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2009/04/15

エアスペへの道

 久しぶりに記事を投稿する。
 とは言え今回はもりつちさんが「太陽の帝國」をプレイするために大阪までやってくると言うことに乗っかってtakobaさん、ワニミさん等々と誘い合わせてお会いする&ゲームをしようと言うことになった。
 当時というか前の記事からずーっと一ヶ月以上もの間、最近のウォーゲーム界というかムーブメントというかなんというか今一乗り切れずに思うところがあったので、ちょっと離れてしまっていた。
 しかし全くゲームから離れていたわけではなくて某ゲームシリーズ(複数)に魅せられてしまってルールブックを読み込んでいたりもした。
 そう言う悶々とした日々を送っていたある日、朝方に寝床でモゾモゾしていたら携帯電話が鳴り響いた。

  りーん
 りーん
りーん

 大抵、携帯電話を不意にかけてくるとしたらK氏しかいない。しかし朝方に電話を鳴らすなんて芸当は彼には無理だ。なぜなら彼ならまだ寝ている時間だからだ。
 眠い目をこすりながら(もう起きてたけど)電話を確認すると、それはtakobaさんからのメール着信であった。

 要約すると
 12日にもりつちさんが来阪する。
 前夜祭やりたいが身動きとれず。
 12日にミドルでゲームしませんか。
と言うものであった。

 スーパールーズならぬスーパーやる気無しモードだった筆者は戦慄に顔を歪めてしまった。それは我々(ソロモングループ+僕たち)の間で次回プレイするゲームをランキングする投票を行っており、それを「槍隊リスト」としてまとめていたからだ。
 もちろん槍隊とは槍ブスマをする部隊の事ではなく「やりたい」をかけているのだが、筆者は正直に槍隊が好きなので槍隊が出てくるゲームを候補にたくさん挙げてしまったというのは内緒だ。
 その槍隊リストには各々の得点が累計されており、その結果最も得点が高かったのがもりつちさんのソロモン夜襲戦だが、2位がエアスペという結果はtakobaさんのブログにもあるとおり。
 そんなリストに愚かにもエアスペを評価高いからやってみたい!なんてコメントしたものだからもはや引くに引けない状況である。しかし日華事変をくぐり抜けてきたような猛者のもりつち教官やtakoba教官がいるからそれはそれで大船に乗った気分である。

 果たしてエアスペの独習である。
ルールブックは大冊と言って良かろう。いやしかしよくよく見るとエアストライクという対地攻撃モジュールも一緒になっているのでこれを省けば意外に薄いかも。
 読む







エラー

 あかん!慣れないシステムは全く頭に入ってこない。
 そんなこんなで日にちだけが過ぎて行く。メールなどでやりとりするtakobaさんなどはミサイルがぁ~とかおっしゃっている。

 もしかして俺は水平面にしか飛べないのではないか?いやベンチウォーマーならぬベースウォーマーか?

 さて、ともかく水平に飛ぶ術だけは覚えた気持ちになっていた筆者は情報を得るべくキーボードを叩いた。

 うぉー!!!takobaさんがブログをアップしとる!!
しかもエアパワーで!!

 なんとtakobaさんはエアパワーシリーズのスピード・オブ・ヒートをプレイされていたのだ!

エアスペよりエアパワーの方が新しく、さらに洗練されてバージョンアップされているという。

これは拙い。

早速スピード・オブ・ヒートのルールを入手してプリントアウトに2日間。
読み進めるとちょこっとエアスペと違ったり。

 頭の上書きが進まないまま当日を迎えてしまいました。

 当日。

 そんな状況を既に察知していたtakoba教官はA4スカイホークで旋回してみよと命ぜられた。

 俺は風。
俺は雲。

 そんなどっかで聞いた文言をつぶやきながら筆者は機上の人となった。

Imgp6935

 等間隔で配置されたポールの間をくぐり抜けて規定のターン内に帰ってくるというものだ。前やら後ろなどから弾丸が飛んでこないだけマシというものである。

 しかし最大出力でポールに頭をこすり付けるようにして旋回したが、どうやら規定のターン迄に間に合いそうもない。
 このていたらくに、もはや適性なし!を命ぜられるかと思ったが、takoba教官からは意外なお言葉が。「この機材では無理ですね!」
ズササーーー

