40、41、42
題名を見て「はっ!」と気がついた方もおられるのではないだろうか?
これはGAMMERS/MMP社が出版している戦術級ゲームTactical Combat Series(以降TCS)の中でもサブシリーズ?とでも言うべきGDシリーズのタイトルからとったものである。このGDはドイツ軍では著名なエリート部隊の1つであるグロスドイッチュランド部隊を年代ごとに各戦いをテーマにパッケージ化したもので出世魚のように名前こそ変わらないが部隊規模が大きくなってゆくGD部隊を眺めるのは非常に面白い。こういうある特定の部隊をテーマにゲーム化するというのは考えつくものだが、中々テーマに恵まれるものではない。
GD'40は1940年西方電撃戦のストーンヌの戦いを扱ったもので戦う相手はフランス軍、GD部隊は連隊規模である。ストーンヌをめぐりフランス軍と攻守を入れ替えて戦う。
GD'41は1941年バルバロッサでのムツェンスクでの戦いを扱ったもので戦う相手はソ連軍、GD部隊はいまだ連隊規模であり、ソ連軍のヒューマンウェーブを受ける立場だ。
GD'42はソ連軍によるスターリングラードへの攻撃と共に行われたルジェフ近郊の戦いを扱い、ソ連軍の攻勢とそれに対するGD部隊の反撃が扱われる。GD部隊は師団まで拡大しているが、登場するのは歩兵連隊と師団付属部隊の数々だ。
最初の2作は他の国防軍師団や軍団から付属部隊を配属されていたが、次作4作目でははクルスクという噂もあるが、今度こそ師団勢揃いの姿が拝めるかもしれない。
またこう長く続くシリーズになるとシリーズルールのバージョンアップの節目になることも多く、GD'40はver3.0、GD'41はver3.1、GD'42ではver4.0となっている。ルール的には3.0と3.1は小バージョンアップだが、4.0となるとメジャーバージョンアップで様々な所が変わっていたりする。例えばCRTや車輌の攻撃等。
実はそれだけでなくグラフィック面でも変更されるのが常なのか、この辺は最近話題になっているGCACW等の新作に通じて賛否両論であろう。
今回はそのグラフィック面を見てみるのも一興かなと。
このGDシリーズでは当然のことながら一貫して登場している部隊というのがあり、GD歩兵連隊というのがそれにあたる。しかし同じ歩兵連隊といえどもその中身はチョコチョコ変わっており、同じ歩兵連隊といえども同一とは言いにくい。そこでコアな歩兵部隊はそうそう変わることがないので見てみることにしよう。
ここでは第1大隊第1中隊のユニットを羅列して比べてみよう。TCSでは歩兵の最小単位が小隊という事になっているが、機関銃分隊などのように例外は存在する。TCSでは歩兵は小隊が一般的な1ユニットであることが多いが表示は中隊止まりである。
まずGD'40
パッと見て真ん中の1-Ⅰは第1中隊-第1大隊を表してりる。手書き風のラフな丸は作戦地図などで表されている部隊の集結位置や展開位置を表すものだ。このマークはいかにも兵が集まっているという感じがして、リアルマップのTCSではいかにも作戦指導をしているという感じを醸し出していて好きだったのだが、このマークをして歩兵と言い張るのは厳しかったのか初期作品だけである。しかし部隊規模もさりげなく挿入されており、兵科記号かアイコンかの比較のように慣れればこっちの方がよいような。
次はGD'41
上の概念マークが分かりづらかったのか、流行のアイコンである。さすがにアイコンだけでは情報不足なので右側に所属、左側に兵種と規模が記されるようになった。ちなみに上記GD'40のver3.0や本作のver3.1でもユニットの下半分の数字は同じで火力ー射程-士気となっているが、左端の5はエリアファイヤーと言って面制圧する火力を表す。シリーズルール3.0と3.1では火力の表示色と射程、士気のボックスカラーが変更になった。今のところこの3.1の時代の作品が多いので一番見慣れているスタイルである。
最後にGD'42
アイコンが更に動的なものとなっています。情報がはるかに少なくなっていますが、カラーバンドを冠することにより分類は楽になっているようです。レイティングの数値は基本3.1とかと同じですが、ボックスが廃止されました。ポイント射撃と言われる戦車などの点射撃をする兵器群は最初の火力の色を変えて表現するようです。また低弾道という概念が加わり、射程で黒字は低弾道を表している。低弾道は遮蔽物の影響を受けやすくなっている。
次は機関銃ユニットを見てみよう。
まずGD'40
残念ながら第1大隊では第4中隊のみが機関銃を装備しているのかあるいはオミットされたのかGD'40では各中隊に機関銃が必ずあるというわけではない。比較と言うことで同じ第1大隊の第4中隊ではこうなっている。使われているものは矢印のようだが機関銃を表す記号だ。しかし知らなかったら槍かなと思ったりなんのこっちゃか分からないかもしれない。実は機関銃の他に迫撃砲などの盤上砲兵も同じような表現であり、知らなければ戸惑うこと必至。
次はGD'41
これはわかりやすい。機関銃だ!って一目で分かるものだ。しかもMG34を模してありああこの部隊はMG34を使用しているんだなあと視覚的に訴えてくれる。別ゲームになるが米軍ならブローニング、日本軍なら九二式重機だったりする。
最後にGD'42
こっちはMGの字がなければ歩兵と区別が付かないかもしれない。描かれた絵を見るとどうやら機関銃を構えているぞとわかるが、ちょっと分かりにくいかもしれない。
新グラフィックを冠したGD'42は整理しやすさ以外は完敗かと思われたが、意外な所で良くなっていたりする。今まで紹介しているのは戦闘モードの面で、裏面は移動モードとなっている。
シンプル故にわかりやすいGD'40
矢印がなかったら分からないかもしれないがユニットのレーティングがAA6という呪文になっているのですが、これはエリアファイアで撃つユニット-エリアファイアで撃たれるユニット-移動力になっています。しかしレイティングの影に隠れて分かりにくいような。
GD'41では
矢印を目立つよーにカラフルにしちゃいましたー!的なノリ。しかしアイコンは表と同じうえにやっぱり他のアイコンが被さっていてせっかく目立つ色にしたのに。。。。です。
それではGD'42では?
まずアイコンを歩かせました!矢印への被さり量が低いです。しかし表示される文字が変わっています。このバージョンから移動力-士気になっています。昔のバージョンは戦闘モードにしか士気値が書いてなかったのです。
今回は少し長くなったのでここまでにしますが、機会があれば次回にご期待。
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