1月の戦い(2011年)その3
非常に楽しい海戦作戦級を終えた我らは続いてゲームをプレイすることとした。
山科会は個人宅を利用しているので、誰でも彼でも参加することはできないが公共施設とは違ってプレイ時間を延ばしたり打ち切ったりすることができる。
普段筆者がプレイする時は「山科会」とは名乗らないが、takoba氏やもりつち氏、ワニミ氏などの方々が来られる際には「山科会」を名乗っている。
会の開催時間は概ね彼らの帰宅時間に合わせて終了時間を組み立てることが多く、今回はもりつち氏の電車に乗る時間に合わせて設定された。
フリートシリーズを終えた我々は事前に決められた次のゲームに移った。
「さーて次はDIFでもしましょうか」
「え!それ何?」
フリートシリーズのみ注目してルールの読込をしていたK氏にとって、またもや新しいゲームを指定されて非常に不安に陥った。
「簡単な空戦ゲームです。」
「ええっ!!」
K氏は以前は何でもプレイしますと謳っていたが、ガンダムのゲームやエアフォースなどでかなり苦手意識を持ってしまい、最近は「空戦はPASS」と条件付けするようになっていた。
そんな条件付けしているのになんでやねんという顔をしているK氏に、「空戦でも色々な表現方法がある」 「カードだから難しくない」「空戦=重厚ではない」などの説得が行われた。
とは言えちょっと引き気味に説得されてしまったK氏は「お前の僚機でええわ。」という無茶無茶後ろ向けな発言から始まった。
Down in Flames (DVG)ポーランドキャンペーン他
さて今回プレイするゲームはカードゲームの空戦ゲーム。最近の空戦ゲームは単純にメカとメカを操るような精密な空戦のゲームから、本ゲームのようにカードプレイによって空戦を表現しているなどというもののように二極化していると言っても過言ではない。昔からチクチク航空機のデーターカードを眺めつつエネルギーの配分を行って機体の状態をコントロールする超精密なシミュレーションゲームもあるかと思えば本作のように手持ちのカードで敵味方の相対位置を決定し撃ち合うという簡単なゲームもある。
Down in Flames はDan Verssen Games (DVG)から発売の空戦カードゲーム。気がついた方も多いと思うが、過去にGMTより発売されていた同名のシリーズがある。GMTでは4作発表され、近年デザイナー自らのブランドとして改定発売された。
GMT版とDVG版の違いは細かく代わっており、例えばターンシーケンスなどがちょっと変わっていたりする(アクションカードの引くタイミング等)。
難しい空戦をどのように再現するかというと、それぞれの機体にエンジンのパフォーマンス値が記されており、その分のアクションカードを引くことができる。
アクションカードは相対位置の変更や、射撃などが記されていて、そのカードがリアクションカードになったりもする。先攻側がアクションカードを出し後攻がそれに対応してアクションカードで対応する。その相対位置によっては射撃力が増すことがありその射撃力で射撃する。
さて本作ももりつち氏のブログで詳細に語られているとおり、まずは簡単なインストプレイ後にポーランド戦役をプレイした。
ポーランド戦役の頃と言えばドイツ軍はメッサーシュミットBF109でもEという大戦初期に大活躍した機体だ。Eはエミールとも呼ばれ中後期のF型、G型、K型と比べゴツゴツとしていてスマートではないが力強いと言うことで筆者は好きな形式だ。またBF110という双発戦闘機も忘れてはならない。双発戦闘機というカテゴリーは随伴機なのか重戦闘機なのかあるいは多用途機なのかという非常に開発から軸足がブレていて各国ともその運用に悩んだ機種でもある。本機はこの後に起こったバトル・オブ・ブリテンで被害続出し、単発戦闘機には叶わない、随伴機としては使えないことが明らかになってちょっと人気が無い。とは言えドイツ空軍にはこの2戦闘機しか無いと言っても過言ではないので選択の余地はない。
そんな二大戦闘機をもつドイツ軍に対しポーランド軍はどうかというとPZL P11というパラソル翼でガルという古めかしいスタイル。出た当初はポーランド翼などと先進的で注目を集めたが、1939年では既に時代遅れで国外に脱出するのが精一杯だったと言われる。
もちろんそのような機体であるから双発戦闘機のBF110ですら余裕で当たることができる。
では簡単にポーランド戦役は片がつくのかと言えばそうではなく、目標に爆撃に行ったりする時に護衛戦闘機の脇をすり抜けて爆撃機隊に損害ができたり、爆撃方法、密集・通常・散開の選択が敵防空陣とミスマッチして爆撃結果が不良だったりして目標を達成できない場合がある。
実際筆者が護衛戦闘機を率いて高度を上げて待ち伏せしたら、低空で入る爆撃隊と敵迎撃機が先に接敵して撃破されたり、制空戦で僚機であるK氏が一撃で粉砕されたり必ずしもコンビネーションが良かったとは言えず、ポーランド軍を押しながらも粛々とした押し方だったので勝利条件的にはポーランド軍の勝利となった。
続いて押されまくって鬱憤の溜まったもりつち氏を救済するためにも、ハイパフォーマンスな戦闘機での空戦をしてみることにした。
P47Dサンダーボルトにゼムケという20機撃墜のエースパイロット付きVSFW190AとBF109Gのペア。
「えーサンダーボルトやろ~余裕じゃん」
ビルマ戦域の隼ファイターならそう言ったかもしれない。どでかくて戦闘爆撃機的なサンダーボルトはマスタングに比べ格下のイメージが強い。実はマスタングのような超優秀戦闘機に隠れて上昇力の良さ、大火力、耐久性の良い戦闘機であることは知られていない。
実際ダッシュとパワーに優れた戦闘機の前に名戦闘機でも初期型のA型を飛ばす筆者にとってとてつもなく強大な戦闘機であった。
案の定出力の余裕の大きい本機は筆者のフォッケウルフをあっと言う間に追い詰め、空中に四散させた。さすがブローニングの12.7㎜機関銃8門の破壊力は凄い。
まさしくあっちゅー間。
残るはK氏のメッサーグスタフ。一時はサンダーボルトに弾痕を残すほどの戦いであったがさすが空飛ぶバスタブ。非常にタフで煙すら上がらない。逆にエースパイロットが乗るサンダーボールとは強力であっと言う間に優位な位置を占められ、強力な一連射を浴びせられて煙を上げて墜落していった。
そんな馬鹿なという早業に一同驚愕。サンダーボルトって強かったのね。
とにかく楽しめた。最初は後ろ向きな発言をしていたK氏も積極的にプレイし、最終的にはこれなら面白いという言葉を発するようになる。やっぱり航空戦のゲームは未だ陸戦に比べて未分化であるのでこの作品をはじめとしてもっともっとたくさんのスタイルを持つゲームが出てくるべきだろうと思った。
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コメント
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Suzuki様
コメントありがとうございます!
おー!こちら方面に出張されるのですか~
素晴らしい話ですね~
その前にDVG版DIF買っておかなくっちゃ!(←オイ!)
投稿: ぐちーず | 2011/01/27 23:49
昔コメントした「訳者」こと、Suzukiです。
まったくの偶然ながら、DVG版DiFはマイブームでして、同時期に地元でキャンペーンを楽しんでいました。この種のゲームは初心者にもうってつけで、もっと多くの人がプレイしてもおかしくないと思っておりますが、あまり人気がないのは残念ですね。複数人の対戦相手確保に苦慮しています。
今年は関西方面へ出張の可能性あります。その際は、どこかの会場にてキャンペーンしませんか?
投稿: Survivor Suzuki | 2011/01/27 10:14