仁川上陸作戦(CMJ24)プレイ
最近ブログの記事を色々書いてはいるのだが、どうも最後まで書ききれないというか、フィニッシュまで持っていけないためにブログの記事のアップが出来ないでいる。
ま、記事のアップが出来ないとはいえ、PCの前には座り精力的に記事をアップされている他の作者のブログを読んだり記事にコメントしたりしていると、時間ばかりが経ってしまう。
気が付けば6月も半分が過ぎようとしている。筆者のブログなんて1ヶ月に2本で充分と思っていたら、このままいけば1本が精一杯になりそうである。
それは拙いだろうと言うことで、過去記事から引っ張り出してお送りする。基本的には会誌「WINNER OF THE GAME」の記事を再録し、プライバシー関連と誤記・誤表現、などを削除、訂正し、言い回しでわからないところを補足した。
仁川上陸作戦( 国際通信社) 9 9 年7 月
久しぶりのゲームである。何と言っても1ヶ月ぶりのゲームで、本当ならその1週間前に対戦しているはずが、都合がつかなくて延期となっていたものだ。それだけにこのゲーム に掛ける期待は大きい。
今回プレイするのはコマンドマガジン24号「仁川上陸作戦」で、元ゲームはコマンド9号Inchon: MacArthur's Gambitだ。
朝鮮戦争の作戦級ゲームは半島の大部が収められたものが多いが、本作は仁川付近からソウルを含めた狭い地域の作戦級である。
プレイする陣営はサイコロで決めることになっていたので、お互いサイコロを振った。結果は北鮮軍がTS氏、国連軍が筆者となった。
ルールはショックルールが際立っていて、これをうまく使いこなせるかどうかでプレイに彩りが出るのであろう。
ゲームの内容は上陸戦から機動戦による捕捉撃滅戦、そして攻城戦。シチュエーションは興味深い。何しろミサイルが飛び交ったり、電子戦による撹乱等が無い二次大戦型の戦場で、熟練の際に達した米国型陸軍とロシア型陸軍の直接の激突はこの朝鮮戦争しかありえない。
ゲームのシステム自体は何ら難しいものは無いが、前述のショックをいかに敵部隊に与えるかが鍵になっているようである。
上陸戦 上陸戦自体は、確実に国連軍が成功するようになっている。理由は支援火器の差であ
る。空から海から砲爆撃として、あるいは支援砲火として与えられる規模は二次大戦に比べると小さいように感じるかもしれないが、額面の規模とは裏腹に効果は大きい。
仮想戦シナリオであれば、上陸直後に北朝鮮軍による反撃も可能であるが、今回のヒストリカルシナリオでは史実同様、抑制されている。
初期の反撃は反撃戦力の全滅を覚悟せねばならないが、国連軍の増援スケジュールを遅らせる可能性もあるため、あながち無駄とは言えない。しかし、早期の戦力喪失は続くソウル攻防戦での早期陥落あるいは危機的な橋渡りを要求されてしまうため、出来たとしてもどうしても尻ゴミしてしまうケースのほうが多いようだ。
TS氏は、早期の戦力喪失を極力避けるため、前線にいる貼り付け部隊は残置部隊として足止めに使用した。後のターンからくる増援部隊をソウルに送り込み、まさしくソウル要塞といえるほど戦力を集中する腹だ。北鮮軍の個々の戦力は低いが、その数はソ連型・中国型陸軍の常として多量である。
当然のことながら北鮮軍が固まってスタックしているところに、安易な攻撃をかけてしまうと少数精鋭の国連軍はボディーブローのように損害が蓄積される。
ソウルへ
ソウルへの道のりは険しくはない。なぜならば、陸軍部隊、あるいは韓国軍で側面をケアさえすれば、3ターンまでにはソウル郊外に到達するだろうという至近距離だ。
もちろん、そこまでの道のりには安全を保証する艦砲射撃の傘が覆い被さっているので、愚かな行軍さえしなければ何の損害もないはずだ。
しかし、ソウルに突入するためには重要な関門が存在する。ソウル市街地と郊外を分断する漢江という河川が流れているのだ。その河は、普通の作戦級にありがちな移動コストさえ払えば渡河できる安易な河でなく、ドニエプル河や、ライン河のように橋、浅瀬などの渡河ポイントが決まっていると言ういやらしい存在である。
北鮮軍には多数の渡河ポイントが存在し、明らかに渡河側面攻撃を示唆している。そのポイントは国連軍は無償では利用できず、その備えを考えておかねばならない。
