11月山科会(2017年)
7月も半分を過ぎ、すっかり忘れていたことを思い出した。
昨年にプレイしてブログ記事にできなかった対戦を順次作成してアップしようと思っていて5月頃に何本かアップしたものの書きかけで忘れ去られていた記事が1本あった。
それが今回の記事で5月、6月に作成したものを大幅に加筆修正したものだ。
昨年の11月にプレイできたゲームは以下の通り。
- Donetsk: The Battle for the Airfield(FPG)
- マーケットガーデン作戦(国通)
Donetsk: The Battle for the Airfield(FPG)
ゲーム付き雑誌YAAH!MAGAZIN付録のドネツク空港の戦いは2014年にあったウクライナと新ロシアの分離派の反政府勢力との間でおこなわれた空港を巡る攻防戦だ。
A3クラスのマップ、80個のカウンター、雑誌付きゲームであるにかかわらず視線や高度などが織り込まれた内容となっている。ウクライナ軍、分離派反政府軍共に兵器のアイコンが配されており、いつもの西側兵器と違ってロシア系兵器が主体であるので目新しい。
システムは主導権フェイズ-アクションフェイズの2構成。主導権フェイズは先攻を決めるだけでなく火力支援の計画と前ターン計画分を解決する。
アクションフェイズは主導権を握った先攻側が先にユニット(条件により複数)を活性化し次に後攻側が活性化するという交互に活性化させアクションを行うというものだ。複数活性化させるためには指揮官が必要で、アクションは移動、射撃、移動/射撃、オーバーウォッチ(監視)のどれかを選択する。アクションの大半はよくある内容だけどオーバーウォッチは相手フェイズにLOS内で行動する敵ユニットに対応射撃を加えることができるように指定しておくというもの。
この他主導権レベルの他に躊躇レベルも設定されており、こちらは損害などによって士気が低下してゆき士気崩壊する様を主導権レベルの低下で表しており、その低下が躊躇レベルを超えてしまうと今度は主体的な行動がとれなくなってしまうと言うものだ。
システムはおおよそ手堅いよくあるシステムなので1度聞けばおおよそ把握できるものでないかと思われる。
分離派を担当した筆者は盤端から侵入する。ウクライナ軍は飛行場の重要施設を占拠していてこれを排除しなければならない。勝利条件は空港内に設定されたエリア内の建物をどれだけ占拠できるかだ。
ウクライナ軍は複層階の建物を複数占拠しており、堅い防御施設だけでなく中には観測ポイントとして有効な地点も押さえており、できるだけ早くにこれを排除したいところ。特に建物外から少し離れたところにある管制塔はマップのどの地点も観測できるので分離派としても奪取したいところ。
前進する分離派、そんな分離派に管制塔からの観測による砲撃が容赦なく降りかかる。支援砲撃は着弾偏差があるのでそんなにしょっちゅう当たらんだろうと思っていたし、当たってもたいしたことないだろうと思ったら当たるしダメージが加えられ、行く先に暗雲が漂った。
管制塔を奪わねば!と言うことで分離派はT-64BVとT-72B3の戦車部隊を中心とした任務チームを遣わしたが、対するウクライナ軍もT-64BMを配置してこれを迎え撃つ。ここで戦車の説明をするとT-72B3はT-72系戦車では最新の改修モデルでイラクでボコボコ撃破された輸出モデルとは違うT-72の真打ちモデルの一つ。このゲームでは最も強力な戦車。T-64BVは爆発反応装甲付きの改良型でT-64BMはウクライナがT-64を改修したオリジナルバージョンで色んなものがウクライナ仕様になっているけどゲーム上ではロシアのT-64BVとの差は移動力の差があるのでエンジンが強化されたタイプだろうかやや足が長い。
砲撃を受けつつ市街地を前進する主力部隊はようやく空港内に侵入できる状態となった。管制塔を巡る戦いは双方ダメージを受けつつ競ている間に戦いの焦点は敷地内に移りつつあった。砲撃の回数と敵味方が混在するようになると誤射の危険も増すので必然と重要性が下がっていった。
ならば敵の背後に出て混乱を誘うのが面白かろう。いい位置に占められれば追撃する部隊も撃破できよう。放置されるなら敷地内を荒らして主攻部隊の助力とするのがいいだろう。
しかし期待とは裏腹に高機動なウクライナ軍のT-64BMは振り切れずにT-64BVは滑走路付近で残骸と化してしまった。滑走路を戦車で走りたかったなぁ。
戦いの焦点は空港敷地内の建物の争奪戦に移った。延翼運動で戦火の地域を広げできるだけ建物の奪取を図る。それを妨害しようとウクライナ軍も真面目な反撃に出る。PARKAIDEを攻撃せんと圧力をかける分離派はT-72までも投入しての攻撃となった。これらの押し合いへし合いの結果は建物ヘックス5ヘックスの奪取になったので引き分けの結果となりゲームを終了することになった。
ドネツク空港の戦いというテレビや報道などでちらっとぐらいしか見たことない現代戦を分隊・150m級で再現した本作は意欲的で興味深い内容だった。最近流行のヘックスのエッジがほとんど描かれないスタイルなのでヘックスのセンタードットを頼りに配置するものの気が付けばズレていてと言うことがあったのできれいなマップとは裏腹に弊害も発生していた。
デザイナーのRyan KirkさんはBGGによるとまだこの作品だけみたいなので今後に期待したい。
マーケットガーデン作戦(国通)
ドネツク空港の戦いが終わって少し時間が余ったので何をしようかなと思っていたら不意に紙氏からの提案がなされた。
「俺なぁー、このゲームで試してみたいええ手があんねん。」
今までの経緯から言えばこれはヤバタニエン案件である。これは断って対案を示せばも全く問題ない案件なんだが、
「そう言えばこちらも試してみたいプランがある。」
と血迷ったことを言ってしまった!
その責は血で贖うのだ!
さっそくプレイしてみるとこれが全くの最悪の組み合わせだった。いわば飛んで火に入る夏の虫!!
まるでマジスカ小六!!
「うわー!!」
「ひゃひゃひゃひゃ」
「このタイミングで空挺部隊!!」
「ひゃひゃひゃひゃ」
「うわー!!」
気がついたらユニットは溶け、敵には側面背面に回られ、対応しようにも逐次投入となり、そうなると各個撃破され、ドイツ西方総軍はドイツ国外で壊滅する羽目に陥ったのであった。
数は少ないが今回も楽しんだ。次回にも期待したい。
« 6月山科会(2018年) | トップページ | デカカウンターを収納するあれこれ »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント