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2月の戦い(2010年)

 まったりとしたスタートを切った今年の一年は日本史系のゲームがメインで、そろそろメインストリームから外れたい衝動に駆られる。
 このブログで作戦研究を得たいなんて酔狂な人はいないと思うが、時々珍しいゲームがプレイされていたりするので、それを見てみたいという方も多いのではないだろうか。
 少し前までは意図的にそういうゲームを無理矢理混ぜていた時もあったが、さすがに本当に面白くないゲームの時もあるので、興味のあるもののみをプレイする事にしている。

 今回はそういうわけでちょっと毛色の違うゲームをプレイした。
 今回プレイしたのはS&T誌の243号付録として発表された Sealordsだ。
 時代はベトナム戦争。テーマはメコンデルタのブラウン・ウォーター・ネイビーの戦いを扱う。

 更に時間が余ったのでミニゲームを1つプレイできた。SSゲームズをプレイするのは久しぶりで何もかもすっかり忘れているので改めてプレイしてみて短時間でプレイできるゲームと認識した。

 ブラウンウォーターネービーというと河川海軍ともいうべき沿岸・河川を舞台にする部隊で、普通の海軍とは違い喫水の浅いボートなどが主力となり、河川での封鎖、臨検、輸送等の支援を行う海軍部隊だ。

 

Sealords(S&T誌243号)
 ベトナム戦争のゲームと聞いて何を連想するであろうか。ヘリ部隊?不正規戦?意外と戦術的な側面をクローズアップしていないだろうか?
 筆者にとってもベトナム戦争といえばジャングル、空中機動、特殊部隊などとほとんど映画の影響をまんまに受けた印象を持ち、なんといっても幼少の頃に見た「地獄の黙示録」や少年になってから見た「プラトーン」や「ハンバーガーヒル」の刷り込みが大きい。
 最近などでは「ワンス・アンド・フォーエバー」等を見たりして再びベトナム熱?が湧いたり沸かなかったり。

 やっぱり「地獄の黙示録」に出てきたあのイメージや背景を持つゲームは無いだろうかと思っていたら、S&T誌から本作が出版されて俄然興味を持って購入しプレイの機会を窺った。

 あけてビックリ本作はスクエアマップ(新作紹介等で知っていたとは言え)で、本当にこれで河川機動できるのかと不安に陥る。

 しかし本ゲームがメコンデルタでの作戦級規模での再現となれば、戦術級的な細やかな描写を大胆に端折ることにより、煩雑さを避けるということも大いに理解できる。

 それではどのようにらしさを追求できるかといえば、そのシステムと多彩な艦艇ユニットにあるだろう。艦艇は多彩で約10種。この他に駆逐艦や沿岸警備隊の船や北側の船が加わって艦艇とは如何に裾野が広いのかと思ってしまう。

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 といっても河川海軍の最大規模の船といえば海洋海軍の船に比べれば規模は小さく、駆逐艦(DE)クラスですら超大型に分類されるような小型の船艇が主力で、対地支援で艦砲射撃をする重巡ですら戦艦に見るほどだ(ゲームでは登場せず)。主力となるのは河川哨戒艇(PBR)と言われる小型船だ。中には北側が使うジャンク船やまさしくボートと言えるよなものまで含まれており、海洋海軍とは別の世界を呈している。

 河川哨戒艇PBRといえば、タミヤの1/35ミリタリーミニチュアシリーズでモデル化されており、戦車などのミリタリーモデルの中に船が混じっていることに違和感を覚えた方もいるかもしれないが、この哨戒艇はメコンデルタでは戦車のように使われていたと考えるとあのラインナップもあながち間違いではないかもしれない。

 ゲームは筆者が北側を、K氏が自由主義陣営を受け持つこととなった。

 

 ところでメコンデルタの戦いはあまり有名ではないのでどのような戦いか知られていないが、ベトナム戦争の他の戦区とは違い河川機動部隊の活躍によって成功を収めた地とされている。特にゲームのシナリオでも扱っているズムウォルトが当地の派遣海軍部隊の司令官に就任し、河川機動部隊を率い陸軍部隊と連携して浸透する北側勢力をカンボジア国境まで追いやったと記されるほど河川機動部隊、航空支援、艦砲支援、海上封鎖、エアボーン等々の合わせ技が、手数に劣る北側には効果的だった。

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 今回のシナリオは河川機動部隊がこれから効果を発揮する序盤段階1966年から1967年初頭を扱う。勝利条件は勝利得点の差で判定される。シナリオによっては勝利得点に下駄を履かせて底上げしているものがあるが、本シナリオは両軍ともイーブンの立場で勝敗を争う。

 勝利得点はユニットの除去、ゲリラマーカーの発見、地点の占領、基地への浸透、連絡線の遮断等々がある。普通の作戦級ゲームのように部隊の撃破やスクエアの占領というわかりやすいものの他に、基地への浸透というものがありこれが本ゲームでの係争ポイントとなるのだろう。

 基地への浸透とは簡単に記せば北側が部隊、補給物資を前線の拠点に送り込むことであり、本ゲームでは全て水路を通じて行動するため封鎖する自由主義側陣営の目を欺き迂回あるいは強行突破させる。その過程で戦闘が発生したり、肩すかしを食らわされたりするのでそこを楽しむのだろう。

 自由主義側は強力な河川機動部隊の他に潤沢な支援部隊を持ち、充分に準備された攻撃下あるいは防御においては無類の力を発揮する。

 注意せねばならないのは本ゲームの移動では水路あるいは空路を辿っての移動しかできず、水路あるいは空路を移動できるユニットあるいはそれに搭載されたユニットしか移動できない。このゲームでは歩兵ユニットはランド属性(L)と言うものに属するのでピックアップしなければ移動できない「支援兵科」となってしまっている。

