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2007/02/14

2月1回目のプレイ

 前記事はこのブログにしてはハードな内容でアップ後にやり遂げた感で一杯でしたが、この比較シリーズ(仮称)はそれなりにネタがあるので時間が出来たら別のゲームにもスポットを当てようかなあと思っています。
 この比較シリーズの他にも風変わりなレビューを考えていまして形になり次第アップする予定です。

 退院後の初プレイがようやくできましたのでまたもや簡単に紹介いたします。今回は以下のゲームをプレイしました。

  • 装甲擲弾兵

 今年はあまった時間にはミニゲームだけでなく小規模なシナリオが多数ある戦術級をプレイしようかと考えています。よくよく考えたら近年やけに戦術級の所持が充実してきたような気がします。また初心者向けなパッケージも出てきていると言うのもあります。個人的にも戦術的にシフトしたゲームが好きですので機会を掴んでプレイをしたいなあと思います。

Borodino: Doomed Victory, S&T#136 (3W)
 このゲームはYSGAのブログで紹介されていたボロジノではなくもっと古い号に付録となったボロジノ会戦を扱うゲームで、戦術テイストに溢れた会戦級のゲームだ。 

 戦術テイストとは会戦級にはありがちな隊形による有利不利があるものをさすが、最近はそういう隊形など関係のない気軽な会戦級もポツポツとあるようだ。

 今回プレイしたボロディノはナポレオンのロシア侵攻の中でもとりわけ有名な会戦の一つで、ナポレオン率いるフランス軍とクツーゾフ率いるロシア軍の間で戦われた。かなりブラッディな戦いであり、堡塁に籠もるロシア軍に正面から突撃してしまったナポレオンらしくない戦いでもあります。会戦の詳細はそれなりの史書にあたるのがよいが、ウィキペディアのボロジノの戦い に簡単にまとめられているのでよく知らない方は参照されたい。

 ゲームとしてはT&Gシリーズのボロジノとか後発の作品があるのでボロジノ会戦を扱う会戦というのはそれほど入手が難しいものではない。もちろん今回プレイするゲームが決定版的なゲームかと言えばそうでもないようだ。

 ゲームプレイは筆者がロシア軍を担当して行われた。フランス軍を率いるK氏はボロジノ会戦をよく知らないが、正面攻撃をしてしまった戦いであると言うことは認識したようだ。

 K氏はナポレオンの犯した失策を重ねてしまうのかと言えばそうでもなく、ダブーの進言よろしく南方旋回で柔らかいロシア軍左翼を突くことを画策した。

ロシア軍の左翼は森林の塊とこれを支援する部隊が攻撃軍の行動を阻み、簡単に回り込めないようになっている。また森林への進入には道路と行軍隊形(縦隊)が必須であり、簡単ではない。しかし一度抜けるとそこには脆弱なロシア軍の横っ腹がさらされ、突きたくなるのはまともな指揮官であれば当たり前のような状態である。

 ロシア軍右翼は河川と河川沿いの部隊配置によって守るのに適したものとなっていた。もちろん、フランス軍の体勢は南側偏重で、ロシア軍右翼に到達するには距離が遠い。また左翼ほど兵力は薄くなく、圧倒的有利でない限りフランス軍が回り込む理由はあまりない。

Imgp0130  ロシア軍の中央は高地と角面堡と突角堡という堡塁によって守られているが、史実では大流血のあった防御地点である。地形と連携しフランス軍に出血を強いさせるが、結局の所陥落させられる所でもある。

 序盤の機動は様子見である。

 K氏は直感で南方旋回を開始し、前線のロシア軍を攻撃する。小敵とも言えるのに今一の切れ味。このゲーム意外と後退型のCRTで敵が死なない。それもそのはず隊形によってZOCの広がりが変わってしまうので、するすると抜けられてしまう。

 「わかったぞ!」

 ひらめきと共に発せられたのはK氏の雄叫びだった。

 どうやら平押しでは拙いと言うことに気が付いたK氏は強力なフランス軍騎兵を足の長い歩兵のように使い出した。

 歩兵の横隊隊形はZOCを展開するが、側面と後方には展開しない。歩兵が密な戦線ではZOCに足をとらわれてしまうが、疎なところでは逆にグルーッと回り込んで四方八方を囲んでしまえることに気が付いた。また拙いことにフランス軍の騎兵は戦力が強く足が長い…

 重要な地形障害である森林を抜けたフランス軍騎兵はロシア軍側面に躍り出てロシア軍を圧迫しだした。

 ロシア軍はフランス軍に良いようにされているがこれと言って対策がない。各堡塁にもフランス軍が殺到して肉弾戦がおっぱじめられた。

 数ターン後にはバグラチオンの突角堡が陥落し、お昼を待たずしてロシア軍の敗勢が明らかである。タイムスケールから言って展開が急すぎる。何かおかしい。

 検証の結果ルールに大きな間違いはなさそうだったが、オプションとなっていたコマンドコントロールのルールは標準適用の方がよいのでは?という結論に落ち着いた。

 隊形・視線・高度という比較的簡易な戦術級のエッセンスを持っているゲームで、もう少し突っ込んでプレイする必要があるが、他のボロジノ会戦のゲームに出来によってはその地位は危ういかもしれない。また、マップは高低差を色別と崖の模様によってあらわしているが、一部よくわからないところもありエラッタも存在する。このゲームをして他のボロジノをやってみたくなってしまった。


