« 11月犬鳴会(2013年) | トップページ | 12月彦根会(2013年) »

2014/01/28

11月有岡会(2013年)

 ずいぶん前にゲーム仲間と好きなゲームの話をしていたところ、ワニミさんが好きなゲームはゲーマーズのOCSシリーズという話を伺った。なんでもそのシステムに魅了され、考え方、理解をスムーズにするのに参考になるとある本を贈呈を受けたほどで、その愛情の深さはマリアナ海溝より深いとわかった。
 で、その手のゲームを激推ししてくるのかなあと思ったら、そんなことはなく「あれ?あの勢いはなんだったんだろう」と首をかしげていたけど多分その特異な点があることを遠慮しておられるのかなあと思っていた。そうなんだろうなあと考えていたらワニミさん周辺が調子崩してきてちょっとの間姿を見せない時期があった。
 筆者自身はOCSについては既に何個か所持していて初期の頃のシステム的にネガティブな評判が大勢を占めていた頃からずーっと持っていてモンスター気味でプレイする機会がないから手放した作品もあるけどずーっと所持し続けている。内部ルールでコアユニットが師団級以上の作戦級はもういいやって思っていてもなぜかこのゲーム群は積極的に手放さなかった(でかすぎるのはさすがに)。
 システム的にも気になるところが多かった。もちろん奇襲判定に代表されるような人為的に操作しづらいCRTや、作戦の組み立てをクリエイティブにしてくれる移動と戦闘のモード切替、ZOCはあってないような弱ZOC、面倒くさいと印象づけてしまったけど作戦の重点はとはを意識づける補給ルール等々。非常に気になるシステムだった。
 そうは言っても関西圏でこれらゲーム群をプレイするのは難しい。しかし。。。。
 そうこう言っているうちに月日は流れ、ワニミ殿も復帰され有岡会として活動を再開されることが多くなった。なんとなしにOCSの話を振ってみた。そして・・・・
TUNISIA(MMP)Scenario 2: The Battle for Kasserine Pass
 ワニミさんとの話の中でどれがいいだろうかという話をしていたが、さすがにとんでもなくマップが広く、ユニットが多いと処理がしんどいんでもう少し手頃なのがいいのではないだろうかという話になった。候補は何個かあったけど持っているものの中ではTUNISIAはどうだろうかと言うことになってそれをプレイすることになった。
 今回はおそらく関西圏内ではOCSの経験度がかなり高いワニミ氏の胸を借りてOCSを教授して貰うという会であった。もちろんゆくゆくはキャンペーンなどをプレイするための布石でもある。
 まずは手始めとしてチュニジアと言えばカセリーヌ。シナリオ2カセリーヌ峠の戦いだ。OCSとしては図示しているテープで囲われた範囲で、ターン数にして3ターン、空軍ありの戦場で戦う。
 我らはドイツ軍を担当することになった。第10、第15、第21装甲師団を中心とする攻勢部隊が弱体と思われる米軍戦線を攻撃する。目標はテベサ、および平行して北上する道路にある突破地点より盤外突破を果たすことだ。
 さてOCSシリーズと言えばめんどくさい補給システムが独特なZOC無し(無いに等しい)作戦級というイメージがあるが、キャンペーンレベルでは筆者は未体験ゾーンなのでコメントできないがシナリオレベルではそれほど面倒だと感じなかった。
 要は攻撃防御にもそれぞれ補給ポイントが必要で、当然のことながら攻撃の時や砲撃の時は多めに消費する。ポイントの源泉は指定されたヘックスに毎ターン湧いてくるあるいは初期から配置されたポイントを司令部を介して消費する。部隊によっては自らトラックに乗せている場合があるのでそれを消費するにしても良い。
 補給ポイントはゲームを難しくするためではなく攻撃力の抑制として機能していて焦点の絞りきれない攻勢では効率的に消費できないし、むしろあっと言う間に消費し尽くしてしまう。キャンペーンではこれらを積み込むことによって作戦の塊、つまりキャンペーンを演出するものだろうと推定している。
 戦闘に関してはアクションレーティングという練度修正が奇襲判定なるものを経てダイスの目だったりに影響を与える。この辺の奇襲修正とかの振り幅の大きさはプレーヤーによっては許容補範囲を超えてしまうかもしれないけど基本相手のスタックの中身は見てはならないので様々な悲喜劇が起こる(一番上の戦力だったり戦闘解決時には当然見れる)。戦闘の結果として攻撃に参加するユニットが突破モードに変換されて戦闘フェイズ後の突破フェイズにさらに半移動と戦闘が実施できる。
 ユニットは徒歩、装軌、自動車化に分類されZOCは自動車化部隊の移動を妨げる。また戦闘力が大きく移動力が少ない戦闘モードと戦闘力は犠牲にして移動力を高めた移動モードがあり、それぞれ切り替えつつプレイする。
 基本的には空軍ユニットによる爆撃、砲撃などで前線を混乱に陥れてから移動モードの装甲部隊がすり抜け回り込み包囲撃滅していくというパターンが描きやすくなっている。

