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2010/08/11

8月の戦い(2010年)

 呑み会が立て続きにありウォーゲームを対戦プレイする機会がなかった先月7月だったが、今月8月は多少プレイができそうな感じと言うことで、多少の不安はあったけどようやくプレイにこぎつけた。
 今回は最近戦術級的なゲームが割と続いているのでバランスをとると言うほどではないが、戦略級ゲームをプレイする事を考えていた。
 ウォーゲームにおける戦略級ゲームは何となくカードドリブンなゲームか積み木なゲームが大半を占めて来たように思う。ここ最近のトレンドなのかもしれないけど重厚長大な戦略級ゲームよりもプレイアブルなものが重宝されているのだろうか。
 最近カードドリブンのゲームを鋭意プレイしている筆者は引き続きカードドリブンのゲームをプレイしようと企んでいたが、先日行われたウォーゲーム呑み会の席でカードドリブンの北アフリカ戦ゲーム「シフティング・サンズ」が面白いこと、さらには積み木のロンメルと称される「ロンメル・イン・ザ・デザート」がもの凄く面白い的な事を耳にし、積み木システムを再び思い出すこととなった。

 積み木システムと言えばユニットが積み木のような木片を利用してユニットと成し、ステップロスは木のユニットをクルクル回転させることでどの辺が上にあるかでステップ数を表す。ユニットは厚みがあるので立てて使用し、対戦相手からはユニット情報が秘匿される。システムはダイスパワーシステムで、ユニットを活性化させる方法はゲームによって様々だがこの積み木スタイルのユニットを使えれば積み木システムと呼ばれる的なところはあるがコロンビアゲームズが出版し続けるゲームスタイルだ。
 コロンビアゲームズと言えば木のユニットでなくマップも特徴的で、今となっては当たり前にもなりつつあるがマップはこれもコロンビアゲームズスタイルのマップなどと言われる時もある薄手のボール紙でできているマップだ。
 箱も他社にはないユニークさがあり、段ボールの折り組箱である所とフタが一体となっているのでもっとも頑丈な箱でもある。もっとも箱の中に入るものが他のゲームよりも重たく傷つけやすいので箱から頑丈にしておかないといけないというのもあるでしょうけど。

 ゲームはつい最近発売された「ユリウス・カエサル」です。前作の「リチャード3世」を購入見送ったけど結構評価もよろしいようなので気になる存在でした。たしか「カエサル」あわせてシェークスピアシリーズとか言っていたような気がします。「ユリウス・カエサル」はカエサルとポンペイウスの覇権争いのローマ内戦を扱います。VPGあたりも同じテーマを扱っているのでプレイし比べるというのもオツです。
 「ユリウス・カエサル」は筆者にとって「クルセーダー・レックス」以来の積み木システムです。
「ユリウス・カエサル」のシステムはイベントを含むかもしれないカードを取捨選択し行動するという感じです。
 勝敗は勝利得点を獲得したら勝利するというもので、10得点するとサドンデスとなる。得点は都市に定められた得点と指揮官を除去することによって得られる得点がある。

 プレイは前回VPGのCaesar XLでカエサル側だった筆者がポンペイウス側に、K氏はカエサル側と前回と立場を入れ替えてプレイした。
 序盤は広大な地域を占めているポンペイウス側と見えるが実は要点は押さえておらず、カエサル側の攻勢を受け流しつつ支配地を確保しカエサルへの反撃を狙うという構想を描いた。

 1回目のプレイでカードプレイによってカルタゴ・ノバなどヒスパニア方面のポンペイウス側の策動が成功しジリジリと兵を失し、さらにはカエサルにてローマを占拠に成功したものの側面の別働隊がポンペイウスの別働隊によって粉砕され、カエサル側の将軍まで失してしまいゲームがおかしくなったのとルールの誤解が判明したので一度プレイを終えた。

 2回目のプレイでは陣営を入れ替えることなくプレイし、順調にカエサル側はヒスパニアのポンペイウス側根拠地を次々と獲得する事に成功した。

 序盤のポンペイウス側は史実で言えばローマから脱出した直後と言えようか。

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 一度目のプレイではヒスパニア方面とローマ前面の2正面作戦となっていて手薄となったガリア方面に注力してカエサルの背後からそして、側面から切り崩しにかかったが、それもたまたまポンペイウス側にイベントカードがあったからのことで、何もない場合は逆に事前に危険の目を潰すとばかりにローマ側は牽制しておきヒスパニア方面にカードを注ぎ込み背後のポンペイウス軍を蹂躙した。

 カードシステムは6枚ランダムに渡され、そのうち1枚を選択して捨て札とする。残りの5枚を持って1年5回の行動が行えるようになる。5回の行動時毎にはお互いのカードを比べ移動値が大きい方がその回のイニシアチブ(先攻)を握ることとなる。カードがイベントカードの場合イベントカードを出した側が先攻となり、同時にイベントカードが出された場合にはターン終了となる。

