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バルカン侵攻作戦(CMJ18)プレイ

 世の中どうしても人気のあるテーマと人気のないテーマというものがあり、それをメジャーとかマイナーとかという風に区分していたりする。
 メジャーテーマに共通して言えることはメジャーがゆえ知っている安心感と何某かの枯れた感である。
 マイナーテーマはその逆で知っていることが少ないがゆえの不安感と何某かの前衛的な要素である。
 当然のことながら困ったことにその線引きは銘々の知識とかスキルによって大幅に違い、どこで線引きをすればよいのか全くもって検討付きづらい。
 今回プレイしたゲームは第2次世界大戦というメジャーテーマに属しながら、バルカン戦線というマイナーテーマを扱う。
 バルカン戦線はバルバロッサ作戦のプレリュードというか寄り道というか、ともかくあんまり大きく扱われないキャンペーンでドイツ軍が主役であるにもかかわらずマイナー感が漂っている。
 さて、そんなバルカン戦線の侵攻作戦を扱ったのが今となっては初期の号数になったコマンドマガジン18号の「バルカン侵攻作戦」で、元ゲームはデジションゲームズのS&T誌182号Balkans '41だ。

 よっぽど人気のないテーマなのか現在でも入手できる。

コマンドマガジン18号付録『Balkans'41』

 初期ドイツ戦車隊の怒濤の進撃を体感したい、各国軍が入り乱れている戦いを見てみたいというならお奨めできるかもしれない。

 

 さて、ゲームはS&T誌のゲームと言うことでそれなりにエラッタとかを覚悟しなければならない。
 またCGがゲームデザインに反映されてからの間もない頃であるのでグラフィック的には現在の肥えた目では満足できないかもしれない。地形表現はエンボス仕様でATOみたいなものが許容できるなら問題ない。ただしチャート類は非常に見にくい。まあCG導入前夜と言うことで片眼を瞑って評価しよう。ここはそういうところを攻めても仕方がないのでそういう事実だけ伝えておく。

 このゲームのテーマは1941年のドイツ軍のバルカン半島席捲を扱っている。バルカン半島は民族のモザイクと言われるようにドイツ、イタリア、ユーゴ、ハンガリー、ブルガリア、ギリシャ、イギリス、ニュージーランド、オーストラリア、ポーランド等々の戦闘ユニットが登場する。
 戦闘ユニットは大体規模から師団規模ぐらいが登場し、兵站に関わる司令部や、空軍ユニットが登場する。
 システムは非対称ダブルインパルスとでも言おうか枢軸軍は機械化部隊が第2次移動・戦闘出来るのに対して連合軍はどちらかしか移動できない。当然大戦初期であるのでドイツ軍には戦車師団がウヨウヨ出てくるのに対して、連合軍のそれはみみっちいものだ。
 空軍は航空優勢を判定してから任務別に割り当てられた部隊を修正し、それぞれが航空作戦を実施でき、地上攻撃、対地支援、空輸などが実施できる。
 兵站は補給と補充と支援を合わせたようなもので、補充と支援には司令部との補給線が必要で、兵站ポイントを消費して部隊補充と部隊の支援が可能になる。
 部隊の支援は移動時に倍加できる強行軍や攻撃時のシフト修正などがあり、これらを駆使して部隊のパフォーマンスを上げて戦う。
 勝利条件はいわゆる得点差比較で、部隊の壊滅による得点と土地の確保による得点があり、他に史実以上の増援を得た事によるマイナス得点もあり、壊滅した部隊の再建により盤上に復帰したりすることから得点管理がなかなか難しい。
 面白いのは土地の確保による得点はドイツ軍は4ターン(ゲーム中盤)に判定し、連合軍はゲーム終了時に判定することだろう。それにより一方的とはいえドイツ軍は高得点をあげるために無理してでも前進攻撃し、後半はそれを確保するために各地に散らばっていると言う図式が浮かんでくる。
 史実同様盤上でも一方的にドイツ軍がバルカン半島を席捲するだろうが、今回はどうなったであろうか。

 陣営の担当は本来ならドSのK氏を攻撃側であるドイツ軍に据えるのが本筋だが、無情のダイス振りで決定した。その結果筆者がドイツ軍を担当することになった。史実では一方的に勝利を収めた戦いは気が引き締まる。

