10月の戦い(2010年)その4【祭:D-DAY】含む
サドンデスで終了ということはそのゲームの持つ想定最長プレイ時間の途中で終わったという事になる。
話は変わるけど最近のゲームはプレーヤーがどう遊ぶか、どうやったらプレイしやすいか等まで気をつけて作られているのが多くなり、プレイアビリティが高いものが多くなってきたなあと思う。
中でも最近多く感じるのはことに国産のゲームに多いのだけれども、プレイ時間が1日未満で終わるように作ってあるモノが多い。中には1日で繰り返しプレイできるようにというものも少なくない。
やはりこのホビーのプレーヤーは多忙な社会人がほとんどとなり、時間をとるのも一苦労というのもあるし、このホビーだけでなく他のホビーやその他の生活雑件があるというのも理由だろう。
それを受けて最近のゲームデザイン談義で、所用プレイ時間というのがデザインするときにも重要なポイントであるようだ。いつからそう言うのが重視されたのか定かではないが、昔コマンドマガジンの付録となったリング・オブ・ファイヤ-にデザイナーによるそのゲームのデザインコンセプトなどを語るときに週末のフットボール時間云々と書いてあったのが最初のような気がする。
もちろん最初から短時間でプレイするように考えられたゲームというのは昔からある。例えばGDWの120シリーズなんてそうだし、その後の時代の翔企画のSSシリーズっていうのもそうだ。こういうゲームは1日がかりでワンプレイというのはそうない(ユーザーによってはあるかも)けど、他のゲームのプレイと併せてプレイされることが多いのではないだろうか。
と言うわけで短時間でプレイされることを念頭に考えられたゲームをプレイする事になった。
長篠・設楽原合戦(WGJ7)
以前ソロプレイ記事でちょろっと紹介したが、実はもの凄くプレイしたかった。ウォーゲーム日本史第7号の本作は長篠合戦を作戦レベル・・・・と書くと意味不明になるので長篠城攻めと設楽原合戦を広域的に扱うゲームだ。
過去にリリースされたゲームやリリースが予定された作品の中で広域的なゲームは既にあり、今回初めてというわけでないが本作の注目点は武田勝頼と織田信長の合戦ではなく、武田勝頼と徳川家康の合戦だという視点で描かれている。
ゲームの勝敗は各ターンの判定の判定フェイズにサドンデス条件を満たすかチェックし、最終ターン迄満たせない場合は武田軍が長篠城を落城させる/包囲すると織田徳川連合軍を7ユニット以上除去できていれば武田軍が勝利し、それ以外は織田徳川連合軍が勝利する。7つの連合軍ユニットの除去には条件があり、武田軍ユニットの除去が1つごとに連合軍の除去しなければならないユニット数は増えてゆく。
サドンデス条件は徳川家康、織田信長、武田勝頼が除去されると除去した側が勝利、または敵の補給点と呼ばれるエリアに自軍ユニットを置く事が出来れば勝利できる。
システムは戦術的に優位に立てる初期手札を持ちながら、カード補充→カードプレイ→戦闘フェイズ→判定フェイズという流れになっている。
カードプレイフェイズはカードプレイだけを指すのでなくユニットを移動(1グループのみ)させる、カードのイベントを実行する、パスするの3選択をする。織田徳川連合軍はその3選択の他に増援プールから増援を引くという選択肢がある。
戦闘は同時解決のダイスパワー。ただし兵種によって先制権があり、鉄砲は先に攻撃し結果を適用してから騎馬/足軽の攻撃となる。鉄砲隊が多く存在する織田徳川連合軍が有利かと言えばそうでなく、織田徳川連合軍にはステップは表しかないので1度損害を適用されると除去されるが、武田軍は2ステップ目があるので裏返されるだけなので持ちこたえる。
攻撃はユニットの攻撃力以下の目を出せば「損害」を与えることができる。また河川を越えてやって来たユニットは攻撃力が低下させられる。またカードのイベントで戦力がプラスマイナスしたりするものもある。
ユニークなのは移動。基本移動は1グループという単位で行われ、1グループは1~5ユニットでグルーピングされる。武田軍は15ユニットあり最小3グループに分かれるが、ちまちま1グループずつ動かさなければならないのかと言うとそうではなく、カードで複数グループや全軍が動けるものがあり、それを使用して動かす。また織田徳川軍の移動は徳川軍は普通にカードプレイの時に1グループ移動できるが、織田軍はカードのイベントでしか移動できない。
果たして展開はと言うと・・・
