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2011/01/23

1月の戦い(2011年)その2

 概ねシステム的な動きが分かった所で本格的にプレイする事になる。

とは言え本ゲームでは経験値を稼いで万全の態勢のもりつち氏と筆者らとを比べると雲泥の差。しかし寄らば文殊の知恵とも言おうか、脳みそが二つあればコア2デュオで処理されるので思わぬ処理能力を出してしまうかもしれない。

 と言うことで我らがもりつち氏に抗するという図式となった。ただし単純にプレイすると艦船や航空機の性能・運用を熟知しているとは言い難い我らには不利は否めない。

 ならば空母が出てくるアメリが軍ではどうだろうか?

 と言うわけで今度はインド軍の空母みたいなのではなく最強の空母、アメリカの機動部隊が出てくるシナリオをプレイする事になった。

 最強の米空母部隊が出るのならそれ相応の戦力でなければならない。

 舞台はインド側のインド洋から離れ、ペルシャ湾・ホラズム海峡などのペルシャ側のインド洋へと移った。

プレイする前にペルシャ湾に米機動部隊という構図に、少し前に米軍の兵棋演習でボカスカ空母が被害にあったという結果に陥って演習が止めになったとかなってないとかそんな嫌な記憶を思い出してしまった。今回の敵は反米反動化したイランではなく、当時のゲーム出版時期に最大の脅威?だったソ連だ。

 同じ状況でないことにちょっと胸をなで下ろしたがよく考えればその演習より遥かに強力な敵であることを思い起こした。

5th Fleet(VG)シナリオ4「バルチスタン侵攻」

 状況はソ連がイランに侵攻したと言う設定で、ペルシャ湾内を航行するタンカーや事前集積艦(海兵隊など)を目的地に到達させなければならない。それらを守るのが英軍やイタリア軍を中心とする艦隊で、それとは別に米空母部隊がその後ろ巻きとなって支援している。

 ペルシャ湾内外の艦隊護衛だけならばそう難しくないが話をややこしくしているのは、ソ連軍には空母トビリシを中心とした機動部隊と、イランに入港しようと画策する補給艦隊、潜水艦の存在だ。これらの部隊を腹背に受けて任務を達成しなければならない。

 筆者はペルシャ湾内の事前集積艦や輸送艦、タンカー、それに付随する護衛艦隊と英空母アークロイヤルを中心とする英機動部隊を担当した。

 K氏は対トビリシ撃破などの任務を帯びた空母リンカーンを中心とした強力な米機動部隊が与えられた。

 本シナリオのプレイ記録は対戦者のもりつち氏のブログに詳しい。

 結論から書くと我ら米英連合軍は手練れのソ連軍の前に大敗北を喫した。

 さて、本ブログではペルシア湾方面指揮官としての筆者視点からのリポートをお送りする。

当初、両者の頭の中にはトビリシからの妨害ないしは撃破をもってペルシア湾の安寧を築くという漠然たる方向性があった。

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 序盤、戦略航空任務でソ連軍にイニシアチブを奪われたのは痛かった。我らのリンカーンをはじめとする機動部隊や、海兵隊を運ぶ艦隊が戦略索敵に成功され、逆に我が方の索敵は振るわなかったという状態になった。敵の航空戦力を甘く見たのが原因だが、ここまで一方的に我は暴露し、彼は隠蔽せしという状況に連合軍首脳部はいきなり消極的な対応に追われた。

 その結果いきなりソ連軍は活発に攻勢。巡航ミサイルで飛行場に打撃は与えられるは海兵隊を載せた輸送艦は沈められるはと暗雲が立ちこめる。

 さらには総大将の首を狙うかのように畳み掛けるように水上艦艇のSSM攻撃、潜水艦魚雷攻撃などと波状攻撃がなされた。

 幸い世界屈指の防空と、ASW能力のおかげで傷つくことはなかった。

 あまりに圧倒的なソ連軍の攻撃に恐れをなす我ら。海兵隊を載せた船団はリンカーンを含む機動部隊に合流させることとした。さらに近いアークロイヤルの艦隊よりは全ての面で強力なリンカーン側に合流したのは、より強力な方にすがったという方が近い。