 さらにほとんどの自分で移動できるユニットは移動属性によって制限あるが移動力無制限で、マップ上を縦横無尽に駆けめぐる。

 序盤においては主となる基幹河川を封鎖すれば、移動妨害として必ず戦闘に巻き込めるので米軍と南ベトナム連合軍はいきなりカンボジア国境近くの北側の基地を攻撃し占拠してしまう。

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 輸送ジャンク船とともに出撃拠点を奪われたので、序盤に考えていた構想がガラガラと音を立てて崩れた。これには困った筆者。

 移動力が無限とは言え、R属性の移動力を持つ河川ボート類はスクエアに描かれた水路(川・運河等)が繋がっていないと隣接するスクエアといえども立ち入ることはできない。

 また北側のユニット類は裏向けに配置して行動するのでブラフ的な行動を仕掛けて戦力の分散を図る事も可能だ。

 勝利条件的には遠方にある根拠地に輸送ジャンクを送り込むと高得点となるのでそれを狙っていたがそれも叶わなくなった。

 近距離の基地へピストン輸送をして細かく稼ぐ方法へと切り替えた。ジャンク船を戦略再配置で移動させ攻撃軸を変える。

 この方法で数ポイント稼いだが、嗅ぎつけた自由主義陣営の攻撃に晒された。ユニットは自由主義陣営と北側の交互に作戦を行うが、作戦を行うためには毎ターン支給されるコマンドポイントを消費して行われる。コマンドポイント消費を軽減する司令部(HQ)があるのでそれ単位で行動するのが多くなる。

 自由主義陣営の北側根拠地覆滅作戦は効果を奏したと思われたが、意外に被害甚大で、圧倒的かと思われた自由主義側の行動もやや鈍ってくる。

 そこで北陣営はサイゴン遮断に出る。前のめりになっている米軍をカンボジアから引き離す間接アプローチだ。それに振り回される自由主義側。

 さらに海岸でも北側の海軍が策動し、自由主義側の対応を促す。

 自由主義側は振り回されているとは言え個々の戦闘では圧倒することも多く、北側の損害も甚大だ。自由主義側は着実に基地を破壊し、北側の行動を阻害する。

 最終的に北側は攻勢に打って出る。手薄となった米軍の基地に攻勢をかけ、更には奥地にダミーと見せかけハイスタックさせていた分遣部隊を活性化させ南ベトナム軍を攻撃しスコアを稼ぐ。

 空中機動兵力まで投入し、米軍基地を守りきった自由主義側陣営だったが、メコンデルタ南部で南ベトナム軍を失った痛手など兵力の消耗が祟って北側が僅差で勝利するという結果に終わった。

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 スクエアマップ上で繰り広げられる鬼ごっこという感がないでもないが、この戦域の雰囲気が出ている気にさせてくれるゲームだった。

 米軍の支援(艦砲・ヘリ・空爆)等が戦術の優位性を表し、後出しじゃんけんのように介入・投入できる点や、地理的には有利な北側の隠匿配置・隠匿移動、それに対する自由主義陣営が偵察というシークエンスを経て射撃の優位を判定するというのが戦術的な味付けとして面白かった。

 対戦者のK氏の感触もよく、メコンデルタの魅力に取り付かれたようだ。

ハリコフ大戦車戦(STR)

  時間が余ったのでもう1ゲームできないかという話になって、久しぶりにハリコフ大戦車戦をプレイ。改訂版のハリコフ1941-43が出た今となってはプレイする事はなくなったかと思われたが、プレイする時間とものがない時には手頃なのかもしれない。

 筆者はドイツ軍をプレイし、数ターン後に訪れる「あれ」を待ちながらプレイ。

 「あれ」とは燃料チェックで、規定ターンに突入するとソ軍戦車ユニットは燃料切れチェックを行いチェックに失敗すると混乱状態になり、攻撃の衝撃力が失われるというもの。

 ソ連軍は右翼からハリコフ外苑部までほとんどのドイツ軍を粉砕し、一部の装甲師団を残してハリコフを窺うのみ。

 左翼は地形障害などに助けられ生き残ったドイツ軍部隊を中心に綻んでいる戦線が復活しつつある。

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 注意せねばならないのは進捗が悪いソ連軍左翼側に戦車部隊が多く存在し、またその方面からドイツ軍の反撃が始まる。

 とは言ってもドイツ軍を掃討するために前進してしまったソ連軍右翼は大軍を抱えたまま前進し遊軍となってしまっていた。

 もう少しスライドしたら...とは言えユニット渋滞のためドラスティックな転換ができるわけもなく、ドイツ軍の反撃を指を咥えて見守るしかなかった。 

 ドイツ軍の反撃はソ連軍が燃料チェックで失敗したのをいいことに小気味良い反撃で腹背に回り込み壊滅させ、あっと言う間にソ連軍左翼をズタズタにしてしまった。

 ほとんど全力のソ連軍左翼が補足され撃破されてしまって時間も来てしまったのでここいらでお開きとすることになった。

 燃料チェック如何で決まってしまうので、そこいらのギミックが気に入るか気に入らないかでも評価が左右されてしまうがSSゲームの1作としては標準的な作戦級ゲームだったのでそれなりに評価している。改訂版の方は数度プレイしたきりだがもう一度引っ張り出してきてプレイしようかな。

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