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5月の戦い

「あんな~わしそろそろ作戦級やりたいねん。」
われらのK氏の一言から始まった。

彼の一言はもはや神の一言に近いモノがある。

 なんと言っても会場の提供、時には食事の提供、会場・帰路の足役でもあるので、たとい勝手にコーラを飲み干されたりお茶を無限支給しなければならないという事があったとしても、ご恩に報いるためには時には「プレイ希望」というモノを聞かなければならない。

 なんでも彼の話によると、ここんところウォーゲームのスタンダードとも言うべき普通の作戦級をプレイしていないという。
 そんなわけ無いでしょう。と反応したが、そういえば去年の11月以来作戦級らしい作戦級をプレイしていない。もちろんプレイ機会が少なかったというのもあるのだが、あまりに色んなジャンルをプレイする事によって普遍的な作戦級の頻度が下がってしまったようだ。

 それならば貴兄が満足するように作戦級で責めてやろうではないか。と言うことで次回のウォーゲーム会は「作戦級」と決まってしまっていた。

 しかしそう決めてからも中々プレイする機会はなかった。おいもうすぐしたらゴールデンウィークが終わってしまうぞと思っていたらまたもや我が輩の携帯電話が揺れている。

「はいもしもし。」
「おー久しぶりやなぁ」
「なんやGWももう終わりというのにこっちはヒマヒマ星人やで」
「それやそれ。いつ空いてる?」
「お・・・・。」
言葉が口から出かけて言い終わらない内に、たたみ掛けるようにK氏が言葉を重ねる。
「6日空いてるねん」
もはや選択の余地はない交渉のイニシアチブは握られたも同然。
「そ・・・。」
その日はと調べて話そうとする筆者の言葉にさらに重ねてK氏が発言する。
「作戦級やな~最近やってないしなあ。適当に見繕って持ってきて頂戴。ほな!」

 全ては終わった。さすが伝統工芸品を扱う商人である。筆者のような技術畑の口下手にはとても真似のできない電光石火の押し付けである。
 と言うわけで以下のゲームをプレイすることになった。

  • 奉天決戦(CMJ別冊11)
  • レッドタイフーン(CMJ85)

奉天決戦(CMJ別冊11)
 奉天会戦の作戦級ゲームである。はからずもコマンドマガジンの最新号は同デザイナーMukden による一次大戦のゲームモンスの戦いである。なお本ゲームは6号の付録となったポート・アーサーをリニューアルした旅順攻略との2in1となっている。今回はハードマップではなくソフトマップである。ちょっと残念。
 奉天会戦と言えば非常に難しい戦いで、過去にコマンドマガジン上でも付録として発売されたことがあった。本ゲームの元ゲームは本家コマンドマガジンのムクデンとして出版されたが、知る人ぞ知るゲームであった。
 奉天会戦も難しさは小兵力側が大兵力を包囲せんと力闘しなければならないところにある。しかも大兵力側は優勢を活かさずに消極的であるところも一筋縄でいかない。
 本ゲームではそういうややこしい状況をシーケンスの折り込みとチット引きで活性化させるという方法で処理している。チットと言えば安直に感じるかもしれないがチットを引くのはロシア軍だけだ。チットは第1軍から第3軍までのフォーメーションがありチットでどのフォーメーションが機動するか決定する。

 日本軍の移動はロシア軍が3個軍動く間に差し込むようにしてフェイズがあり、ロシア軍どれか→日本軍→ロシア軍のどれか→日本軍→ロシア軍のどれか、と言う風に動かす。ここで気が付くのはロシア軍はどのフォーメーションが動けるかは全くのランダムで、日本軍はその動きを見つつ2度動けると言うことだろう。これをデザイナーはロシア軍の統制のとれ無さとして表現しているわけだ。

 日本軍が2度動けるからと言ってロシア軍の2倍動けるわけでなく、移動を分割しているに過ぎず、合計するとロシア軍より上回る程度でロシア軍の連携の無さとそれを突ける日本軍という状勢になるだろう。

 戦闘システムはブタペスト45システム、最近の作品ではウクライナ44と書けばおおよそ察しがつくだろう。戦闘力=ステップで戦力比のCRTを持つ消耗戦闘型のシステムだ。しかし本作では若干の味付けがなされている。

 まず基本的にスタックが禁止されているが、日本軍のみ砲兵ユニットがあり、それは歩兵・騎兵にたいしてのみスタックが可能となっている。

 砲兵ユニットがあると言うことは砲兵のフェイズがあり、日本軍のみ砲兵の砲撃フェイズがある。もちろん日本軍のみが砲兵を持っていたわけではないので、ユニット化はされていないが歩兵や騎兵のユニットには砲兵部隊も込みでユニットされているという体で防御射撃という形で射撃できる。射撃結果は全てステップロスで適用される。

 基本ステップロスは戦闘力とイコールになるステップ数を減じてゆき、ステップ数が減れば戦闘力も減りステップ数が0となればそのユニットは壊滅となるが、ロシア軍は損害許容量が戦闘力より少なめに表示してあるので、日本軍より耐久力が低いと言える。

 また、騎兵のように損害許容量が戦闘力よりも大きいものもあり、打撃には乏しいが耐久力はあるという部隊もある。

 各軍には特徴を際立たせるルールがあり、日本軍には先ほどの砲兵の他に側面攻撃といういわゆる包囲状態の戦闘ボーナスがありロシア軍にはない。

 ロシア軍には総予備と鉄道移動があり、総予備はどの軍を起動させるか決めるチットを引く前に6個のユニットをどの軍に配属させるか決める事が出来る。鉄道移動は1ユニットのみ鉄道上移動力無制限のワープ行動できるルールだ。

