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2018/05/07

2月山科会(2018年)

2月に行われた山科会無印は2017年にプレイできなかったものを中心に選定されることが多い。

最近多いのはとてつもなく増えてきた雑誌付録ゲームだ。本邦2誌の他にS&T、WaW、MWと3系統あるDecisionやCompassのPaPer Wars、マー君の実験場Yaah!イタリア、スペイン、フランスなど最近では台湾・中国本土などからも各種様々な雑誌付録ゲームが刊行されていて全部フォローするのは不可能になりつつある。

そうなってくるともはやテーマで選定しなければならなくなり、消費者的には嬉しい状況だ。

ちょっと前ならばそこまでの選択肢はなかったけど今や(和訳がある限り)国内外で取捨選択される群雄時代と言えるかもしれない。

で、筆者の最近の好みとしては80年代WW3、近未来戦、戦術級などでありまたこれが結構刊行されているケースもあって嬉しい悲鳴を上げている。

今回は日曜の昼下がりからプレイしたこともあって以下のゲームをプレイできた。

  • Visegrad: The Coming War in Eastern Europe(MW#16)

Modern War誌お得意の東欧での近未来戦だ。

Visegrad: The Coming War in Eastern Europe(MW#16)

ヴィシェグラード・グループ、V4とも略されるチェコとスロバキア、ハンガリー、ポーランドの4カ国は伝統・文化的に近いこともあって、各国の友好・協力関係を進めていてエネルギー輸出では西欧にパイプラインを引くロシアと競合関係にあり、昔からの因縁もあることから軍事衝突に至るという設定。

ロシア軍はパイプラインを止められた報復でポ-ランドのフラッキング施設を破壊に赴く。短期間の軍事行動でフラッキング施設を停止せしめればV4連合国を交渉のテーブルに着かせることになる。

フラッキング施設というのは水圧破砕法を用いた従来では採掘できなかった層からシェールガスあるいはシェールオイルを採掘する施設でロシアにとってみればガスの価格を左右する諸悪の根源となる施設であった。

ロシアからエネルギー供給を受けている西側諸国などもあることから足並み揃わないであろうが、いずれ米軍の介入を受けることから短期間に戦役を終える必要があった。

筆者はロシア側でプレイする事にした。なお世界設定の前提でウクライナはロシアに支配されているのでロシア軍はロシア軍の他にベラルーシ軍及びウクライナ軍がロシア側の軍として参戦する。

ターン構成は管理ターン

→露軍プレーヤーターン(補充→V4軍航空妨害→移動→戦闘)

→V4軍プレーヤーターン(補充→露軍航空妨害→移動→戦闘)

というシンプルなターン構成。

本ゲームで特徴的なのはCASマーカーとサイバー戦争マーカーの2つがあり、CASマーカーはその名の通り近接戦闘支援つまり地上戦のコラムシフトにに使われたり交通妨害任務についたりする。

サイバー戦争マーカー(以下CWマーカー)は管理フェイズに両軍が使用するCWマーカーの数を予約し、地上戦あるいは航空戦に影響させたいか振り分ける。

地上戦ではCW戦闘CRTが使えるようになり、C4iなどの戦術的テクノロジーの優越を表している。CWマーカーは使用後に戻ってくるので手持ちのCWマーカーとCASのやりくりで作戦のムーブメントを生み出すのだろう。

ロシア軍は米軍が介入する前に有利な地点、あるいはフラッキング施設を破壊しておき最終ターンを迎える。勝利条件はサドンデスが全てのフラッキング施設のヘックスに侵入した時点でロシア軍勝利、逆にミンスク、キエフまたはモスクワにV4連合軍ユニットが侵入すればV4連合軍の勝利で、それ以外は最終ターンにダイス判定でフラッキング施設数未満の目を出せばロシア軍の勝利となる。

ロシア軍はフラッキング施設を踏めばいい(保持する必要は無い)ので無責任な攻勢を企図できなくもないが、逆に脇をすり抜ける連合軍のサドンデス狙いを誘発しかねない。

またロシア軍の展開方法にも注意を払わなければ進入する地点によっては他国の介入や連合軍の補給源が拡大されるので要注意。

プレイは最も手の出しやすいポーランド南部にあるクラクフ近辺のフラッキング施設群を狙う。ここだけで全フラッキング施設分の半分存在しているので早期に押さえておきたい。

構想としては攻勢は2段階でポーランド南部のフラッキング施設を押さえ、次にワルシャワ近辺の施設を押さえる。米軍介入前に7箇所前後を押さえることができれば連合軍は残る施設の防備に兵力を割かねばならないので反撃も散発化するのではないかと考えた。

その為に不用意な介入や拡大を抑える腹づもりであった。もちろん連合軍が弱体化していればその限りでなく残りのフラッキング施設に向けて攻勢を続ける。

ところがプレイの状況は意に反した経過をたどってしまった。

1ターン目のフラッキング施設破壊は順調に進み、2ターン目に残りの施設を破壊し、ロシア軍・ベラルーシ軍の攻勢でワルシャワ近辺まで押さえられる予定だった。

しかし事件は2ターン目に起きてしまった。

「2ターン目だから2未満、1の目を出せばアメリカ軍介入なんやろ?」

「そのとーり。一応サイの目修正で成功値が上がること無いようにケアしている。」

「ま、出ないけど俺最近ツイているから...」

ダイスタワーにダイスが流し込まれる。

コロコロコロ。

「よっしゃ!!!俺キテるは!!もっているねぇ」

想像に反して早期の段階から米軍の介入が始まってしまった。一応想定はしていたけどこれからの戦が辛くなるなぁ。

筆者の地域限定戦略が裏目に出て側背から米軍部隊が介入してきた。我も断固とした反撃でワルシャワを占拠せしめ(勝利条件的には特になし)、フラッキング施設をさらに破壊しワルシャワ北方戦線の維持には成功したものの、南部戦線は米軍主体の側背からの浸透を許してしまっている。

米軍はユニット数が少ないとは言えゲーム中最も強力でかつ移動力が大きい。あれよおあれよという間にベラルーシ軍は壊滅し、ウクライナ軍も息絶え絶えである。

殲滅戦の結果米軍がフリーハンドを得たのと同時に手空きとなったハンガリー軍がウクライナに向けて前進し始めこれに抗する兵力は僅少なためロシア軍の敗北で協議終了とした。

BGGのスコア的には低いけどこういう設定から練ってある作戦級ゲームはパッとプレイするには面白いですね。

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