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2008/08/31

8月の戦い2(ゲームサークルへお邪魔する2)

 今回はもりつちさんが関西方面へ遠征に来られました。そして久しぶりにワニミさんが合流してくれることになり、大阪のゲームサークル「ミドルアース」様の1卓を借り切ってゲームをプレイすることにしました。
 筆者は遅れて合流したために合流前のゲームについてはお二人のブログをご覧ください。

 またもりつちさんのブログにて詳細な紹介がされるはずですのでそちらも併せてご覧ください。

 今回プレイしたゲームはパットン第3軍(CMJ82)です。
 過去にS&T誌の付録ゲームとして、ヴィクトリー・イン・ザ・ウェスト・シリーズの箱入りゲームとして、そして日本語版としてはHJ版にて出版されて永らく絶版であったが、CMJ版として再び発売された。

 ノルマンディやバルジ、マーケットガーデンに比べると知名度に劣るメッツ攻防戦をテーマにしたもので、メジャーバトルに比べると全てに於いて玄人好みの燻し銀のゲームだ。

コマンドマガジン81号付録ゲーム『パットン第3軍』

 ヴィクトリー・イン・ザ・ウェスト・シリーズと言えば筆者は残念なことにプレイしたことが皆無に近い。しかし過去にそのシステムに近いオペレーション・タイフーンをプレイしたことがあるのみだった。
 システムはおおざっぱに説明すると強ZOC、マストアタック、戦力は戦闘するまで戦力が確定しない連隊作戦級だ。なお地形は複線化された陣地/拠点帯、当たり前のように縦走する大河など、おおよそ電撃戦をするには難しい地形だ。

 独軍・米軍共に砲兵の支援や空軍の支援があるが、米軍には戦略爆撃機の支援だったり攻勢補給ポイントによる攻撃回数の限定、独軍には陣地・拠点のマストアタック解除がああったりする。もちろんSPIのゲームでお馴染みの同一師団効果や諸兵連合効果、高地の効果などがありそれらを駆使しつつ戦う。 

-ゲームスタート-

 ゲームプレイの担当は独軍1人米軍2人でプレイすることに決し、ダイスで担当を決めることとした。その結果米第12軍団をもりつち氏、米第20軍団をワニミ氏が担当し、筆者が独軍を担当してプレイすることとした。

 以降のリポートは独軍プレーヤーからの視点です。筆者特にメモを取っていませんが、ターン毎の写真と記憶に頼っているので、話が前後しているかもしれませんがご容赦ください。

 Imgp4252

 本ゲームは米軍の攻勢を扱っている。パットンの2個軍団を投入した攻勢は泥濘の中とはいえ支援砲火に守られて順調に突進を開始した。まずは独軍左翼に米第12軍団の攻勢が始まり、在地の独軍は米軍に出血を強いながらも戦線が綻んでゆく。

 独軍は陣地や拠点に籠もると防御時のボーナスだけでなく、マストアタックの強制攻撃を逃れられるので、一旦これら有利な地勢から叩き出されると俄然戦線が脆くなり機動戦の様相が顔を覗かせる。

 独軍より質量共に上回る米軍は機動戦となれば優位に立つので、極力地形を利用して米軍の出血を誘うのが重要だろう。また今回は突出する米軍があれば、積極的に反撃することを目論んだ。

 米軍の分離した兵力を一時的にせよ拘束し、突破の時間稼ぎをするのが狙いだ。

 

Imgp4255

 しかし時間が経過するにつれて、米軍の力攻は奏功し、独軍としては矛を鞘に収めてズルズルと下がらざるを得ない。

 米軍の攻撃は米軍自体がかなり消耗していいるとはいえ、時には正面攻撃でありながらクリティカルな攻撃で例えば第17SS装甲擲弾兵師団「ゲーツ・フォン・ベルリヒンゲン」が壊滅こそ逃れたものの大打撃を喰らっていたりする。

 独軍といえば遅滞戦術で時間を稼ぎながらと言いたいところだが、もともとカツカツの戦線を綻ばせながらの撤退であるわけで、穴を埋めることを考慮しつつ後退せねばならないわけで非常に難渋を極めた。 

 困ったことに米軍も同じ悩みであったろうが、雨に祟られて土地はぬかるみ、泥濘と化している。泥濘は部隊の足を奪い、米軍は突破突進力を削がれ、独軍は柔軟な兵力運用を阻害される。