長篠城を囲む武田軍。しかし長篠城に囲まれる奥平貞昌の士気は富みに高く、武田軍の攻撃を寄せ付けない。長篠城での戦闘は1ラウンドしか行われない決まりと修正があるので武田軍は遠巻きに包囲して士気が落ちるのを待つ構えだ。
しかし織田徳川軍はカードイベントで長篠城の士気を下がるのを食い止めるプレイが連発したので武田軍は織田軍と徳川軍の合力がなる前に攻撃することを画策しはじめる。
織田徳川軍はゲーム序盤では徳川軍単独とも言える勢力で、同時に移動するためにはカードに頼らざるを得ないという連携の悪さ。ゆえに織田軍はカードプレイフェイズの織田軍の増援で着々と勢力を増し、徳川軍単体の弱さをカバーしようと企んだ。
とは言えあまりジッとしていると武田軍に連吾川を越えられ、大宮川を越えられると両軍の補給点攻撃と各個攻撃というフリーハンドを与えてしまうことになる。
というわけでおっかなびっくり織田徳川両軍を前進させる。
そういう時に限って徳川織田軍が連携して動けるカードは来ないもので、無駄に時間は過ぎてゆく、それに焦る武田軍は連吾川を渡河し徳川軍の目と鼻の先に迫ってきた。
今度は焦る徳川軍。川沿いに展開するも逆に相対距離は近づく。武田軍が突っ込んできた!と思ったら川沿いのルールを忘れていて、武田軍が大被害。
あまりに拙いので仕切り直して武田軍は織田軍方面に動き出した。
そこを徳川軍が武田軍の横をすり抜けて武田軍の補給点の方向へ前進。追いかける武田軍。さらに丘陵を無視して移動できるカードでショートカットして徳川軍に追いついた。
逆に窮地に立つのは徳川軍。しかし同数程度の戦力では武田軍に歩があった。しかも徳川軍のダイスの目も奮わず、三方原以上の大敗北を喫し徳川軍壊滅というオチで終わった。
D-DAY(CMJ46)
続いてコマンド誌46号付録となったD-DAY。このゲームは過去に翔企画のSSシリーズで発売されたものの再版だ。過去にもプレイしていて評価の高い一作だ。ZOCなし、同一ヘックス戦闘、部隊の質によって3ステージある活動フェイズのどれだけ動けるか決まっているなどと小振りながらも考えさせられることが多い。
久しぶりにこれをやってみようと言うことだ!しかし今何時やねん!
とっととプレイする事になった。SSシリーズとあってパパッとゲームスタートできる所は今でも色褪せていないと思う。残念なのはちょっとひねたルールが多いので、日本のゲーム界ではスタンダードになれなかったと思う。しかしこういうちょっと空いた時間で楽しまなければならないとした場合はこういう作品に頼らざるを得ないし、フルスケールのゲームとは違う楽しみができる。
筆者は珍しく連合軍。さっきも連合軍で大敗したので嫌な予感が頭をよぎる。
西部戦線といえばD-DAYことノルマンディ上陸作戦を抜きにしては語れないほど人気のテーマだ。そのノルマンディが手軽にできるとあって人気を集めたがちっさい割には結構考えなければならないゲームだ。
序盤は順調に前進できた。結構危ない英軍の3海岸もそれなりに前進。
ところがやっぱり猛烈な反撃が連合軍を襲う!増援が到着しにくい米軍戦線ではさほど影響はないが、側面を晒している英軍は史実同様連打。
気が付けばジュノー海岸は閉鎖に追い込まれた!
反対に大出血だった米軍戦線はカランタンに引き続きサンローまで落とした!
実はいいとこまで行けるんじゃあないの!って高揚していたらエラい事に。
ドイツ軍は先頭を切って走るサンロー方面の米軍に注視していた。このまま突っ切られると大きな包囲網になるのではないかと。
そこに装甲兵力をかき集め反撃に打って出てきた。
連合軍はそんなことも露知らずカーンに突入し、平押しで突き崩そうかと思っていたらバラバラと崩れる米軍戦線。英軍は独軍に拘束されたままの上、後続に上陸する部隊は戦車部隊がないという最悪なローテーションだったので、支えることができずにオマハ方面に大きな穴が・・・
そこへ雪崩れ込むドイツ軍装甲部隊は気が付けば英軍の橋頭堡までも踏みつぶすことに成功!
ああ!想定通り~残念無念。
と言うわけであまりに酷い結果に記事にするにするのも憚れたが勝ちがあれば負けもある。記事にすると今でもプレイしている人の存在証明になるのであえてアップします。
今となっては手に入れるのは難しいけどゲーム会に行けばプレイできる人は結構いるのではないだろうか?
そう言えばこのゲームもD-DAYだからちょうど【祭:D-DAY】ではないか!というわけでタイトルに記しておきました。
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