 戦略索敵が失敗した我らは戦術索敵に頼るしかないが、残念ながらソ連艦隊を捕捉できなかった。何もしないわけに行かないので勝利条件にもあるイラン領の拠点を巡航ミサイル攻撃や空襲を敢行し打撃を与えて溜飲を下げた。

 ここでちょっと簡単にフリートシリーズの説明をすると、戦略航空作戦フェイズでエリアごとに航空機を4種ある航空任務に割り当てる。このフェイズの結果は1日3ターン(AM・PM・夜間)の活動に影響する。次に活動サイクルがあり、CAPフェイズがあり基地・空母上空のCAPを張ることができる。次に局地索敵フェイズがあり、索敵ゾーンの敵の発見チェックを行い局地索敵の正否を判定する。最後に活動フェイズがあり、3つある活動タイプ(水上・航空・潜水艦)を任意に選択し実行する。

 水上を選ぶと水上艦艇のスタックを動かせるようになり、潜水艦では潜水艦のみで活動する。この選択は同じのは2度選べないのでその時ベストなタイプを選ぶ。

 水上艦艇の場合、SSM、ASW、巡航ミサイルのうち2つを移動と組み合わせて実施でき、潜水艦は雷撃、SSM、巡航ミサイルのうち1つを移動と組み合わせて実施できる。航空機は移動の任意の時点で爆撃、SSM、ASWのうち1つを実施できる。ユニットのタイプによって動かし方、攻撃の方法が違うので非常に面白い。

 戦闘の方法も面白く簡単に説明すると、防御側の防御砲火やその他修正を加え、防御ダイス修正を求め、攻撃側はその求まった修正を加えてファイヤーパワーで判定する。

 話をゲームに戻そう。

 第1ターンの損害はかなりの衝撃をもって受け入れられた。しかし我が機動部隊は戦略索敵を受けている身なので非常に受け身だ。

 アークロイヤルで何とかしようかとも考えられたが、そこまでパワーのある部隊ではなくやはり海上交通の安全を目的とすべきだろう。

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 第2ターンは苛烈な海上戦闘が行われていたようだ。担当のペルシャ湾岸ではイラン空軍とソ連軍の航空戦を行ったり、タンカー輸送船を移動させたりしたのみで大きな動きはなかった。第1ターンのソ連空軍によるタンカー軍への波状攻撃に懲りたペルシャ湾方面では圧倒的に広域防空能力のある護衛艦隊の数が足りずCAPの傘に拠るのみだ。さらに言えば実はペルシャ湾方面はソ連軍の航空機が多く、制空権を取られることが多く内心ヒヤヒヤであった。何とかリンカーンの部隊がトビリシを捕捉して海の底へ葬って欲しかったが、索敵はソ連の側に利があった。

 ソ連軍の攻撃は優勢の得られる水上艦艇や潜水艦をもって行われ、多くの戦果を上げたようだ。逆襲で強力なASW能力で敵潜水艦を追い詰めたがなんともである。。

 心配なのは艦艇の損害が発生し、ASWや防空能力に不安が残る点だ。

 次のターンではペルシャ湾方面がそろそろやばくなってきた。残存イラン軍の飛行場が潰されはじめ、そろそろ足の遅いタンカー・輸送船の類が危機が迫ってきた。

 ふがいない空母機動部隊をさらに強力なものとするために、我が方面のアークロイヤル以下の英国艦隊を米艦隊に合流することとした。もはやSSM攻撃や航空機の爆撃を寄せ付けない強力なアルマダと化したが、実情は潜水艦1隻を追いかけ回しただけというお粗末なものであり、アルマダを名乗るものは滅ぶとの格言(そんなものは無い)どおりとなるようであった。

 2日目の午前ターンがやってきた。

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 空母が沈められるようでは拙いのでどうしても戦略航空作戦の比重が艦隊寄りになってしまってペルシャ湾が手薄になった。