 プレイは筆者担当のドイツ軍が攻勢をかけねばならないので行動を開始する。盤面を見ると我が方はガフサ付近に第15装甲師団、ファイド峠に第10装甲師団、第10と第15装甲師団の中間に第21装甲師団が位置している。史実では第15装甲師団はフェリアナ経由でカセリーヌ(写真中央部)へと進軍し、シシブジットを堕とし北方へと前進していた第10および第21装甲軍団を加えて、その近くのウェスタン・ドーサル山脈を越えてあるいは迂回してテベサおよびターラに向けて前進した。
 ゲームではそして目標であるテベサに向けての突進はなんとなく史実と同じく装甲師団3つの投入が必須に思えた。と言うわけで我が方の腹案は南方のガフサに位置する第15装甲師団は史実と同じくフェリアーナ経由でカセリーヌを目指す。第10装甲師団は側面を第21装甲師団に守られつつジジブジッド攻略を行う。
 第15装甲師団は第10装甲師団の戦果を見つつジジブジッドからのあるいは北側からの英軍の遮断をする。第10装甲師団はジジブジッドの攻略をしつつ北側からの攻勢に備えつつ残敵掃討しつつ前進。やや手空きだった第21装甲師団は第10装甲師団を超越して第15装甲師団と合流する。
 と言うものだった。史実と違いジジブジッドに連合軍は誘引されないのでカッセリーヌからターラ、あるいはカッセリーヌからテベサというあたりで逆襲にでてくるものと思われた。ならば2個師団合流しターラを目指し北巻に攻めたらいいのだろうと考えた。
 プレイでは第10装甲師団はアクションレーティング差を見せつけるようにジジブジッドのアメリカ軍を駆逐した。長躯走り抜ける第15装甲師団はフェリアーナの抵抗を粉砕し、ルフトヴァッハと協調してカッセリーヌ付近まで攻め寄せた。
 この辺でちょっと歯車が狂ったのがウェスタン・ドーサル山脈を越えてテベサに突入できるかなと色気を出してみたが、山地に籠もるフランス軍が意外にしぶとく堅いので南からの逆襲に備えて有力な兵力(ラムケ旅団とかチェンタウロ師団)をウェスタン・ドーサル山脈の南側に貼り付けなければならないことだった。

 超越してきた第21装甲師団を従えターラは後続の残敵掃討する第10装甲師団等に任せウェスタン・ドーサル山脈の北側を迂回し突進をはじめた。しかしここでこちらの手札は尽きた。
 連合軍ターンではウェスタン・ドーサル山脈の南側から第1機甲師団の一団が迫り、北側からもフランス軍に増強された第1機甲師団の戦闘団がやってきた。
 連合軍は突出するドイツ軍装甲師団に空軍の支援と共に果敢に攻撃をかけてくる。ある時は第15装甲師団が混乱きたしたり、片翼包囲にあったりと。
 次のターンでは盤面上であちこちで戦闘必要箇所が発生しているのでこちらの台所事情が厳しくなってくる。不用意な砲兵の射撃などは慎みたいところ。

うーん銭不足で突破は難しいなあ~
 史実にほぼ近いところで補給ポイントが寂しくなってきた。攻撃時にはステップ毎に補給ポイント1Tが必要だが、防御時には戦闘単位で1Tないし2T必要となる。もちろんこれは戦闘補給の話で戦車部隊などの装軌という種類になると燃料を供給してやらねばならないのでフォーメーション単位で4T必要となる。燃料は供給無ければ一歩も動けないのでMUSTだが、戦闘補給の方は携帯する弾薬を使うという手もあるのでまだ余裕あるが、動けるけど気持ちよく攻撃できないと言う状況だ。ちなみに携帯する弾薬を使うと優先して供給与えなければならないので爾後の作戦の足枷となることもあるので要注意だ。
 そんなこんなで連合軍の反撃により窮地に立たされたドイツ軍だったが装甲師団の不断の反撃により持ちなおす。ではこちらから戦争を教えてやろうと言うことでテベサ前面で最後の攻勢を試みたが第21装甲師団がまさかの逆奇襲にて撃退されるというオチがついて終了しました。
 戦い終えてドイツ軍は厳しいけれども移動モード戦闘モードの切り替えで大胆にビビらずに攻めれば米軍のレートは低いので突っ込めば結構な線まで行くことがわかりました。
 今回初めてのOCSでしたがカセリーヌシナリオは空軍も扱って適度なサイズなので面白かったです。

