アクロス・ザ・ドニエプル(CMJ75)プレイ
ゲームだ。8月は夏期連休というゲーマー日和な時期だ。この時期になるとあれしようかこれしようかとウズウズしてしまうことが多い。
さて、ゲーム会の告知はWELL THEN.で行われているが、正直あまり機能しているように思えないので1周年をもって閉めてしまおうかと思っている。まあ11月までまだ時間があるので考えを翻すかもしれないが......
話を元に戻して8月は中々良い滑り出しを切った。どうしても最近のゲーム界の主流であるハーフマップ以下のゲームが多くなってしまうが、久しぶりにハードなゲームもやりたいものだ。そういえばハードなゲームってどこからハードに分類するかという悩ましい問題があった。
そんな事を考えながらアクロス・ザ・ドニエプルというミニゲームに着目した。
ハードなゲームもやりたいものだ。そういえばハードなゲームってどこからハードに分類するかという悩ましい問題があった。
本ゲームは最新号のコマンド誌に3in1という大盤振る舞いでフューチャーされていた。同梱の次郎長はあまり興味が湧かないが、なるほどこういう風にしても表現できるのかと別の意味で驚いた。
さてさて、今回プレイしたアクロス・ザ・ドニエプルはロシア軍のキエフ進攻からドイツ軍の圧巻の反撃を扱ったジトミールの奇蹟を扱ったミニゲームだ。
ゲームとしては次郎長のサブのサブというようにおまけのおまけのような扱いだが、舐めてかかるとヤケドをする。意外や意外やの正統派のゲームであった。
単純に移動と戦闘を繰り返すシークエンスだが、戦車効果、対戦車効果値などの戦術的優劣をダイス修正に使用し、地形修正は戦力の増減に影響する。CRTは単純な戦力比で兵種と戦闘結果によっては二次移動二次戦闘が出来てしまうというタイプで戦果が拡大していく可能性がある。
もちろん戦車部隊の戦術力はドイツ軍に大きく評価があり、増援としてやって来る綺羅星のごとくのエリート部隊のレーティングを見ると、なるほど後々すさまじい打撃力を持つようになる。それに対してロシア軍は序盤こそ戦車戦術等で圧倒できるが、次第に消耗してゆき、最終的に圧倒されるのだろうと簡単ながら予想できる
そういう一見して面白そうなギミックを持ったゲームだがハーフマップである。戦場が狭い。このゲームでは小河川なる戦力1/2となる地形障害があり、縦横無尽に横切っていたりする。
今回は筆者がロシア軍をプレイし、どこまで攻められるか試してみることにした。なんでもドイツ軍はポカをしない限り負けないという。そういうバランスの悪さを聞くと逆にチャレンジしたくなってくるのは筆者の性だ。
攻撃はロシア軍のキエフ攻略から始まる。横たわる水色の太線はドニエプル河である。ロシア戦線でよくある大河レーティングを持つ川で、渡りにくい、ZOCが伸展しにくいなどの制限が課せられる。筆者大きな河と言えばアメリカのコロラド河ぐらいしか見たことがないのであまり想像が出来ない。京都にある鴨川とか桂川では車は渡れそうやけど淀川ではちょっとキツイかな、ってことは淀川の数倍って事かななんて適当に想像していたりする。
というかドニエプル河に橋頭堡を築いた状態でゲームがスタートしているので、橋頭堡を拡大しキエフを陥落まで持っていかなければならない。
一応橋頭堡はキエフ前面の他に両翼で確保できているので、両翼を旋回させてキエフを包囲することを画策した。言ってみればスターリングラードを包囲した方法と同じである。
プレイがスタートした。圧倒的なロシア軍はドニエプル河を渡って....っていうか既にほとんどが渡っているので、前面のドイツ軍を叩く。叩きたくなくても叩く。何故ならば、突破しないことには相手の戦力が充実するからだ。
攻撃は大方成功したかに思えた。右翼ではドイツ軍歩兵部隊を一蹴し、中央部でも穴を開け更に追撃に移った。
左翼ではあまり進展がよろしくない。適時反撃を狙うドイツ軍によって細かく反撃をされる。
