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2006/09/23

オンスロート(CMJ64)プレイ

 このブログでは同じゲームはあまり2度3度と出てこないが、同じゲームを複数回プレイをしていないわけではなくて、面白いゲームは繰り返されることも多く、ただ単に記事になっていないだけだ。昔は全てのプレイを記事にするぞーと息込んできたが、その当時は割とヒマで他にすることがなかったからそんな途方もないことを考えてしまっていた。しかし今現在というかそれから程なく公私ともに忙しくなったので、そんな馬鹿なことは夢想にもしなくなったが、すくなくとも複数回のプレイ以外は結構残していたりする。
 また同じゲームを複数回連続でプレイして記事にすると、書いている側としては次第にどれがどれだかわからなくなるのと、連続して同じゲームの記事を読んでもあんまり面白くないだろう考えているというものもある。複数回プレイするとプレイ方法まで話が及び元々作戦研究のようなものが嫌いな身の上もあり、その様な向きには書いていないというのもある。
 しかしある程度時間を挟んでプレイをすればどうするか、と言われればこれは他のゲームと同じようにあたかも初回のプレイのように書かざるを得ない。
 今回はそんな時間をおいてプレイされたゲームの話だ。

 オンスロートと言えば過去にも紹介したことがあるが、44年西部戦線のキャンペーンものだ。西部戦線と言えば定番のノルマンディやバルジなどがあるが、それと同じように西部戦線のキャンペーンと言えばそれなりに数が出ている上に面白いものも多い。
 何と言っても連合軍ベースで見れば着上陸戦から始まり、陣地戦と見まがうような膠着があり、その後の急テンポな機動戦と補給状態による停滞、ドイツ軍の奇襲とそれへの反撃などと全体としては一方的であるが何かしら障害がある。時々何を間違ったかノルマンディで海に蹴落とされたり、第一次大戦かい!って突っ込み入れたくなるような陣地戦に化けることもある。もちろん、連合軍が史実以上に圧倒する可能性もある。そういう展開の幅、変幻自在度をある程度許容できるのが西部戦線の魅力かもしれない。
 しかし、筆者を始め今回プレイしたTS氏も基本的に師団・軍団レベルの作戦級はあまり好みでなくゲームとしてはともかくシミュレーションとして燃えないないとかどうかと言うのがあり、あまりプレイしない分野ではある。あまり好みでないとはと言ってもプレイしないことは無く、実際このブログでもその範疇に入るゲームは都度都度プレイしている。
 今回オンスロートをプレイし得たのは、前回プレイから日にちが過ぎていただけでなくゲームとして面白いことがわかっていたので二人意気投合してプレイすることになった。
 担当する陣営はダイスで決めた。筆者はドイツ軍を担当することになった。対するTS氏は連合軍だ。
 前記事でシステムの紹介はさらりと触れているので重複を避けるためにも割愛する。連合軍は毎ターン一番最初に行動する事を保証されているので行動する。第1ターンは上陸ターンと言うこともあり、両者神妙な面持ちにある。彼らは来たである。

Imgp3275  第1ターンの猛攻はドイツ軍を痛撃し、カランタン以外のドイツ軍のほとんどが撃破され、激戦となったカーンですら無人の町と化している。しかもいきなり先攻後攻を決めるサイ振りで同じ目を出したために第1ターンはいきなり終了となった。ドイツ軍のやったことと言えば遠隔地にある師団を戦略移動で移動させたぐらいだ。一応アブランシェとアルジャンタン付近に第2線のようなものを引けているが、あまり強力と言えないので不安でいっぱいだ。

 第2ターンは連合軍はカランタンの攻撃に成功し、シェルブール方面も順調だ。カーン付近では進展無しだが、これは先ほどのターンで渋滞のため糞詰まりでで兵力が出せなかったことによる。第1ターンと同じくドイツ軍は一度も戦術機動をすることなく終了。戦略移動で兵力を主戦場に呼び寄せるのみだ。

 第3ターンは連合軍がアルジャンタン方面に突進をかけ、突破を狙うが戦車師団、歩兵師団のスタック群に阻まれ攻勢は停止した。またもやターンは連合軍のターンのみで終わり、ドイツ軍と言えば戦略移動しかしていないんだろうかと言いたくなるほど不活性状態な状況だ。何とかSSの戦車部隊を手の届く範囲にまで持ってこれたが、連合軍もアクションをこなせていないので補給ポイントは貯まりがちだ。

Imgp3278  第4ターンは貯まりまくった補給ポイントを背景に連合軍はマグマのように攻撃・展開・移動を行った。今回ドイツ軍のアクションフェイズがないとファーレーズになるところだったが、すんでの所で救われた。SS戦車師団などは前線に加入し、あちこちで連合軍の攻撃を封止している。連合軍のアブランシェとアルジャンタン付近の突破は失敗し、シェルブールも陥落できなかった。

 第5ターンは連合軍はアルジャンタン付近のドイツ軍が強力なため、比較的国民擲弾兵師団などの弱体化したドイツ軍が守るル・アーブル付近から攻勢に打って出た。攻勢は成功し、ドイツ軍の戦線を押し下げ、アブランシュ方面のドイツ軍が手薄になったのに乗じてアブランシュを占領。一気にドイツ軍包囲への道が開けそうだった。しかし時の運はドイツ軍に味方し、突破点にはドイツ軍の歩兵師団が間に合い、これを弱小であるが塞ぎ
、アルジャンタン付近の戦車部隊は逆襲に出て連合軍戦線を押し下げることに成功した。