 気を取り直して別のシチュエーションにチャレンジだ。
 次は前回と同じように規定のポールを回るのと同時に、機械的に機動している友軍機に追いついてスタックするという芸当をこなさなければならない。
 今度のテクニックは思い通りに機体を飛ばすという事の他に未来位置を予測できなくてはならない。

Imgp6937

 フ!
 鬼のtako練出身の我が輩の腕を持ってすればチョチョイノチョイ。
 しかし今度の機材はP80と来やがる。スピード・オブ・ヒートのマップ上に覆い被さるように置いてあるビーフジャーキーが気になるがレースに夢中な筆者にはビスコで脳に糖分補給だ。筆者美食ぶることがあるが、実は味覚は子供並みである。
 果たして今回はさあ追いつくぞ!って言うところでお隣のワニミ-K氏の帝海第3艦隊組が1プレイ終わったので途中で終わってしまった。

 さあ次こそは本戦である。
 部隊は朝鮮半島。わが部隊は大空の敵空軍部隊を求めて進行中に、手慣れたパイロットによる反航戦から始まった。
 筆者はセイバーに乗っている。このセイバーは過去に何回かプラモを作ったほどなので好きな機材である。対してtakoba氏の乗るMIG15は過去に田宮からプラモ化された時には驚くと同時に東側戦闘機の独特の魅力を思い知らされたものだ。
 さて、戦闘は反航戦から始まり、如何にして敵機の後ろをとるかと言うことに終始する。
エアスペシリーズは例えば旋回をするとスピードを失い、スピードを上げるためには例えば降下などをするわけだが、相対高度が空きすぎると当然攻撃できなくなるので、高位から一撃離脱を狙うか、同高度でお尻を追い回すかしかない(だろう)。と言うわけで有利な地点を探るべく時には高度を上げ、時には旋回をし、今まで習ったルールを駆使して敵を出し抜こうとする。

Imgp6942

最初は相手を出し抜き、相手の後方に専位するべく機動していたはずがいつしか後ろに回り込まれたりする。一時はプガチョフコブラかい!と言うような珍妙な機動で煙に巻きかけたが、それもつかの間の話で機体を横滑りさせるという一枚上手の芸当ができるtakoba氏のMIG15が性能の良いはずのセイバーを出し抜いて後ろに食らいついた。

「後ろにミグが食らいついている!」
「誰か追い払ってくれ!」

 悲鳴にも似た奇声を上げていると、エンパイヤ・オブ・ザ・サンをプレイしているもりつちさんがスーッとやって来て「MIG15の機銃は性能悪いからあたんないですよ。」との助言を残して去ってゆかれた。

「来る!来る!来る!」

 MIG15から発射された機関銃はその弾道をアイスキャンデーの固まりようにセイバーのドテっ腹に吸い込まれていくような感じがした。

 「あー!あたらん!」
 残念ながらか間一髪かもりつち教官の予言通りにMIG15の機関銃はセイバーを撃ち漏らし、時間切れで終わりと言うことになった。
 プレイの大半を追いかけられるというシチュエーションだったが、僕の脳内では滑らかな空戦として刻み込まれた。

 昔、漫画雑誌にキャプテン翼という漫画が連載されていた時、1本のシュートにたくさんのコマ割、多くのページを割いていた事に対して、たった数秒のことに何とページ数を稼ぐんじゃいと思ったものだ。いわゆるスローモーション技法というやつだが、映画では幾度となく使われている方法だ。
 空戦というもはやコンシュマーゲームにお株を奪われたようなジャンルだが、このスローモーションの幕間にイマジネーションを喚起するというウォーゲームの楽しみの一つを垣間見た気がした。ガンヒスに代表されるアニメロボゲームが一時でも興隆したのはそう言うところがあったのではないだろうか?

