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2010/04/25

4月の戦い(2010年)

 3月の戦いを書こうと思ったら、撮っていた写真がSDカードのトラブルで全NG、ありゃりゃと言うことで全く書けず。
 詳細はもりつち氏のブログに書かれているのでそちらをご覧ください。筆者は水雷戦隊の司令として頑張りました。

 4月はtakoba氏の呼びかけによって山科ゲーム会(仮称)が開催される運びとなった。その会合は普段なら筆者とK氏の話し合いで決められる所だが、今回はtakoba氏、ワニミ氏が来られると言うことで一気にサークルらしくなったが、別段何も変わることなくIいつもと同じような段取りで進められた。

 最初の頃はtakoba氏の制作中のゲームを検証プレイ+その他のゲームが考えられたが、残念なことに諸事情によりtakoba氏が来られなくなってしまい、急遽残された3人でゲームをプレイすることになった。

 ところで筆者、takoba氏のゲームをプレイするのも楽しみだったが、もう一つ気になる件があった。

 ソロモン三部作の残りの1つだ。

 もりつち氏のソロモン夜襲、takoba氏の帝海は数度にわたりプレイの経験があるが、最後の1つは姿すら見たことがないと言う状態だった。

 今回はその最後の1つをデザインするワニミさんが来られることもある。おそらくは持ってこられるのではという期待を抱きながら当日を迎えた。

 果たして当日、筆者はいつもの如く自宅から川沿いに散策し会場へ向かう。K氏からの連絡で既にワニミさんは到着したとのことだった。

 筆者が到着すると既にワニミさんとK氏のとの間でゲームが始まっていた。

ペデスタル作戦1942(マルタ島!危機一髪)

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 ワニミさんのところでも紹介のある『ペデスタル作戦1942(マルタ島!危機一髪)』(ちはら会オリジナル)だ。
 かねてよりちはら会のブログなどで紹介され、takoba氏などからも噂を聞きつけているゲームの一作だ。まさかそういうゲームがプレイされようとは夢にも思わず思わず驚いてしまった。
 筆者が到着した時には「空母が沈んだ-!」とか大騒ぎで両プレーヤーとも興奮のルツボ状態。
あまりフォーカスが当てられることのない地中海での海空戦闘をコンパクトにまとめた作品のようで、当初から某雑誌の附録になるのではとかという噂もあったがあれからどうなったのやら?
 マルタって何?って言うようなK氏がプレイして面白いと言うぐらいだからワニミさんが指摘するようにコストパフォーマンスに優れた作品なのだろう。

 筆者は遅れて到着したのでその間ワニミさんから次のゲームを手渡された。

『望楼の行方』(ワニミオリジナル)

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 ワニミさんがデザインするソロモン三部作の1つ。もりつちさんの「ソロモン夜襲」が艦隊海戦戦術級で、takobaさんの「帝海」が空母戦作戦級というカテゴリーに無理矢理分けられれば、本作は決戦ガダルカナルなどと同じくキャンペーン級とも言えようか。

 未だプレイを完結していないので細かい内容は書けないがユニークなシステムを持つ。各陣営根拠地から出撃してガダルカナル島の支配権を奪い合うというのはお馴染みだが、この規模にしてはユニットに多くの能力値を持つ。

 今回次にあげるアウステルリッツ会戦をプレイしながらとルール確認しながらであったので1ターンしかプレイできなかった。

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 とは言え本作は他の三部作に比べ中々ベールを表さなかった割にはコンポーネント面の進捗は進んでおり、チャートなどの作り込みはプレイビアリティをあげるためのアイデアがあちこちに見られた。なお、デザイナー兼工房マイスター曰く「弊工房のユニット作成ルールは枠内1㎜ルールではなく0.5㎜ルールで作成できる。」との事でVPGを凌駕する試作工房が身近にあることに舌を巻いた。