国連軍は2箇所の渡河ポイントを任意に決定できる。慎重に場所と時を選ばねば、強烈なカウンターアタックを受けることだろう。まさしく橋頭堡である。
ゲームでは渡河ポイントを2箇所隣り合わせにして、一箇所に一気に大部隊を渡河させるべく立案した。ポイントはソウル中心部から伸びている突出した町で、できるだけ郊外での攻防戦を避けたいとの思惑もあった。また渡河ポイントをバラバラにして攻撃のモメンタムを失いたくもないし、各個撃破されたくもなかった。したがって、2箇所隣り合わせで使用し、1個師団を丸々渡河できたので、橋頭堡としては強固であった。
しかしこの方法が間違いと言うことに気がつくのも時間はそうかからなかった。
ソウルの戦い
渡河を終えた国連軍は、砲兵の到着を待ってから総攻撃に移った。しかし、今まで国連軍に一方的だった支援砲火は北鮮軍にも微々たるものながら活用するシーンが増え、こちらの想定する戦力比以下
となり損害が出始めた。このゲームの凄い所は、艦砲射撃の範囲がソウル市街へクス手前まで届き、攻略には艦砲の支援無しという市街戦に否応なしに巻き込まれるのである。その代替として空軍と、チョロチョロ援軍として登場する砲兵部隊をかき集めなくてはならないのだ。
空軍支援は飛行場を占領することで、支援ポイントを増やせることができる。そのためにソウルへの通路上にある飛行場は占領するが、地図南端にある飛行場は捨て置かれてしまった。よくよく考えれば、この飛行場も奪取すべきであった。
ソウルの東側に取り付いた部隊は、準備不足でありながら一気に攻勢に出、北鮮軍の防備体勢が整わないうちに市街地の一角を占め、勝利条件の国会議事堂を占拠するために一歩でも近づいておく必要があった。
結果として準備不足の前哨戦は国連軍の一方的な敗北でソウルはマリーンの血で染まった。間髪入れずに北鮮軍の追撃がかなりの規模で行われたが、これには撃退に成功した。お互いの支援砲火と修正のために戦闘の結果は予測が付かないものになっていた。
ソウルの南部では残敵を掃討した我が陸軍部隊が、戦線を張り南端から現れるであろう敵増援部隊を迎え撃つために戦線を張り、待ち受けていた。しかしこちらの予想を超える量の増援が南端から現れるに及んで、我が軍は動揺した。と、いうのもソウル方面の消耗戦で海兵隊だけの攻撃では不十分と判断したために、一部の陸軍部隊をそちら方面に回したからであった。
南端から来る敵増援部隊の大部分は、米軍部隊から比べると明らかに見劣りのするユニットであるが、国連軍の戦線は相対的に薄く、容易に迂回包囲攻撃が可能となっている。
幸いなことに、艦砲射撃の射程範囲内の箇所があり、その範囲内であれば何とか戦線の維持も可能だが、次第に深まる損害の累積に耐えられるかというところであった。
第一戦はこちらの予想通りに、迂回包囲攻撃を仕掛けてくる北鮮軍に対し、潤沢な艦砲射撃にて戦力比をひっくり返してしまう国連軍を攻めあぐねるという状況であった。
ソウルは燃えているか?
北鮮軍は弱い。というのがプレイ前の観測であったはずなのだが、ソウルを攻めてい
る国連軍には冗談としてしか受け止められなかった。
あり得ないというか、信じられないことだが強力な砲兵に支援された北朝鮮歩兵たちは、ソウル市街より国連軍部隊を叩き出し、郊外で戦線を構築している。
確かに個々の戦力は見劣りするが、砲兵の支援と数の暴力で国連軍を上回っている。国連軍は艦砲射撃と空軍支援がないとその数の少なさ故に各個に撃破されてしまうようだ。
北鮮軍はソウル西部郊外に強力な戦線と、砲兵支援網を構築し、明らかにソ連軍と言うよりは連合軍の戦い方を実践しているではないか。この強力な火網に支えられ、要塞とも言える大都市ソウルに籠もる北朝鮮軍を撃退し占領することは信じられないほど難しいことであった。
遅攻すぎたかと後悔してももう遅い、時間的にもキリが良い頃なのでお開きとなったが、このままプレイ続行としても連合軍の苦戦は免れないと言うのが正直な感想で、漢江渡河ポイントを分割しなかったことが悔やまれる。
簡単なシステムで再現する仁川上陸作戦ひいては朝鮮戦争作戦級ゲームが少ない現状としては、比較するゲームがないので優劣の評価のしようがないが、二次大戦後に行われた米軍型陸軍とソ連軍(中国軍)型陸軍の激突を検証できる珍しいゲームと言える。
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