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11月の戦い(モスクワ攻防戦)

 11月がやって来た。今年も早いものであと2ヶ月もすれば終わってしまう。次の年までの残り2ヶ月はゲームプレイが華やかに行われる事が多く、非常に期待の持てる月間の一つだ。
 そんなわけで今回も例のK氏から電話がやってきた。今回は唐突に前日に電話をするとブログに書かれてしまうから、滑り込みセーフの木曜日だ。

リーン
神妙な声色で語り始める。
「土曜日いいかな?」

 しかし筆者はめちゃくちゃ忙しい日々を送っていて土曜日が空いているとは確証が持てなかった。正直前日、しかも昼過ぎにならないとよくわからないというスケジュールなんてあってないようなもののような状態であったので、あまりハッキリと返事が返せなかった。

 そんな煮え切らない筆者の返事にしびれを切らしたのか「もしあかんかったら電話してきてくれ、よかったら電話しなくていい。」

 でた!オートマチック出席確認。
 と言う事でゲームする事になったが、よくよく考えたら土曜日は先に予約があったのだ。オートマチック出席そしてドタキャンとなる前に電話で断りの電話を入れ、交渉の結果、三連休の最終日にゲームプレイと相成った。
 さて、今回プレイしたのは以下のゲームだ。

  • モスクワ攻防戦(SA11)

 シックスアングルズ誌の第11号としてついこの間発売されたが、満を持して発売された。今回そのプレイをできたのでアップする。

 さて、シックスアングルズと言えば山崎雅弘氏の発行するプロフェッショナルマガジンだ。他のゲーム付き雑誌と一線を画しているのは、他のゲーム雑誌と違いゲームのボリュームが大きく本格派の名を冠するに恥じない雑誌だ。雑誌付きゲームと言えばボックスゲームの対比で言えばやや落ちるという感じがあるが、シックスアングルズ誌はボックスゲームにも劣らないクオリティを持っていると思う。
 と言うわけで筆者などはシックスアングルズ誌はテーマに多少興味が無くても注目し、開発の経緯を綴ったブログを見ている内に気がつけば欲しくなって購入しているというパターンである。
Sa11_2  今回のモスクワ攻防戦はテーマが難しいという事もあって結構難産だったのか、出版日程が延びたりして結局は実際のタイフーン作戦の日程にあわせるかのようにこの度の発売となったようだ。
 モスクワ戦と言えば冬将軍とドイツ軍の勝利条件が非常に難しいところだ。よく言われるようにモスクワの陥落=ソ連邦の崩壊につながるかという命題もあるが、果たしてどこら辺に落とし処を持ってくるかが興味深い次第だった。

 ゲームプレイは相変わらずダイスで....と思ったらたまたまマップの方向が筆者が西端、K氏が東端であったために筆者がドイツ軍という事になった。なんでもK氏が攻撃側の陣営をする事が多く、久しぶりに防御側から始まる陣営をやってみたいとの事だった。

 簡単にシステムを紹介すると、ドイツ軍とソ連軍のプレーヤーターンに分かれ、まずドイツ軍のプレーヤーターンでは補給確認→移動→戦闘→ソ連軍対応移動→突破移動となる。ソ連軍は補給確認→移動→ドイツ軍対応移動→戦闘→突破移動となりいわゆる非対称のシークエンスとなっている。

 モスクワ戦で重要と言えば天候に関するルールは、移動力が変化するのは当たり前としても対応移動や突破移動フェイズが無くなるような天候もあり、さらに天候によってオーバーランが出来る出来ないというものもある。

 もう一つモスクワの扱いだが、もちろん重要な都市である事には間違いないし、また簡単に占領できるほどではないが、単純にモスクワを占領しただけでは戦争の帰趨に反映されないようになっており、本ゲームでは勝利得点比較方式とでも言おうかユニークな方法で戦争の帰趨とゲームの勝敗を決定するようになっている。

Imgp4566

 フルマップの長辺を挟んで向かい合い、ソ連軍の配置を行う。ドイツ軍側の盤端近くまでソ連軍は迫って配置してあるが、ソ連軍の兵力はアントライドシステム(未確認戦力)のユニットであり、実際に戦ってみるまで敵味方とも実態が掴めないというものだ。

