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2014/11/01

4月山科会(2014年)その2

とあるゲーム会後の晩ご飯食べながら。
「あんさー」
「なんや」
「思うんやけど。俺失敗したなあって。」
「ああ、あのフリードリヒ危機での対応?」
「いやちゃうって。」
「なんや人生か。それなら既に知っている。」
(無視)
「ちゃうねん。いやホラ皆、なんかハンドルネームあるやん」
「ああそっちか。」
「もうちょっと考えてから付けたら良かったなあって。」
「しゃーないやん。他にも別名持っている人いるで。変えたかったら変えたらええやん。」
「何がいいと思う?」
「『囲んでポンスキー』でええんちゃうん。」
(ムハハハと笑うも無視)
「俺さあ。KAMIにしようと思うねん。」
「は?Σ( ̄□ ̄;)」
「いやあ。さすがに『神』にするとおこがましいから『紙』にしようかと。」
「Paperか??ヽ(~~~ )ノ ハテ?
(実のところ某女優さんからとったとのこと)

と言うわけで何でも無いハンドルの変更に付き合わされたのですが、あれよあれよという間にウォーゲーマーSNS(Must Attack!)内で改名宣言をしてしまったので以降は「紙さん」となります。
 話は変わって各所のサークルの腕利き、あるいはもりつちさんなどから面白いゲームはなにかって聞いたら最近はシモニッチのフランス'40の名前が良く聞かれるようになりました。
 シモニッチのゲームと言えばちょっと重めだけど面白さ保証的なネームバリューがあるのですが、さすがに40年のフランス戦ではちょっと難しんでないのかなって思っていたのでスルー予定だったんですが、あまりにその声が大きいのでちょっと試してみることにしました。
FRANCE'40(GMT)
 数々の名作を世に放ち、数々の屈強なプレーヤーより安定した評価を得ているデザイナー、シモニッチ氏はノルマンディ、バルジに続いて世に問うた作品は1940年のフランス侵攻、いわゆる黄色作戦の作戦級ゲームだった。同時期に一時期はMr.WW1の異名をとったテッド・レイサー氏も黄色作戦のゲームを発表しているので、何かブームだったのかもしれない。
 おおよそ、フランス戦のゲームはドイツ軍がフランス軍を圧倒したと言うこともあってどうも不信感がぬぐい去れなかった。確かに部分的にはフランス軍とイギリス軍の反撃だったり、兵器等のポテンシャルから多少なりとも善戦して見所はあるのかなと言う気がしないでもないが、いくらシモニッチといえどもそれは無理なんでなかろうかという疑問が頭をもたげた。その疑問を解消してくれるのはやはり腕利き且つ雄弁なプレーヤーによる紹介だろう。特に好みが似通っていたり、その嗜好が理解できればなおだ。
 今回は時々山科会界隈にもいらっしゃる「もりつちさん」が自らの経験を元にした解説をしていただいた。氏によると面白い作戦級ゲームで「アホ」マーカーを乗っけてフランス軍の行動を抑制する。云々かんぬん。
 おもしろおかしく説明いただいたので何だか従来のフランス戦では異色の出来のような気がしてきた。筆者なんぞは今までこのゲームの購入予定は全くなかったが、購入することに決した。


 攻勢主役のドイツ軍はフランス軍の堅陣を食い破らんと遮二無二攻撃をしてくる。やはり主攻と見えるのは地形が開けている北部だった。
ジリジリと押すが連合軍もフランス軍だけでなくてベルギー軍、イギリス軍もいるので中々兵力豊富だ。時間稼ぎをするように防御戦を貼る。
 ロンメルの第7装甲師団が撃破されそうになったがこれはルールの誤適用だったので少し巻き戻すことはあったが、全体的にドイツ軍の攻勢は単調なまま終始した。
 しかし意外に効いてくるのがGQG マーカーという仕掛けだった。ドイツ軍が任意のフランス軍ユニットに対して配置するマーカで、移動力が制限されたり攻撃が制限されたりなどの妨害をしてしまうマーカーで、史実での反撃不実施、ルフトヴァッヘの妨害等をあらわすものだという。もちろんマーカーはランダムに、そして時が経てば消え去るが、キーとなる部隊に対して配置されてしまうと行動計画の根底から崩れ去ることもある。
 このGQGマーカーをいわゆる「アホ」マーカーというわけだ。シモニッチにしてはえらくゲーム的な処理だなあと思ったが、これはドイツ軍にも似たような「ヒトラーの停止命令」というマーカーが対であり、ゲーム序盤はGQGマーカーがゲームの流れに制限をかけ、ゲーム終盤では「停止命令」が頭をもたげるというシームレスに停止要件が練り込まれていることに驚いてしまった。
 紙氏は北側で積極的に「アホ」マーカーを駆使し、我がフランス軍の防衛ラインに制限をかけたり反撃の芽を摘んだりと抜かりがない。筆者は四苦八苦して時間を稼ぎつつ反撃の機会を窺うのだ。時間を稼げれば勝利条件である突破を挙止できる。



