12月の戦い(その2)
前回に引き続き残りのゲームを紹介する。
- ブルー&グレー(CMJ83)アンティータム
- ガダルカナル戦記(同人)
ブルー&グレー(CMJ83)アンティータム
ブルー&グレーはコマンドマガジン83号の付録ゲームとして出版された。4in1とでも言うべき共通ルールを持つ4個入りゲームだ。先月のゲームでプレイを画策していたが、お流れになったものである。ルールは本当にこれだけ??って逆に心配になるほどの量で、いわゆるNAWの流れをくんだマストアタックのゲームだ。
元ゲームはSPIのゲームのリニューアルで、グラフィックなどは近年のコマンドマガジンにはない原点回帰というかオリジナルを踏襲しているらしい。
南北戦争のベーシックゲームという事でシンプルな共通システムで有名な4会戦を扱っている。個々の会戦にテーマがあり、それを追い求めるのも良し、南北戦争の入門ゲームとしてプレイしてみるのも良し、ベーシックゲームならではの楽しみ方ができる。
今回選択したのはアンティータム会戦を扱ったアンティータムだ。アンティータムと言えばコマンドマガジンでも既に付録化(59号)された戦いであり、同じ戦いを別の表現方法で作られたゲームを比較するのもまた楽しい。
前回は筆者北軍であったが、今回は南軍でプレイする事にした。強ZOCのマストアタックは時にはソークオフという手段を講じながら有利な戦力比を導き、戦
闘後前進などのZOCの伸張を果たして囲んで後退を誘い込んでポンで敵ユニットを撃破するテクニックが必要だが、闇雲にそのテクニックだけに走るのではな
く会戦の背景や問題点も意識したいものだ。南軍という事で非常にやばい状況だが、指揮統制上の利点により北軍より上手く立ち回れるだろう。
数に勝る北軍はコマンドコントロールによって行動は制限されている。さすがに昔のゲームであるのでリーダーの指揮能力とか、各軍の持つポテンシャ ルを...などという最近流行のパターンではなく単純に移動できるユニット数が制限されている。出張ってきた南軍を逆撃をかけるハズの北軍がチマチマとし か動けないというのはストレスが溜まる情景だが、
その間隙を縫って南軍は機動力で優越し戦力を集中し痛打を与えたいものだ。
北軍は移動制限を受けて行動しなければならないので、大軍を擁していながらも効率的な運用が出来ない。が、史実のようにゆっくりゆったり行動しているとその隙を南軍に突かれて翻弄されてしまうだろう。第1ターンは15個それ以降は10個のユニットしか動けないのは大軍ではあるが連携がとれてない事を表しているという。
北軍はアンティータムクリークからと北西端側からの攻撃を選択した。当然大軍を運用できないので南軍との戦いは押して引いての繰り返しになってしまう。
それを繰り返していては埒があかないので、北軍は移動制限が解除されてしまうために南軍が渡ってこられないアンティータムクリークの東岸にいる部隊をやり繰りして渡河し、北側へと集結を始める。
南軍は北軍の部隊が集結を完了する前に、少しでも北軍ユニットを減らす事を目的に先制攻撃をかける。しかしその時には理想的な攻撃を仕掛けるものの側面に躍り出る部隊の攻撃が成功したが、敵の後退を狙うべき正面の攻撃部隊が失敗したり、逆に側面は失敗しているのに正面が成功したりと数々の攻撃は不首尾に終わってしまう。
ある程度北軍の戦力が渡渉終えると、逆に攻撃に転じてくる羽目になる。戦力を活かした猛攻は南軍をジリジリと下げさせ、時にはEXの戦闘結果でもろともゴッソリ戦線の穴が空くようになる。
こうなると戦力の多い南軍が優位に戦闘を進めるようになってしまった。しかもこういう時に限って拙い手を打っていたりして、アンティータムクリークの対岸に弱体な部隊を配置してしまい、強力な北軍砲兵の支援を受けた渡河攻撃に南軍は敗退、さらに戦線の裏に回れるという失態を演じてしまい、一気に戦列を後退せざるを得なくなってしまった。
この悪手でまだまだ戦えるはずだった南軍は勝利条件のシャープスブルグの前面で戦うはずがシャープスブルグで戦う羽目になり、さらには戦力不足が祟ってシャープスブルグの裏で戦うようになってしまった。