装甲擲弾兵(EP/CMJ)
カーンの逆襲シナリオ
 カーンの逆襲と言ってもスタートレックではない。我々がカーンの…と言われれば何故か1944年のノルマンディでのカーン付近での英独両軍の攻防戦を思い出すのは決して間違いではない。しかし一般的にはスタートレックの方が一般的であるので一般人と話すときは間違ってもヒトラーユーゲントが…とか呟いたりしてはならない。なんのこっちゃ。
 装甲擲弾兵でのカーンの逆襲は突破を計るドイツ軍に対し、英軍がそれを阻止するという戦術級ではありふれた戦いを扱っている。

 英軍は待ち伏せである。一応コマンドマガジンの連載に本シナリオの作戦研究が掲載されているが、そんなものは無かったか知らなかったかの如くプレイ開始である(実際はコロッと忘れている)。

 筆者は英軍担当だ。欧州陸軍はやっぱ英軍やね。トミーと呼んでくれと言うぐらい英軍ファンな筆者はたっての願いで英軍となった。

 ボカージュに伏せる英軍戦車。

 じわじわとドイツ軍Imgp0135戦車を削ってゆくが、同じ以上に削られる。

 ゲームスタートしてから配置の誤りに気が付く英軍。

「これでは各個撃破ではないか!」

 英軍プレーヤーの雄叫びにかかわらず容赦なく撃つドイツ軍。奴らの血は鉄とガソリンの臭いがするぜ。

 このゲームではイニシアチブがなだらかに独軍・英軍と切り替わっていく様になっている(チャート上では)が、イニシアチブを持たない側は基本的に主体的に撃つことが出来ない。

 序盤はドイツ軍がイニシアチブを取る可能性が高い。従って、英軍は臨機射撃とも言えるストップ射撃で相手を削ってゆくが、配置が曖昧だと血で支払うことになる。今回はリボ払いになりそうだ。

 基本ビビリ属性のドイツ軍は英軍のシャーマンが逃げてゆくのを見てドイツ軍K氏は統制前進とも言える前進をする。

 なぜならば未だ25ポンド砲が隠れているからだ。

 しかし、撃つ相手が多いとはいえ撃たれる方は数が少ない。身を削って縦横無尽の活躍をみせたが後は増援としてやって来るチャーチル戦車に一縷の望みをかけて散ってしまった。

 ドイツ軍はもはや勝利寸前だったが、チャ-チル戦車の出現に驚いた。

 名前のセンスではない。

 その装甲厚だ。

「ザクとは違うのだよザクとは!」

 戦慄を覚えるドイツ軍。

興奮のボルテージは最高潮に達する。

 しかし

「あ~届かん!!」

 出現箇所があまりドイツ軍の勝利を妨げるところではなかった。

おわり

 
サン・メールエグリーズ
 装甲擲弾兵のこのシナリオは盤上に散らばる米軍空挺部隊がドイツ軍の攻撃に耐えるというシナリオである。しかもこのシナリオは主役が歩兵(出てくるのは空挺)であり、装甲擲弾兵の中でも歩兵と迫撃砲の使い方を学ぶ地味なシナリオであるが、攻防がハッキリしているのと援軍がランダムであるので地味な割には面白い。

 このシナリオはドイツ軍の突破か、町の占拠にあるが、どれを選ぶかによって大きくプレイの進め方が変わる。もちろんランダムに登場する増援がゲームの展開に花を添えてくれるが、ドイツ軍は三号突撃砲が登場する可能性がある。

Imgp0137  米軍はドイツ軍の勝利を妨げるために各所に散らばる。特に迫撃砲と機関砲は重要アイテムで、ドイツ軍歩兵(降下猟兵)をミンチにしてくれるだろう。

 ドイツ軍も米軍と同じだが迫撃砲で拠点に籠もる米空挺兵を抹殺するのに縦横無尽の活躍をするだろう。

 米軍は機関砲を良い箇所に仕掛け、ドイツ軍の行動を妨害した。ドイツ軍は迫撃砲が
すんでのところで機関砲トラップに引っかかるところだったが逃れた。

 装甲擲弾兵の視認状態は非視認の時はダミーが増え、攻撃を受けにくくなる。防御側としては如何にしてダミーを重ねつつタイミングを計りながら暴露する機会を窺わなければならない。

 もちろん非視認側の射撃はサプライズアタックと言って2度撃ちが出来てしまうので、視認できていないユニットは偵察という装甲車と歩兵しか出来ないダミーはがし活動をして実態を探らなければならない。

 ドイツ軍は筆者であるので、警戒移動、偵察、接近を繰り返しながら散在する米兵を血祭りに上げてゆく。慣れていないK氏は声にならない声を上げている。さらに強火点には迫撃砲が見舞われた。

 米軍はドイツ軍の目的を突破と看破していたのかかなり重畳な配置をしている。こちらが「装甲擲弾兵」の典型的な攻撃をするとそれを学んで効果的に反撃をするようになってきた。やはり実戦は訓練の何十倍もの効果があるとはよく言ったものだろう。

 ドイツ軍の増援は3号突撃砲を加えるまでとなり、米軍を責め立てる。ここで嫌なことを思い出す。イニシアチブは段階的に敵側に渡りやすくなると言うことを…

 次第にイニシアチブが米軍に渡り出す。後一線抜けばと言うところまで来ているのに無慈悲にもイニシアチブは米軍に渡った。

 主体的に撃てないドイツ軍。間接射撃と航空支援が降り注ぐ。米軍は突破させまいと通路をブロックし始める。悲しいかな歩兵は射程が無いに等しい。それを防ぐ術はない。

 結局あと1ヘックスの差で突破はならなかったが非常に面白かった。
ゲームシステムと敵の火線に翻弄されながら戦術級の醍醐味を味わったような気がした。

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