 ソ連軍はここが畳み掛け所と大量に航空機を投入し、制空権を奪取ペルシャ湾に浮かぶタンカー類は丸裸となってしまった。

 そこへ各種航空機の波状攻撃が繰り返された。単機では優秀な機体でもさすがに数を投入されると対応が取れなくなってしまう。またCAPの傘と言っても密度の高いものではなく隙間は当然あるし、その範囲には入れない艦艇も存在してしまう。

 そういうものを執拗に狙われてしまった。イタリア艦隊などはタンカーの盾となりつつ沈んでいったが、結局は護送すべき船も失われた。

 全くいい所ナシのペルシャ湾方面だった。

 それでもオマーン湾には米機動部隊改めアルマダ艦隊が接近しつつあるので状況は好転するかと思われた。

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 第5ターンはソ連艦隊の動きが怪しい。と睨んでいたが、もはや我が手には手持ちの艦艇はあらずその部隊を指を咥えて見送るしかなかった。

 分離したソ連機動部隊はなんと輸送船団。筆者トビリシの艦隊はあまり注視していなかったが、何とこんなところに得点源があったのかとアークロイヤルを手放したのが悔やまれた。もちろんアークロイヤル単独でどうしようもないが、牽制にはなったのではないかと後悔。

 ペルシャ湾岸の七面鳥狩りはさらに続き、残存の至りや艦隊や湾岸諸国艦隊、タンカー・輸送船の残存艦に牙をむいた。ゲーム当初よりタンカー・輸送船の類の被害は覚悟していたがなんともである。

 この方面のイラン空軍はF14などを装備して米軍と遜色ない空軍力を持つがソ連軍の波状攻撃の前に数度の凱歌を上げ続けたが結局はフリーとなった艦船?からの巡航ミサイルで基地もろとも粉砕されてしまった。

 米英機動部隊はオマーン湾を海兵隊と共に北上、現地の輸送船・タンカー類を守りつつ北上する。

 米機動部隊司令官に行き先を尋ねるとどうやらペルシャ湾に入るつもりらしい。敵の海ペルシャ湾に入る度胸は大したものだ。筆者なんかはフリッツXの故知に倣って閉じた海には主力艦は入れてはならないという漠然とした不安がるが、アルマダ艦隊の主はどこ吹く風だ。

 最終ターン。パキスタン方面へと流れた艦隊は敵の輸送艦隊と聞いて愕然とする。それを狙わなければならないのではなかったかと気がつくが後の祭り。

脳裏に坂の上の雲のセリフが思い出された。

「目まぐるしく変わる状況に冷静な判断ができなくなりました。」

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 ペルシャ湾とオマーン湾のソ連軍はタンカー狩りを初めてスコアを稼ぐ。タンカー・輸送船で身重となった米英機動部隊にはさすがに襲いかかることはないが、何か間違えているような。

 ともかく我が米英軍はとんでもなく敗北を喫してしまった。なんと言っても敵の輸送船団を見逃したというのは取り返しのつかないミステイク。

 おびただしい戦没艦を前にして自らのミステイクはかなり痛い。

「この船には何名が乗員しておる。」

 思わず坂の上の雲のセリフが思い出された。その言葉が繰り返し反芻されたのは言うまでもない。

 今回の対戦で戦力航空任務をはじめとして航空ユニットの運用に大きなミスがあり杜撰だった。局地索敵で敵を発見できてもここ一番でハズしてしまったのも大きかった。また勝利条件で我が軍のユニットを使ってできる勝利条件は飲み込めていたが、敵のユニットで得られる得点については敵の揚陸で60点も許しており、これを半数でも撃破していれば緊迫した情勢になっていたかもしれない。

 フリートシリーズとしては入手の難しいタイトルだが、シチュエーションは面白く和訳も存在(HJの季刊タクティクスにて差分を訳出)しているので今後も機会をとらえてプレイしたいと思った。

 フリートシリーズは面白い。海戦ゲームの作戦級とはかくあるべしと言う思いを強くした。

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コメント

もりつちさん
どーもです。あまりの無定見に苦笑されたカモですが、当方はかなり楽しめました。また相手してやってください。

すいません。久々に記事を読んで笑わせて頂きました。
結果はとにかくとして、お楽しみ頂けたようなので、良かったです。

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