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2007/05/01

武田騎馬軍団(EP)プレイ

 この記事を書いている頃いわゆる世間的に言うところの「忙しい」という状態でした。
 しかし、僕は忙しい時でも趣味を充実させたく時間を割きたい方で、プレイの予定が立ったりすると超優先的に時間を割いてしまうようになります。
 それは仕事ストレスを発散するためにという大義名分があるわけですが、これが中々どうしてストレスを解消するはずが、むしろストレスを溜め込んでしまったりして、まあ、モノにもよりけりなのかなあと言うことで忙しい時のゲームのセレクトというのは慎重になってしまいます。

 個人的には会戦級や戦術級などのスケールが好きなのでそちらにシフトすることになるのですが、果たして今回のお題は。。。。

武田騎馬軍団です!

 コマンドマガジンの付録で、まさしくおまけと言った感じで新シナリオが発表されたと言うこともあるのですが、それにだけに触発されたというわけではありませんが、所持していながらプレイする機会に恵まれませんでした。

 このゲームは初プレイというわけでなく、発売当時にプレイしたことがあり、何人かで武将を受け持って楽しくプレイした思い出があります。しかし手持ちのゲームではありませんでしたので合戦・会戦級のゲーム好きとしてはマストゲットでした。

 そんなあっという間に消え去ったゲームを入手するには中古屋をあたるかオークションしかありません。大ゲームサークルならばプレーヤー間の融通というものもあるでしょうが、大抵のゲーマーは無いものです。

 武田騎馬軍団と言うネーミングのせいで、武田晴信から武田勝頼までの合戦を扱うように思えるかもしれませんが、パッケージにもあるように晴信~信玄時代の諸合戦がシナリオ化されています。有名どころはもちろん若かりし頃の合戦も収められていて1つで数度美味しい構成となっている。

 

 奇しくも共用掲示板で話題になっていますが、私も投稿者mitsu氏と同じ様な解釈でプレイをしていました(ex壊滅時の追撃、後退途中の壊滅等)。
 プレイ後に掲示板を見てものすごいタイミングで書き込みがあったので、同じ頃に同じ様なゲームに目をつける人はいるもんだなあーと驚いています。
 さて、エポック後期を飾るゲームの一作として、あまりプレイされなかったのかプレイされる頃にメディアが壊滅してしまったせいかあまりプレイを聞いたことはありません。
 戦国合戦級としては同時期にツクダの「甲斐の虎」や「武田盛衰記」があったために合戦級ゲームと言えば武田菱ばかりだったので敬遠されてプレイされなかったのかもしれません。また「甲斐の虎」や「武田盛衰記」は実績のある平易なシステムを使用していたのもプレイされた優位点だったのかもしれません。

 武田騎馬軍団のゲームシステムはイニシアチブ判定→先攻移動→後攻移動→先攻射撃→後攻射撃→白兵戦→管理フェイズという風な感じで進んでゆく。合戦/会戦級ではどこにでもあるようなシステムである。
 イニシアチブの判定はダイス判定で、シナリオによって修正が施される。イニシアチブを奪取した側は先攻・後攻を選択でき、白兵戦の組み合わせが選択できる。
 本ゲームで特徴的なのは「追撃」と呼ばれるもので、一般的に言う戦闘後前進のようなものと考えて良い。しかし、「追撃」は戦闘時のみに発生するのではなく移動時にも発生する。要はいつなんどきでも敵のZOCから抜ける時に追撃を受けてしまうわけで、柔軟すぎる部隊機動は抑制されている。
 もちろん、武将とスタックしているユニットは武将の能力によって、追撃を振り切ったり、追撃を中止したり、別のユニットでもって割り込んだりすることが出来る。

 部隊の損害は士気へのダメージという感じで処理されており、シナリオ毎に決められた軍士気によって許容できるダメージが設定され、戦闘の結果などで常に変動する。従って戦闘の結果士気低下したものが最後の管理フェイズなどで姿を消すことがある。