 後日ブラインドテストと称してプレイする事が誓われた。パラパラと読んだ感触ではソロモン及び帝海ととは風合いの違う作品であるので海戦好きと作戦級好きでは評価を二分するかもしれないと感じた。

 アウステルリッツの太陽(GJ誌33号)

 さてメインイベントを何にするかで3人の頭を悩ませた。小さいのを沢山やるか、大きいのを1つするか、慣れたのをするか初めてのをプレイするか等々。あまりに多岐にわたる選択肢はむしろ選択不可能となってしまうことが多い。いわゆる三すくみ状態。

 と言うわけで討議の結果、GJ誌に発表されたアウステルリッツの太陽をプレイする事とした。本ゲームはアドテクノスから発売され、当時としては斬新なチット引きシステムを採用した先進的なゲームだ。しかし先進過ぎるためかそれともチットという運のしの要素を排除できない為か、さほど評価されることもなかったがシミュレーター誌のリプレイ漫画に載るなどしたこともあり、この度再び雑誌付録ゲームとして復活した。

 筆者は昔よりプレイしたかったが、なんと言っても興味を持った時には既に絶版。さらにはシミュレーター誌のリプレイ漫画に煽られるという悶々とした月日を送っていた。

 GJ誌と言えば、走れパットンや壬申の乱などのアドテクノスのゲームの再版に強い。いつかはと期待していたらそこへ颯爽?と現れたのが今回の再版だ。

 と言うわけでプレイではナポレオン率いるフランス軍にはK氏が、対するフランスの敵にはワニミさんと筆者が担当することにした。ワニミさんが率いるのは北側、筆者は南側と言うことで、筆者の部隊は側面を気にすることなく突進を期待される。

 

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 史実では高地に陣取る連合軍を誘引するために、ワザと右翼を弱体となし、右翼に吸引され戦列が伸びて弱体化する所を強力な左翼で叩き潰すという、エパミノンダスやフリードリヒを引き出すも無くとも意図は明確。

 ゲームではそれを知っていて突っ込む人はおらんやろーと言う声を無視して筆者は前進!

 「側面?そんなものは敵に心配させておけ!」

 なんていう時代が違うセリフを吐きながら我が連合軍左翼は仏軍右翼、スールトの第4軍団に襲いかかる。更にはダブーの第3軍団もやってくるだろうがそんなのは無視!来てから考える。

 筆者の担当する部隊ブクスホーデン隊は4軍団(縦隊)あり、チットの引きによりそのうちの1つないしは2つを機動できるという制限がある。しかし最もパンチ力のある部隊であり、史実同様弱体なフランス軍左翼を蹴散らすのがよいだろう。

 戦いは鮮烈を極め、第一波の攻撃に失敗したら次の縦隊が、次の縦隊が損耗すれば更に次の縦隊がその穴をこじ開け次々に戦列の綻びを大きくする。

 連合軍左翼のトハチェエフスキーばりの猛攻に、思った通りフランス軍のダブーはこちらへと指向される。しかし連合軍の濁流は留まらずゴルトバッハの川を越えこの方面の戦いの主導権を握って離さない。

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 とは言えこの戦いはフランス軍の戦勝した戦いであり、この突進もハリコフ戦のポポフの突進の如く突出して潰されるのではという懸念が頭をよぎる。

 そう言えばポポフかー!と嫌なことを思い出されてしまったが、それがロシア流のやり方よー!と自分に言い聞かせる。

 しかしフランス軍の戦力に予備はなく、強力な親衛軍団などもワニミさんの側に投入されているのでここは北側の連合軍が破れるか、南側のフランス軍が破れるかの競争となる。

 我が軍の攻撃はマストアタックゆえの悲劇もあるが中々順調で後は時間の問題だ。気になるのはフランス軍のミュラの騎兵軍団がどこに投入しようか悩んでいるのか挙動が不審な点だ。