第1ターン。

 今回はいわゆる史実シナリオをやってみることになる。史実シナリオと架空戦シナリオのImgp0173 違いはユーゴスラビア軍の動員の差であり、前者は動員が未完了で、国境線に部隊が張り付いている状態で、後者は動員が完了し部隊の配置が自由となる。

 この差はやってみてみると実感できるが電撃戦をかわす事が出来る可能性がある。と言っても首都陥落は逃れられないが。

 まずは空軍の航空優勢を判定する。これは制空権を判定するもので3種類ある航空機ユニットを様々な任務に分配し、「航空優勢」任務のユニット同士でダイスを振り合い航空優勢を判定する。

 その中身は航空ユニットを帰還させたり除去できたりするので数が多い側は制空権奪取を目指し配置する。

 今回は筆者ドイツ軍たんまりとおごった。結果連合軍の航空機は姿を消した。ルフトヴァッヘ強し。

 連合軍側で注意しなければならないのは寄せ集め国籍空軍である故に弱小空軍は帰還率が低いので一度撃破されてしまうと帰ってこない。今回いきなりエアカバーが無くなった。

 口惜しがる連合軍K氏。エアカバーが無くなったことよりも初っ端から自分が最悪目の「1」を出し筆者が最高目の「6」を出したのがたいそう気に入らないらしい。

 ドイツ軍はドイツ国内、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリアに各々配置され軍団規模で各地に突進した。ドイツ国内の歩兵軍団はザグレブを目指し前進し、ハンガリー、ルーマニアの装甲軍団はベオグラードに向けて前進し、ブルガリアの装甲軍団と歩兵軍団はサロニカへ向けてメタクサスラインに隣接した。

 第1ターンにはルール上イタリアとハンガリー軍は動けず、ブルガリア軍は登場すらしていない。

 戦闘の前に地上攻撃があり、各地に事前爆撃を実施する。結果はステップロスだったりする。

 このターンの攻撃でメタクサスラインは2カ所で突破され、2個装甲軍団の攻撃を受けたベオグラードもあっけなく陥落した。

 連合軍はベオグラードの奪回を謀ったが、強力なドイツ軍装甲軍団の戦力の前に驚嘆し、正面からは何ともならない事を悟った。

 メタクサスラインでも突破されてしまったので、ZOCで抜けられなくなったギリシア軍の対応に追われる。サロニカも危機に瀕している。

 唯一気を吐いたのはアルバニアのギリシア軍で補給ラインが繋がらないにもかかわらず強気の攻撃でイタリア軍3個師団が撃破された。アルバニアのイタリア軍は数は多いがほとんどがステップロスをしていて弱体である。アルバニアには2カ所勝利条件に絡む地点があり、気がかりである。

第2ターン。

Imgp0174  空はルフトヴァッヘの物。十字と杖のマークがバルカンの空を覆った。いっつ・しょーたいむ。

 ドイツ軍はザグレブへの進撃、メタクサスライン突破の拡張、ベオグラード付近の残敵掃討にいそしんだ。このターンから動けるイタリア軍は反撃の狼煙と体制の立て直しを図った。

 が、肝心のメタクサスラインの突破拡張は失敗し、イタリア軍は各地で敗北し、しかも1ターンと同じくギリシア軍の攻撃でまたもや3個師団が消滅している。

 このターンなんか枢軸軍には暗雲がたれ込めていた。部屋にはイタリア軍を合計6個師団壊滅させたK氏の「ヒャッヒャッヒャッ」という笑い声がこだまする。

 後2ターンで占領せねばならない目標は多く、そして遠い。アフリカと同じくイタリア軍が足を引っ張っている。

 首都の陥落したユーゴ軍は降伏判定をしなければならないが、案の定降伏判定をクリアーし継戦となった。

第3ターン。

 春は曙。ではなくて4月第3週もルフトヴァッヘの空。前ターンとは違い地上攻撃が冴えてきた。地上攻撃は最高結果は全スタックステップロスというのがあり、飛行機を集めまくれば湾岸戦争の様な様相も再現可能だ。沈黙するK氏。