 対するドイツ軍は師団1ユニットで構成されており、特に装甲師団などは長大な移動力と破壊的な戦力が印刷されており、ゲームの主役は誰であるかと知らさせてくれる。ちなみに装甲師団は3ステップのユニットであり、消耗にも強く戦線の中核としてゲームの終盤まで残ってくれるであろう。

 果たして展開はというと、各軍ソ連軍の防衛戦を突破するために果敢なオーバーランを実施、装甲部隊でも損害が出るもののソ連軍の防衛線はバターに突き立てたホットナイフのようにあっと言う間に切り裂いた。移動/オーバーラン→戦闘→突破移動というコンボの前にソ連軍の前線部隊は壊滅あるいは置き去りを余儀なくされるというものだ。

 一部のソ連軍司令部の中には装甲師団の突進により蹂躙されバルバロッサのような状態に焦るソ連軍部隊。一応第2装甲軍などを中心に装甲/自動車化歩兵師団に道連れとばかりに打撃を与えた事に対し凱歌をあげられたが、ドイツ軍は装甲部隊の出血を覚悟で距離を稼ぐ事に専念していたため後々つらくなるのは重々承知で涙を飲んだ。

Imgp4567

 攻撃が最も進展したのは第3装甲軍の前面で、ヴァジマ-ルジェフ間のソ連軍陣地を越えようかと言ったところだ。中央の装甲軍、第4装甲軍は両翼の歩兵軍が攻撃が進展しなかったという事もあって境界線がややルーズな前進で、隣の第4軍と第2軍を支援しながらの前進とはいえキーロフ前面を前進中だ。南の装甲軍、第2装甲軍はこれら装甲軍の中で最も出血しながらナブリヤ-ゼウスク間を突破しつつも後方に多くのソ連軍部隊を置き去りにしながらの前進であるためやや不安が残る。

 いずれにせよ各装甲軍の突進はめざましいものだが、連携する歩兵軍が軒並み遅延しつつあるので後のターンの天候と補給を考えると突出しすぎるのは装甲部隊の消耗も招きかねない。退却すると混乱状態となりZOCを失い敵ZOCに入れなくなるので先攻のドイツ軍にとって見れば攻撃時の混乱は出来るだけ避けたいものだ。

Imgp4568

 隣接する歩兵軍が前面の置き去りにされつつあるソ連軍部隊を拘束し、背後を装甲部隊が蓋をし、いわゆる包囲機動で横の移動を開始する。ヴァジマ~ミリャチノ間等には有力なソ連軍部隊が撤退できずに第4軍に拘束されているので撃滅戦を展開する。目的はこのゲームには一本しかない一級道路を解放するためだ。

 また、支作戦としてルジェフに溜まりつつある撤退に成功したソ連軍部隊が側面を脅かしつつあるので戦力削減のためにも攻勢に出る。これらの攻撃が成功すれば10ヘックスあまりもの戦線の穴が第3装甲軍の前に姿を現し、モスクワまでも視野に収める事が出来るだろう。

 注意せねばならないのは何でも出来る第1ターン晴天と違い、2~3タ-ンは雨であり、車輌部隊のオーバーラン、対応移動フェイズ、突破移動フェイズが無くなり移動できないので戦果の拡張が思うようにならないという事だ。

 事実、1ターンの快進撃に比べ非常に地味で手堅い行動しか取れなかった。

Imgp4569

 

 雨を利用していというわけではないが、ソ連軍はドイツ軍装甲部隊の足を遅らせるためであるならば手段を選ばない。助かる見込みのない部隊を置き石にしたり、突出している装甲部隊の補給を切ったりとそれこそ隙あらばである。あまり無茶をやり過ぎると再編で戻ってくる部隊が減ってしまうので要注意だ。

 補給はソ連軍は後方連絡線の繋げられる司令部の指揮範囲というオーソドックスな方法の他に特例が多くある。それに対しドイツ軍は補給トラックという司令部みたいなものを使用して補給線を確立する。補給トラックは6ターンまで増援として与えられどの軍に割り当てるか選択できる。トラックを消費して攻勢補給という攻撃時2シフトというブースターとして使う事も出来る。

