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2006/09/02

D-DAY(STR/CMJ46)プレイ

 月末のある日。
月末と言えば給料日だったり、仕事が俄に忙しくなったりするものだ。さて、筆者は月末と言えば恒例の飲み会(有志のね)があり、たらふくアルコールを摂取し、次の日には決まって二日酔いというのがいつものパターンとなっている。ストレス発散というやつだ。
 そんな時でもゲーム会というものは無常にも開催され、ボロ布のようになった体に鞭を打ってゲームをプレイするのだ。

 さて今回はいつものメンバーでゲームを開催することにした。WELL THEN.にあるとおり、事前にD-DAYをやることとなっており、時間が余れば他のゲームをする予定でいた。その他に色々とゲームを持っていくつもりだったが、鞄に納まり付かなかったので諦めた。

 待ちかねた顔をしたK氏がおもむろに口を開いた。
「今日はあれやろ」
二日酔いで道中の照り返しに気持ち悪くなっている筆者が答えた。
「おおそうや。ブログ見たけ?WELL THEN.の方。ああそうやお前。家にPC無いから最終更新知らんやろ。」
そう、K氏は今となっては珍しい家にPCを持たない人物で、いつも会社で確認しているのだ。
「いやあ。見た。昨日見た。D-DAYって書いてあったで。」

言うか言い終わらないかのタイミングでK氏が物陰から満面の笑みをもって取り出したゲームはエポックの史上最大の作戦.....
どっひゃー!
「ええー!今日そんなパワーないで」
今から海軍艦艇ユニットから並べてプレイするには時間・パワーが許さない。
と言うか。。。。。。
「俺のいうD-DAYはこっちやで。史上最大の作戦は土曜日の昼下がりじゃあのーて日曜日にガチンコでやらんとお望みの最後まで辿りつかんで。」

筆者がスラリとスタイリッシュに取り出したのはD-DAY(STR/CMJ46)だ。
こっちはネイルビッダー気味だが少ない時間でもやり遂げられる。
「こっちにもD-DAYって書いてあるで。」英字のタイトルを指さしあくまでもエポックの史上最大の作戦にこだわるK氏。ここまでひつこく言うのは珍しい。
理由を問いただすと。

「いやあ。ただ単にバンド・オブ・ブラザー見て触発されただけや」

(なんやなんでもいいじゃん)

閑話休題。
 D-DAYはウォーゲームバブルが弾けた時分に初心者獲得をめざし開発されたゲーム群、SSシリーズの中の一作で珍しくCRTを使用する作戦級だ。

 マップにはおなじみのシェルブールを含むいつものノルマンディ地方が描かれており、プレイするものを安心させてくれる。街・都市もカーン、バイユー、サン・ロー、カランタンなどとノルマンディ戦の代表的な地名がちりばめられている。

 少し違和感があるとすれば、ヘックスが大きめでありユニット2つを置いても余裕があり、やもすればエリア戦かと思わせてくれる。この微妙なヘックスの大きさが本ゲームでは効いていて他のノルマンディ戦のゲームとの魅力の差となっている。

 システム的にはZOC無し、同一ヘックス戦闘、補給切れは補給切れ→除去、活動インパルスは3度あり、ユニットの質によって動けるインパルスが決まっている。といえば大体察しが付くだろう。

Imgp3206  おなじみのユタ、オマハ、ジュノー、ゴールド、スウォードなどおなじみの海岸に連合軍が殺到する。在地のドイツ軍は次々と屠られて上陸成功となるが、さすがにオマハのみは激戦となったためか、ドイツ軍ががんばって海岸に米軍師団が釘付けとなっている。

 続くターンでは米軍はカランタン攻略に手間取りながらもシェルブール半島遮断の挙に出、隣接のオマハから突破できた部隊をもってミニコブラの様相だ。しかしこれら米軍戦線に赴くべき戦力は連合軍のインターディクションの成果もあって遅々としている。なんとかSS17師団などの部隊がサン・ローに取り付いたが到着即最前線の様相だ。同じく英軍の戦線もカーンで激闘となっているが、周辺のインターディクションと迂回前進の前に増援が効果的に使用できない。在場の師団で何とか持っているが、攻撃がそこそこ成功したが、反撃は手ひどいまでに喰らってしまっている。一時はマルベリーを脅かす地点まで進出できたが、それが精一杯だった。

 痛いのはこれら初期の戦いで損害吸収用と目されるべき歩兵師団の類が消耗し、連合軍反撃のダイスの目でクリティカルにドイツ軍に損害が発生してしまうことだ。本来であれば機動防御なるものを夢想していたが、本当に夢物語になってしまいそうだ。事実そうなりつつあった。

Imgp3208  ドイツ軍の増援は押っ取り刀で前線に投入される。前線の薄いところや連合軍が攻撃をかけようとしている地域に重点的に投入されてしまうのは仕方がない。しかし、増援はドイツ軍は数回に分けてやっては来るが、ひどい消耗の場合は消耗した部隊の代替えでしか無く、連合軍はビーチに送れる最大数が決まっているとはいえコンスタントにやってくるので、最終的には確実に戦力比が逆転してしまう。時間はドイツ軍に味方せず連合軍に味方しつつある。4ターンの時点でクータンス~サンロー~ヴィレルヴォカージュ~カーンのラインを保持しているが、どのポイントでも戦力的にはドイツ軍が圧倒されて側面は開放されているに等しい。

 案の定、増援が送りにくかった米軍戦線が破られ、クータンス~サンローのラインが崩された。グランヴィル~ヴィルディユのラインに後退とはいえ損害を受けて後退しているので弱体化している。カーン地区では相変わらず保持していると言えるが、流動的な戦況となった今では固定的に守備していることは既に死兵と化しており、敵にホールドされてしまったと見ることも出来る。この行く先は史実のドイツ軍と同じくファーレーズの包囲、魔女の大鍋が待っているのか。

 数で圧倒する連合軍は迂回攻撃で側面に浸透する。対応すべき部隊はドイツ軍にはなくただただ指をくわえて見守るしかない。随所に反撃を加えるが、的確な航空支援の配備と平均的に損害が出ない戦力を積み上げをしているので攻撃した側の方が損害がでかいと言うことになってしまっている。反撃だけを期待して攻撃しない方がましという状況だが、消極的すぎる行動は確実にドイツ軍の継戦能力を奪う。

Imgp3211  7ターンの時点で連合軍はカーンを落とすことはなかったが、各所で戦っている部隊はホールドあるいは包囲され、史実のファーレーズ包囲のような状況に陥った。連合軍がサドンデスの盤外突破を果たせる位置に進出できたことと、ドイツ軍がそれらを防ぐ手だてが無くなった事もあり、ドイツ軍投了でゲームは終了した。

 本来ならば、シークエンスが変更になる嵐が無かったり、クリティカルにドイツ軍部隊が飛ばされたこともあり敗北となったが、一時は連合軍のマルベリ-に近づけたことがせめてもの救いだった。本ゲーム数回プレイしているが、今回もまた別の展開となったことに新鮮であり満足だった。筆者、このゲームの出版時は食わず嫌いで忌避している部分があったが、時間が過ぎて理解できるようになったことや好みが変遷することもあって好意的にとらえている。

 本質な意味でのノルマンディでの機動戦を楽しみたい方には本ゲームは全く不向きだが、簡単にD-DAYをプレイしたいという向きにはうってつけだろう。他のノルマンディはプレイするにもそれなりに覚悟がいる。そう言う精密さはないが、いわゆるノルマンディ戦をあげるときに忘れてはならない一作ではないだろうか。褒めすぎかな?



 

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