 ベオグラード付近の残敵掃討も一段落し、南部のユーゴ軍補給拠点を占領。ヒューメ在陣のイタリア軍も攻勢を開始し、ザグレブの側面を突く。

 地上攻撃、対地支援、戦闘支援という効果を駆使して次々とユーゴ軍が消滅して行く。

Imgp0175  アルバニアのイタリア軍はギリシア軍の山岳兵に翻弄されていたので撤退を選択し、戦線を下げて再建を策す。

 前線で次のターンの大爆発の予感がしているというのに、メタクサスラインは拡張ならず装甲軍団と歩兵軍団が敵と味方のZOCに絡まってちょっとやばい状況である。メタクサスラインはいわゆる要塞扱いで、ここまで触れてこなかったがCRT選択に微妙に影響をする。

 CRTの選択とは威力偵察・突撃・機動戦の3種類のCRTが存在し、威力偵察は味方の損害を押さえたい時に選択するが、基本後退型であるので損害が出にくい。

 突撃は相手にステップロスを強いるときには有効であるが、同じように自分もステップロスする確率が高い。

 機動戦は戦車部隊の比率と地形によって決まり、山岳・都市・要塞戦では実施できない。CRTの中で最も相手に与えるダメージは大きく、損害は押さえられている。

 今回要塞線であるので「機動戦」が選択できず、「威力偵察」「突撃」の二選択しかないが、両者とも高比率であっても1/6で失敗あるいは効果無しという事態が起こりえる。その「効果無し」が連発しているのだ。

 
このターンもユーゴ軍の降伏判定は失敗し、継戦が続く。

第4ターン。

Imgp0176  もうすぐゴールデンウィークだというのにルフトヴァッフェをはじめ戦場の皆さんに休みはない。空はハーケンクロイツが覆っている。

 猛爆撃と猛支援の中ドイツ軍はついにメタクサスラインを突破、サロニカに接近を果たした。その途上で連合軍の有力にして強力な戦力である英連邦軍の軍団がドイツ装甲軍第2個の猛攻撃を受けて壊滅し、ドイツ軍に久しぶりにジークハイルがこだました。

 北のザグレブでもドイツ軍3個歩兵軍団という贅沢三昧の攻撃で陥落し、土地の占領得点を稼ぐ。

 さすがに英連邦軍無き後のギリシアは風前の灯火であるので連合軍は選択増援を使用し、オーストラリア軍をアテネに派遣した。

 陥落寸前のサロニカにはドイツ軍に一泡吹かせるために反撃計画が練られたが、国籍違いの攻撃参加禁止の条項に引っかかり頓挫した。

 連合軍の慰めはユーゴ軍の降伏判定がまたもやクリアーしユーゴ軍が戦い続けることだろう。

第5ターン。

 このターンは両軍とも配置転換のターンとなった。ようやく陥落したザグレブ攻略の枢軸軍は逃走するユーゴ軍を追って前進し、サロニカのドイツ軍は逃げ遅れたギリシア、ユーゴ軍の残敵を相当した。

 連合軍も大忙しである。ザグレブとベオグラードから逃げたユーゴ軍は最後の補給拠点サラエボへ向けて転進し、最後の抵抗を試みる。

 アルバニアのギリシア軍はイタリア軍への攻撃を諦めアテネ防衛の防衛戦構築のために後退を開始した。

 もうそろそろ出ても良い頃だと思うがユーゴ軍の降伏判定はまたもやクリヤーされ、いつまでも戦い続けている。ひつこいなー。

第6ターン。

 枢軸軍は怒号の攻撃でサロニカと周辺の連合軍を壊滅させ、アテネへの進撃を開始した。イタリア軍はサラエボのユーゴ軍の攻撃を考えて北上を開始した。

Imgp0179  が、ここで大事件が勃発した。

 サラエボも風前の灯火と見られていたが、会話の途中「もうそろそろ降伏やなあ」とか「確率的にはそろそろやなあ」とか言っていた途中で、はたと気が付いたようだ。

「最後のご奉公をさせよう。」

「いやーせんでええよ。どっちにしろ失敗して壊滅の憂き目にあって残敵掃討の手間が省けるだけやでー!」

 「まあ、同じ死ぬなら賭けてみたいんや。」

 もはや言っていることがギャンブルの借金で首が回らなくなったのにギャンブルの大穴を当ててそれで埋めようという発想と同じである。

 サラエボにはGDとかSSライヒとかHGを集成した小振りな装甲軍団がせまっていた。他の装甲軍団よりも小振りで、若干戦闘力が低い。が、単ヘックスの戦闘力ではユーゴ軍はどうしようもないというのが一致していた見解の筈だった。

 しかしあちこちからかき集めて包囲を完成し、出てきた比率とは...

