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レッド・スティール(AP)プレイ

 昔、というか最近でもよくあるが、買ったままでプレイしないという事が往々にして発生する。本来ならば買った時のテンションそのままに開封してプレイしてみればよいはずであるが、気が多いせいか買って安心してしまってそのまま放置してしまうのだ。
 しかし全くそのゲームに大して興味が失せてしまったというわけではなくて、その時々の状況に応じてプレイしたいなあという欲求が起きてくる時がある。
 その欲求とプレイできる状態が合致した時に初めてプレイできるわけだが、残念ながらそんなにタイミング良く巡り合わせが来るわけでない。
 そんなわけで今回プレイしたゲームは10年前に購入しながら、タイミングを失してプレイする機会を失っていたが、たまたま雑誌の紹介でそのシステムを使ったゲームが発表されていた事もあって再びやる気復活である。
 そのゲームの名前は「レッド・スティール」。鉄鋼会社の名前によく似ているが、何となくソ連軍っぽいネーミングである。
 そんな10年ぶりとなったゲームをプレイする事にした。

 レッドスティールはアヴァランチ・プレス社から発売された作戦級シリーズの一つだ。イタリア戦線のサレルノ、東部戦線のカネフなどと割合有名な戦いをシミュレートしていたが、このレッドスティールでルーマニア軍のキシネフ攻略という超ドマイナー路線で突き抜けてしまったので、ユーザーには色物扱いされてしまったのか続編が途切れてしまった。
 しかし、今年に入って改良したシステムでアフリカ戦線アラメインの戦いがビッグゲーム規模で発売され、まだまだ続きそうな勢いだ。
 本ゲームのテーマであるキシネフ攻略は、軍団規模のキャンペーンゲームでは当然登場しない国境から1から2ヘックス位の戦いを扱っている。
 南方軍集団と言えば同盟軍が多く、ソ連軍が割合優位だった戦域であった為に、各地で苦戦を強いられている。
 しかしそんな苦戦も大半は1エピソードにしかすぎず、大抵はオデッサぐらいまで端折られてしまって振り返られる事は少ない。しかも東部戦線の主役であるドイツ軍でなくルーマニア軍と言えば仕方ないと言えば仕方ない。
 このゲームはそんな振り返られる事の無かったルーマニア軍、激闘の記録を振り返る意味でも存在価値はある。このゲームと同じ様な同盟軍が主役となったゲームと言えば同じデザイナーによるフォーガットン・アクシスシリーズが思い浮かべる事が出来るが、こっちの方が遙かに本格的な作戦級で骨太である。
Imgp1439 さてゲームは小振りのマップにルーマニア軍による開戦劈頭の進撃を扱っており、ソ連軍の反撃でなくルーマニア軍の攻勢を扱っている。シナリオによって強力な戦友ドイツ軍が出てこないのは仕方ないが、ルーマニア軍主役のゲームというのも珍しいし、ドイツ軍のように戦車師団主力の電撃戦とはまた違う攻勢は興味深い。
 ではソ連軍が優勢かと言えばそうでもなく、指揮制限と称してチットによって 動けるユニットを師団ごとに逐次判定し、判定によっては移動できないという悲劇が起こる。さらにソ連軍の戦車は整備状態が悪いという事で、移動前にチェック を強いられる。最悪の場合はステップロスという結果に陥る。

 システム的にはオーソドックスとも言えるべき戦力比のCRTを持ち、工兵、砲兵などの要素があり、モラル、戦車部隊の投入などによる戦闘比の修正などがある。また、ZOC to ZOCが可能でもあり、テクニカルな運用も求められる。

 筆者はソ連軍を担当し、どうしようかと言ったところだが、ソ連軍の配置後にプルート河の向こうにルーマニア軍が配置できるので、ソ連軍の配置の弱いところを突く事が出来る。弱いところを担当する師団が動けないとどうなるか、想像できるようにそこから崩れていくという状況に陥る。
 ソ連軍は左翼に快速な第2騎兵軍団を置き、中央には第15機械化師団を置き、右翼は普通の第95歩兵師団を置いて対応した。
 ソ連軍は第2騎兵軍団を前面に置いているとは言え機動兵力として考えており、危ないところには騎兵軍団を移動させる心づもりだった。少なくとも騎兵軍団か、さらに後方に控える第47戦車師団がたどり着くまで耐えるか、戦線を下げれば良いと考えていた。