このゲームの面白いところはCRTで指示される突破がなると、二次移動が出来て更に二次攻撃が出来るようになる。今回この突破が数カ所でなり、果たして包囲する為に移動して、その先で更に戦果拡大を狙って攻撃をすべきか、包囲のみにとどめるべきか、無用に突出するのは避け体勢を整えるべきか、複雑な地形と相まって悩み所が多い。
地形と言えば本ゲームはソ連軍側から見るとスタート地点が地形障害等「密」な感じだが、奥へ行けば「疎」となっている。進撃をすればするほど地形の支援が受けられなくなるのは悩ましい。
終わってみれば相手は打撃が少ないとは言えないが、後退によって損害を吸収できており、逆にロシア軍は戦術的な差として退却できないケースが多く出血が馬鹿にならない。
キエフは半部を奪取できたが、後方を遮断することに失敗した為に半包囲という状況である。
押し合いへし合いを続けながら前進を続ける。中央部は堅い部隊が専位している為に兵力の集中に努め、両翼は前進を開始する。ドイツ軍もそれに併せて後退しU字型の何とも締まらない体勢となる。正直初期の消耗もあり、前進するだけで精一杯だ。これからドイツ軍が増援を得て着々と戦線を増強するというのに自軍の増援はそう多くなく盤上の兵力も多くない。しかも増援がプレーヤーターンの最後にあるので連携が著しく悪くなる。
左翼、中央と戦力を増強し、攻勢をかけ続けるがドイツ軍は地形と戦術値に助けられ、ロシア軍の攻撃からスルリと逃れられる。大してロシア軍は戦いの度に消耗を強いられている。戦線が前進しているように見えるが、それはドイツ軍の計画的な後退によるもので、苦しいから下がっているわけではない。
結局コロステンの近くまで前進できたが、その直後にドイツ軍の本格的な反撃が炸裂し、ロシア軍右翼は半壊し、スタート地点まで後退させられる結果になった。
中央部もドイツ軍の反撃にさらされ、後退に後退を重ね、キエフ奪回まであと少しの所まで迫られたが、なんとかそこまではたどり着かなかった。
左翼はドイツ軍の居座るキエフ半部を包囲するべく突破前進を試みたが、あえなく1ヘックスの差で連絡線は切れずキエフ占領の支援はならなかった。
残念ながらドイツ軍の効率的な反撃の前にロシア軍はジトミールに到達することなくジトミールの奇蹟を待つまでもなく普通に叩き潰されてしまった。。。。
戦い終わって、ドイツ軍のK氏から見るとロシア軍がものすごく苦しそうだと言っていた。また序盤消耗してしまったり、攻撃が不本意な結果であると後々響くので慎重にならざるを得ない。そうなると主導権は完全にドイツ軍のものとなり、攻勢しているはずのロシア軍が及び腰となってしまう。今回のようにスタートダッシュで躓くととてつもないことになるのだろうか。
残念なことに本作は結構エラッタが多い。しかもつまらない基礎的な部分でだ。時々ビックリエラッタがでるのはデジタルの世になってから出てきてしまうのは、仕方のないことかもしれないが、ともかくビックリエラッタが炸裂している。まあすぐわかるような所やゲームの展開に関係のないところが多いとは言え、近年無い多さかもしれない。
今回3in1と言うことで、ただでさえ負荷が多くなるのが予想された上に別冊でAFという大物を同時にこなせてしまったことは驚嘆に値する。だがつまらないミスはせっかくの努力と成果を色褪せてしまいかねないので残念に思う。幸いあれもこれもと言う状態ではなさそうなのは不幸中の幸いかもしれない。
しかしただ批判するだけではなんなので、見た感じでは手が回らなかったと言う風な感じがしている。で、あれば今後は負荷管理という切り口でエラッタを抑制するというのはどうだろうかと思う。
最後にゲームに戻ってもう少しブラッシュアップすればバランス良くなるような感じがする。デザイナーさんのブログでも書いてあったが、システム変更というのもありだろう。テーマ的、サイズ的にもニーズのあるゲームであるので気長に待とうと思う。
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