 イベントはアポロやネプチューンなどの神々の名前が記されており各々効果が違う。ポイントtoポイントゲームでありがちな各ボックスを繋ぐ経路の種類によって一度に移動できるユニット数が制限されるがそれを解除するカードや、戦闘に有利となるカードや、相手の戦力を削ぐものなど7種類用意されている。

 戦闘は各ユニットに定められた優先度とダイスの振れる数、ヒットさせるに必要なレーティングを元にダイスパワーで振り合うというシステムで、戦闘は同時解決でなく先に撃てるユニットの結果を適用してから次に移るというタイプで有利なレイティングを持つユニットは優位を保てる。損害はヒット数を戦力の多い順に割り振ってゆくので各ユニットに割り振ってゆく。他のゲームと違いステップロスはカウンターをめくったり、打撃数のカウンターを置いたり、カウンターそのものを差し替えたりというのではなく、立てているユニットを回転させて適正なステップ数の位置にするのはこのゲームならではのゲーム感。

 ヒスパニア方面のポンペイウス軍が蹂躙されるのはある意味時間の問題ととらえていたが、イベント「マルス」(戦闘に有利)などを駆使しさらには有力なレギオン第10軍団(高レート)を先頭にあれよあれよという間に陥落してしまった。

 誤算だ。あまりに早い失落はこちらの防衛計画が整わない内から次の目標を敵手に委ねることになる。

 ローマ方面は戦力の集中が充分とは言えず、アフリカは更にそれより状況が悪い。アジアに至っては広大すぎて兵力が展開完了していない。

 ポンペイウス率いる主隊をローマの地から退くべきかと悩んでいる間にカエサルとさらにはアントニウスが動き出した。

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 あっと言う間にはたき出されるポンペイウス。しかも逃亡の地に更に畳み掛けるように追っ手が蹂躙しイタリー半島を出ることなくポンペイウス戦死。勢いは留まることを知らずイタリー半島並びにシシリーまでもカエサル派によって押さえられてしまった。

 気がつけばアフリカも危ない状況だ。有力な艦隊によってサルジニア沖やアドリア海にてカエサル派の艦隊を打ち破る功もあったが、ちょっと海を渡る期間が遅れたぐらいで大勢には影響ない。

 ポンペイウス亡きポンペイウス派は求心力が失われたように各地で散らばっている。小アジア付近の軍団を修正し、後に来る大攻勢を前の抗戦を考えた。おそらくは次のターゲットはパンノニア、ダキア越えの小アジアへの突進だろう。それまでに守れる兵力が集まるか??ちょうどこの時点でカエサル側は7点を獲得し、ポンペイウス側も7点である。小アジアへの突進は得点確保から必定の道筋と言って良いだろう。

 筆者は考えた。おそらく敵はアテネとビザンティウムの2点を獲得し、さらにアフリカのウティカで追加の1点で合計10点で勝ち抜けるのだろうと。そこでウティカを取られないためにも有力な艦隊で制海権を獲得し、粘れるまで粘ろうと。

 しかし運は完全に筆者に味方しなかった。海上戦が有利になるイベントカード「ネプチューン」まで使いながらウティカの海軍はシシリー沖で壊滅し、制海権は敵手に委ねられた。

 さらにはアントニウス率いる部隊が予想通りに突進し、これを迎撃する我がレギオンは陸上戦が有利になるイベントカード「マーズ」を投入しながらも効果全くなくあっけなく壊滅してしまった。

 万事休す!もはや抗戦する戦力がない!

 実はこのゲームユニットが壊滅すると次の年まで徴兵できなくなっており、さらにはレギオンなどは徴兵できる場所が決まっており、その箇所を支配下に押さえていないと徴兵できない。敵の進攻が進むと徴兵できなくなり兵力が減ってゆくというのは当たり前ながら妙に感心してしまった。逆に進攻した側は進攻した地で徴兵できる新レギオンなどがあり簡単ながら流動的な兵力の変遷が再現される。

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 ダメだ!もう終わりだ!

 そう思った筆者を救ったのは時間だった。ゲーム会の後にイベントがあり、時間を決めてプレイしていたので時間に救われた格好になる。

 とは言え8対6で負けは負けである。

 プレイ後歓談した中で積み木だからと言ってなめていたら以外と奥が深く面白いなあと言う話になった。紙を模したイベントカードを知った時はゲンナリしたけど今となってはいい感じのスパイスになっているように思う。ルールは簡単でVPGのCaesar XLと同じぐらいだといても差し支えないだろう。軍事的な勝利、政治的な勝利双方をバランスしてプレイするCaesar XLと比べると勝利目標がシンプルなのでプレイしやすいのは確かと思う。もちろんCaesar XLはそれが魅力なのでそれはそれで良い。

 珍しく対戦相手のK氏が面白いからまたやろうと言い出したのはゲーム的にも面白かったのかなと思う。筆者も戦略ゲームとして面白いなあと思った。

 そういえば同じシリーズのリチャード3世も面白いと言うことなので機会があったら入手しプレイしてみたいと思うようになった。

 今回はこれでおしまい。

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