ヴェルキエ・ルキ攻防戦(CMJ76)プレイ
9月初めての会合が行われた。その1日前に我が会合に来てくださった事のあるMさんと「ウォーゲーマー飲み食べ会」というものをやった。
さすがに今のゲームシーンをリードする業界人と言うこともあって書いていいのやら悪いのやらと全く判断が付かないのでほとんど割愛せざるを得ない。書いて良さそうな事も含め、ほろ酔いながら以下のようなことを話したと思う。
レンズの話/アジアンフリートは大反響/サークルについて/国内各デザイナーはここが凄い/グラフィック秘話/次郎長三国志誕生秘話/エラッタについて/国内ウォーゲーム界今そこにある危機/いちねんせい/ほぼ週間Toblog/ATO/今までの飲み食べ会
等々だ。短い時間だったがやっぱり楽しいものだ。Mさんもきっちりネタを持て来てくれたおかげで話は大いに盛り上がった。
さて、その次の日はゲーム会と言う事で、以下のゲームをプレイすることにした。
- ヴェルキエ・ルキ攻防戦(CMJ76)
- 項羽と劉邦(GJ18)
- 北海道侵攻作戦(STR)
今回はヴェルキエ・ルキ攻防戦(CMJ76)について書くことにした。
もともと、モメンツ社から発売され所持していたが塩漬け状態であった。しかし会合前にコマンドマガジン最新号を読んでいたら急に試してみたくなった。ヴェルキエ・ルキ攻防戦は冬期攻勢のソ連軍と言うことで個人的にも興味深いテーマだ。TTTシステムといえばかなり昔にやった事があるが、既に忘れてしまったのでプレイすることにした。
TTTシステムと言えばターニング・テーブルというゲームを始まりとするターン毎に増減するC3Iポイントというオペレーションポイントを配分して行動するというゲームだが、人気があったのかターニング・テーブルを含めモメンツ・ヒストリーから3作も発表された。その3作ともコマンドマガジンからライセンス生産された事は雑誌付録に適したサイズであったことも大きいと思う。
ゲームはポイントを消費して行動する為、戦線に動きのあるところと無いところが対照的で、ゲーム的だとの批判もあるが、特筆すべきダイナミックな機動・戦闘のみが反映されているとしたら、切り取り方としては間違っていないし面白いと言える。
さて、ゲームはソ連軍の攻勢を扱ったシナリオ1包囲をプレイすることにした。本来ならキャンペーンを楽しむのが筋かもしれないが、このTTTシステムは時間がかかってしまう。
と、言うのも1ターンの間に3インパルスもの行動フェイズがあるので、1ターンといえども下手なゲームの3ターン分はあるかもしれない。もちろんC3Iポイントの消費具合によっては行動できるスタックが可変するので、ほとんど動けなかったり、かなりのスタックが動けたりする。そこで熟考を要するのだ。
以前のシリーズであれば投入するC3Iポイントをダイス判定し移動と戦闘できる数が決まってしまったが、本作では両方合わせた活動ポイントとなり、その使用方法ををめぐって頭を悩ませてしまう。
戦闘は戦力比と言えるが、戦術能力分の戦術チットなる補正チットを引くことが出来るが、両軍の戦術能力の比較によりその中より使用できる個数が限られるというシステムの為、戦術能力が高く、戦術優勢を得た側が有利に戦力を補正されることになる。もちろんチットの中には戦力を増減してしまうものや、損害の軽重をつけるもの、ダイスをプラスマイナスするものがあり、さながらジャンケンのようにあるいはSPIのシフトシフトしまくるゲームのように補正がかかりまくる。
こう書いてしまうとランダムにランダムを重ねるような感じだが、能力差とユーザーに選択を強いさせることである程度の所で収斂している。
実際のコマ数が少ないにもかかわらず動けるユニットが少ない、そして戦闘で手間がかかるとなれば敬遠されがちだが、戦闘での一喜一憂、動かせたいのに動かせないもどかしさが、いかにも90年代以降のゲームらしいし、考えるところ大である。
さて、プレイの方は筆者ソ連軍がヴェルキエ・ルキを攻めるべく前進する。序盤の戦術値はソ連軍側が優勢を取ることが多いが、一撃必殺という風にはならない。じわじわ下がられるというのが多く、破れそうで破れない。あるいは破れたかと思ったらポイントが足らずそこに出向くユニットがないと言った風情である。
ソ連軍の勝利条件は22VP以上であるが、ヴェルキエ・ルキを占領できたとしたら、21得点を得られるが、勝利には1得点足りない。もちろん、ドイツ軍が黙って占領させてくれるわけ無いのと、3ターンのシナリオであるので時間的にも厳しい。
ソ連軍がこのシナリオで勝利するには足の長いユニットを早期に突出させ、1024~3427間の鉄道ヘックスを占領かZOCを及ぼすことで毎ターン得点するという得点稼ぎしかないが、ドイツ軍は第20自動車化歩兵師団と第8装甲師団という強力なユニットが増援でやって来るので、慎重にじわじわ攻めてみたらどうなるかを試してみた。
案の定第20自動車化歩兵師団や第8装甲師団が出てきた辺りから、ソ連軍の足が止まりはじめ、ヴェルキエ・ルキを半包囲かと言うところで終了ターンが来てしまったので終了した。得点的にはソ連軍の負けである。よくよく考えたらソ連軍のDRMを忘れていたような気もするが適用してもそんなに変わらないかもしれない。
ともかく、何らかのユニットが出張ってみて、ヴェルキエ・ルキへの増援を誘引して救援を遅らせるというのが正しいプレイのようだ。
お互いユニットの用法上問題点を残し、導入シナリオでおおよそのルールは習得できた。本ゲームでは包囲による補給切れに段階が設けられ、最終的には消耗表で判定し消耗しなくてはならない。もちろん包囲下で善戦したドイツ軍には4から5段階の補給切れ段階があり、消耗する段階まで猶予があるのに対し、ソ連軍には3段階しか無く猶予は少ない。
ヴェルキエ・ルキはソ連軍が包囲して、ドイツ軍が救援するという展開である。ドイツ軍好みの攻撃されて反撃で痛打を浴びせるという展開である。
ともかくオーソドックスな作戦級ゲームとは違い、手間はかかるがリトルスターリングラードと形容された難戦をC3iポイントと戦術チットに翻弄されるのも一興だろう。
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