 「おーなんとか1:2たつやんけ。」

 無茶苦茶である。1:2なんて比率は今まで目にしたことはないが、1対1ですらAE(攻撃側全滅)とか全ステップロスとかがあるのに、1対2なんて比率は考えただけでも恐ろしい。

「威力偵察」CRTでは最高の出目で後退だが「突撃」CRTでは全ステップロス後後退というモノがある。1/6の確率で。6が出るとアウトだ。やり方がやくざチックだ。

 しかし脳裏には妙なモノが流れていった。どうやら新聞だ。

ドイツ装甲軍団サラエボ前面で壊滅!!

と言う見出しが。

 杞憂だ杞憂。我が軍に落ち度はない。壊滅は借金ヤローだ。

 コロコロ

「6!!DEATH!!(^_^)v」

 ガッツポーズをとるK氏。

うなだれて装甲軍団を除去する筆者(-_-;)。

 ちょっと雑に前に出しすぎた。完全な油断である。またタイミングが悪いことに地上支援や防御支援も使えない状況だった。

 しかも...

「あ、ユーゴ軍降伏。」

 ユーゴ軍は装甲軍団の壊滅に成功したのに満足してかあっという間に消え去った。

遅いんじゃボケー!!

7ターン。

 傷心の筆者はうわごとのように「ライヒが...」「GDが....」と呟いてもはや心は昇天である。

Imgp0180  サロニカを抜けたドイツ軍はアテネを目指して攻撃を開始する。アルバニアから撤退してきたギリシア軍はオリンポス山を中心に重厚な布陣で待ち構えている。

 かまわず前進!

「サラエボの敵を討て!」がドイツ軍将兵の合い言葉となった。

 サラエボ周辺ではイタリア軍がサラエボを占領し、北部のイタリア・ドイツ軍は全力で無人となったユーゴを前進しているが、間に合いそうにもない。

 連合軍はアテネ死守を合い言葉にギリシャ軍を中心に時間さえ稼げればいいと言う見え見えの布陣である。

 攻撃は地上攻撃で強烈な爆撃後に突進を開始するが、一部はEXで全ステップステップロスという被害を被るものの突破はならない。

8ターン。

 装甲軍団3個を投入した猛攻撃にもかかわらずオリンポス山の陣は堅い。

 結局、ギリシャ軍をはじめ連合軍をボロボロには出来たが、オリンポスの山々を越えることはならなかった。

 しかもこんな最後に忘れ物が...

「空挺降下忘れてた!」

 クレタ島にも連合軍の勝利得点となる都市が存在し、手薄となったそこを空挺降下で奪取するのを考えていたのに装甲軍団ショックで忘れていた!

 得点を計算すると本来なら作戦的勝利であるはずところが、装甲軍団の壊滅とクレタ島の占領がないため辛勝となってしまった。むむむむ。

アテネへの道は遠かった。サッカーみたいに。

 個人的に中々面白かったが、一方的な展開が嫌いなプレーヤーにはお勧めできない。枢軸軍はイタリア軍という弱点があり、ユーゴがどこまで生き残るかというところがゲームの行方を左右するかもしれない。両軍共に抱えるテーマがありその克服が求められる。

 仮想戦のユーゴ軍動員完了のシナリオであればもう少しドイツ軍は苦労するだろう。またヴァリアントでイタリアのアルバニアでの戦いのシナリオが発表されていたと思うが、是非ともWEBで再褐すべきだろう。確か同システムを採用したバルバロッサが計画されていたと思うが頓挫したのだろうか?このシステムのバルバロッサも見てみたいような気がする。

 

 

 

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