 勝利条件は以下の優先順位があり毎ターン判定する事になっている。

  1. 損耗(ステップロス数)
  2. 奉天の支配(日本軍)
  3. 撤収開始ライン(日本軍)

 上記の優先で判定するが、例えばあるターンに日本軍が撤収ラインに到達しているけど、日本軍の損耗が損害許容量を越えていた場合はロシア軍の勝利となってしまう。

 さてプレイの方はと言うと日本軍は中央部のロシア軍陣地ラインには直接攻撃をかけてこず左右に延翼行動を実施する。

 それに対応してロシア軍も翼を延ばす行動に出る。注目すべきはロシア軍右翼は歩兵旅団が、左翼は騎兵部隊であり翼端としては心許ない。対する日本軍は近衛師団が白兵戦値24という単独で2:1から3:1立ってしまうと言う途方もない戦力を持ち、日本軍の主攻勢を担うと目される。

Imgp7402  筆者はクロパトキンと同じく側面に躍り出る日本軍を極度に恐れていた。

 しかし翼端、特に第2軍側は平野が開けていて、鬼の乃木率いる第3軍が突進してきている。日本軍は28センチ砲を支援として弱体な露軍に次々に打撃を与える。

 遅滞戦術をしているとは言え叩けば必ずステップロスをするこのシステムではいずれ磨り潰されてしまう。

 そこで総予備の投入となるわけだが、第2軍に全て投入すれば良いというわけではなく、最強戦力がそろい踏みしている日本軍の第1軍方面に手当をしておかないと同じ事である。

 ロシア軍左翼方面も同じように日本軍のゴリ押しに息も絶え絶えだが、それも軍機動チットが必ず日本軍に機先を制せられ、地形で何とか持っているという状況である。

 さて中央部はと言うと陣地を出て逆襲という事も考えたが、間合いを取られてしまって結局動けずじまいだった。要は両翼が延翼していくにしたがって間隔を調整する役回りに堕してしまった。

 チットの引きによる各軍の隙を突いて日本軍が猛攻をかける。日本軍の第3軍は第4軍、第2軍からの助力も得て更に躍進しロシア軍の対応力を凌駕する。この時に中央部のロシア第3軍が陣内より躍り出て逆襲に転じれば日本軍の攻勢に大ブレーキをかけられたかもしれないが、結局戦場の霧ルールによりユニットの戦力等を確認する術がないので、強力な残置部隊がいるのではと疑心暗鬼に陥り攻勢に踏み切れなかった。

 その為、日本軍は第7ターンに撤収開始ラインに到達でき、なおかつそれを排除する術を持たない露軍の敗北でゲームは決着した。

レッドタイフーン(CMJ85)

Redtyphoon  なかなか興味深いアプローチで日露戦争の奉天会戦をプレイし感嘆してしまったが、意外にプレイ時間は短かった。しかしもう一戦と言うほどに時間は余っていないので、ドイツ装甲軍団シリーズの1作である。本作をお試しプレイする事にした。

 テーマはソ連軍の冬期攻勢で、システムはドイツ装甲軍団シリーズであるから軽くルールに目を通しても実質7ページであるので気軽に挑戦できる。しかし戦術眼と戦略眼は求められることが多いので、シンプルではあるが骨があるのではないだろうか。

 プレイは筆者がソ連軍、K氏がドイツ軍を担当した。フルマップ1枚のドイツ装甲軍団はヤケに広く感じる。ムジャイスクからオルシャ、ヴェルキエルキからオリョルといえば大体の感じを掴んで貰えるだろうか。

 ドイツ装甲軍団と違うのは行動ポイントでフォーメーションを活性化するシステムであり、両軍各ターンに設定されたポイントを使用してフォーメーションを命令という形で移動したり戦闘したりする。移動の命令ではフォーメーションごとにあたえるが、フォーメーションごとに移動させるのではなくフェイス中であれば移動できる、つまり移動権を得ることになる。

 よって各フォーメーションをポイントさえ支払っていればどの順番でまぜこぜでもかまわない。

 戦闘命令も同じで、必ずフォーメーションごとに解決するのではなく戦闘フェイズ内であればどの順番でフォーメーションを跨いでもかまわない。

 またドイツ軍の装甲師団はドイツ装甲師団の積極性と言うルールがあり、ドイツ軍の装甲師団は移動命令だけしか受けていなくとも戦闘は可能である。

 プレイではドイツ軍のフォーメーションの突出部、あるいは戦区の切れ目を集中的に攻撃したつもりだったが、戦闘結果が思わしくなくあまり大きな前進が出来ず、逆にドイツ軍の機動防御だけが光り首をかしげる展開になってしまった。おそらく初期配置などにもう少し熟考すべきだったか。

 残念ながらどうしたら良いんだろうと考えている間に時間が来てしまったので、空挺部隊やパルチザンユニットという面白げな増援があったのだがお開きとなった。もう一度考え直してプレイをしてみたいと思った。

 と思ったら中黒さんのブログを読んで間違いが発覚!またコンセプトも理解できたような気がします。今更ながらドイツ軍の初期配置が間違っている事に気が付きました。ありゃりゃ。どうりで硬いわけだ。こりゃ再戦ですね。

 

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