Imgp1441

 ルーマニア軍はソ連軍のような指揮制限がないとは言え、ソ連軍のチットの引き方が異様であればいきなり頓挫という可能性もある。しかしそうは問屋が卸さないのはチット式ゲームの難しいところで、得てしてトンでもないコンボチットになったり、タイミングがずれまくったチットの出方である場合が多い。というかそういう出方をした場合どうしても記憶に残ってそれが強烈な印象となってしまう場合が多い。

 重畳に配置するソ連軍。ルーマニア軍・ドイツ軍が攻めかかる事など夢ほどにも思わなかったか思ったか前線に約3個師団の兵力を展開させてルーマニア軍を待ち構える。

 ところがルーマニア軍は弱体と思われる第95歩兵師団を突いてこれを包囲する事を画策した。後出しジャンケンの有利さで、ソ連軍の配置の弱いところを付いて配置し、拙そうな所はソ連軍の越えられないプルート河へ下がる魂胆のようだ。

 ルーマニア軍はソ連軍の配置を見て攻撃地点を決める事が出来るので、強大に思える第2騎兵軍団の前面には1個部隊をあてがうのみで、北側に偏って配置をしている。
 配置ルールによって既に橋頭堡を築いている北側の上陸ポイントからルーマニア軍の攻撃は始まった。
 予想通りと言えば予想通りである。北側はUNGHENIというプルート河沿いの町からハイウェイが伸びており、勝利条件に絡むCALARASIとCHISINAUに通じている。UNGHENIから伸びるハイウェイは「く」の字になっており、CALARASIとCHISINAUはロシア軍の背後でありCHISINAUは最深部に位置する。第95師団はハイウェイを守りながらゆっくりと後退し、ハイウェイから応援にやってくる第47戦車師団あるいは伸びきった側面を第15機械化師団か第2騎兵軍団が横撃してくれるはずだ。
Imgp1442 しかし、ロシア軍の機動システムはチットであった。チットは3個師団1個騎兵軍団の4チットから選ばれるのではなく、さらに3個師団のチットが加えられ計7チットから引かれる。実際は騎兵軍団は2チットあるので8チットだが、そのうち1チットしか使用できないので実質7チットである。で、7個部隊のチットで何をするかというとランダムに引いて順番に並べ、順に活性化チェックするというモノだ(実際は逐次に判定する)。チェックは順々に判定が厳しくなるダイスの目チェックで、チェックで規定のダイス目が満たせないとロシア軍の移動フェイズは終わってしまうと言う過酷なモノだ。もちろん4個部隊しか居ないところに7個部隊分のチットはあると言う事は存在しない部隊の為にチェックをしなければならず、例えば実在しない部隊が先行してチェックに成功し実在する部隊の時に失敗するという事が起こりうる。
 戦いは既に始まっている。
 ルーマニア軍はUNGHENI方面から渡河を開始し橋頭堡を経て次々と進入してきている。本来ならプライベートライアンのようにトーチカからの猛火によってプルート河の河岸は血潮で塗れる光景が脳裏に浮かんだが、残念ながら実際はあたかもピクニックのようにルーマニアンクロスのユニットが渡河している。UNGHENIもすでに敵の手に落ちている。

 プルート河を越える黄色いユニットは次第に数を増している。そろそろ第95歩兵師団の出番である。満を持してと言うべきか。
 引くチットは第95師団であればベストだが、チット式の為に思うように出てくれない。第2騎

Imgp1443

兵軍団であるとか第15機械化師団というのは出てくるのだが、チット式の弊害である連携しての攻撃が組み立てにくい。あろうことか第2騎兵軍団の前面にはルーマニア軍が接敵し、最初の構想である第2騎兵軍団が救援に赴くというプランは変更を余儀なくされている。
 居ない部隊のチットを引き、チェックを重ね、肝心の部隊が動かない。
 第95歩兵師団の回りには雲霞の如くルーマニア軍が溢れ出し、側面が危機に陥っている。第95歩兵師団が動ければ撤退をして戦線を再構築したいところだが、チットは無情に引かれない。