 第6ターンは連合軍は戦線の整理をし、突出部を解消しドイツ軍戦線の弱点であるアブランシェ方面に重点を移してきた。連合軍の渋滞は解消されつつあるので兵力は充実しつつある。そろそろコブラ的な突破が起こりそうな予感だ。どうしても連合軍の方が行動している数が多くなるため、まさしく物量で押される形になる。ドイツ軍としてはコブラ寸前の引き際というのが肝心で、あまり敵の突破に対して反撃を狙うあまり機械化戦力を偏重してしまうと史実のファーレーズ以上のスーパーファーレーズになってしまうので要注意だ。

 第7ターンは第6ターンの続きと言える物で、両軍とも戦線の整理を果たし、ドイツ軍は集中攻撃を受けそうであった突出部の装甲部隊を後ろに下げ、アブランシェ方面の防備を強化した。連合軍は戦線後方にあるシェルブールの攻略準備を完了し、アブランシェ方面も部隊を入れ替え戦線を平坦化しコブラの準備を実施している。

Imgp3282  第8ターンは先ターンの準備よりシェルブールとアブランシェ方面で攻撃に出てきた。両方ともサイがあまり振るわなかったのとアクションフェイズが上手く続かず前進は出来なかった。ここはドイツ軍の強靭なに大きな穴を開けたいところだが、正面攻撃では如何ともしがたい。

 第9ターンは機甲部隊の猛攻と容赦ないポイントの消費によって連合軍がアブランシュ方面の突破に成功し、細く長い突破を果たし得た。しかしポイントが尽き突破点は広げられずマーケットガーデン作戦のように横からの反撃が懸念されるが、突破の縦深が深く対応するドイツ軍兵力も少ないため、リュティヒ作戦は不可能である。突破に対するドイツ軍の戦略体勢の変換は難しいが、スーパーファーレーズだけは避けなければならない。

 第10ターン。連合軍は前にも増して苛烈な攻撃を仕掛けてきた。空挺部隊の投入などドイツ軍の痛いところを狙って攻撃をかけてくる。もちろんドイツ軍は点で突破されることは承知の上でそれを受け止めるべく歩兵・擲弾兵師団の二線防御で突破をクッションのように受け止める。さすがにごり押ししてくるので戦線は後退させなければならないが、ここで意地を張って前で守りすぎては全てを失いかねない。戦術移動・増援・再建・戦略移動をフル活用し重畳な戦線を構築する。反撃など出来ないが、時間を稼ぎ土地を稼ぐのだ。

 第11ターン。さすがに連合軍といえども数ターンも続く攻勢の連続に息が切れてきたようで、ドイツ軍の再建の時間となった。連合軍の前進は一応止まり、北のル・アーブルからほぼ一直線の戦線が対峙している。ドイツ軍の再建は順調で、先々ターンに壊滅した装甲師団が再建できたことなどもドイツ軍にとっては防御態勢の強化につながった。壊滅した師団が多いとそのターンの補充が増えるので遅滞戦術をとられると戦線が再建部隊などで重畳してしまう可能性もある。

Imgp3286  第12ターン。連合軍はドイツ軍の突出部を狙って攻撃するが、後退するのみである。戦闘後前進をすると二線目にあたり、それ以上進めない。連合軍の攻勢が予測される地点には突破に対する部隊が置かれ、連合軍の突破スピードが落ちてゆく。ドイツ軍は連合軍の攻撃が少なくなったので、部隊再建や補充などで、ステップロスした部隊などを完全戦力に戻し、場所によってはさらに戦力が充実して連合軍が攻めにくくなってしまったと言うことも発生した。攻撃される場所が絞り込めるとドイツ軍はやりやすくなる。しかも時間を稼ぐだけの土地は充分にある。

 時間がきたのでここでお開きとなったが、このゲーム初プレイとは思えない切り裂き鋭い突破を見せつけられ非常に驚いた。機甲部隊の突破アクションの活用や空挺部隊の活用など一時は縦横無尽の突破に心胆寒からしめさせられた。

 しかし戦いは時の運とも言う。あと一息というところで連合軍アクションが終わり、ドイツ軍アクションで的確な防御をされてしまったり、ターンが終わってしまって二線目が引かれてしまったりという細かい積み重ねが大幅なスケジュールの遅れとなり、ドイツ軍の防御が常に先手を打っているという状態になった。また、ドイツ軍のアクションフェイズが先攻となる「反撃」は実際の反撃とはならずにドイツ軍戦線の再建に活用されたというのは言うまでもない。

 プレイ後の感想としてお互い切歯扼腕させられるので面白いなあと言うことだった。両軍のアクションはダイスで決められるが必ず連合軍は一番最初にプレイできるところがミソで、補給ポイントでの制限などもありドン詰まりにはなりにくいようになっているようである。個人的には戦車部隊のユニットには師団名が多少なりとも入っていた方がよかったなあ。

 

 

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