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アレクサンドロスの戦い(CMJ)その1

 久しぶりにウォーゲームのプレイだ。
 しかし実生活では多忙を極めておりゲームどころの騒ぎではない(←言い過ぎ)。仕事が忙しすぎると、ゲームに対する準備というのが中々手が回らなく、とは言え久しぶりのゲームであるから張り切ってプレイしたいと思っていたりと色々な思いが交錯してしまう。
 そんな時に。。。。と言うのがいつものフレーズだが、前々よりプレイしたいと考えていたテーマがある。
 古代戦だ。

 正直人気のあるテーマとは言えないが、おおよそ戦争の原則というのはいにしえの戦いの中から生み出されたものだ。
 昔、筆者が若かりし頃。今でも若い部類に入るというのは横に置いといて、古代戦なんていうのは大嫌いだった。と言うか会戦そのものが大嫌いだったような記憶がある。それがどういう訳か最近では大嫌いどころか会戦大好きな人間になってしまった。
 それがどういう理由かであるか定かではないが、少なくとも人間というのは時がたてば好みも考え方も変わるのだなという事を思い知らされた。好みが変わった理由や契機を色々考えたり思い出してみたけどよくわからない。とりあえず筆者にとっては謎なのだ。
 そんな嫌いだった(興味がない)頃に買った古代戦のゲームというのがある。
 初期コマンドマガジンの別冊第1号のアレクサンドロスの戦いだ。

Photo_4

 第2次大戦マンセーの時代に古代戦。しかも大して知らないし好きでもないアレクサンドロスの戦いを、なぜか購入していた。その当時の自分にでも会って聞いてみないとわからないが、何かに惹かれたのかもしれない。もしかしたら古代戦に特有の現代にはいない英雄とロマンを見いだしたのかもしれない。
 さてそんな10年以上も前に買いながら全くプレイされなかったが、興味が出てきた今プレイしてみた。しかも相方のK氏もアレクサンドロスなどの古代戦をやってみたいと言う願望とキャンペーンから戦略級クラスの元々好きなターゲットの両方を満足させるアイテムだ。

 アレクサンダー大王あるいはアレクサンドロス大王。世界史を習ったことがない人でも一度は聞いたことのある大英雄である。
 ギリシアの周辺部マケドニアから父王とともにギリシア世界を平定し、その後王となりペルシアからインドまで攻め上がって所謂「ヘレニズム帝国」を打ち立ててしまった希代の英雄だ。
 そんな大英雄の戦いをトレースしてみたいと考えたときに、数々の会戦を扱うゲームがあるが、個々の会戦の位置づけがわからないときにはキャンペーンから始めるのが非常に入りやすい。
 さて、このアレクサンドロスの戦いはそういうアレクサンドロスの軌跡を追いたい方には打って付けのように見える。
 指揮官がリーダー駒となって存在し、古代戦ではおなじみの兵種が色とりどりのユニットとして登場し、基本はエリア戦のゲームだが、ひとたび大会戦が始まると戦術ディスプレイに移行して解決するという単なる戦略級のゲームではない。
 このゲームの主人公たるアレクサンドロスは最強であり、かつ特別なルールを身にまとい、史実の再現を謀るわけだ。
 マケドニアのファランクスとギリシアの重装歩兵を率いて世界帝国をうち立てるのだ。世界がお前を待っているぞ!

 と言うわけで火蓋は切られた。
 筆者はいつもながらそんな大英雄を率いるほどの器量も度量もなく、ただただひたすら英雄の行く道を遮る凡人としての役回りだ。

 ペルシア帝国と言えば映画「300」でかっこいいスパルタに対してキモい大帝国のように描かれてしまったが、小アジアを征する大帝国としてサトラップ等の諸制度に見られるとおり広大で強力な整備された大帝国であったのには違いない。

 そんな大帝国はマケドニアに比べ各民族の寄り合い所帯であり、軍事組織としては一貫性に欠いていた。

 マケドニアはファランクスに代表されるような強力な重装歩兵と騎兵との組み合わせによって片翼からの包囲撃滅戦スレッジ・アンド・ハンマーを得意とする軍隊であり、その精強さはギリシア世界に響き渡っていた。

 さて、いきなりこのゲームでのセットアップはグラニコス河畔の戦いから始まる。グラニコス河畔の戦いと言えばアレクサンドロスの東征緒戦という事で、小アジアに侵入したマケドニア軍が初めて本格的に戦うペルシャ帝国との大会戦である。

 史実ではマケドニア軍が遠路はるばる来ていることから消耗しているマケドニア軍をさらに消耗させるという後世のロシア軍のような引き込んで充分弱ってから戦うという考え方(傭兵のギリシャ人たち)もあったが、多数参加するペルシャ貴族は功を焦り決戦を選択した。その結果アレクサンドロスに中央を突破され、戦列が四散してしまい潰走となった。

 ゲームでは...

