Stonewall In The Valley(AH)Cross Keys And Port Republicプレイ
昨年、色々な方々とお会いした中で、ボードウォーゲーム界のポータルサイト「a Home of Game Apes」の運営者である「たかさわ」さんは最も遠路より会いに来てくださった方である。
そのたかさわさんが精力的にプレイと推進されているゲームシリーズがGCACWシリーズである。何と言っても好きが高じて和訳を作成されその普及に努められたとあってはもはやその熱意だけでも「凄い!」の一言である。
さて氏は席上でGCACWの魅力について語られていたが、かなり前の話となっているので詳細は忘れつつあるが、ともかく考えていたとおり面白そうだ!と感じたのは確かだ。
ここでGCACWシリーズゲームとはなんぞやと言うと、めちゃめちゃ簡単に言うとシリーズものの南北戦争作戦級である。戦国群雄伝シリーズと同じくマップを繋げられシリーズ間を連結してプレイするシナリオなどもあったりする。
筆者実はこのGCACWはずいぶん前から気になっている存在だった。もちろんコマンド誌の裏表紙に連結された美しい東海岸のマップを見た時からと言っても過言ではないが、おおよそ米国産のゲームが大勢を占める中で「南北戦争」のカテゴリーは最も実験的であったり新進的なシステムやルールが盛り込まれる事が多いと言う事もある。そう言うシステム的な興味もあるし、南北戦争を扱ったコンテンツが増えてきているというのもプレイを大いに後押しする原因である。
その決定打的なコンテンツがたかさわさんによる和訳とプレイ記録である。
さて、残念な事に本シリーズは手に入れる事が難しい。
公式WEBページがあるというのに今となってはサポート雑誌しか手に入らないという寂しい状況である。
しかし続編のゲームはまだ出版されるみたいであるので首を長くしてまとうではないかと思う。
筆者は主に中古品であったりオークションであったりしてなんとか数作の作品を所持するに至ったが、それでもシリーズの半分にも満たない。
話を元に戻そう。
今回プレイしたStonewall In The Valleyは南軍のジャクソン将軍によるシェナンドウ渓谷戦役を扱う。南軍のジャクソン将軍のと言うぐらいであるからジャクソン将軍が主役のゲームとも言える。本ゲームは広大な渓谷戦役を再現する為にフルマップを3枚も使用するという大型なゲームだが、シナリオによっては1枚、2枚のものもあるので今回はそれを選択した。もちろん3枚を使用と行ってもユニット数が少ないのでイメージよりもプレイアブルだという話もある。
今回選択したCross Keys And Port Republicはたかさわさんの所のプレイ記事があるので参考にしていただきたい。虎口を脱出するべく反撃に転じたジャクソン率いる南軍と退路を断つべく機動を開始した北軍と言った感じである。
筆者は北軍を担当し、南軍は以後に分散される勝利条件地点を目指す。なお、南軍は中間地点にいて消耗しており、北軍は大河川によって二分されている。
北軍左翼はShieldsが率いランダムに参戦するようになっている。左翼と右翼を隔てるShenandoah河は橋がほとんど破壊され渡る事は不可能である。ただしこれもチェックが必要であるが、最後の2ターンで水が引いて渡河可能になる可能性もある。左翼はShieldsの目標は序盤より敵と対峙することなく勝利条件ヘックスであるVernon Furnace山とLewistonさらにはPort Republicに接近できる可能性がある。
北軍右翼はFremontが率い、いきなり南軍と対峙しているばかりか勝利条件地点であるCross KeysとPort Republicへは南軍を撃破せねばならない。
直感として南軍が跋扈するCross Keysは普通に攻撃しては占拠できないが、何らか南軍の兵力を分散させるべく手段を講じる必要があると感じた。序盤の南軍は疲労状態から始まる為に積極的に出てこないだろうと考えていたので、嫌がらせ的に前進して小競り合いをする事にしようと決した。
が!、南軍は疲労状態であるのにもかかわらず前に出てきた。
回復できんぞ!
これは飛んで火に入る夏の虫である。
この時は勝利を確信した。
しかし肝心な事を忘れていた。このゲームの戦闘システムとか戦う為の全てのスキルが欠けているという事を。
北軍は騎兵部隊を先制させ、南軍の背後に回らせようと画策していたが、南軍の攻撃に晒された。
気が付けばあれよあれよという間に貴重な騎兵戦力が失われてしまっているではないか!なんてもったいない事を!