 「あー第11戦車師団!!また居ない部隊や!」

「いつんなったら第95歩兵師団は出てくるんや」

 第95歩兵師団はルーマニア軍の攻撃にさらされている頃、本来なら救援に赴くはずであった第2騎兵軍団は前面に躍り出たルーマニア軍の牽制部隊あるいは迂回部隊を追っていた。牽制部隊にしては多すぎなルーマニア軍の進出を見て第2騎兵軍団の進行方向を第95師団の居る北ではなく南に切ったのは、更に東に配置されている第47戦車師団の兵力と比べた場合敵の方が多く遠かったというのがある。

 よってルーマニア軍の侵攻を見て筆者の防衛プランは大幅に改訂を余儀なくされた。情勢の変化は急激であり、対応が緩慢なのは隙を呼ぶ。第2騎兵軍団は迂回部隊対応で、第15機械化師団が第95歩兵師団の救援へ、さらに第47戦車師団も後詰めとして送るというモノだ。
 しかし肝心の第95歩兵師団はほとんどチットを引かれる事はなく、隣接の第15機械化師団が救援に向かったが、間に合う前にルーマニア軍の業火に焼かれてしまった。むしろ次は第15機械化師団がヤバい状況であるが、ルーマニア軍の進出状況から見るともう少し時間がありそうだ。それまでに第47戦車師団が間に合えばようやく食い止める事が出来そうな感じである。

 後方から後詰めとしてやって来る第47戦車師団と言えば戦車の故障チェックで幾多の損耗を出しながら戦場に追及中であるが、まだまだたどり着きそうもない。しかし到着すればようやくハイウェイに「フタ」を閉める事が出来るわけで、ロシア軍としてもようやく態勢が整ったという状態だ。
 もちろん悪辣なルーマニア軍プレーヤーはロシア軍の戦車故障チェックの度に
「死ね!」「死ね!」とよい子にはとても聞かせられない罵詈雑言を浴びせている。もちろん期待を裏切らない確率で戦車部隊が損耗してゆくのはご愛敬である。

 そしてそんな間が悪い時に

「あ、今更第95歩兵師団。もうほとんどおらへんっちゅーねん!」

「ちゅーかもはやチット邪魔!」

Imgp1447

 さて、迂回部隊と目されるルーマニア軍を追った第2騎兵軍団は出張っているルーマニア軍をフルボッコにして鬱憤を晴らしていたが、どうやらルーマニア軍の目的が騎兵軍団の吸引にある事がわかってきた。が、とは言っても投入してしまったモノは急には引き返せない。ある程度の成果が上がるまでは何ともならない状況で、実は第2騎兵軍団の投入変更が大きな選択ミスであったのではないかというのがルーマニア軍プレーヤーの弁。
 残念ながら時間の都合でお開きとなったが、このまま続くと救援に向かった機械化師団、戦車師団の攻撃でルーマニア軍の前進が苦しくなるが、それでも良い線までいけるのでは無かろうかというものだった。

 配置ミス・判断ミスもあり何とも締まらない話であるが、開戦初期のバタバタ感をチットシステムによって体感と再現してしまった次第だが、シナリオ上ではどえらいほど敗北しそうな雰囲気でもある。

 今回は上級ルールを用いる事はなく、普通のルールでプレイしたが、特に煩雑と感じなかった。上級になると突破フェイズが増え、浸透などのルールが増えるのでどうなるかわからないが、それでもプレイできないほどではないと思う。

 個人的には国旗を背景にしたユニットのデザインが結構お気に入りでシチュエーションも面白いなあと思った。ルーマニア軍が主役のゲームというのも珍しく、しかもルーマニア軍の攻勢を扱った作戦級ゲームはそうそう無いので、思い出した時にまたプレイしたいなあと思った。ともかく忘れられていた戦線の忘れられていたゲームをプレイできて満足である。

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