5月山科会(2018年)
5月のウォーゲーム会も2回行えた。時間の都合上短時間であったので大物のゲームはプレイできなかったので比較的短時間で終えられる戦術級などをプレイした。短時間であれば手慣れたゲームをプレイするべきだと考える向きもあるけど、多くのテーマを抱える我々はそれほど手間をとらないゲームを選択した。
今回プレイできたゲームは以下の通り。
- Combat Veteran(DG MW#31)
- Manoeuvre(GMT)
Combat Veteranは以前より推進している色々な戦術級ゲームをプレイすると言う取り組みの一環で、Manoeuvreはボードゲーム寄りな立ち位置ながらもゲーム会向けの作品であるから一度プレイしておきたいというのがあった。
Combat Veteran(DG)MW#31
Combat Veteranは最近にわかに多くなってきた戦術級ゲームの一つだけども、よくある分隊級、小隊級のクラスの戦術級では無く1コマ1人という最も小スケールの戦術級ゲームの一つだった。
一人一コマというとAH のFire Powerなどが有名だけど雑誌付録としてはS&T誌のIron Crossなどがあるとは言えそんなに潤沢にあるスケールでは無い。
システム的にはFire Powerと同じくユニットのポジション(ルールではスタンス)によって移動力や射撃に対する防御力が変化する。
例えば走行であるrunは歩行の場合の倍の移動力である12移動力となるであるとか全力疾走であるsprintは相手の射撃に対して-2個のダイス判定が付くだとかある。しかしその種類はFire Powerの姿勢、スピード、状態が複数あり対するCombat Veteranは5種類であるので単純にシンプルにしたとだけではなさそうだ。
ターン構成はプレーヤーターンに別れていて回復→状態変更→移動→戦闘の順番で回ってくる。Fire Powerはチットを引いてアクティブとなったプレーヤー側が1兵士を活性化させるマルチインパルスシステムであるのでプレーヤーターンに別れているCombat Veteranとは大きく違う。
戦闘は攻撃力の数だけダイスを振り出た目に応じた撃結果を適用する。攻撃のダイスの数は地形効果であるとかスタンスによって減ぜられ、射撃結果は1~6に無効化のダイス目から負傷までの結果が割り当てられており、無効化の1は他のダイス目を無効化するので相手にダメージを与えられる結果の目を出したとしても無効化のダイス目分防御側が他の結果を無効化できるようになっている。
ゲームは水田の遭遇戦というシナリオをプレイした。水田を挟んでの米軍第9歩兵師団とベトコンとの戦いだ。遭遇戦と言っても隠匿配置でバンカーを与えられているベトコンはバンカーに隠匿配置した兵員で待ち伏せを策する。
筆者はベトコン側をプレイしたがバンカーに隠匿配置するスタックの数がそれほど多くなかったのでスタック制限ギリギリ(追加ダメージを喰らわない数)の米軍の攻撃にどうしても撃ち負けてしまい支援砲撃の苛烈さもあってあっと言う間に複数のバンカーが沈黙させられてしまった。
勝利条件が敵兵員の殺傷という単純なものであったので既に大きくスコア差が上げられてしまいこのまま行っても同じ形態の繰り返しであるか巻き返しが可能なほどの戦力集中と打撃が見込めないことからシナリオの半分をすぎたところで協議終了した。
あまりに簡単に駆逐されてしまったのであれれ~となったけどBGGの写真見ても同じような配置があったのでこんなものかなと思っていたけどやっぱりもっと配置に工夫しなければならないのかな。
Manoeuvre(GMT)
プロイセン軍vsオーストリア軍
次にプレイしたのが本作。かのGMTから出ているナポレオン戦争あたりの戦いを抽象的に再現したゲーム。精緻な会戦級と違い各国軍の違いをユニットの能力と戦術の違いで見せるというボードゲーム寄りのゲームでもある。
4枚のマップを組み合わせ抽象的な地形表現などを見ると大昔のファンタジーゲームにも見えなく無い。ところが戦術カードとその行使できる内容などを見ると不思議とその国らしい色づけがなされていて思ったより面白いかもと思えるのだ、