 グラニコスの河畔に戦列を引くマケドニア軍とペルシア軍、ゲームの開始は既に移動が終わった状態で始まる。ゲームでは同エリアにお互い3個以上のユニットがいる場合、戦術ボードでの会戦を強制される。もちろん会戦は回避することも出来るが第1ターンの特別ルールでペルシャ軍は戦闘を回避できないことになっている。

 と、言うわけでいきなり戦術ボードへの移動を強制される。戦術ボードは図のように中Photo央・右翼・左翼と予備に配置する。もちろん持てる兵力は割と均等に割り振られて、あまり片方に偏ったり、極端に一部が厚くならないように配置される。前線の3ボックスは2列に配置し、1列4個もユニットを並べる。前線の3ボックスから溢れる分は予備に置かれるわけだ。

 戦いが進むにつれボックス間の移動が発生し、例えば敵側の相対するボックスへ侵入したり、両翼のさらに外側にある側面へ躍り出てさらに敵の側面から回り込むという事も出来る。

 戦術ボードへは配置してしまえばガチンコだ。1対1のまさしくタイマンだこの野郎ーの世界となる。そのシークエンスはマケドニア軍の再編→マケドニア軍の移動→マケドニア軍の戦闘→ペルシャ軍の再編→ペルシア軍の移動→ペルシア軍の戦闘と言うサイクルを10回繰り返す。

 初回のみ1ボックスからの攻撃しかできないが、2サイクル目からは攻撃できるボックスがあればいくつでも攻撃が出来る。

 戦闘比で戦闘は解決されるが概ね強力なユニットと強力なリーダーを抱えるマケドニア軍が優位に戦闘を推し進めるだろう。

 さて、戦闘。

 均等に配置せざるを得ないペルシア軍はリーダーとスタックしている最も強力なユニットの中央を除いて平凡な戦力である。

 対してマケドニア軍はファランクスを中央に置き、アレクサンドロスは通則なら中央に置かねばならないが特別ルールにて左翼に布陣している。

 戦闘の火ぶたはマケドニア軍によって切られた。マケドニア軍はアレクサンドロスの左翼を中心に押し出してきた。猛攻によりペルシア軍の第1線は押され気味である。

 マケドニア軍のユニットは戦力9に例えば能力9のアレクサンドロスがスタックすると18の戦力となる。対してペルシア軍は戦力3から6で大抵の場合2:1とか3:1の比率が立ってしまう。 3:1の場合。1/6の確率で自らが被害を食うが、1/2の確率で防御側に被害を与える。

戦闘結果には1/3の確率で膠着なるどちらにも被害が出ない時もあるが、次のペルシャ軍攻撃時に無傷のユニットが残ってくれるので嬉しいと言えば嬉しいが、攻撃時には低比率で攻撃を強制されるわけで、嬉しいような悲しいような不思議な感覚に包まれる。

 マケドニア軍の猛攻とペルシア軍の低比率による強制攻撃によって次々とペルシア軍の兵力が失われる。兵力は実際に壊滅して盤上から消え去る場合と、敗走となり潰走ボックスに置かれて再編成待ちとなる2つのケースがある。前者がDLの結果で後者がDRの結果である。

 第1線の兵力が失われてペルシア軍が史実のごとく崩壊するかと思われた瞬間一大奇跡が小アジアの僻地で勃発した。

アレクサンドロスがペルシア軍の攻撃をするときにそれは起こった。

 「アレクサンドロスの攻撃!」

 K氏が高らかに宣言する。もはや崩れ去ろうとするペルシア軍の戦列に最後の一撃を加えるためだ。

 その一撃はたまたまペルシア軍リーダーがスタックしているギリシア人傭兵部隊であった。

 最強のスタックを誇るアレクサンドロスとはいえ、リーダーが乗っかるギリシア人傭兵との戦闘では高い比率は望めない。

 さいの目が振られた。

 「AL!!」

 損害だ。リーダーがスタックしているユニットが損害を喰らったり後退するとリーダーは負傷チェックを行わなければならない。概ね1/6が戦死(捕虜)となり、後退の場合は1/6が負傷、損害の場合は1/3が負傷となる。

 しかし!我らの大英雄は一味違う。アレクサンドロスの特別ルールというものがあり戦死の判定があったとしてももう一度判定し直し、再度「1」を出さない限り負傷という事になる。そう言うルールをおさらいするとK氏の顔色に安堵感が戻ってきた。

 で、話を戻すと。アレクサンドロスはK氏。

アレクサンドロスはサイコロを振った。

「1!!」

戦死である。しかし特別ルールで再度判定をしなければならない。

そうだ、K氏はユニークな経歴を持つ男だった。

 銀英伝でヤンを担当した時に討ち取られ、ラインハルトを担当したときにも討ち取られ、近いところでは信玄上洛のリニューアルバージョン信玄最後の戦闘でも冒頭から朝倉/浅井を帰国させて武田家滅亡の切っ掛けを作ったゲームをぶち壊すほど破壊力のあるイベントを発生させる男だった。

「おい!ゲームを壊すなよ」

「おう~いぇい。」

 神妙な面持ちでお気に入りのダイスを握りしめるK氏。彼の一投で世界史が激変すると言っても過言ではない。

 彼なりの精神統一の後、緊張感がプレイルームを覆い、元野球部という事もあってそのサイコロは硬球で培われた高速スピンで空を切る。

 振りバチに落ちたサイコロは変幻自在とも言える転がり方をして、止まるのを思い出したかの様にある面を上にして静止した。

「1(いち)!!!!!!!」

 期待を裏切らないというか、ある意味凄いというか、ともかく突出しすぎた若王であるアレクサンドロスをペルシア軍とはいえは同じギリシア人の手によって討ち取ってしまった。

 悲しみを背にアレクサンドロスの骸を抱えてマケドニア軍は小アジアの地から去った。

-第1戦終了-

 いきなりサドンデスである。これは何でもあんまりだ。筆者としてはメソポタミアの地でダレイオスと戦って倒れてくれれば納得できようが緒戦の中の緒戦、グラニコス河畔で終わってしまうとは拍子抜けも甚だしい。

 これで終わりにするのはもったいないので再度グラニコス河畔の会戦から戦うことにした。

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