 いずれにせよ補給トラックであれ、司令部であれ連絡線を確立できないと「補給切れ」となり、戦力・移動力が1/2となってしまい、オーバーランが出来なくなる。累積した補給切れは「孤立」となり、どうにも特例の連絡線を繋げられない場合は損耗判定をしなければならない。

 オーバーランは移動力を消費して行われる移動時の戦闘であり、補給切れで天候以外の要因でオーバーランできなくなるのは非常に痛い。

Imgp4570

 4ターンから6ターンは気温が下がって凍結という天候となる。
 凍結は晴天と同じような状態だが、川の効果がなくなってしまう。移動力が最も発揮できる天候ではあるが、残念ながらソ連軍に味方した天候と言えるのかソ連軍の有利な方に戦力比が1シフトする。これが7ターン以降の雪となるとソ連軍2シフトとなるわけだ。
 さらには各ターンに大量に来着するソ連軍の増援は、復活する再編部隊も加えて洒落にならないぐらいの数がやってくる。少しでも攻撃の手を緩めようものなら、あっと言う間に赤い線が復活しているという塩梅だ。
 それでも攻撃をかけなければドイツ軍に勝利はない。甘い防衛ラインを引いていたソ連軍の防衛ラインを再び食い破り、さらに前進する。勝利条件はまだ達するほど成果を上げていないが、いずれ手に入れられるであろう。
 時間の都合で第5ターンまでというドイツ軍の良いところだけで終わってしまったが、あまり思ったほど進めなかったとは言えドイツ軍はモジャイスクを陥れ、プラブスクを占領していた。史実に比してやや遅れがちだが、6ターンには勝利条件に絡むルジェフ、カリーニン、マロヤロスラヴェツが確実にドイツ軍の支配下になるだろうし、ドイツ軍の消耗と言えば序盤の失敗などぐらいであまり減少せず戦力を保持したままと言えた。それに比べソ連軍の消耗度合いは増援と再編で復活しているとは言え7ターンからの反撃まで保持できるか不明であった。

 さてオーソドックスとも言える戦力比CRTの作戦級で、独軍ソ連軍での非対称シークエンス、天候で変化するフェイズなどと仕掛けが凝らされて数ターンおきに変化があり単調にならず非常に楽しいと感じた。

 また端数は切り上げ、スタックは2枚、普通の攻撃では6面体ダイスを、オーバーランでは10面体ダイスを使う、戦闘では川・陣地・都市以外に地形修正がないなどとプレイしやすいように工夫されているなと感じた。そのおかげか1ターン1時間ペースで進める事が出来た。

 面白いのは勝利条件。モスクワの陥落が必須ではなく、如何にソ連にダメージを与えたかというところで競われる。ダメージは地図盤上にちりばめられた重要目標都市17個をドイツ軍が占領する、ダメージが10以上ある時にモスクワを攻撃してモラルダメージを与えた時など発生する。

 ダメージマーカーの数が13個に達した時、プレイ開始前にランダムに引かれたソ連軍戦意ナンバーと比較し、多ければ即座にソ連の降伏という事になる。このソ連軍戦意ナンバーの確認はドイツ軍のみができる。

 10ターンまでに上記が達成できなかった時はダメージマーカーを基本の数として補給線の通っている都市数、除去された状態のドイツ軍部隊数などを足し引きし勝敗を判定するというもので、モスクワは重要ではあるが必達ではないと言うところに自由度が増しているのではと思った。

 残念ながら現段階ではシナリオがない1キャンペーンのゲームだが、デザイナーのブログによるとソ連軍の反撃を扱ったヴァリアント・シナリオを作成中とある。

非常に楽しみである。

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コメント

 もりつりさま。どうもです。このゲーム数ターンおきに変化が起こるので面白いですね。また落ちそうで落ちないところが希望を持たせますね。
では

私もこのゲーム始めました。
いやー、面白いです。
モスクワが落ちそうで落ちない所とか、ソ連邦が落ちそうで落ちない所がなかなかいけてます。
私の場合、1ターンで2時間近くかかってしまっていますが、ルールに慣れればペースアップできるかな。
ではでは。

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