南軍の戦術的な優越性もさることながら初めてにしては投機的なやり方に自分で自分が嫌いになってしまいそうである。自分のバカバカバカ
しかし、南軍率いるK氏は更に嫌な事を思い出した。
「あかんわーなんか切れ味悪い。俺間違っていたわ。やっぱ休まさなあかんわ。」
いやー正直そのまま間違っていて欲しかった。最高のポテンシャルの南軍なんて要らない。
さっと下がりあからさまに休憩に入る南軍。
そうはさせじと攻撃を企む北軍。しかーしこのゲームでは移動は全てダイスで移動力を決定するが、南軍は有利な修正が付いてささっと下がれたが北軍は1の目を乱発している。
「うごけなーい!」
筆者の悲鳴は部屋に木霊したが目に入るのはK氏のニヤニヤした顔だけである。
やっとこさ沢山動けたと思ったら、満を持して待つ南軍の前に展開をせざるを得ない状況になってしまった。
Cross Keysどころか北軍崩壊してしまうかもしれないという思いが脳裏によぎった。しかもバツが悪い事に配置地点が拙かった。道路が繋がっていなかったり退路にならないような地点に配置してしまったものだから側面攻撃ボーナスを相手に献上してしまうという情けないありさまである。しかも南軍騎兵が背後を晒しているという恐ろしい状況である。
南軍の攻撃は騎兵を裏に回したという事もあって効果的に北軍に打撃を与え続けた。なんかお前初めてプレイしたのとちゃうやろとツッコミを入れたくなるほど効果的な攻撃である。
筆者もCross Keysの攻略の為にあれやこれやと機動してみたが、どうも部隊間の連携が取れなく突出しがちになってしまう。そう言うところを漏らさずやられたので正直、あまりの鮮やかな攻撃の前に「図上演習」のような展開に感嘆してしまったが、人は失敗して大きくなるものである。が、今回は取り返しがつきそうになさそうな感じがする。。。
それでも無理矢理に今までの状況を成果としてこねくり回せばCross Keysを目指した飽くなき攻撃は南軍のほぼ全戦力をFremont率いる北軍右翼が吸引しているとも言える。全ては迂回している左翼のShieldsの為....
そう忘れてはならないのは左翼のShieldsだ。
Shieldsは各部隊ごとに活性化チェックして行動を開始するが、概ね第2ターンより活動が可能になった。これは予想外に早かったとも言えるが、早かったら早かったらで右翼のFremontを直接支援せずそのままPort Republic方面へ前進して南軍の背後を断つ方が非常に全体の戦局に寄与すると考えた。
序盤は移動のみにかまけていたが、そんなコソコソ出来るはずもなく気が付いた南軍の一部が転進し、Shenandoah河とBlue Ridgeの一番狭いところに時間稼ぎの為に部隊を置いて防御し始めた。
非常に効果的な場所ではあったが、Shieldsは激闘の末南軍を敗走させる事に成功した。今まで側面攻撃ボーナスとかでやられ放題であったがここに来て成績の悪い生徒も少しはやるようになった(と自分を褒めよう)。
南軍をちょっと破ったぐらいで喜んではならない。この後が重要なのだ。
北軍右翼のFremontは流石にこれ以上やると危なくなってきたので、側面に注意を払いながら下がり始めた。敗走のように大胆に下がってしまうと相手に余裕を与えてしまうので、休養後に再度チャレンジするぞと言うやる気を見せつつ距離を離す。
南軍は深追いは禁物と思ったか、現有の部隊からJacksonを引き抜き危機に瀕したPort Republic方面へと転進した。
しかし戦いは勢いという言葉もある。Shields率いる北軍左翼はVernon Furnace山とLewistonを手中に収めPort Republic前面に布陣したJackson率いる南軍を堂々たる会戦にて大打撃を与える事に成功した。
残念ながらJacksonは敗走しなかったのでPort Republicを占領する事は出来なかったので、北軍がゲーム上の勝利を得る事は出来なかった。
もう少し序盤の損害が少なくPort RepublicかCross Keysを占領していれば北軍の勝利であったが、北軍の損害が尋常でなかったので南軍の勝利となった。
それにしても中々白熱したデッドヒートであった。最初は南軍の圧倒的勝利かと思われたが、最後の2ターンほどで南軍の心胆を寒からしめるほどの追い上げを果たせたのである。
ダイスによって手番・移動力などが可変し、何をしても部隊は疲労するといういかにも南北戦争らしいこのゲームでは時の運と配慮が盤面を支配するという非常に興味深い内容であった。ゲームの扱うシチュエーションも面白い。虎口を脱出する南軍のJackson将軍の鮮やかな手練れを追体験できるので近いうちに再びプレイしたく感じた。
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