6月山科会(2018年)
6月の山科会は新しい戦術級ゲームを投入できる目途が立った。最近は色々と戦術級のゲームがリリースされているので、それをフォローするだけでも大変だ。
海外のゲームは国内商業ラインにのるか事前の人気が無いとルールなどは翻訳されないけど、誰かの気が向くまで待っていても何も進まないので自分の周りだけがプレイするなら多少の荒い訳であっても原文のガイドとして扱えばよいのでライセンスであったり和訳予定になってない気になる作品は自分で訳すようになってきている。
所詮は素人の個人訳であるので「できた!」といってもこれからプレイして検証であったりおかしな所しっくりこないところの訂正であったりしなければならないので、むしろこれからがスタートと言っても過言ではない。
今回プレイできたのは以下の2件だった。なぜか双方とも似たような時期のベトナム戦争だったのが面白い。
- '65 Squad-Level Combat in Vietnam(FPG)
- LZ ARBANY(MW誌#24)
'65 Squad-Level Combat in Vietnam(FPG)
'65 Squad-Level Combat in Vietnam(以下'65)はデザイナーのウォーカー氏がGMTのCombat Commanderを愛好し、その影響をモロに受けたと思われる作品で、ベトナム戦争の分隊戦闘という1度聞いたことあるようなジャンルで再び問うてきた。
Combat Commander風ではあるけどNAM戦と言えば単純にCombat Commanderのように歩兵の携行兵器だけの小戦闘だけではないし、ヘリなどの支援火器も頻繁に登場することからも単純にそのままというわけにはいかない。
歩兵や戦車などが並列していると言う意味では同じGMTのFighting Formationが思い当たるけどこちらはCombat Commander的なシステムではないのでより'65 の方がCombat Commander風と言える。
そこでカード上で歩兵などのソフトスキン系と装甲車両などのハードスキンを同じ処理できるようにゾーンが分けてあり混在してもシームレスに処理するようになっている。装甲車両と歩兵との間にある射程のオーバーカバー問題はそこまでプレイしていないので良くわからいが、ヘックスが大きめでジャングルなどのLOSを遮断しがちなマップが多いので一方的にハードスキン側が有利と言えそうにも無いようだ。
コマンドも1枚のカードに2種類の行動が記載してあるので何らかのコマンドが巡ってこないというのはやや少なくなっている(ハズ)。
またユニットには特技アイコンや特殊能力などがあるのでカードの利用であったり追加機能がアクティブになったりとCombat Commanderとの差別化が図れている。
プレイは筆者がベトコン側を担当してプレイした。パトロールする米陸軍にベトコンの大軍が遭遇してしまうと言うシナリオ。米軍は支援砲火を得られない代わりに射程が長めで近接するまでに兵力を削れる可能性がある。対するベトコンは支援用に機関銃を持っているとは言え基本は射程を詰めて懐に飛び込んで打撃を与えなけらばならないようだ。
地図板の方は深いジャングルと浅めの植生間に開豁地が横切っていて、ベトコン側は深いジャングルに居て、米軍は浅い植生の方にいるという感じだ。
イメージ的には深いジャングルから飛び出るベトコンをM60などで火制する米軍というイメージが浮かぶが、最も多いシチュエーションでもある。
ベトコン担当としては地形を最大限活かしつつ近接し自らのレンジに引き込みたいところ。
集団を左右に分け、米軍に揺さぶりをかけつつ米軍の配置が揺れたところにベトコンをどどどっと雪崩れ込ませる。右翼のベトコンはジャングルの出っ張った部分から圧力をかけ、M60分隊の周りにいる米軍分隊を射程の長いRPKなどで少しずつ削りながら徐々に接近。
善きタイミングで開豁地を横切り敵陣に殺到し白兵戦に持ち込む。その間に反対側の防御陣より射撃が加えられたが第一波はそれを織り込み済み。第一波は大きな戦果を挙げられなかったが第二波が殺到するとRPGなどのパンチ力のある部隊も含まれているので米軍左翼を崩し始めた。
これが決定打となりベトコンの勝利となった。
LZ ARBANY(MW誌#24)
ベトナム戦争続きで次はModern War誌のイア・ドラン渓谷のLZアルバニーを巡るヘリ騎兵と北ベトナム軍との攻防戦を扱う。
先ほどプレイした'65と同じく1965年の戦いだ。
本ゲームはゲームマーケットで安売りしていたのを見つけて購入したのだけどマップの素っ気なさとBGGでもそんなに評価が高くないのでそのまま放置されていた。
プレイはまたまた筆者が北ベトナム軍を担当した。今回も捜索する米軍に待ち伏せしたかのように散在する北ベトナム軍の攻撃を扱っている。
果たして熱戦の末に米軍が北ベトナム軍を退けるのか、あるいは兵力に任せて押しまくる北ベトナム軍が勝利するのか。
LZアルバニーに通ずる道に展開する米軍は身の振り方に悩みを抱えていた。打って出るかこのまま引きこもるかだった。
北ベトナム軍としては攻めざるを得ないので果たしてどんな方針をとるのか興味深いところであったがちょっと気になるのが遠隔地より放たれる砲撃の効果だった。
米軍は地歩を広げるためにやや前進したがこの場所が北ベトナム軍のクロスファイヤを受ける地点であった。北ベトナム軍は迫撃砲であるとか直接攻撃を含め数派に渡る攻撃で双方出血多量となったが、最後に立っていたのは北ベトナム軍だった。
さらに北ベトナム軍の迂回部隊が脆弱な箇所に攻撃し出すと米軍は完全な包囲、あるいは撃破が見えてきたのでここらでお開きにした。
今回も大いに楽しんだ。前者のゲームはカードテキストの方にバリエーションがあることが発見されたのでもう一回見直さなければならないとしても初めて対人戦をプレイした感触として面白いゲームだなあと思った。これは対戦者の紙氏も同じようだったようだ。次回はハードスキン系が出てくるシナリオに挑戦する予定だ。
後者はややクラッシュ気味で終えてしまったので再戦があるかはわからないけどイア・ドラン渓谷の戦いは他のゲームにもあるのでそちらの方に火が付いてしまった次第だ。
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