 フランス軍の健闘ぶりに攻めあぐねるドイツ軍は目を転じて南でも攻勢に打って出た。フランス軍が北側で一生懸命になっているのを見て取ると手薄になっている南側でちょっかいを出してゲームが動くことを期待した。
 ドイツ軍の勝利条件では南北の鉄道線遮断と道路遮断が決定的な勝利得点を得られるが、各増援登場ヘックスを盤外突破と同じようにユニットを前進させると閉鎖という状態になり閉鎖させると得点になる。この増援ヘックスの閉鎖得点は南側の方が高得点が望める。


 さて、幾多の攻撃によって戦線のほつれが出てきたフランス軍だったがそこを突けばフランス軍は大崩壊するはずだっただろう。
悲しいかなドイツ軍が突破するには兵力が足りず突出すれば逆に反撃は必死の箇所に突破口は空いてしまった。要はそこへ注ぎ込む予備兵力が無いようだった。
 ドイツ軍はフランス軍が用意した穴に飛ぶ込むことはしなかった。後続のフランス軍増援や、他戦線からの抽出部隊などだけでなく今度は自らが停止命令という名の「アホ」マーカーを載せられてしまうことにおなりかねない。そうなってしまえば逆にフランス軍の余剰戦力が自由な行動をしてしまうことは明白だった。
 だがこの好機を見逃すことは出来るだろうか?
ドイツ軍プレーヤーの回答は
「否!」
であった。
足りなければ他所から持ってこればいいのだ!
 と言うことでドイツ軍は兵力をこの突破口目指して注ぎはじめた。

 側面など敵に心配させておけ!などとはよく言ったものだが、実際のボードウォーゲームで側面を放置したまま突進することは容易でない。
 ドイツ軍は「アホ」マーカーを置かれても最小限となるように装甲部隊を並進させて開口部を更に広げた。更にはマジノ線にも攻撃を仕掛けて攻撃を成功させている。我がフランス軍としては見せかけばかりの空城の計である側面は否定できないので、あんまり真面目に攻撃されるとたまったものではない。追従するように更に延翼させて側面を突こうとする。マジノ線に至ってはもう少し保つかと思ったのに平押しであっけなく陥落してゆくので呪いの言葉でもかけたくなってしまった。


 今更ながらアルゴンヌの森付近で大穴が空いてしまった。更には南に押されつつあるので穴は広がる一方だ。
 今度は我が軍にも回せる兵力が少なくなってきた。
 しかしここで今度はヒトラーの停止命令が効き出してきた。序盤の我が軍と同じく停止命令を置かれた部隊の位置加減で戦線を構築しなければならないのでどうしても強固なラインが引きにくい。
 そんな隙のある戦線が目の前にあったらどうするだろうか。やはりここはこちらから反撃を企てるのは道理だろう。
 北側の戦線がイギリス軍が数が揃ってきたこともあってある程度の安定を見せ始めている。抽出する部隊も北側からの圧力として突破口に向けて前進中だ。


 突出するドイツ軍に対する攻撃は脆弱な側面の歩兵部隊を蹴散らしてから第6装甲師団やGDなどを含む2個師団が包囲下に陥った。
 第6ターンで宴もたけなわであったが、時間が来てしまったのでここいらでお開きにすることにした。まだ4ターンほど残す展開だがドイツ軍が大突破なるかと思われたのにフランス軍の反撃で厳しい状況になってきた。この時点でドイツ軍の稼いでいる得点は皆無で本来ならこのターン辺りから増援ヘックスの閉鎖得点を稼ぎ、最終的には南北鉄道線の遮断を計ろうとしていたみたいだ。それがフランス軍の反撃でタイムスケジュールが崩されてしまったようだ。その遅れを取り戻す前に包囲下にある装甲師団軍の救出もあるので厳しい状況だというのがドイツ軍プレーヤーの感じた状況だった。
 筆者が見たところは反撃の成果で攻勢が遅延したとは言えおそらく巻き返しの得点で良い勝負になるのではないだろうか。おそらく僅差での勝敗になると想像した。
 流石シモニッチだ。
 一方的な流れの中にもちゃんとドラマが生まれるように織り込まれていたり、バルジ、ノルマンディとルールの整理と進化がうかがえて面白いなあと感じた。話を聞いて鼻で笑ってしまった「アホ」マーカーも自らの不明を恥じるのみだ。
 本ゲームはフランス侵攻の緒戦を扱う大釜の一閃シナリオの他にマップから違うダイナモ作戦を扱うダイナモシナリオがある。ダイナモシナリオはプレイしていないのでまたプレイしたいものだ。

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