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2012/03/23

2月(2012年)の戦い その2

 最高得点を獲得しているゲームのプレイは終わった。さすがに手慣れたもの同士がプレイするのではなく、手探りしながらのプレイであったので慣れればまた別の視点が生まれるかもしれない。

 次のプレイはつい最近発売されたにもかかわらず結構高位につけていることからも興味をそそられた。もちろん発売当初のご祝儀投票や熱狂的なテーマファンが偏向した評価がされているせいかもしれない。

 そういう懸念もあるが、筆者も気になるテーマの一つ「関ヶ原」をモチーフとしているところからも懸念よりも確認したいことが山のようにある。

 なんと言っても海の向こうのデザイナーがどのように関ヶ原という事件をゲームにしたのか。カードドリブンと積み木という最近のトレンドをとらえたゲームは本当に関ヶ原で動くのか?名物の裏切りは?等々考え出したらきりがない。

積み木、カードドリブン、海の向こうの関ヶ原と言えば知っておられる方ならよくご存じのGMTのSEKIGAHARAだ。一時はファンタジー世界の関ヶ原かと目されたが、デバッグの結果それらしい姿に変わっている。

SEKIGAHARA(GMT)

 SEKIGAHARAは今となっては一大ウォーゲームメーカーとなったGMT GAMESから発売された日本の関ヶ原戦役をテーマとするウォーゲームだ。関ヶ原戦役・関ヶ原合戦のゲームは洋の東西を問わずデザインされ、日本史テーマとしては一番タイトル数の多いテーマではないだろうか。

 洋の東西と言えばり海外でも関ヶ原合戦のタイトルは数点でており、本作以前にもコマンド誌の付録となったリチャード・バーグのSEKIGEHARA、同じGMT社から発売されたGBOHシリーズの一作でSUMURAIというボックスゲームの中に関ヶ原シナリオがあったりと割と日本人にも手に取ることができる海外製日本史ゲームのテーマでもある。

 しかし大なり小なり資料が豊富にあり目の肥えたユーザーが多数いる地元が作ったゲームとは異なり、言語の壁という障壁がある海外デザイナーの作品はどこかしかエキセントリックでガイジンの見たセキガハラみたいな感じで苦笑いの対象となることが多い。

 とはいえ時代が進み情報の伝達が瞬時に行われるようになった現在では徐々にその手の情報格差から来る勘違いが少なくなってきたのではないか。

 今回のSEKIGAHARAはまさしくそんな感じのゲームであった。試作で開発中のコンポーネントなどはどこのパラレルワールドと思わせるようなグラフィックであったが、気がつけば多少の違和感はあるにせよなかなか馬鹿にできないレベルにまで肉薄している。

 妙なバイアスがない分、ゲームとしての本質を見極める術は彼らの方が有利なので果たしてどんな作品になったかというと、ウォーゲーム日本史の関ヶ原戦役にも似た作品となった。

まさか日本全土を対象にした関ヶ原になろうとは。

 プレイでは筆者は東軍を担当し、北に上杉、西に石田と対峙し、内線の利を生かすべく兵力を集中させんとするところから始まる。

 街道を移動するには兵力の移動制限があるので史実同様軍勢を数派に分けて移動させなければならない。

_igp1998
 戦力を集中させるのも重要だが、機先を制して射掛けるというのも重要だ。戦いのイニシアチブを奪い、相手の対応するまでもなく勝敗を決するという考え方だ。

 筆者なんかはあんまり理詰めの冷静なのは苦手で「お星様が呼んでいるとか」「はい、出ました」とかそういう系のタイプなので、ややこしいことは置いといてとりあえず突っ込んでから考えようとする。

 今回の場合集中している関東から道路の移動制限をかいくぐり、一路関ヶ原方面を目指す。

 関ヶ原を先に押さえ、大坂からわき出てくる西軍諸将を各個撃破するという目算だった。

 ところが問屋がそうは卸さない。

 関ヶ原に入った前衛は同じく関ヶ原を押さえんと出張ってきた西軍の先鋒と接触し、芳しくない結果に終わった。越前方面からの援軍も関ヶ原で撃退され、中山道の第2本隊も真田の軍勢に足を取られている。

 北では上杉成敗のはずがえらく押し込められて、関東も危うしだ。

 これらにはまま理由があって、戦闘の際にヒットを求めるのに同じ軍勢がいることや、戦闘カードに同家(家紋)がいることなどが必要となる。また打撃を与えるための軍勢の数も必要で、実はK氏の西軍は同じ家の軍勢がうまく固まっていたために、コンスタントに東軍に打撃を与える事ができた。最初から固定して配置される軍勢の他にランダムに選ぶ軍勢がことごとく揃っていたり近隣にいたという。

 あまりの消耗に各個撃破をもくろむはずが各個撃破されてしまったというお粗末な結果に終わってしまった。思わず何か間違っているのかなと思ったけど単純に東軍がそうではなかったということが判明した。

 まだまだ取っかかりを掴んだばかりなので断言こそできないが、何となく贅肉無き関ヶ原の戦略ゲームという感じで好感を持って迎えたい。

 

 

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