 我が軍中央のクツーゾフはかなりの難戦で、フランス軍ベルナドットの第1軍団、スールトの第4軍団の一部、親衛軍団などの波状攻撃でかなり打撃を受けている。北側もバグラチオン、コンスタンティン、リヒテンシュタイン各軍団もランヌ第5軍団の攻勢に必死の防戦中だ。

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 しかし度重なる損耗は損耗ポイントの蓄積となりゲームの勝敗を決してしまう。損耗ポイントは壊滅したユニットの勝利ポイント分並べていくが、序盤は連合軍優勢にフランス軍に打撃を与えていたが、次第に連合軍ユニットの壊滅が頻出しだした。

 損耗ポイントはMAXまで蓄積すると敗北してしまうが、その間にもその貯まり方によって使用できるチット数が減ってしまったりする。チット数が減ると柔軟な行動ができなくなると言うのは言うまでもない。

 よく見るとフランス軍は中々ポイントを重ねても使用できるチット数が減らないが、連合軍は急峻に減ってゆく。

 そろそろ損害は不味いな~と、思ったらクツーゾフ戦死!の方が届く。指揮官は5ポイントも損耗ポイントに換算されるので他のユニット5つ分のポイントとスペースをとる。

 クツーゾフと言えば我がブクスホーデン隊の隣接区である。とは言えクツーゾフが亡くなったと言ってもクツーゾフの部隊は健在で鋭意防戦中だ。一気に使えるチットは減ったがこちらもスールトの軍団をほぼ壊滅させかけており、あとちょっとの所.... と言う所で激戦の中連合軍の損害が許容値を超え、連合軍の敗北となった。

 フランス軍もチットを減らしチキンレースを楽しむことになっていたのだが残念ながらフランス軍の攻撃の方が効果的だった。

 最近のGJのゲームは落ち着いた色調や手書き風になっており、ただでさえ装飾でゴテゴテになりやすいナポレオニックのユニットにはマッチしているのではと感じた。

 このサイズでアウステルリッツは中々無く、手軽にプレイでき一喜一憂できるというのは貴重と感じた。GMT、OSG、VPGと各社それぞれアウステルリッツ会戦のゲームを出しているとは言え少しずつ被っていないのてプレイし比べるというのも面白いかもしれない。

 ただし、いただけないのはバウツェンでも誇らしげに書いてあった「予測不能な」CRTだろう。確かにダイスの目に執着しがちとなるのを避けるという狙いがあってとのことだが、戦闘結果ごとに目を懲らして確認作業をしなければならないと言う動線が増えるのはどうだろうかと思う。

 ともかく会戦級で一喜一憂するのは楽しいのでこういう作品は貴重だ。

fin

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コメント

>初心者Aさん

いえいえいつでもいらしてください。また対戦に困られていたりしたらご相談ください。関西圏内なら対面プレイも可能ですし、その他でもそれなりに斡旋できますよ~

A Home Of Game Apesというところは知りませんでした。
ありがとうございます、早速行ってみます。

ありがとうございました。

>1:2がランヌの戦闘ボーナスで2:1になっているってことですよね?

そうです。そうだと思います。

>いきなりブログに押しかけてきてしつこい質問で、すみません。

いえいえ気になさらず。初めての方ならあれもこれも分からないでしょうから。

>ウォーゲームは地元のツタヤ的書店(笑)でコマンドマガジン別冊の付録を見つけました。
それでネットで調べて、GJ33号に行き着いた次第です(笑)

 あ~そうなんですか~時々そういう方がおられますね。ご存じかもしれませんがA Home Of Game Apes (http://www.takasawas.jp/gameapes/)はウォーゲーマーのポータルサイト的な所です。またMUST ATTACK(http://www.mustattack.com/)というウォーゲーマー向けのSNSがありますので一度覗いてみたり登録してみたりしてください。