Imgp4256

 第12軍団のみならず独軍中央から右翼に展開する第20軍団も力戦力攻中で、こちらは独軍の陣地や増援部隊の早期戦線加入などによって思うように戦線の突破口を拡大できない。消耗戦となりつつあるが、独軍としてもここを一気に抜かれてしまうと戦線が膨大なまでに拡大してしまうため万難を排して死守する。

 独軍の力戦も第12軍団のあたかも第20軍団の苦闘を助攻するかのような攻勢によって独軍の戦線を押し下げられた。独軍は戦線の延伸と兵力展開が精一杯で、巧い具合に師団効果を得られるように配置したり、高地効果を得るように配備したり地形を利用するところまではケアできなかった。

Imgp4258

  第20軍団は陣地帯の苦戦をよそに、メッツ攻略隊は戦慄を覚えるまでの破壊力でメッツ守備隊を駆逐している。同じ第20軍団かと思うほど圧倒的な攻撃力だ。メッツ陥落は免れないだろうが、現段階の戦線は第12軍団のMorhange-Falquemont方面に厚く、また第20軍団のSaarburg方面は手厚いが、メッツ付近の中央付近は戦線を延伸した関係上やや薄い防御線だった。その薄い防御線にメッツ攻略を終えた強力な米軍部隊がリリースされてしまうと考えただけで爾後の戦いに空恐ろしいものを感じた。
 メッツ攻略部隊の健闘を祈るのみであったが、残念なことにメッツを救出する見込みは薄い。メッツの失陥は米軍の勝利が一段階有利になると言っても過言ではない。

Imgp4261

 楽しい時間はすぐにでも過ぎてしまうものだ。時間を見ると散会時刻まであとわずかである。残念ながら12ターンのショートシナリオの終わりまでプレイすることにした。

 後半になると疲弊した米軍の突進力が落ち、独軍の反撃が始まるはずだがショートシナリオではそこまではできないだろう。筆者率いる独軍は米軍の疲弊をひたすら待ちながら後半にかけての反撃を策していたが、はたして果たせたどうかはわからない。

 このゲームでは敵軍のスタックの中身を見ることは禁じられているので、今までの戦いで何となく「アタリ」をつけて敵情の観測をする。日露戦争のクロパトキンのような敵を過大に見積もると攻撃が億劫になりみすみす戦機を見逃すことになり、かといってガ島戦の日本軍のように敵を過小に見積もると飛んで火に入る夏の虫となってしまう。

 メッツ攻略部隊は別として第12軍団、第20軍団共々かなり疲弊しているように感じ入っていた。大々的に反撃の狼煙を上げるべきかと考えたが、どうやら役者が揃わないようだった。

 幸いなことに米軍のメッツ攻略部隊は独軍最弱部を突かず、割と引き気味で構えMorhange-Falquemont間で攻勢に出てきた。この戦いで反撃に使おうかと考えていた第11装甲師団が大打撃を受けてしまい、米軍の底力を垣間見てしまった。攻撃を中止してしまおうかと逡巡したが、このまま何もしないと米軍の作戦的勝利が確定してしまう。少なくとも何らかの反撃は行うべきとして脳内参謀本部の結論は次の2点に決した。

・総統様から得られた第15装甲擲弾兵師団を弱体化した第20軍団の攻撃に使用せずモーゼル河を越えて第20軍団の背後を脅かす。

・Morhange-Falquemont方面は連合軍の防御がかなり高いと推察されるので、戦線端側で手薄となっている勝利条件のDieuzeを攻略する。

 結論から書くとモーゼル河は越えたが、Dieuzeの攻略は失敗ししてしまった。これで米軍の辛勝が決まってゲームは終了した。最終ターンまでプレイすればどうなったかは神のみぞ知るである。

 雨が降り、地面はぬかるみまくり、ヤーボーがあまり飛ばない戦いであったため、独軍はそれなりに善戦したが米軍に敗れ去った。

 今回の対戦はわざわざ遠路より遙々もりつちさんが来るという事もあって、練習がてら一度プレイをしておいて、錬成しておこうかと考えたが残念ながら果たせなかった。

 よって今回のプレイは初めての対人戦に近いが非常に楽しかった。戦力チットを引いて戦力を確定したり、苦手なマストアタックだったりしたが、ジリジリとした戦いで好感を得た。独軍でも米軍でも楽しめるのではないだろうかと思う。

 このあともりつちさんが本当に雨に悩まされてしまうのはまた別の物語だ。

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コメント

どーもです。お世話になりました。
リプレイ面白かったです。
私の方もリプレイの準備を進めておりますのでご期待下さい。
「面白かった」
この点は全く同感です。
ではでは。

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