 ある程度月日を経なければ分からないことや新たに発見できることがあると思うが、僕にとっては今回はまさしくその新しい発見だったので大変満足である。

takoba教官ありがとうございます。

次はミサイルをぶっ放しますよ。

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コメント

訳者様
どうもです。駄訳だなんてトンでもない。あんな膨大にして難しいルールを訳せたっていうのはゲームに対する愛があったからこそだと思いますよ。いやはやありがたやありがたや。
 それにしてもフリーで訳出って言うのは大変なんですよね。僕も小さなゲームぐらいなら(自分で使う用ですが)訳したことがありますが、その労力たるもの莫大であり、難解なゲームや巨大ルールなゲームであればその投入労力は天文学的な....もはや頭あがりません。何かサポートする方法があればいいのですけどね。

どうも。

余談ですが、

あれは3回ぐらい徹底校正したのにそういう致命的な訳抜けがあるのは、報酬ゼロ円というのが大きいです。

「どうせお金はもらえないから適当に済ますか」という甘えた心情は持たないよう、よくよく留意していますが、逆に「お金をもらうからにはミスは許されない」という緊張感が持てないことは否めません。ものによっては一般会社員の月間労働時間を上回る手間暇がかかるのでどうしてもへばってきますし…

だからどうしても納得できない駄訳になってしまうのでした。

このジャンルの国内消費者層が数十万人くらいになって、1ゲーム1万セットぐらい売れようになれば、外国のメーカーもマニュアル翻訳料をさくっと捻出できるようになると思いますが、まあ永遠にそれはないので、今後も粛々と駄訳を出していくのでしょう。

では。

訳者様
 あっ!本当の訳者様でしょうか?あのような大作の訳出は大変だったろうなあと思います。お疲れ様でした&ありがとうございます。
 ジャンルとしては死滅寸前ですが、例えばGMTのダウンタウンどのように戦術より作戦面でフォーカスを当てている作品が出てきていてジャンルとしては拡張期を迎えていているので実はこれからもメジャーとならずとも無とはならないのではと考えています。
 SOHは持っていないのですが欲しいなあと思うアイテムです。訳抜けの情報は知りませんでした。今度入手して探してみたいと思います。

mtjさん
どうもです。もともと模型とかも好きなのでこういう航空機ものも興味があったのですが、戦車や艦船と違い3次元の動きをする航空機は説明と理解に時間がかかってしまうのでどうもメジャーというわけにはいかないようです。
 しかし他の戦術級でもそうですがある一線を越えられれば、そして脳内で絵が描けれれば楽しさは拡張されるので、これからも目に毒になるようなAARを書けるようになればいいなあと思っています。

おお訳者さまですか。あの素晴らしい和訳がなければ私も購入を断念していたことでしょう。
ご指摘の箇所は「旋回時の抗力はもっとも大きい旋回率のものを使う」というところだと思います。フォローできていますので大丈夫ですよ。Birds of Preyも興味津々なのですが、そんなに難しいんですか?ギミックで工夫された分楽になったのかとばかり・・・

Speed of heatをプレイしている方が実在するとは軽い驚きを感じました。Birds of Preyの「プレイの不可能性」を見てしまうと、前者の良さがよく分かりますね。

さて、もしクロノのルール和訳を使用されているのであれば、ご注意。確か、序盤まもないあたりに、1パラグラフまるごと訳抜けがあります。かなり後になって気づきました。肝心の英文ルールもどこかへ消えたので、どこが訳抜けかはもう分かりません(探してね)。

mtjです。

こういう記事は目に毒ですね。思わず手を出したくなっちゃうじゃないですか。明らかに手におえないのに。空戦ものは、エポックのファイティングファルコンとDown In Flamesをまず味わい尽くすまで禁止禁止と。Geekで見たのですが、Down In Flamesのシリーズっていっぱい出てるんですね。ファンタジーものまであるや。現代戦のやつは楽しみだな。

いえいえ。非常にわかりやすいインストでした。ミニチュアのファントムを持ってきてくださる用意周到さには脱帽です。
空戦ゲーム万歳。

ですから教官なんて偉そうなもんではありませんってば。私もこのゲームに関しては初心者です。拙いインストで申し訳ありませんでした。
でも次回はお互いもう少しステップアップして、もりつちさんのお相手が出来るようになりましょう。空戦ゲーム万歳。

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