サラトガ(GMT)プレイ
今回は過去録からの再録をお送りする。今から6年前にプレイしたゲームだが、今年になって第2版が発売されたので、それを記念にと言うわけではない。
今回のプレイは第1版の事について述べられたものであり、第2版(未確認)とは違うものと認識していただきたい。
なお、本作は人気があるのか続編が出ていて簡単なルールで米独立戦争の諸会戦を楽しめるようになっている。日本でなじみのない米独立戦争だが、学研からそのものずばりの戦史書が出版されたり、メル・ギブソンの映画でも扱われたりと近年脚光を浴びつつある時代かもしれない。
サラトガ('00年12月GMT)
年末である。今年はゲームプレイが格段に少なく、よってリプレイ記録がまとまって書けてしまうという本末転倒な一年であった。今年の目標は月1プレイ、気に入ったゲームは複数回しようというものだったが、その目標は月1はもはや不可能としても(可能性はゼロでない)「オーバー・ザ・トップ! 」がかろうじて2回プレイしているので、半分は達成できたことになる。
購入しているゲームは月2個以上であるから、未プレイの山であるが、その中でも各分野で簡単にプレイできるゲームを選んで購入しているのだが、今回の「サラトガ」もその方針により購入されたゲームである。
サラトガの舞台でもあるアメリカ独立戦争は日本では知名度の低い分野であり、本場アメリカでは南北戦争に次ぐ重要な国内での戦争であり最近活発にデザインされているジャンルである。もちろん、アメリカではお国ものであるわけでそのストーリーは歴史好きにとっては著名ではあるが、極東の島国ではストーリーはおろか位置関係すらわからない。
しかし、このゲームの素晴らしいところはサイドストーリーが不明であっても、ルール上の注釈により補足され、たとえばゲイツ率いる部隊が何故序盤に動けないのか? とかドイツ人部隊の存在が明らかになっている。
また、マップがあたかもクラッシュ・オブ・アームズのバタイユシリーズなどを思い浮かべるほど俯瞰図的な絵画調で、歴史物お約束の美しく手堅い作りでプレイに誘ってくれる。
今回は時間的な都合も相まって2ターン程度しかプレイできなかったが、A氏が英軍、筆者がアメリカ軍を率いることになった。
初期配置、アメリカ軍は北からゲイツとアーノルドの順番に砦に陣している。なお、特別ルールによりゲイツの率いる大半の部隊が陣に籠もりっきりで、英軍が接近しないと活性化されない。
アーノルドの部隊は自由に行動できるが、籠もりっきりだと勝てないので前進し、勝利ポイントが得られる農場を先制占拠し、英軍をかの地で迎撃し、徐々に遅滞戦術で消耗させ、ゲイツの制限解除をもって逆襲に転ずる構想だ。
英軍は初期配置でいきなりスタックオーバーである。笑えるがルールにも書いてあり、前進をもってスタック制限を満たさなければならない。米軍は自身がサドンデスする地点は既に配置について防衛しているが、英軍は敵側に近いハドソン川支流に補給集積所があり、まずそこを守らねばならないために進軍する。
このゲームでは河は橋無しに渡れないので英軍と米軍の目的地と農場は一本の道路で繋がっており、必然的にその間であるいはその延長線上で衝突が予想される。
数ターンの後アーノルド率いる先遣部隊は迎撃地点を河により遮断されている回廊地点に設定し、後続の部隊が到着するまでにそこで遅滞戦術を展開する予定で配置に付いた。構想ではライフル兵を含む4ユニットでブロックし、川沿いの側面にはライフル兵を配置して射線に納める予定だった。
しかし、一部迷走している部隊を除いて6ユニットで直線的に突入し、こちらの配置が終了しないうちに接敵し攻撃を開始した。こちらのスタックはリーダー付きの2ユニットでライフル兵が存在せず、射撃戦は発生せず白兵戦に突入した。戦術チットで修正しCRTでの結果はこちらの一方的な敗走となった。敗走するアメリカ軍追及する英軍、というところで時間が差し迫ったのでお開きとなった。
勝利条件や特別ルールにより展開が規制されているが、それでも楽しめるところはさすが黄金期に入ったGMT という感がする。ルール上でルールの解釈や、歴史上のキャプションがあるため、歴史を追体験できるようになっている。
ゲームの展開に幅がないのでシナリオやヴァリアントが欲しいところだ。
〈追記〉第2版ではシナリオが追加された模様です。
了
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