>世界史が好きで、ナポレオン物がいいな~と思っていました。

 おお~ナポレオニックは他のジャンルと同じく幅及び深みのあるジャンルですね。

おはようございます

ていねいにありがとうございます。
>>盤面の全体像を忠実に表していないので
なるほど!目から鱗が落ちました。

>>あのシーンはおそらく1:2、2:1、1:2
この2:1っていうのは、1:2がランヌの戦闘ボーナスで2:1になっているってことですよね?
いきなりブログに押しかけてきてしつこい質問で、すみません。

ウォーゲームは地元のツタヤ的書店(笑)でコマンドマガジン別冊の付録を見つけました。
それでネットで調べて、GJ33号に行き着いた次第です(笑)
世界史が好きで、ナポレオン物がいいな~と思っていました。

初心者Aさん
こんばんは
あのシーンはおそらく1:2、2:1、1:2だったと思いますが、盤面の全体像を忠実に表していないので何かでそのうち1つが3:1となっていたと推察します。
>ウォーゲームって本当に奥が深いですね。
 そうですね~表現の方法から勝利への方法までも幾多ものエッセンスが織りなしあたかもモザイクのようなものですかね~初心者Aさんはこのホビーをどうやって探し出し興味を持つようになられたのですか?

お教えありがとうございます。勉強になります。

リプレイ漫画3ページの、ランヌが『一ヶ所の主攻撃と2箇所の犠牲攻撃を行った・・』ってところは1:1と1:3の二回の攻撃ということですか?

すみません、アレコレ考えたのですが
ここだけどうしても引っかかってしまいました。

記事読ませて頂きました、ウォーゲームって本当に奥が深いですね。

初心者Aさんコメントありがとうございます。
どちらでもOKです。
・攻撃側が必ず攻撃していて
・防御側が全て攻撃されている
のが条件で
11.1.4を選択するとおのずから11.1.5をするユニットが必要となります。
 このように一部の比率を上げるために一部の比率を犠牲にする攻撃をソークオフって言うらしんですが、その辺は戦闘結果表との相談になります。攻撃を強制される会戦級ゲームでは平押しのダイス運になりかねないのでこういう仕掛けがあります(笑)

こんにちわ、失礼します。
google検索から辿りつきました。
私は最近、ウォーゲームに興味を持ち、GJ33号を買ってプレイしたのですが、戦闘の解決がよく掴めません。

例ですが、A~Fのユニット、それぞれ戦闘値1として
ABC   (防御側プレイヤーユニット)
 DEF   (攻撃側プレイヤーユニット)

として、アウステリルッツの太陽の戦闘手順では

D→A+B(1:2)
E+F→C(2:1)

D→A(1:1)
E→B(1:1)
F→C(1:1)
のどちらかとして解決すればよいのでしょうか?

mitsuさんお久しぶりです!
「ペデスタル作戦1942」は僕はプレイしていなかったのですが面白さは伝わってきました。僕も機会をとらえてプレイしたいと思います。

こちらでも、「ペデスタル作戦1942」の紹介をいただき、ありがとうございます。発表後、これだけたって、話題にしていただけるとは、本作は幸せものです。自分も久しぶりにプレイしたくなりました(笑い)。

ランダムチットですので、リプレイアビリティはよいはずですが、しばし、お楽しみいただければ、幸いです。

ワニミさん
どーもです。
・会戦級は燃えますね!会戦級分会でも作ろうかしらん。
・ガ島はプレイさせていただきます。ご安心ください。
・マルタ島は幕末維新始末に並んで良さげな同人ゲームですね!

ではでは

毎度どうもです。
その節はお世話になりましたです。

・バウツェンの高地では足をひっぱた見たいで申し訳ないです。もっともっとバグラチオンを使うベキだったのか?

・ガ島は一度プレイに挑戦してみてくださいね。プレイが可能かどうか知りたい・・・・です。

・マルタ島も面白かったです。短い時間でプレイが可能なので、またやりましょう。

でわでわ。"わ"でした。

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