 以降にあげるプレイは以前発表した文章に少し手を加えているが、大幅な変更はない。

瀬沢の合戦

  練習シナリオとでも言うべきシナリオ。指揮官に恵まれた少数精鋭の武田軍と大軍の小Imgp0184_1 笠原・諏訪勢という構図ユニット数も手頃で最初の1プレイとしては最適だろう。。
 シナリオで登場が指定されている指揮官とは別に兵は兵種に関係なく決まった数をランダムに選択し、配置も自由なために展開が色々楽しめる。配置はお互いに衝立などで隠しながら配置する。

  筆者は小笠原方を選択し、K氏は武田方をプレイすることになった。これは事前の取り決めでK氏が武田方を熱烈に愛するがゆえのもので、本ゲームはK氏が全て武田方を担当することになった。

 配置は武田方が小兵力で稜線上に籠もることを予期し、稜線に一気に駆け上がることを考えて稜線に沿って斜線陣を引いた。

 予期に反して平地に陣取る武田軍を見て勝利を確信したが、逆斜線陣となって裏を取られた形の小笠原方は陣形を変換し五 月雨式に武田軍と接敵することとなった。

 さらに兵力が少なく包囲されることを恐れる武田方は平地に陣する事の愚に気が付き急いで稜線へと陣地変換を果たした。

 合戦開始からの陣地変換は危険を伴うが、今回は逆に接敵が少なくなり、戦いのイニシアチブを武田方が握ることになった。

 兵力に対し指揮官が多い武田方は指揮統制に優れ、小笠原軍を各個撃破するという形となった。武田方指揮官は次々と引き込みと突っ込みを柔軟に使用し、小笠原方は能力が低い・指揮官が少ない為に次々とお痛されることになった。本当は回り込んだ部隊が両翼からカンネーの如く包み込み、阿鼻叫喚の 地獄を演出するはずだったが、武田方は小笠原方の正面の部隊に武将が居ないことを良いことに好き勝手に引き込んで撃滅し、小笠原方の両翼が到着する前には為す術はなくなってしまった。

塩尻峠の合戦

Imgp0190_1  瀬沢の合戦に続いて小笠原軍が信濃から追われてしまった合戦をする事になった。本当は大きな合戦(戸石合戦など)をするつもりだったが、セットアップ時に村上方ユニットの一部が見あたらないというK氏の報告(K氏の策略という説もある)を受け、仕方なく本シナリオをプレイすることにした。

 峠を守る小笠原軍に猛攻をかける武田軍という図式。史実では士気が低い部隊が武田軍に突破され、回り込み小笠原長時を挟撃して武田方が勝利したというもの。大河ドラマでも1シーンだけという寂しい扱いだ。もちろん先ほどの瀬沢の合戦で武将ポテンシャルの高い軍勢の方が圧倒するというのはわかっているので、ここは状況の改善を図らねばならない。

 血迷ったような印象を受けるかもしれないが、防御攻勢なんてどうだろうというろくでもない考えがひらめいてしまった。

 筆者はウォーゲームの面白さはまさしくこれと考えていて、こうしたらどうなるだろうとかと言う具合に史実とは違う分岐を試すことが出来るということだ。もちろんそのために史実を大幅に変えてしまう結果になってしまうこともあれば、史実より惨めな結果に終わってしまうこともある。大抵思いつきはロクでもない結果に終わってしまうが。。。

 配置としては前進配置とし、左翼に強力な部隊を集成し、折を見て主力部隊に拘束される武田軍の背後から襲いかかるという構想だった。部隊が壊滅するかもしれないというリスクはあるが、突破されて点数を稼がれるのは癪だった。前のめりで守って時間を稼ぎたいという意志があった。 

 衝立を取った。

 武田方はすぐそこにいた。

「あちゃー失敗や!」

「当たり前やろー!」

 序盤に失敗が判明しても筆者はやり直さない。運命というものを噛みしめて享受するのだ。

 武田方は1ターン目に小笠原軍が動けないと言うことを良く理解し、小笠側方はよく理解していなかった。武田方は動けないことを良いことに絶好のポジションから攻撃をかけまくり、またもや小笠原軍を掃討するような展開となった。

 左翼の打撃部隊は中央の部隊が金床のように耐えている間に回り込む算段だったが、金床はもろくも崩れ去り、というか底が抜けたというような感じで、敗走するので精一杯だった。もちろんその敗走の過程で軍勢の士気は墜ちに墜ち敗北となった。

 今回の戦いでも武田軍の射撃はアームストロング砲かという程よくあたり、主導権のダイス振りも武田方に握られっぱなしであったため良いところ無しの小笠原軍であった。

 部屋にはK氏のダウンタウン浜ちゃんばりのヒャッヒャッヒャッという嘲笑にも似た笑い声がこだました。

 しかもプレイ後にはK氏から1ターン目は小笠原軍が動けないので前進配置は拙いだろうと駄目出しまでされてしまった。

 これはもう少し練達しないと....