当然国ごとに得意不得意があるのでどの国も対等な位置にあるのでは無くてやはり強い軍と弱い軍が存在していまう。やはり主題のフランス軍となると最強であるしスペイン軍はゲリラ戦戦術が多いなどである。
初回としてはプロイセン軍とオーストリア軍の戦いを選択した。
我がオーストリア軍は右翼偏重でプロイセン軍に突っかかる。各ユニットに活性化させるカードが割り当てられているので手札に部隊カードが無いと攻撃もできなければ有効な防御もできないので手札のやりくりは難しい。
序盤の偏重策はプロイセン軍の猛攻の前に撃破される部隊や押し込まれる部隊が出てきてこのまま押しつぶされるかと危惧した。
こちらに左翼が手薄なのがいいことに我が軍左翼にも部隊を進出させ進出ポイントを得ようとするプロイセン軍。
ずーっと押されていた我が軍は増援カードで部隊が復活し息を吹き返す。左翼に進出してきた敵軍が目障りなので今まで活性化できなかった左翼側の部隊で横槍を加え、右翼側でも攻勢限界に達したとみるや逆襲に転じ敵軍を追って行きプロイセン軍を瓦解せしめることに成功した。
英軍vsアメリカ軍
第2戦目は英軍とアメリカ軍となった。最強寄りの英軍と最弱寄りのアメリカ軍である。筆者はアメリカ軍を担当する。アメリカ軍は他の軍隊と違って自主的に撤退できるユニットが多く無用の戦を避けることができる。
戦いを始めると相手側英軍の高パフォーマンスに度肝を抜かれる。歩兵・騎兵共に強力でカードも奇襲などが無い変わりに平均的に使えるカードが多い。対してアメリカ軍は撤収能力があるものの攻撃力が総じて低く、奇襲など鬼手で相手を翻弄するのが本分か。
展開は予想されたかのように英軍は平押しでアメリカ軍を押しまくり次々と打ち破られた。このままでは我が軍崩壊~って言うところからアメリカ軍が本分を発揮し始めた。
サドンデスギリギリの所から1部隊、2部隊と撃破し始めて次第に焦り出す英軍。本来なら撃破されてしまった側が撃破されてしまった部隊カードなどの不要カードが手札に占める割合が多くなり、カード回しが悪くなるものだけど、運良くアメリカ軍の撃破された部隊はカードを使いきった位で撃破されているのでカード巡りは逆によくなり英軍側の方が悪くなってきた。先ほどの対戦の逆であった。
しかしそんなカード巡りもいつかは潰えるもので、ちょうどカードの山札を使い切ったので切り直して使うようになるとアメリカ軍も活性度は落ちてきて最後は英軍全軍に追いかけ回されるようになるとあっと言う間にアメリカ軍は崩壊した。
英軍のカードももうすぐで使い切るところだったので場合によっては引き分け判定勝ちを狙えるとこだったけど残念ながら地力違いはそれを許さなかった。
今回は2ゲームをプレイできた。前々よりプレイを考えながらプレイできていなかったゲームをプレイできたのは達成感がある。
今回のプレイではいきなり2回プレイしてしまったManoeuvreの評価は高かった。どこそこの戦いをシミュレートというウォーゲームとボードゲームの分水嶺とも言える所はオミットしつつも当代の欧米各国軍同士の戦いをアブストラクトに再現している。将棋/チェスみたいやねとの声もあったけどなるほどそう言えばそうとも思えるし、戦術カードによって色づけされたユニットには将棋やチェスには足らないものを感じさせてくれる。ファンタジーなゲームもできそう(あるようだ)だし大昔コンシュマー機でプレイした光栄の「蒼き狼と白き牝鹿」みたいなノリでもある。ちょっとした間には楽しめるのでは無いだろうか。人気があったのか続編も出版されていて清や日本、インド、スウェーデンなどの軍が追加されるとのこと。
なお本作はThunder Alleyのデザイナーと同じであるのに驚いた。
これよりもう少し会戦チックに迫りたければCommands & Colors系にいけばいいのかな。
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