ルネッサ~ンスの方ではない方の完敗である。
1ユニットの戦力価が南軍の方が北軍より弱いのでそこそこユニット数を集めてなければならないとか、北軍の固定砲兵が思ったより効果的であった等々戦い方も含め誤算多かったが、NAWらしい生か死かみたいな結果になるのはやる前からわかっていたが、いざ突きつけられると悔やまれる事多々。。。
ルール量、プレイ時間と共にクイックラーン・クイックプレイ可能であるので時間と根気さえ許せば1日に何度でもプレイできるので一喜一憂できる事
最後に付け加えると本ゲームは通信対戦向けのツールVASSAL用のモジュールが公開されており、気軽に通信対戦やソロプレーをする事ができる。
今回筆者はプレーするにあたり家で気軽にマップを広げられない事から一応簡単ながらソロプレーを実施してみた。さすがに本物のボードを広げた感覚とは別も
のだが、遠隔地のプレーヤー同士や、あるいは時間が合わないプレーヤー同士が、あるいは筆者のように練習プレーをしてみたい者などにとっては福音であろ
う。興味のなる方はコマンドマガジンのホームページにアクセスしてダウンロードしてみてください。
今回はかなり早い段階でリリースされた事から今後の日本ゲーム業界の出版形態を変えるマイルストーンのようなものになるのではないだろうか?
ガダルカナル戦記(同人)
一時、同人出版とかなんとかで単発で出版されたゲームのため完全に忘れ去られていたような気がする。少量発売であったために拍車をかけたのであろうか
最近デザイナー氏が発掘に成功したとの事で、再び同ゲームが脚光を浴びるかもしれないなと考えていたが、どうなんだろうか。
筆者もついこの間デザイナーさんのブログで発掘されました!みたいな記事を読んでそう言えば持っていたなあと思い出して引っ張り出してきた塩梅だ。
ソロモン戦のゲームは他のWW2太平洋戦線の中でも多い方だが、それでも東部戦線や南北戦争等に比べると層が薄い。やはり三軍運用という壁がそれを阻んでいるのだろうか?
ルールは正直少ない。3軍運用とは言え正味量6ページで再現できるのには限度がある。それでも艦隊の種類によって行動できる方法、作戦の種類が違い、行動を終えられないエリアがあったりと意外と詰め将棋的なプレイングを要求される。また飛行場の所有に関する記述もややあっさりしているので、充分に理解する必要がある。
戦闘はいわゆる戦闘値以下の目が出るとヒットするというタイプだ。シークエンスの違いと艦艇の対空力の違いによって両軍の空母戦の違いをシンプルに際だたせている。
空母戦のゲームでは探知とか偵察などの空母を発見するしないのルールがあると思うが、このゲームではエリア戦のためその必要はないし、そう言うルールはない。
勝敗はガ島エリア(鉄底海峡)の支配権をめぐり、敵艦の撃沈、ガ島の揚陸、艦砲射撃、空襲で得られた得点を比較して決定する。
プレイでは空母戦が数度にわたり発生し、日本空母部隊は米空母部隊に撃ち負け、敗北を喫した。ところが水上部隊の海戦では米艦隊の戦艦が出揃うまでは優位に勝ち続け、艦砲射撃、揚陸などは次々に成功できた。
最終的には水上部隊の優位性が崩れたときに最後の有力な艦隊が敵空母部隊のために動けなくなり、挽回の余地がなくなったので米軍の勝利で終了した。
米空母は損傷しても上手くいけば最終ターン迄に帰還できるのに対して日本の空母は未来永劫帰ってこないのでとどめが刺せなかった場合、後半に大量に米空母が揃い、戦艦群も充実しているので出たくても出られない状況になってしまう。今回はそう言う展開であった。
プレイの例にもあるように
「どの順番でどの行動を行うかによって、ゲームの展開が大きく異なるため、プレーヤーは様々な可能性を考慮して作戦を行う事が要求されます。」
思わず考え込んでしまったが、よくよく考えれば少し単調な行動だったかもしれない。
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