稲生の合戦
Imgp0222  このシナリオは他のシナリオと違い、元々のゲームのシナリオではなく、コマンドマガジンに追加シナリオとして掲載されたものだ。

 このシナリオでは主役は武田信玄ではなく織田信長となり、信長の尾張統一戦期の合戦を扱う。

 武田騎馬軍団のシステムを用いた続編ということで、信長主人公の武田騎馬軍団2「信長公記」を期待させる。邪推過ぎるか?いや面白いんじゃないの?

 このシステムでは大軍の激突はやや煩雑になるが小勢同士の激突という小シナリオゆえ気軽にプレイが出来る。
 シナリオは織田信長vs柴田勝家(末盛方)の戦いで、大軍の勝家と指揮官に恵まれた信長方の対比は瀬沢の合戦とよく似ている。ただしこちらは稜線ではなく川を挟んで戦うので、ちょっと趣が異なる。
 シナリオではランダムに選択する兵ユニットで、信長側と勝家方(末盛側)の兵種の差が出るようになっているが、この時代に鉄砲隊がドッチャリ出てしまうのは拙いと感じたので、ローカルルールで鉄砲隊ユニットも除いた。ちょっとぐらいなら混ぜても良かったかもしれない。いや混ぜた方が良かったかな?
 展開は瀬沢の合戦と同じく指揮統制に優れる信長側が優位に戦いを進め、大兵で突撃をかける勝家方は信長方の武将に翻弄され、ジリジリと消耗してしまった。

 塩尻峠でもそうだったが、K氏は何故か射撃がよくあたり、イニシアチブをよく取る。射撃があたりまくると混乱し、士気が落ちて壊滅しやすくなり、白兵戦時に不利となる。イニシアチブを取られると、白兵戦の組み合わせが不利となるのでやはり主体的に戦えない。

 それでも大将の勝家をはじめとする末盛側武将の突撃は一時信長を窮地に墜ち入れることもあったが、その前に軍勢の士気崩壊し敗北した。

 もう少しイニシアチブを取られた時の戦い方を練達すべきであろう。どうも大兵を持つと大軍に戦術無しに陥りがちだ。

 各々のプレイを終えて合戦級とはいえスコードリーダーと同じく細長いマップを連結するという方法は戦術級っぽい合戦級に仕上がっていると感じた。もう少しリアルな地形マップ、たとえば専用マップの方が良かったかもしれないが、1マップ1シナリオではないマルチシナリオのため仕方ないのだろう。

 合戦級の崩れ出すとどうしようもなくなる状態が続くという光景は軍勢の士気というルールがあり、戦勢のバランスが崩れると加速度的に早くゲームが終了するので、潰走状態の軍勢を必要以上指揮し続けなければならないと言うことは無い。

 ZOCと戦闘後前進の強制、追撃などこのゲームならではのテクニックも存在し、他ゲームとの差異に慣れるためにも多少の練達は必要と感じた。

 ゲームルールに関しては曖昧な点などは共用掲示板で質疑応答がされているので、プレイする前によくチェックしておくと良いだろう(COMAND POSTNo.6172とNo.6206のツリー)。

 再販を考えているメーカーは軍勢の士気を記録するシートをもう少し作り込んで、各種情報を盛り込んだりすると使いやすさ・プレイしやすさが飛躍的にアップすることだろう。

 またゲームサークルちはら会のブログには弊ブログより遙かに詳細な展開を記しているので一見することをお奨めする。

 たしか再販される話があったと思うがどうなったのだろうか。。。大河もあることだし。。。

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