阪)4-13
  • 第48師団(台湾)7-11

 第4師団は士気で劣りステップ数で優越し、第48師団は士気で優越し、ステップ数で劣っている。第4師団の士気が第16師団より劣るというのはこれまでの経歴かもしれないが、ステップ数が多いというのは古参師団の意地か。第48師団は士気が高いのは熊本の聯隊が編成内にあるのとジャワ戦が影響しているのだろうか?もちろん比島戦では自動車化(機械化にあらず)部隊として突進の先鋒として期待されていた。

 
 ジャワ戦は第2師団と先述の第48師団、後述の第38師団と第56師団の一部が参加している。

  • 第2師団(仙台)6-14
  • 第56師団(久留米)6-12

さすが夜襲の第2師団と言われるだけあって軒並み高い。後のガダルカナルでの海兵隊との激闘やビルマ戦が影響しているのだろうか?第56師団は坂口支隊だが転戦に転戦を重ねた部隊だ。

ビルマ戦は第33師団と第55師団と先述の第18師団、第56師団が参加している。

  • 第55師団(善通寺)6-12
  • 第33師団(宇都宮)5-13

 全体で士気で上回り、フィリピン戦全体と比較しても高い士気で連合軍を圧倒できることだろう。第55師団は四国の部隊であり、戦国時代の話になるが関西では四国の兵は強いとして恐れられていた。第56師団は九州の師団泣く子も黙る第18師団の兄弟師団とあっては納得である。第33師団は北関東の部隊だが、士気では同格・ステップ数では優越している。

 香港では第38師団が参加している。かの有名な若林東一中尉所属する師団だ。

  • 第38師団(名古屋)6-15

 やはり士気・ステップ共に高いが、これは香港で英軍とガダルカナルで米陸軍・海兵隊と激闘を演じたからであろう。実はこの師団以外の名古屋の師団はあまり強くない。やはり米軍と激戦を演じたという事実が裏打ちしているのであろうか?

 以上南方進攻作戦に関わる師団をざっと見てきたが、やはり開戦時に先頭を切って戦った師団はそれなりに士気が高く・ステップ数も多いことがわかった。しかしフィリピン攻略戦に加わった部隊は他の方面より1ランク弱く評価されているようだ。

 さて、地域別に分類してみると

〈東北〉

第2師団(仙台)6-14

〈関東〉

第33師団(宇都宮)5-13

〈東海〉

第38師団(名古屋)6-15

〈中国〉

第5師団(広島)7-12

〈関西〉

第4師団(大阪)4-13

第16師団(京都)5-12

〈四国〉

第55師団(善通寺)6-12

〈九州〉

第18師団(久留米)6-12

第56師団(久留米)6-12

〈その他〉

近衛師団7-15

第48師団(台湾)7-11

 地域別に見てみると意外なことがわかった。関西弱いだ。関西弱兵論を裏付けてしまいそうだが、これはまだ一面に過ぎない。また北海道・信越・北陸の兵は師団規模で南方進攻作戦には参画していないという事実が浮かび上がっている。中国戦線で同時期に発動されていた長沙作戦を加えても結果は同じだ。

 次回は一線師団を横並びにしてみたり、中後期より活躍した師団を含めて評価してみたい。

(訂正)

重要な師団が抜けておりました。第33師団です。よりによってビルマの弓兵団を忘れるとは何事でしょうか。北関東の皆さんごめんなさいっ!!

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