Enemy at the Gates(MMP)Scenario 4: The Stalingrad Relief Operation 
 出版当時は物議を醸し出したEnemy at the Gates。あの頃から基幹ルールにバージョンアップが重ねられ気が付けばバージョン4になり、更にはマップも改訂されていた。もしかすると別物になってしまったのかもしれない。ボードウォーゲームもPCのアプリケーションみたいにバージョンアップを重ねることでどんどん良くなるのはいいことかもしれないけどそれを周知する手段も一体としなければならないと思う。とりあえず小難しいことは横に置いておいて今回のプレイはスターリングラードをリリーフするシナリオ。有名なギャロップ作戦かなと思ったがワニミさんはこれを推してきた。
 ドイツ軍がスターリングラード付近で包囲される第6軍に補給物資を流し込めれば勝利するというシナリオだった。しかし立ちはだかるソ連軍は簡単に装甲部隊の突破を許しはしない。。
 何でも以前検討した結果、針の穴に糸を通すような繊細ながらも放胆な作戦で本シナリオでドイツ軍が救援成功する可能性があるという。
 今回は新版マップでワニミさん作戦を検証プレイです。私はドイツ軍。ハイタワーになった装甲軍団に難儀しながらもソ連軍の海に思わず足がすくんでしまう。先ほどのドイツ軍とアマチュアの米軍とは違い、一皮むけたソ連軍は戦力、アクションレーティング共に侮れない。
 説明を聞かされてプレイして見るも今一要領を得ず(私の性格と理解力の問題)で突破できそうにないなあと思いつつもゴリゴリソ連軍の海を掻き分けてみたが、どうも酷いことになりそうな悪寒。
 よくよく二人で検討すると実は旧マップとは道路の書き方が違うため中央からの背後に回り込んでの集積所突破遮断作戦が通用しないことがわかった。
 そうなるとあとはお互い殴り合いとなる。ドイツ軍は一点突破したかと思うと横に起動してソ連軍の屍を築き、包囲陣の部隊は様々なペナルティが存在するにもかかわらず包囲するソ連軍を地味に攻撃し北側にて穴を開け、包囲部隊を慌てさせる一幕ももありました。
 結局お互いの補給集積所を焼きあってドイツ軍が勝利条件を達せずに敗北した。

 と言うわけでワニミ邸でのOCS伝授会は終わった。ワニミ邸ではフルマップ数枚のゲームを平げっぱなしにできる部屋とテーブルがあり、ゲームをプレイしやすくするツール類も完備してあり、さらにはシナリオの準備も万端ぬかりなく行われているのでプレイしやすい環境がある。いわゆるハードパンチャーなゲームであっても周辺準備が行き届くとプレイ障壁が下がる好例だろう。
 有岡会(兵庫県)ではOCSのタイトルをヘビーローテーションとしてプレイされることを表明されており、置きっ放しキャンペーンなど企画されているという。
 近隣の方(隣県)で興味を持たれた方は是非とも表明していただければ幸いである。また、単純に見てみたいなあと考えておられる方でもミドルアースでプレイされることが多いのでそちらに足を運んでいただければその雰囲気だけでも味わうことは簡単に可能だ。

 

« 11月犬鳴会(2013年) | トップページ | 12月彦根会(2013年) »

コメント

わ殿
ありがとうございます。
なかなか魅力を説明するのは難しいですが、微力ながら尽力しました。
引き続きよろしくお願いいたします。

本文中に登場の"ワニミ"で御座います。
丁寧な説明有り難うございます。

"駆足作戦"も良いですね。
引き続きまして、宜しくです。

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 11月有岡会(2013年):

« 11月犬鳴会(2013年) | トップページ | 12月彦根会(2013年) »

2020年11月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
無料ブログはココログ